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逃した機会に笑って一礼する
ズル賢く世の中を渡るのは諦めた
芸者が宴席で、最初に三味線を弾きながら歌う祝儀の歌を一人で歌えば
聞いているのは母子草(ハハコグサ)ばかり
つらいことや悲しいことを忘れ空語り
出入り口の腰掛けで
どこぞの偉い人に呼ばれているわけでもないのに
道を行く人は皆急いでいる
九段坂から見渡してみても
賢く生きるのは難しい
下駄の音が消え、知らない歌が聞こえる
小陰のタンポポも身動きした
ぼんやりしている間に世の中は変わり
川岸にたたずむけれど
こんな私のようなどこぞの娘には目もくれず
道行く人は皆急いでいる
つらいことや悲しいことを忘れて空語り
出入り口の腰掛けで
どこぞの偉い人に呼ばれているわけでもないのに
道行く人は皆急いでいる
晴れてこんなに日が柔らかく、穏やかな春の日を愛でながら
春の風は袖を引いて私を誘う
むなしくうつろうこの世は
深く水をたたえた淵なのか、流れが浅く歩いて渡れる浅瀬なのか
この世は水面に映って輝き不確かに花のように揺れる
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