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    <title>メリーたんに萌えるスレ@Wiki</title>
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    <description>メリーたんに萌えるスレ@Wiki</description>

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    <dc:date>2012-01-28T00:52:53+09:00</dc:date>

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    <title>SSその3</title>
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    <description>
      *SSその３
&gt;初代スレ 737-740
&gt;作：737 名前： 1/3 ID:OK7OqLOs

&gt;「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」 
&gt;なんてことだ・・・友達に乗せられて呪いの電話とかに電話したばっかりにこんなことになるなんて 
&gt;案の定さっきから電話が鳴り止まない・・・ 
&gt;「私メリーさん。今あなたｎ」ｶﾞﾁｬﾝ! 
&gt;とりあえず電話を切った　臭いものに蓋だがなにもしないよりはマシだろう 
&gt;さてどうするか・・・この状態でこの呪いから逃れるすべはない！このままだと呪い殺されるー！ 
&gt;「私メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの」 
&gt;……律儀な幽霊もいるもんだな　わざわざ同じ言葉を言ってくれるとは・・ 
&gt;ってか今の電話取っちゃったから次で俺の後ろに来るんじゃねえの！？ 
&gt;い、いやだ！まだ死にたくねーよ！ギャー！ 
&gt;ﾎﾞｿｯ「・・うるさい」 
&gt;え？今どこからか声が聞こえたような・・・？「だからうるさいって・・あっ！」 
&gt;え？え？なに今の声！？誰だよ！？ 
&gt;「私・・メリーさん・・今あなたのうしろにいるの」 
&gt;今のメリーさんかよ！ていうか反応しちゃったよ！俺死ぬの！うわあああああ！ 
&gt;「だからうるさいってば！あんたが後ろさえ向かなきゃ死なないから安心しなさい。」 
&gt;そ、そうなのか？「あたりまえじゃない。あんたそれぐらい調べておきなさいよ」 
&gt;は、はぁ・・・「さて、じゃ後ろ向いてくれる？早く終わらせたいからさ。」 
&gt;だが断る「え、えぇ！？」 
&gt;この○○○の好きな事はッ！自分が強いと思ってる奴に対してNOと言ってやることだ・・・ 
&gt;ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ「ちょ、それはないんじゃない！？仮にも女の子が、絶対にモテそ
&gt;うにないあんたにに頼んでるのよ！？」 
&gt;幽霊にまでこんな扱い・・・やってられるかよ・・・ 
&gt;「だから早くこっち向きなさいよ！は・や・く！」 
&gt;えっと、こういう時はどうすればいいんだ・・・そうだ！あれしかない！ 
&gt;そう言うと俺はおもむろに服を脱ぎ、あっという間に全裸になった 
&gt;「ふぇっ！？」当然驚くメリーさん　まあ後ろ向けないからどうなってるかわかんないけど 
&gt;そして止めにある行動を起こした　 
&gt;その行動とは・・・全裸状態で白目を向きつつベッドを往復し 
&gt;「びっくりするほどユートピア！びっくりするほどユートピア！」 
&gt;これをひたすら言い続けた 
&gt;ど、どうだメリーさん！　これが今の俺に出来る唯一の幽霊撃退方だ！ 
&gt;「うっ・・・ﾋｯ・・ﾋｯｸ・・ヮァーン！！」 
&gt;えっと・・・とりあえずゴメｎ「謝るぐらいなら最初からしないでよっ！！ｳｯ･･･ｸﾞｽｯ｣ 
&gt;わかった！本当にゴメン！謝るからさ・・・とにかく泣き止んでくれないか？ 
&gt;「わかったわよ・・・ｸﾞｽｯ　もういいわ・・あんたのことは殺さない」 
&gt;……え？ 
&gt;「殺さないって言ったのよ。だからこっち向きなさい」 
&gt;俺はなんのためらいもなくメリーさんの方に向き直った 
&gt;とても可愛い子だった　黒のドレスに白いフリルがついた可愛らしい服　それに似合う金髪の綺麗なポニーテール 
&gt;まだ12～13歳であろう　俺の娘と言われても十分通用しそうな年齢だ 
&gt;「じゃ、まずは自己紹介して。あたしはメリー・・ってもう知ってるわね？　あなたのことを教えて。」 
&gt;○○○、ただのしがない男です「そう、わかったわ　・・じゃあとりあえずここに住まわせてもわうわね」 
&gt;はい？「問答無用。あなたを殺さないと私は帰れないのよ。あっちの世界にね」 
&gt;はあ・・・「そういう分けであたしはあなたの後ろから離れられない。だからここに住む。いいわね？」 
&gt;わかりました　どうぞご自由に 
&gt;「そんなわけでまずはパン買ってきて。」 
&gt;パシリですか。「今すぐ呪い殺されたい？」今すぐ行ってきます 
&gt;「あと・・ジョジョ63巻もね。なんであんたン家これだけないのよ」買い忘れです 
&gt;そんな感じで俺が死ぬまでこの子、もとい【パシリ娘】は俺と一緒、いや一生いるそうです。 
&gt;相変わらず辛い毎日ですが何とか生き残ってます 
&gt;「コラ！こんな所で油売ってないで早く行くわよ！」 
&gt;わかってるよ！ったく・・・メリーさんめ・・・今行くよ！ 
&gt;
&gt;
&gt;
&gt;
&gt;HAPPY END? 
&gt;

&gt;絵保管庫に、ユートピアしてる挿絵が置いてあります。

&gt;以降の作品
&gt;vip『もしもし私メリーという者ですが…』スレ
&gt;作： ◆Rei..HLfH.  名前：名無しにかわり(ry

&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;pi 
&gt;「もしもし？」 
&gt;「メリーよ、今あなたどこにいるの？」 
&gt;「ん、ちょうど商店街出たところだ」 
&gt;「すぐに引き返しなさい。スーパーでチョコスナックが安くなってるの」 
&gt;「何ぃ?僕の持ってる金は、買い物に頼まれた分だぞ」 
&gt;「自費で買ってきなさい。それくらい持ってるでしょ。にーきゅっぱよ」 
&gt;「いや、そういう意味じゃなくて!」 
&gt;「頼んだわよ　ﾌﾞﾂ…　ﾌﾟｰ…ﾌﾟｰ…ﾌﾟｰ…」 
&gt;「…まったく、…僕の分も買っとくか」 
&gt;
&gt;「298円…あ、これか2つっと、よし会計っと」
&gt;「む…プリン3パック200円…」
&gt;
&gt;
&gt;「ただいまー」
&gt;「隆一!!もう一回さっきのスーパー行ってくるのよ!!」
&gt;「えぇ!?なんで!!」
&gt;「プリンも特売だったのよ!!早く行きなさい!!」
&gt;「あぁ、これか？」（プリンを見せる）
&gt;「あ、そうそう、これ!よく気付いたわね」
&gt;「まぁ、メリーの好きそうなのだったからね」
&gt;「……そ、それどういう意味よ…」
&gt;「う…(甘い物好きで悪かったわねとか言われる!?)…すまん、なんでもない!!」
&gt;「な、何で謝るのよ…まったく…」

&gt;メリーの居る生活から日常風景。長さが長さだから、こっちに放置
&gt;お菓子買うところで咲も登場させようと思ったが、本編並みに長くなりそうなので却下。
&gt;このSSを本編でそのまま使おうとたくらんでみる。



&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 

&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;「はいよ、もしもし？」 
&gt;「私メリーさん…ねぇ、あなた『メリーさんの電話』って信じてる？」 
&gt;「ん？俺は目に見えて触れる物意外は信じないようにしてるんだ」 
&gt;「私メリーさん。それじゃあ、あなたの所に行けば、信じてもらえる？」 
&gt;「そうだな。今日はもう遅いから、また明日にでも電話かけなおしてくれ」 
&gt;「私メリーさん。いやよ。今からあなたの所に行くわ」 
&gt;「まいったな。部屋も散らかってるし、お茶も切らしてるから、大したもてなしは出来ないぞ？」 
&gt;「私メリーさん。いいの、あなたに会いに行くだけだから」 
&gt;「そうか、それじゃあ来てくれてもかまわん。いつでも来い」 
&gt;「私メリーさん。今あなたの部屋の玄関前にいるわ」 
&gt;「鍵はさっき開けておいた。さっさと入ってくれ」 
&gt;ｶﾞﾁｬ… 
&gt;「もう受話器は置いていいか？」 
&gt;「私メリーさん。これであなたは私の存在を信じてくれる？」 
&gt;「落ち着け、まだお前さんに触れてない…ちょっと頭を垂れろ」 
&gt;ナデナデナデナデ… 
&gt;「私メリーさん。今度こそ信じてくれた？」 
&gt;「そうだな。最後の確認に電話じゃなくて直接お前さんと会話したいな」 
&gt;「私メリーさん。…それで本当に信じてくれるの？」 
&gt;「ああ、最後の確認だ。それで俺も受話器を置ける」 
&gt;「私メリーさん。…わかった。これで最後」 
&gt;ツーツーツーツー… 
&gt;ｶﾞﾁｬﾝ 
&gt;
&gt;
&gt;
&gt;ネタ切れた（´A｀） 

&gt;書いてたスレで、『笑顔で消えていくってので脳内完結した』と言うレスがつく。
&gt;↓これでいいか。
&gt;
&gt;「私メリーさん。頭なでられたの久しぶり…」
&gt;「…ん？あれ？」
&gt;俺が受話器を置いた。…振り向けない。
&gt;「私メリーさん。私を信じてくれてありがとう…バイバイ」
&gt;後ろにいた気配が、遠ざかっていく。…帰ったらしい。
&gt;「ったく…まだ最後の確認があるって言ったろうに…おっちょこちょいな奴だ…」
&gt;去り際、顔は見れなかったが。彼女が笑って別れを告げていたのは感覚で解った。
&gt;この胸のモヤモヤ、確かにあいつは存在する。あいつが存在する事を俺は信じている。
&gt;「…部屋、片付けておくか。明日お茶も買っておこう…」
&gt;今度は、もてなしが出来るように。その小さな客人の笑顔が見れるように。

&gt;長（´A｀）


&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;「もしもし」 
&gt;「私メリー。今日あなたの家に泊めてくれない？」 
&gt;「えらく単刀直入だな、ダメに決まってるだろ。その前に誰だよ」 
&gt;「さっきメリーって言ったじゃない。おつむ足りてる？」 
&gt;「やかましい。そもそも何で俺なんだ。何で電話番号知ってるんだ」 
&gt;「電話番号見たからに決まってるじゃない」 
&gt;「ど、どこで!?」 
&gt;「さっき、あなたの家で」 
&gt;「………ど、どういうことだ？」 
&gt;「はぁ…、本当におつむが足りないようね。つまりね…」 
&gt;「…………」 
&gt;「今あなたの後ろで電話をかけてるのよ」 


&gt;「次は誰の家に行こうかな～♪(適当に電話番号を入力)」 
&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;「はいもしもし」 
&gt;「私メｒ」 
&gt;「ん、もしもしー？音でかいな…(もっていーけ最後に笑っちゃうのはあたしのはずー)」 
&gt;「ごめんなさい、間違えました」 
&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;
&gt;「失敗失敗。今度は違う番号で…」 
&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;ｶﾁｬ 
&gt;「もしもし」 
&gt;「わｔ」 
&gt;「……？(私のニーソックスかえーしてよね)」 
&gt;「間違えました。ごめんなさい。」 
&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;
&gt;
&gt;くッ…!!オリコン2位め……!! 


&gt;「もしもし、私メリーさん」 
&gt;「な、なんで俺の携帯の電話番号知ってるんだ!!」 
&gt;「個人情報流出してるわよ」 
&gt;「うぞッ！？」 


&gt;「もしもし、私メリーさん」 
&gt;「んー…もひもしぃ…」 
&gt;「？あれ…。もしもしー？」 
&gt;「ぐぅ…」 
&gt;「寝てる!?昼過ぎなのに!?」 
&gt;「もしもーし!!おきなさーい!!」 
&gt;「……………」 
&gt;「返事が無い、ただの夜型人間のようだ」 
&gt;「…………ｸｼｭ…」 
&gt;「くしゃみまでして、まったく…。今あなたの家まで行ってあげるわ、待ってなさい」 



&gt;メリーの趣味… 
&gt;それは、携帯電話のストラップ集めである。 
&gt;
&gt;無造作に電話をかけたターゲットに忍び寄り、持っている黒電話で相手を殴打した後、 
&gt;ターゲットの持っている携帯電話からストラップを一つ失敬していくのだ。 
&gt;
&gt;手に入れたストラップは、プライベート用として使用している携帯電話に付けており、 
&gt;今月初めに、おかげさまで本体の6倍の量になったと本人は語る。 
&gt;
&gt;
&gt;余談だが、ターゲットの携帯電話にストラップを付けていなかった場合、 
&gt;腹いせにその携帯の待ち受け壁紙と着信音などを、恥ずかしい物に変更していくらしい。 


&gt;「私メリー。今かｒ」 
&gt;「嫌だ。来るな。他所いけ」 
&gt;「な、何よ!!言ってみただけじゃない!!」 
&gt;「そうか、なら電話を切るぞ。今忙しい(ネトゲで)」 
&gt;「う～…人でなし～…」 
&gt;「言ってろ」 
&gt;「寒いな～…外で寝たら風邪引いちゃうかな～…」 
&gt;「あぁ、そうかい。焚き火でもすればいい」 
&gt;「お巡りさんに補導されちゃうかな～…身分証明書もないし、どうなっちゃうかな～…」 
&gt;「…………」 
&gt;「お金も無いし…お腹すいたな…」 
&gt;「……し、知らん」 
&gt;「知らないおじちゃんに無理矢理ナニかされちゃうかも…」 
&gt;「………負けたよ。今から来い。インスタントでいいならラーメンくれてやる」 
&gt;「残念でした!!私メリー。あなたの後ろにずっと居たの♪」 


&gt;「つ…疲れた…風呂も入る気起きない…。ね、寝よう…」 
&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;「誰だ…クソ…(ｶﾞﾁｬ)もしもし、どちら様？」 
&gt;「私メリーさん、今あなたの部屋の前にいるの」 
&gt;「…誰だか知らんが、眠いんだ」 
&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;「布団にダーイブ…(ボフン)」 
&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;「…しつこいな。（ｶﾞﾁｬ）もしもし…」 
&gt;「私メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの」 
&gt;「あぁ、そうかい。もう勝手にしてくれ」 
&gt;ｶﾞﾁｬ 
&gt;ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ… 
&gt;「……………(ｶﾞﾁｬ)はい…」 
&gt;「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」 
&gt;「そうか、ついでだからマッサージ頼めるかな？見ての通りクタクタなんだ」 
&gt;「え…？え？」 
&gt;「適当な指圧でいいからさ…頼む…」 
&gt;「あ、はい…」 
&gt;
&gt;モミモミ… 
&gt;グッグッ… 
&gt;
&gt;「あ～…気持ちいい…」 
&gt;「(私何やってんるんだろ…)」 


&gt;とある青年の日記 
&gt;
&gt;さて、困ったことが起きた。 
&gt;年中人と関わり合いを持たないように生きてきた俺に、妙なツレができた。 
&gt;いや、勝手に付いて来てるという表現が正しい。 
&gt;だが、妙なんだ。 
&gt;
&gt;彼女(何故女なのかは後で書く)は、いつからだか、俺の後ろにピッタリと付き添うように歩いているようで、 
&gt;彼女を見るために後ろを振り向こうとすると、意思に反して、身体が勝手に前を向いてしまう。 
&gt;だが気配はする。後ろに何かがいるのは間違いない。 
&gt;
&gt;おそらく、以前電話をかけてきた「メリー」と名乗る少女だろうと俺は睨んでいる。 
&gt;幼い声でシドロモドロに自分の居場所を伝えてきたかと思えば、しまいには俺の後ろにいるとか抜かした。 
&gt;無論俺がそんなことを信じる事も無く、3日程、なんの支障も無く過ごしてきた 
&gt;だが、昨日になって、冷蔵庫に閉まっていた晩飯の残りがなくなってたり、 
&gt;電子レンジが何者かに使われてたり、 
&gt;明らかに誰かが皿を使った名残があった。 (洗えよ…)
&gt;
&gt;流し台が高い場所についてる事もあり、使えなかったと仮定すると、相当小さいネズミらしい。 
&gt;そして、確証が付いたのはその日の晩だった。 
&gt;
&gt;地上波初放送とのこともあり、見たかったサスペンスホラーを見ていた時の事だ。 
&gt;内容は子供だましで、地雷といっちゃあ地雷だったが、 
&gt;問題は後ろから一々息を飲む音や、小さな悲鳴が聞こえていた事だ。 
&gt;考えてみれば、この状態は失禁出来るのに充分な環境だったのだが、あまりにも素直な反応があり、 
&gt;俺は初めてサスペンスホラーを見ながら和んだ。 
&gt;
&gt;
&gt;大学を出てから、自分から話をかけたことは無かったが、 
&gt;後ろにいる彼女からも、自分から声をかけるつもりは無いらしい。 
&gt;明日、朝になったら数ヶ月ぶりに会話を持ちかけてみよう。 
&gt;
&gt;何が望みなのか。 
&gt;なぜ俺に付きまとうのか。 
&gt;なぜ姿を見せないのか。 
&gt;
&gt;色々聞きたいが、まずはこう聞こう。 
&gt;
&gt;朝飯、何食いたい？ 


&gt;「もしもし、私メリー。今あなたの住んでる町に着いたわ」 
&gt;「もしもし、私メリー。今あなたの家の近所にいるわ」 
&gt;「もしもし、私メリー。今あなたの家の近くにいるわ…」 
&gt;「もしもし、私メリー。あなたの家って何か特徴ない？」 
&gt;「もしもし、私メリー。ちょっとー…ここどこなのよー…」 
&gt;「ｸﾞｽ…もし…もし…、わた、私メリー。暗くてどこかわからないよ～…(泣)」 


&gt;「もしもし、どちらさん？」 
&gt;「私メリーさん。今あなたｎ」 
&gt;『い～しや～きいもおおおおおぉう!!』 
&gt;「何？聞こえなかった、ワンスアゲイン」 
&gt;「私めｒ…」 
&gt;『あまくてええ!!あ、おいしいいいぃいゆぁあああ…ｺﾞｯ!!…ｶﾞｧﾊｯ!!……』 
&gt;「私メリー、今あなたの家の近くにいるの」 
&gt;「……やきいも、2本買ってきてくれ」 
&gt;「うん、わかった♪」 


&gt;「私メリー。電車を乗り間違えたの。どうしよう」 
&gt;「次の駅で降りとけ。乗る電車は駅員さんに聞くんだ」 
&gt;「私メリー。この電車、快速って書いてあるの」 
&gt;「次で絶対下りろ。えらい事になるぞ」 
&gt;
&gt;～数十分後～ 
&gt;
&gt;「私メリー。電車の中で寝ちゃったの…」 


&gt;「私メリー。今あなたの家の近所にいるの」 
&gt;「そうか」 
&gt;「私メリー。今あなたの家の前にいるの」 
&gt;「あぁ、俺の目の前にいるな」 
&gt;「私メリー。…どうして家の中にいないの？」 
&gt;「鍵を忘れたんだ…」 


&gt;「私メリー。今あなたの後ろにいるわ」 
&gt;「とうとう来たか…」 
&gt;「私メリー。さぁ、はやく後ろを向きなさい」 
&gt;「嫌だね、お前の顔なんぞ見たくもない」 
&gt;「……………え？今なんて…」 
&gt;「そのまんまの意味だ」 
&gt;「……ｸﾞｽｯ…ひどいよ…まだ何もしてないのに…」 
&gt;「ふん」 
&gt;「ねぇ、後ろ向いてよー…ねぇー」 
&gt;「くどい」 
&gt;「…ﾋｯｸ…う、うああああああーん!!」 
&gt;「(げ!?泣いた!?)」 
&gt;「どうして？どうして何もしてないのにメリーを嫌うの!!どうしてよー!!」 
&gt;「(あー…やかましい…)」 


&gt;「私メリー。今あなたの後ろにいるの」 
&gt;「そうかい。今勉強中だから、静かにしてくれ」 
&gt;「…………うん」 
&gt;「……………………」 
&gt;「……あ、そこ違う」 
&gt;「え、どこ？」 
&gt;「問3の2　XとYが逆」 
&gt;「あ、本当だ」 
&gt;「それと2問飛ばした先の問題。頭から間違ってる」 
&gt;「ぐは…」 
&gt;「鳥頭」 
&gt;「やかましい」 
&gt;「教えてあげよっか？」 
&gt;「…はい、お願いします」 
&gt;「授業料取るわよ」 
&gt;「あんさん鬼や」 
&gt;「いい大学行きたいんでしょ?」 
&gt;「うぅ…」 
&gt;「授業料は…そうね」 
&gt;「…………」 
&gt;「あなたがいい大学出て、将来性のある企業に就職して、私を何不自由なく養うとういのはどう？」 
&gt;「……何?」 
&gt;「はい　か　いいえで答えなさい!!質問は禁止よ」 
&gt;「…はい。約束する。絶対いい大学行く」 
&gt;「フフ…決まりね。……問4の問題半分近く間違ってる」 
&gt;「ぎゃあ」 
&gt;「…大学行く気あるの？」 


*拍手っぽいもの（感想やら）
- 電話番号教えろよ?  -- 大樹  (2011-02-16 16:02:52)
- アヒヒ  -- いんちゃん  (2011-10-08 20:15:02)
- おもれかった  -- メリー  (2012-01-28 00:52:53)
#comment    </description>
    <dc:date>2012-01-28T00:52:53+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/62.html">
    <title>メリーの居る生活　クリスマス特別編 (2011年版)</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/62.html</link>
    <description>
      *メリーの居る生活　クリスマス特別編 (2011年版)

&gt;お久しぶりです。年末恒例のアレを書かせていただきました。
&gt;いろいろな事情で駆け足で文章におかしな点が多々ありますが、楽しんでいただければ幸いです。

&amp;color(Black){スケジュール的に書ききれませんでしたが、後編なるものもあります。書けたらいいなぁと思ってます。ｷﾀｲｼﾅｲﾃﾞﾈ}

----

「アルバイト？」
「そうだ。店の前でクリスマスケーキを売るだけの簡単なお仕事。時給もいいらしいぞ？」

クリスマスを目前に控えた夕方、僕はメリーにアルバイトの話を持ちかけた。さっきまでマンガを読んでいたメリーは怪訝な表情をうかべている。

「何で私がそんな事しなきゃいけないのよ。こんな寒い時期に、外に立ってケーキを売るなんて馬鹿げてるわ」
「でもケーキ好きだろ？」
「ケーキを食べるのは好きだけど、売るのはイヤ」

メリーはこれ以上話しかけるなの体で読書を再開した。ただ押すだけでは流石に食いつかないか。だがこれならどうだ。

「ここのお菓子屋は売れ残ったケーキは貰えるって有名なんだぜ？」
「え？」
「ケーキをホールでお持ち帰りなんだけどなー。給料まで貰えてケーキも付いてくるんだけどなー。いい条件だと思ったんだが、メリーがやらないなら他を当たるか……」

わざとらしくため息を付きながら部屋を出ようとすると、メリーは慌てて僕を引き止める。

「ま、待ちなさい！」

振り向くと、心なしか目を輝かせたメリーがすぐ後ろに立っていた。

「そのアルバイト……、考えてあげなくもないわよ？」


翌日。一昨日から続く大寒波が今日も猛威を奮っていた。僕はおばあちゃんに頼まれてメリーをお菓子屋に案内している。
メリーはお菓子屋に着くまで寒そうにしていたが、『ケーキのため』と自分にまるで暗示をかけるように言い聞かせていた。

「ここがバイト先だ。おばあちゃんはこっちにはあんまり来ないから、ここ入ったことないだろ？」
「そうね。見たところ普通のお菓子屋ね。……あら、中に居るのは瞳？」
「ああ、メリー一人じゃ大変だから瞳にも頼んだんだ。寒いしさっさと入ろう。こんちわー」

お菓子屋に入り、店の奥に聞こえるように大きめな声で挨拶をする。

「……メリー。おはよう」
「おはよ。意外ね瞳がこういうことするの」
「……時給がいいから」

瞳はダメもとで誘っていたんだが、最近発売されたハードのための資金を貯めたいとかで、すんなりと承諾してくれた。
メリーと瞳が話をしてると、厨房から肩幅の広いパティシエがパタパタと小走りでこちらに向かってきた。内股で。

「あらぁん、待ってたわよ！ 隆ちゃん！ ごめんね～、変なこと頼んじゃって！」
「これくらいお安い御用っすよ三船さん」
「やーね！ みっふぃーって呼んでよ！ ほーらっ！」
「お断りっす」

三船さんはくねくねしながら僕を突付いてくる。この人とは昔短期バイトで世話になって知り合った。
見た目は体育会系のお兄さんだが、心は『僕のお姉さん』らしい。どうにも僕は気に入られているらしく、今でも店が忙しい時期にはたまにヘルプを頼まれたりしている。

「あら、冷たい。隆ちゃん冬将軍より冷たい！ 私凍えちゃう！」
「是非凍えてください」
「いやぁん、暖めてぇ！ 隆ちゃんのぬくもりをちょうだーい！」
「直訴も辞さない」

執拗なセクハラを回避しながら、メリーと瞳に三船さんを紹介する。
紹介している間も三船さんのセクハラ攻撃は続いたが、メリーの特訓の成果が発揮できた。

「それじゃあ、僕は行くよ。三船さん、二人をお願いします。メリーも瞳も、三船さんの言う事はきちんと聞くんだぞ？」
「分かってるわよ。さっさと行きなさい」

紹介が済んだ頃には開店の時間が近づいていた。もう店の準備に取り掛からないといけないし、邪魔になると悪いから僕は店を出る事にした。


隆一が出て行くと、早速みっふぃーが私たちを店の中に手招いた。瞳と一緒に店の奥に入って行くと、休憩室のような部屋に着いた。

「今日二人にやってもらうお仕事は、もう聞いちゃってると思うけどケーキを売ってもらうことね。でもでも、今貴女たちが着てる服はちょっち暗めだからぁ、……あら、ごめんなさいね。馬鹿にしてるわけじゃないの。私は黒い色も好きよ？ 危険なオンナって感じがね？」

ダンボールの山を荒々しくどかして、その中から一着の服を取り出した。

「今の時期は真っ黒より、この色よね。ささ、メリーちゃんはこれに着替えちゃって！ きっとサイズもピッタリよ！」
「は、はぁ……」
「それでそれで、瞳ちゃんは……あらやだ、もう一着どこにやったかしら。あ、そうだわ！ 瞳ちゃんはスレンダーだし男の子用でも着れるかしら？ ねえ？」
「……」

私と瞳は、みっふぃーに赤と白のツートンカラーの服を押し付けられた。
服を渡し終えたみっふぃーは「更衣室は無いからこの部屋で着替えてね」と言い残して出て行ってしまった。

「なんだか、別の意味で疲れそうね……」

隆一の言ったとおり、みっふぃーは悪い人間じゃないというのは何となく理解できた。けど、この調子でいられると疲れてしまいそうだ。

「……メリー、着替えないの？」

瞳のほうを見ると、服を脱ぎ始めていた。私も覚悟を決めてみっふぃーに渡された服に着替える事にした。

「あらん！ 似合ってるわよ二人とも！ ねえねえ、写真撮っていい？」
「ははは……」
「……」

休憩室から出ると、厨房では慌しく内股でキッチンを走り回るみっふぃーがいた。みっふぃーは私たちを見つけるなり感嘆の声を上げて駆け寄ってきた。
私達が今着ているコスチュームは、サンタさんを模した赤と白の衣装だ。みっふぃーいわく『サンタガール』というらしい。
私と瞳とほとんど同じ服だけどボトムスが別々になっていて、私はミニスカートだけど、瞳は男性用の長ズボンだった。瞳は衣類と一緒に付いていた付け髭もしている。アゴから下げた髭が可笑しいけれど、本人は顔が隠れていた方が落ち着くそうだ。

「素敵なサンタさんが二人も、私のお店の前に居てくれるなんて感激だわ！ もうケーキの売り上げなんてどうでもいいっ！」
「え!? でも売らないと……」
「……」
「あらやだ、私ったら！ せっかく来てもらったのに売れなきゃ楽しくないわよねー」

大丈夫かな、この人。


「瞳ちゃんは会計担当で、メリーちゃんはお客さんの呼び込みとケーキ運び係。いいわね？」
「はい」
「お会計はちょっとややこしいから、渡されたお金はお店に持ってきてくれればいいわ。私がお釣りを渡すから、それを瞳ちゃんがお客さんに返すの」
「……はい」
「それじゃ、どんどんケーキを作って、どんどん売るわよ！えいえいおー！」
「お、おー……」
「……おー」

みっふぃーから説明を受けて店の前で最後の確認を取り終わった。
みっふぃーは「忙しくなるわよー！」と意気込んで店の中に入って行ってしまった。瞳と二人きりになった所で寒空の下でのアルバイトが始まったと実感した。
呼び込みも始めていない棒立ちの私たちを早速、北風が襲った。

「やっぱり寒いわ……。瞳は長ズボンでいいわね。」
「……でも、メリーの服は可愛い。短いスカートもいいと思う」
「え!? あ、ありがと……」

それからしばらく店の前で立っていたけど、前を横切って行く人は私たちを横目で見て行っても、誰一人も買いにきてくれなかった。

「ねえ、瞳？これって呼び込みしなきゃダメなんじゃないかな？」
「……そうかもしれない」

お昼前だけあって、人通りはそんなに多くないからかも知れないけど、このままだと夕方まで売れなさそうだった。ケーキが余るのは期待してるけど、大量に売れ残るのは面白くない。

「瞳は呼び込みとか得意？」
「……」

聞くまでもないでしょ？ という目で瞳はこちらを見ていた。みっふぃーに言われたとおり私が行くしかないみたい。


「クリスマスケーキいかがですかー？」

私はカウンターから出て道の前で呼び込みを始めた。少しずつだけどお菓子屋と私に注目が集まってきたと思った。

「すいません。ケーキおいくらですか？」
「……え？ あ、はい」

呼び込みを初めて少し経った頃、若いお姉さんが瞳に話しかけてくれた。初めてのお客さんに瞳は驚いていた。

「……サイズ、4号と5号と6号がある……ます。4と5は5人前くらい、6は6人前以上」

みっふぃーに教わったとおりにたどたどしい敬語でケーキのサイズを案内している。何だか新鮮で面白い。

「4をー……、あ、やっぱり5号ください」
「……1500円です」
「はい」
「……お待ちください」

そう言って瞳は店の中に入っていくと、すぐにケーキの入った箱とお釣りを持って出てきた。店の中を覗くとみっふぃーが満面の笑みでこちらの様子を伺っている。お客さんが来たのを察知して準備していたようだ。

「……ケーキ5号とお釣り500円」
「うわ、大きい……。あ、はい、ありがとうございます」
「……あ、ありがとうございました」

すれ違い様に「見栄張りすぎたかな……」と呟いた初めてのお客さんを見送ると、私は瞳に駆け寄った。

「どうだった？ 瞳？」
「……宝箱を開けたらワープの罠を引いた時くらい驚いた」
「へ？」
「……とても驚いた」

満更でもないという表情をしながら、瞳は深呼吸をした。

「……メリー、どんどん売ろう。この調子」
「そうね。ケーキが売り切れない程度に頑張りましょう！」

私と瞳はお互いに頷くと、私は呼び込みに戻った。


ゲーセンで一勝負終えて出ると空は赤みかかっていた。まだ4時前なのに冬は日の足が速い。
火照った顔を外の冷気が一気に冷やしてくれる。深呼吸をすると肺に冷たい空気が流れ込んで心地よかった。

「アルバイトか。ふむ、年末は稼ぎ時だからな。いい経験だ」

僕に続いて、俊二と咲もゲーセンから出てきた。

「瞳も三船さんもいるから任せれると思ったんだけど……」
「うむ、全員まともじゃないな」

俊二の隣で咲が苦笑いして言う。

「まともじゃないって……、瞳さんはともかく三船さんは大丈夫でしょ？」

さり気なく瞳に対して失礼な事を言っているが、咲本人は気付いていない。当事者がこの場いないから僕と俊二も聞き流す。

「つまりあの店は今モンスターハウスになっているわけだな？ それは見ものだな」
「ケーキも売ってるモンスターハウスだな」
「ケーキはおまけなんだ……」

今日僕がわざわざ寒い中、外に出てきたのは俊二とゲーセンで『クリスマス聖戦 ～世間の波に抗え戦士達～』と題して、クリスマスにスカスカになるゲーセンで待ち時間に影響されないゲームライフを送ろうとやってきたのだ。クリスマスはプライズゲーやプリクラは込み合うが、ビデオゲームフロアはいつも以上に閑散とする。そこに僕らは目をつけた。
ちなみにここにいる咲は友達とそのプリクラを撮りに来た所を、僕の到着を待っていた俊二に見つかったらしい。
そして二人はアルバイトをしているメリーの様子を見に行くと聞いて付いてくることにしたそうだ。

「だからって、咲まで付き合わなくてもいいんだぞ？ せっかくのクリスマスなのに」
「だって友達も変に気を使って帰っちゃうし、帰っても結局一人だし、こっちの方がクリスマス満喫できるからいいよ」

満喫出来ているのか疑問だが、本人がいいと言っているならいいか。

「俺も三船さんに会うのは久しぶりだな。出来れば二度とお目に掛かりたくはなかったが」
「お前もだ。なんで付いてくるんだ」
「面白そうだからな」

僕たちは一路メリーたちの働くモンスターハウス、もといお菓子屋に様子を見に向かった。


「おー、メリー頑張ってるな」
「あそこに立っているのは……、瞳か？」
「ほんとだ、メリー可愛いー！ あの付け髭してるのは瞳さん？ カーネルさんみたいに動かないね」

お菓子屋の近くまで来た僕たちは、一旦離れた場所から様子を伺うことにした。メリーは忙しなく動いているようにみえるが、成果は芳しくないらしい。たまに客が瞳に近づいて行くが、すぐに離れていってしまう。

「苦戦してるみたいだな」
「うむ、そろそろエンジンをかけないと売りきるのは難しかろうな」
「メリー疲れてないかな？ ほら、何か元気ないよ？」

咲の言うとおり、明らかにメリーはスタミナ切れを起こしていた。ずっとあの調子で動き回っていればメリーとはいえ疲れるのも当たり前か。

「ふむ、助け舟を出すか？ いや、これは愚問か。そのつもりで来たんだったな」

僕の肩を叩いて俊二はニヤニヤしながら言う。

「イラッと来るからそのしたり顔は止めろ。行くぞ」
「隆一君は何だかんだ言って過保護なんだからねー。私もだけど」
「俺もだ。困っている女子は見捨てておけん」
「お前さっき『面白そうだから』って言ってたよな」

メリーは僕たちに気が付くと一瞬顔をしかめて、すぐに瞳に駆け寄った。僕らがここに来るとは思っていなかったようだ。

「な、何しに来たのよ！」
「ちゃんとケーキが売れてるか見に来たんだよ。結構な大盛況ぶりじゃないか」
「うるさいわね。これから売り始めるのよ！」
「む？ それはいけないな。売れ始める夕方でこの状態では、スタートダッシュを損ねたか」
「……」
「ほら、隆一君も俊二君も真面目に！」
「え、俺今のは真面目に」

不機嫌そうな目で瞳がこちらを見ている。すこしからかいすぎたようだ。
それを見かねて咲が僕らをたしなめると、メリーの頭を優しく撫でて言う。

「私たちは手伝いに来たんだよ？ というか、私は隆一君が言い出したからついてきただけだけど。ケーキはこれから売ればきっと大丈夫。今度は私たちと頑張ろう？」

咲はまるでお姉さんのようになだめると、憤慨していたメリーは大人しくしたがった。

「う、うん……。ありがと」

咲がメリーがあやしている横で、僕と俊二は道行く人々を眺めながら話した。

「それじゃ、売るか？ どうせだ打点数でも競うか？」
「カウントが面倒だ。緩く行こうぜ？」
「……自信あるわね」

僕らの会話を聞いていた瞳が珍しく会話に入ってきた。

「去年と一昨年は僕らがここで売ってたからな。クリスマスシーズン以外でもやったし、経験は僕らの方が上だぜ？」
「今年はやらずに済むと思ったが、事情が事情だ。今一度この通りに大旋風を起こしてくれよう」
「……そう。期待してる」

瞳はもう話すことは話したという様子でさっきとまったく同じポジションで棒立ち状態に戻った。

「ところで瞳、今着てる服だけど、それってもしかして……」
「……？」
「あぁ、そうだな。去年隆一が着てた服だろ？」
「あ、やっぱり？」
「……！？」

いつもは感情を表に出さない瞳が、一瞬目を見開いた。俊二は見逃していたらしいが、僕とは目を合わせていたから見間違いではない。
そして瞳は顔を赤らめてうつむいてしまった。メリーと咲も瞳の異変に気が付き、近寄るが、瞳は大丈夫といって赤くなった顔を見せようとしなかった。

「さて、僕は三船さんに話しに行くけど、二人はどうする？ やるなら結構遅くまでになるけど」
「いまさらだな」
「メリーと頑張るよ！」
「よし。あ、そうだ瞳、付いてきてくれ」
「……？」

俊二と咲の返事を聞いて、僕は瞳を連れてお菓子屋に入った。

「三船さーん」
「あら、売れた？ ……って、隆ちゃ～ん！ 私に会いに来てくれたのね！ 嬉しいっ」

厨房から顔を出した三船さんは、僕を見るや否や、カウンターを飛び越えて向かってきた。

「それは絶対無い」
「あらぁん、残念。でもでもどうしたの？ 遊びに来てくれても、これから忙しくなるのよ？」
「サンタを三人追加ですよ。面接は僕の顔パスでいいですね？」

それを聞くと、三船さんは目に涙を溜めて僕と、何故か近くにいた瞳を抱きしめた。

「りゅうちゃああああああああああん！！だいすきいいいいん！！」
「いででで！大袈裟！大袈裟だから！」
「……なんで」

瞳も迷惑そうな目で僕を見ている。赤面は治ったようだ。

三船さんを落ち着かせると、僕はサンタコスチュームを受け取った。男性用は有り余っているそうだ。理由は深くは考えまい。

「でも女性用が無いと咲が着替えられないな……」
「ごめんねぇ。男の子用なら8歳から成人用まであるんだけど……」
「そこまで行くと気持ち悪いです」

三船さんいわく、他の女性用はどこにしまったか覚えておらず、瞳に男性用の服を着せているのもそのせいだと言っていた。

「仕方ないか……。よし、咲にも男性用を着せてもらうとして、メリーもズボンにしてくれますか？」
「あら、どうして？ メリーちゃん可愛いじゃない？」

僕に咲用のサンタコスチュームを渡しながら、三船さんが首を傾げる。

「考えがあるんですよ。主に男どもにケーキを買わせる秘策です。あ、先に俊二と僕が着替えるんで、呼んできますよ」
「もうお前の後ろにいるが」
「……それはメリーの役割だろうが」
「あら、俊ちゃんも来てくれたのね。助かるわぁ！」
「またお会いできて光栄です」

いつの間にか入ってきていた俊二は、三船にわざとらしくお辞儀をする。

「とりあえずお前はこれを着ろ。んでケーキ売れ」

俊二に服を渡して奥で着替えさせている間に僕はもう一度外に出て、咲とメリーを店の中に呼び込んだ。

「これ、咲のコスチューム。男用だけど多分着れるだろ？」
「大丈夫かな？」

服を広げて心配する咲を見ていた三船さんがフォローする。何が『大丈夫なのか』を察しての行動だろう。

「大丈夫よ、あなたお胸そんなに大きくないし、ゆったりした服だから安心して！」
「おむ―――ｯ！？ せ、セクハラですよ！？」
「あらん？」

三船さんは初対面の相手にも遠慮なしだ。そのせいで接客はままならないのも言うまでもない。

「さて、あとは瞳にサンタガールをやって欲しいんだけど、そのズボンはちょっとな……」
「サンタガールって？」

メリーが瞳を見ながら聞き返す。

「丁度メリーがその格好だな。瞳は人を惹きつける何かを持ってるから、効果があると思うんだけど」
「……」

それを聞いた瞳が顔を背ける。どうかしたのかと聞こうとしたが、メリーに遮られてしまった。

「でも昼間はそうでもなかったわよ？」
「そりゃ、瞳が髭もじゃになってるからだ。髭は外したほうがいいな」
「……ん」

瞳が付け髭をを外して僕に渡す。渡された髭を今度はメリーに渡す。

「私に渡してどうするのよ。……あ、そうだ。私のスカートを渡すのはどう？」
「え、メリーはどうするんだよ」
「オールオッケー。メリーちゃんのはけそうなズボンもあるわよ？」

そこに咲に追い詰められている三船さんがこっちを見てピースサインを作っている。

「話は終わってませんよ！！」
「も～！ だから女の子って野蛮だからキライｯ！！」
「――――！？ 言うに事欠いて野蛮とは……！！ ココで締め落としてくれましょうか！？」
「あ～れ～……！！」
「騒がしいな……って、小娘！ 何をしているか！？ 待て待て、咲それ以上はヤバいって！！」

早い所準備を済ませないと三船さんが締め落とされそうだ。
俊二も素に戻るほどの緊急事態が落ち着いたところで、瞳とメリーが興奮した咲を引き摺るような形で三人を更衣室兼休憩室に見送り、僕も店の隅で素早く着替えた。

俊二と二人で「この服を着るのも年中行事みたいになってるな」などと話していると、奥から着替えを終えた女性陣が出てきた。

「お待たせー」
「お、来たか。って、小さなサンタが出てきたな」
「小さいっていうな！」

最初に視界に入ったのはスカートから長ズボンにチェンジして、さらにさっきまで瞳が付けていた付け髭を装着したメリーだった。

「咲がこうすると余計似合うって言われた」
「ああ、なるほどね。似合う似合う」
「うむ。咲も考えたものだ。頭に血が上っていた人間の判断とは思えんな」
「もう、いいでしょ。そのことは忘れてよ！ ……へへ、どうかな、似合う？」

メリーに続いて咲も出てきた。男性用の服だからメリーや僕たちと同じものだ。

「かっこいいぜ。咲」
「うむ。悪くないな」
「何だか褒められてる気がしないのはなんでかしら？ メリーとお揃いだし、一緒に宣伝しようか？」
「別にいいよ？ あ、これって文化祭以来だね」

文化祭で二人が何をやっていたか知った事ではない。二人ではしゃいでいる咲の後ろからスッと音も無く瞳が出てきた。

「お、サンタガールのお出ましか」
「ほほぉ……、これは中々」
「……あんまり見ないで」

俊二が吟味するようにサンタガールに扮した瞳を眺める。じっくり眺めたくなるのも分かるが……。

「このように、立ってるだけで人を惹きつける魅力をもった瞳がいる。加えてウザいくらいに洞察力の優れた俊二がケーキを買ってくれそうな客を見つけて声を掛けるように指示する。そして宣伝用マスコットとしてサンタに扮したメリーが声をかけまくる。これで売れないわけが無いだろ！」

メリーたちに集まった全員に何かしらの強みがある。これを武器に一気に売りつけるのが僕の考えだ。

「あのー。隆一君、私は？」

先ほど名前を出されなかった咲が恐る恐る挙手して僕に訊く。

「あ、……メリーのサポートで」
「今『あ』って言った！？」
「言ってない言ってない。第一僕自身、何しようか考えてる所だし」
「否定してるのか認めてるのかどっちかにしてよ……。まぁ、私はメリーと一緒にいれるなら文句ないけど。あ、メリーちょっとお髭がずれてるよ」

メリーの付け髭の位置を調整している咲。それを瞳がチェックして言葉に出さないが頷いて返事をする。そして二人に挟まれてメリーは楽しそうに笑っている。
そんな三人を見ていた僕に俊二が語りかけてきた。

「うむ、全員の士気が高まったな。さすが場を取りまとめるのは得意だな」
「そうでもないさ。一人でも協力してくれなかったら僕じゃ手に余る。……きっとみんながメリーを中心に考えてくれてるから、上手く事が進むんだ」
「一人はあからさまに金目当てだと聞いたが？」
「瞳は……、あいつもメリーの事は気にかけてるんだよ。多分」
「……ふむ。ま、俺もメリーの事は他人とは思っていないし、お前の言う事は多分あってるだろうな。……そろそろ始めるか？」

俊二が時計を見る。僕も釣られて壁を見ると、時計の針は5時を回っていた。外も暗くなっている。

「そうだな。よし、みんな始めるぞ！」

僕の呼びかけに全員がこちらに注目する。ついでに今まで白目を向いて倒れていた三船さんも蘇った。

「サンタ軍団出動だ！」
「ふははは！ 貴様ら！ メリークリスマース！！」
「メリー！ 一緒に行きましょ！」
「うん！」
「……」
「いってらっしゃーい。けほっ。私ったら何で床の上で？ ……うーん？」

サンタたちを見送る三船は、くらくらする頭で何が起きたか整理した。が、どうしても思い出せない。すっかり記憶が抜け落ちてしまっていた。

「あ、いけないケーキ！ ケーキ！ 沢山作らなきゃ！」

三船は過ぎた事を考えるのは好きではない。それに今自分のためにケーキを売ってくれる若者達が5人も集まってくれたのだ、パティシエとしてこれほど嬉しい事は無い。
丹精を込めてケーキを作ることが、彼らに酬いるただ一つ自分が出来る事だった。

「ふふ、私のお店に沢山の可愛いサンタさん。最高のクリスマスプレゼントだわ～。ありがとう、サンタさん。んふふふ！」

三船は巨体を揺らし、厨房に入っていった。内股で。    </description>
    <dc:date>2011-12-25T23:37:13+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/13.html">
    <title>メニュー</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/13.html</link>
    <description>
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&gt;[[私メリーというものなんですが・・・まとめ&gt;http://www35.atwiki.jp/merry_san/]]    </description>
    <dc:date>2011-12-25T23:34:49+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/20.html">
    <title>メリーの居る生活　三日目</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/20.html</link>
    <description>
      *メリーの居る生活　三日目

&gt;2スレ目&gt;&gt;803
&gt;作： ◆Rei..HLfH.　ID:EUZWfjHI
&gt;『[[メリーの居る生活　二日目]]』の続編


&gt;眩しい…、朝か…。
&gt;…今日は休みだし…もう少し寝てよう…ZZZZZzzz…。
&gt;
&gt;…ZZZZzzzz…。
&gt;「隆一、起きてよ」
&gt;…誰だ…誰でもいいや…。
&gt;「はぁ…、お腹空いたわ…。」
&gt;
&gt;その日の隆一は、連日の睡眠不足から久々に開放され、夢の世界で羽根を広げていた。
&gt;「んー…」
&gt;一方メリーは、朝食を作る人間がまだ起床せず、起こそうと悪戦苦闘を強いられている。
&gt;「何で私が起こさなきゃならないのよ…、声かけても起きないなら…」
&gt;メリーはカマを取りだし、その刃を隆一の頬に着けた。
&gt;「5秒の有余を与えるわ。それまでに起きなければ…どうなっても知らなくてよ？」
&gt;「1…2…3…」
&gt;
&gt;「…………うぅ…」
&gt;「あら？案外あっさりと起きたわね？」
&gt;「…寝覚め最悪…」
&gt;「おはよう。私に起こしてもらっただけ、ありがたく思いなさい」
&gt;「おはょ…なんで朝から死の宣告を、目覚まし替わりにしなきゃならんのだ…」
&gt;「早く着替えてリビングに来なさい。そして朝食を作るのよ」
&gt;メリーはそう言うとさっさと1階に下りて行ってしまった。
&gt;「へいへい…ふぁ～」
&gt;「2度寝したら殺す」
&gt;…1階から釘を刺された。
&gt;「…ち」
&gt;
&gt;
&gt;今日はメリーさんが来てから初めての休日。
&gt;（と言っても、来たのは一昨日だが）
&gt;昨夜、休日の過ごし方を考えている内に、寝てしまったようだ。
&gt;とりあえず、昼まで寝ようと思ったが…10時か。
&gt;まぁ、良しとするか。
&gt;
&gt;そういえばさっきのメリー、いつもと調子違ったかな…。
&gt;「お腹空いたわ」とか「起きてよ」とか言ってた気がする…。
&gt;…夢うつつ？
&gt;そんな事を考えながら1階に下り、キッチンに立つ。
&gt;
&gt;「何食う？」
&gt;「何でもいいわ…とにかく早くして。お腹空いたのよ」
&gt;「んじゃ、とりあえず、すぐ出来る物作るよ」
&gt;「頼んだわよ…」
&gt;
&gt;「はい、トースト＋スクランブルエッグ出来あがり」
&gt;「ありがと…」
&gt;「あ、賞味期限ギリギリのハムもあったな、ついでに片付けちまおう」
&gt;「………」
&gt;「ん？先食ってていいぞ？」
&gt;「食事はそろって食べる物よ」
&gt;「分かった、さっさと作り上げる」
&gt;
&gt;二人の食卓には、スクランブルエッグとトースト、ハムの「とろけるチーズ」和えが置かれた。
&gt;
&gt;「いただきます」
&gt;「いただきます」
&gt;「このスクランブルエッグ辛過ぎ…」
&gt;「どれ？……スマン。塩入れすぎだ…」
&gt;「バターが無いわよ？」
&gt;「ほんとだ、取ってくる」
&gt;
&gt;冷蔵庫にバターを取りに行く途中、カレンダーが目に入った。
&gt;今日の日付に赤い丸が付いている。
&gt;………忘れていた。
&gt;どうしよう…。
&gt;
&gt;とりあえずバターを持って戻る。
&gt;「はいよ、バター」
&gt;「ありがと」
&gt;「このハム美味しいわ」
&gt;「僕の自信作なんだ。ハムをカリッと焼き上げてジューシーに、そして中の「とろけたチーズ」が濃厚な甘味を出す」
&gt;適当な事を言ってみる。
&gt;「トーストに乗せてもいいわね」
&gt;…流された。
&gt;「あぁ、結構いけるよ」
&gt;「牛乳は無いの？」
&gt;「あるけど…コーヒーじゃダメか？」
&gt;「苦いから嫌いだわ」
&gt;「へいへい…」
&gt;少し遅めの朝食は、会話が弾んだ。
&gt;
&gt;「さて…」
&gt;洗い物を終えた僕は、テーブルについて、
&gt;「困った事になった」
&gt;朝のニュースを見ていたメリーさんに言った。
&gt;「どうしたの？」
&gt;「今日、おじいちゃんとおばあちゃんが温泉旅行から帰ってくる…」
&gt;「…それがどうかしたの？」
&gt;「メリーさんは僕の了承だけで、住んでるよね？」
&gt;勝手に住んでるの方が正しい
&gt;「そうね」
&gt;「でも、おじいちゃんとおばあちゃんは…」
&gt;「………」
&gt;「解った？」
&gt;「…どうするのよ。私追い出される？」
&gt;「最悪、補導だな…」
&gt;「……………」
&gt;「多分、三時には帰るとか言ってた気がする…」
&gt;
&gt;メリーは完全に沈黙してしまった。
&gt;どうやら彼女は彼女なりに考えているらしい。
&gt;僕も考えているが、どれも長持ちするとは思えない考えだけだった。
&gt;
&gt;「…最近は物騒で困るな」
&gt;「！？」
&gt;「うおっ！？」
&gt;テレビの前のソファーには俊二が座っていた。
&gt;…テレビのニュースは「パンダが生まれた」との内容だったが。
&gt;「お前、どこから湧いて出た？」
&gt;「玄関の鍵が開いていたのでな、そこから入ってきた」
&gt;「最近の委員会は、不法侵入まで許されるのか…」
&gt;「いや、これは俺の個人的趣味だ」
&gt;もっとタチ悪い。
&gt;「一度警察の世話になって来い」
&gt;「俺は陸軍でも引っさげて来なきゃ、止められないぜ」
&gt;
&gt;軽い毒舌vs軽口が始まったが、メリーが止めるように一言。
&gt;
&gt;「…あなたは何の用で来たの？」
&gt;俊二が向き直る。
&gt;「いやぁ、二人が困ってたみたいだから、この天才が知恵を貸そうと思ってね」
&gt;「何か良い考えでもあるのか？」
&gt;「ふ…。俺の頭脳が冴え渡っているぜ」
&gt;「…さては、お前寝ぼけてるだろ」
&gt;本当に寝ぼけてたら救えないが、こいつの場合はありうる。
&gt;「失礼な」
&gt;「…本当に大丈夫なのか？」
&gt;「任せておけ。A定食3日分で手を打とうか？」
&gt;「…S定食だな」
&gt;「ふ…、珍しい事もある物だ、お前から報酬を上げるとは…」
&gt;「今回ばかりはリスクが高い、無論お前にもトバッチリが来るやもしれん」
&gt;「なるほど、正当な報酬と言う事か。おもしろい」
&gt;「交渉成立だ。完璧な仕事を頼む」
&gt;「手を抜けるほど、器用じゃないんでね…」
&gt;
&gt;「…ハァ…本当に大丈夫なの？」
&gt;ハードボイルド（？）な雰囲気で交渉していた僕達に、メリーはツッコミを入れた。
&gt;「あぁ、こいつが報酬の話を持ち込んだら、やる気があるって事さ」
&gt;「S定食の為に死力を尽くすぜ」
&gt;「待てコラ」
&gt;
&gt;
&gt;それから僕とメリーは、俊二の作戦を聞いた。
&gt;作戦自体はかなり安直な物だったが、メリーにとっては相当キツそうな内容だ。
&gt;
&gt;午後3時を回った。
&gt;「そろそろ帰ってくるな…」
&gt;「数時間だが、リハーサルも重ねた。あとは、なるようになる」
&gt;「…ねぇ…本当にやらなきゃダメ？」
&gt;「追い出されたくなければ我慢しよう…。僕は僕で、何言われるか…ハァ…」
&gt;「…うぅ…」
&gt;
&gt;「む？」
&gt;委員長が何かを感じ取った。
&gt;「どうした、俊二？」
&gt;「どうやら、帰ってきたようだ…」
&gt;…ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
&gt;「何故わかる」
&gt;「これくらい当然」
&gt;「まぁいい…、はーい！！どちら様ぁー？」
&gt;
&gt;「開けておくれぇ…荷物が重くてかなわん…」
&gt;…ビンゴか。
&gt;「わかったー、今開けるー」
&gt;ｶﾞﾁｬ
&gt;「おかえりー…って、うわ、何その荷物!?」
&gt;「よっこいしょっと。ふぅ、ただいま。…いやぁ、お土産みてたら…なぁ？」
&gt;「ただいま、隆一。えぇ、特産品は魅力的ですものねぇ」
&gt;
&gt;僕のおじいちゃんは、元大手工場の係長で、今は定年退職し、余生を満喫している。
&gt;人柄が良く、近所の交流が物凄い。
&gt;町内で何かイベントがあると、必ず招待されるほどだ。
&gt;
&gt;おばあちゃんは、【井戸端会議の女王】と呼ばれる町内の情報屋だ。
&gt;町内の住民のありとあらゆる情報を持っている。
&gt;その情報は使い方によっては危険だが、そんな事はしない。
&gt;陰口も言わない、真っ当な人間だからだ。
&gt;女王と称されるのは、そのせいかもしれない。
&gt;
&gt;「えーと…、おじいちゃんおばあちゃん。帰ってきていきなりで悪いんだけど、話があるんだ。いいかな？」
&gt;このままだと、土産話の流れに入るので、こっちから話を切り出す。俊二のアドバイスだ。
&gt;
&gt;「本当にいきなりじゃのぅ…。わかった荷物を置いたら聞こう」
&gt;「さ、隆一も手伝って」
&gt;「あ、うん」
&gt;あきらかに出発の時より数倍ある荷物を持って、リビングに向かう。
&gt;リビングのソファーには、俊二とメリーが座っていた。
&gt;
&gt;「あぁ、御無沙汰しております、元気そうでなによりで!!」
&gt;メリーに注目が行く前に、俊二が挨拶をする。
&gt;「おぉ、俊ちゃんじゃないか、たくましくなったのぉ」
&gt;「やだなぁ、おじいさん、先週あったばかりですよ」
&gt;「おやまぁ、俊ちゃん、お母さんは元気にしとるかぇ？」
&gt;「えぇ、おかげさまで」
&gt;僕の幼馴染なので、もちろん二人は知っている。
&gt;「…………」
&gt;だが、メリーのことは知る由もない。
&gt;「おや、このお嬢さんは、どなたかな？」
&gt;来た…。
&gt;リハーサル通りに対応できるか…。
&gt;「め…メリーです。はじめまして」
&gt;「めりー？はて、聞かぬ名じゃのぉ」
&gt;
&gt;「ままま、まずは座ってお話しましょう」
&gt;俊二に促され、二人は椅子に腰掛ける。
&gt;ここから僕は一切口を出さない。
&gt;俊二に全てを任せる事になっている。
&gt;
&gt;「君は…メリーと言ったね。どこから来たんだい？」
&gt;「えっと…その…」
&gt;「彼女は海外からの留学生なんですよ」
&gt;俊二が説明する。
&gt;もちろん嘘八百だ。
&gt;「おぉ!!留学生とは。日本の文化に触れるのは良い経験ですぞ」
&gt;「彼女は俺達と同じクラスになるはずだったのですが、何やら不都合があったらしいんです」
&gt;「まぁ、どんな事が？」
&gt;「えぇ、俺独自の調査で調べたんですが、うちの学校への編入、寮への登録全てが、抹消されているらしいんですよ」
&gt;「おやおや、お気の毒に…」
&gt;「学ぶべき所も住む所も無く、さらには帰る家には家族が、煙のように消えてしまったようで…」
&gt;「まぁ!!」
&gt;「どうやら夜逃げらしいのですが、行方が一切わからない状況なんですよ」
&gt;
&gt;…こいつは、脳内にどんな夢物語を描いているのだろうか。
&gt;
&gt;「一昨日、下校する際校門で出会って、今保護しているんですよ」
&gt;「そうなの…。大変なんですね…メリーさん」
&gt;…ここまでは完璧…あとはメリーが切り抜けれるか…。
&gt;「えぇ、国際電話ですと、何度もかけれるものでもありませんから、親戚筋にも連絡できませんし…」
&gt;国際電話って、そんなに高くないだろ…。
&gt;「日本には、どれくらいいられるんだい？」
&gt;「しばらくは大丈夫です。滞在許可証もありますし、学校関係者からの伝で更新手続きもできます」
&gt;…更新できる物なのか…？
&gt;「それでも、寂しかろう？」
&gt;「多少は寂しいです…。でも、隆一君と俊二君が優しくしてくれてるので、大丈夫です」
&gt;…嘘に迷いが無い。
&gt;本心…じゃないよな。
&gt;
&gt;「どうします？おじいさん…」
&gt;「ふーむ…」
&gt;悩んでる。
&gt;…押しが甘かったか。
&gt;「あ…あの…」
&gt;「ん？なんじゃね？」
&gt;「御迷惑でしたら、すぐに出て行きます…。ごめんなさい…」
&gt;あれ？リハーサルにそんなセリフは無かったはずだ…。
&gt;
&gt;「…ねぇ、おじいさん。家に置いてあげませんか？」
&gt;「当たり前じゃ。ここから追い出すような人でなしでは無いわい」
&gt;
&gt;「…本当ですか!!ありがとうございます!!」
&gt;「ありがとう!!おじいちゃんおばあちゃん!!」
&gt;「あぁ、ありがとうございます。よかったな、メリー」
&gt;「ふむ、家族が増えるのは、老いぼれにとって、一番幸せなことじゃ」
&gt;「えぇ、家が賑やかなのは、素敵な事ですからねぇ」
&gt;
&gt;こうして、正式にメリーは家に住みつく事になった。
&gt;おじいちゃんとおばあちゃんの前では喜んでいたメリー。
&gt;だが、僕の部屋に戻った途端。【いつものメリー】になった。
&gt;
&gt;ﾊﾞﾀﾝ（←部屋のドアを閉めた音
&gt;「はぁ…しんどかった…」
&gt;「あ～…ヒヤヒヤしたぜ、まったく」
&gt;「流石の俺も…今回はヤバかったな…」
&gt;全員が部屋でへたり込む。
&gt;「なんでだよ…思いっきり快勝じゃねぇか…」
&gt;「…お前のおばあさんは何者だか解っているのか？」
&gt;「…あぁ、なるほどね。…まぁ、大丈夫だろ」
&gt;「だといいのだがな…」
&gt;「まぁ、ともかく。メリーさん、お疲れー」
&gt;メリーに声をかけたのだが、耳に届いてないようだ
&gt;
&gt;「あ～、私のプライドが～…」
&gt;「あう～恥ずかしい～…」
&gt;「何が隆一と俊二が優しくよ～…」
&gt;かなり重傷だ。
&gt;そっとしておいてやるか。
&gt;
&gt;「…で、お前はお前で、何でここに居るんだ？」
&gt;「いやぁ、さっきおばあさんに食事に誘ってもらってね」
&gt;「お前は『遠慮』という言葉を知らんのか？」
&gt;「『甘える』という言葉なら知っている」
&gt;「それは覚えるな」
&gt;俊二と話していると、どこからともなく音が聞こえてきた。
&gt;ｼｭｯｼｭ…ｼｭｯｼｭ…
&gt;音の発生地を見てみると。
&gt;
&gt;「…えーと何やってるんすか？」
&gt;「それは…カマなのか…？」
&gt;メリーがカマを取りだし、その刃を研いでいた。
&gt;「見ればわかるでしょ？研いでいるのよ」
&gt;「何で？」
&gt;「日常の手入れか？」
&gt;「半分当たり。刃を研いでいると気が安らぐのよ…」
&gt;「危ない趣味だな…」
&gt;「うむ、要注意だ…」
&gt;「うるさいわね。せっかく人がリラックスしてるのに…。斬られたい？」
&gt;二人で『滅相も無い』と首を振る。
&gt;そのあとメリーは2時間ほど刃を研ぎつづけた。
&gt;
&gt;そして僕は、俊二が大量に持ってきたマンガ雑誌を読でいた。
&gt;俊二は…まだいた。2時間も座禅を組んでいる。
&gt;2時間の間、ほとんど会話は無かった。
&gt;カマを研ぐ音、僕がページをめくる音。
&gt;それだけだった。
&gt;
&gt;だが、沈黙はメリーの一言で破られた。
&gt;
&gt;「ねぇ、あんた達」
&gt;「ん？」
&gt;「む？」
&gt;ちょうど座禅が終わったのか、僕が話しかけても反応しなかった俊二が生き返った。
&gt;…もしや、嫌味か？
&gt;「カマ以外に良い武器は無い？」
&gt;「…なんだそりゃ？」
&gt;「そのカマの方が、強力だと思うが？」
&gt;そういうと、メリーは首を振り、
&gt;「違うわ、カマだと『うっかり』殺しちゃいそうだから、死なない程度な武器が欲しいの」
&gt;「…それじゃあ、カマを振り回さないでくれ」
&gt;「それは、隆一を心配しての配慮だな？」
&gt;「う…」
&gt;…図星のようだ。
&gt;
&gt;「とにかく、良い武器を探しなさい!!じゃないとカマのままでいるわよ？」
&gt;「へいへい…」
&gt;「となると、殺傷性が低い物か…」
&gt;メリーに命じられ、僕と俊二はメリーの新しい武器を探す事になった。
&gt;
&gt;「どう？良いもの集まった？」
&gt;「とりあえず持ってきた」
&gt;「殺傷性が低くなると、どうも限られるからな…」
&gt;傘…雑誌…おたま…ハエ叩き…布団叩き…ハンガー…辞書…輪ゴム…長ネギ？…便所スリッパ…ブーツ…ロケット花火…
&gt;次々と出される半殺人兵器。
&gt;「ハエ叩きとロケット花火は勘弁…」
&gt;ハエ叩きって…ハエ以下か…。
&gt;「まぁ、これくらい集まればいいだろ」
&gt;「そうね…」
&gt;「本当にこれで殴られるのか…」
&gt;想像して、ため息をつく…
&gt;
&gt;「殴られるだけじゃなくてよ？」
&gt;「…え？うおおぉあ!!」
&gt;飛んできた辞書を紙一重で避けた
&gt;「あぶ…危ねぇ…」
&gt;「これで身のこなしを鍛えれるわね」
&gt;「当たったらどうするんだよ!!」
&gt;「打たれ強さを鍛える訓練」
&gt;「…さいですか」
&gt;当たり所によっちゃ、死ぬぞこれ…。
&gt;
&gt;「隆一ー。下りてらっしゃーい」
&gt;1階からおばあちゃんの呼び声が聞こえた。
&gt;「あ、そろそろ飯かな？」
&gt;「…ふむ、時間的にそうだろうな」
&gt;「隆一のおばあさまの料理の腕前…楽しみね」
&gt;「僕が保証する。ばあちゃんの料理は天下一品さ。な？俊二…って居ねぇし」
&gt;「おーい、早く来いよー」
&gt;…1階から奴の声がした。
&gt;
&gt;僕とメリーが1階に下りると、廊下に俊二がいた。
&gt;「お前は『遠慮』という言葉を学習したほうがいいな…。入ろうぜ」
&gt;「まぁ、待て餓えた愚民よ」
&gt;リビングに入ろうとした僕を俊二が止めた。
&gt;「どうした？早く入ろうぜ？」
&gt;「今日は、おばあさんが腕を振るったそうだぞ」
&gt;「ほぅ、それは楽しみ…って何で？」
&gt;「お前の後ろにいる、…今日の主役のためさ」
&gt;メリーが主役？
&gt;…あぁ、おばあちゃんならやりかねないな。
&gt;「…私？」
&gt;本人は解っていない。
&gt;
&gt;「さ、扉を開けるんだ」
&gt;俊二が促す。
&gt;「え…えぇ」
&gt;メリーが恐る恐る扉を開ける。
&gt;ｶﾞﾁｬ…
&gt;
&gt;メリーは言葉を失った。
&gt;
&gt;リビングには【新しい家族、メリーの歓迎会】と銘打たれた、たれまくが飾ってあった。
&gt;テーブルに、怪物級の大きさのケーキ。平凡ではあるが、ご馳走も並べられている。
&gt;そして、それらに負けないほど老夫婦の温かい笑顔があった。
&gt;後ろには、これまた温かい笑顔の同居人。
&gt;その隣りに澄まして笑う、不法侵入者。
&gt;
&gt;何故人間は、こんな事をするんだろう。
&gt;理解できない。
&gt;今まで葬ってきた人間は、少なくともこんな温かい笑顔の持ち主はいなかった。
&gt;
&gt;本当に理解できない。
&gt;何故今自分が泣きそうなのかも…。
&gt;
&gt;
&gt;僕は悟っていた。
&gt;メリーは、招かれざる殺戮者。
&gt;憑かれた人間は、自分を殺そうとする彼女に抵抗をする。
&gt;そして、彼女は『それ』を始末する。
&gt;
&gt;メリーはいつも一人だったのだろう。
&gt;誰にも認められず。
&gt;歓迎されずに。
&gt;今メリーは、初めて出来た家族から、初めて温かい歓迎を受けている。
&gt;
&gt;
&gt;「こ…これは？」
&gt;僕の方を向いて、メリーがやっとの思いで口を開く。
&gt;「見ての通り。キミの歓迎会だよ」
&gt;「歓…迎会？」
&gt;「そ、キミは家族になったんだ、歓迎会ぐらいは当たり前だよ」
&gt;「家族…？」
&gt;「うん、家族。おじいちゃんとおばあちゃんが認めてくれたって事」
&gt;「あぁ――あ、ありがとうっ…ｽｯ…ﾋｯｸ…」
&gt;また泣いてるし…。
&gt;
&gt;「さぁ、乾杯と行こうかの」
&gt;「はぃ」
&gt;「………はい!!」
&gt;「隆一、お前が音頭を取るんだ」
&gt;「よっし。新しい家族、メリーさんに!!」
&gt;『かんぱーい!!』
&gt;ﾁﾝ　ﾁﾝ　ﾁﾝ　ﾁﾝ（グラスがぶつかってる音です
&gt;
&gt;そして、歓迎会なるパーティーが始まった。
&gt;「いやぁ、いつもながら料理が上手でいらっしゃる」
&gt;「当たり前だって。っていうか、お前食い過ぎ」
&gt;「まぁまぁ、まだ沢山作ってあるから」
&gt;「今日は、ばあさん気合入ってたからのぉ」
&gt;「あ…この唐揚げおいしいです…!!」
&gt;「あら、嬉しいわぁ♪」
&gt;
&gt;「まだ、ケーキがあるからなぁ…ペース考えないと、大変だぞ…」
&gt;「私甘い物好きだから、任せなさい」
&gt;「え…あ、あぁ、任せるわ。丸ごと一個」
&gt;…メリー、ちょっと雰囲気変わったか？
&gt;「このフォークで刺されたい？」
&gt;「冗談です。勘弁してください」
&gt;「いいわ、今気分良いから許してあげる」
&gt;「心が寛大でいらっしゃる」
&gt;…いつもの通りか。
&gt;
&gt;その後、ケーキに挑んだが、僕達男性陣は途中下車。
&gt;おばあちゃんとメリーで2/3を制覇した。
&gt;
&gt;ケーキの甘ったるさが口に残る中、おじいちゃんとおばあちゃんの土産話がスタートした。
&gt;旅館の女将さんが良い人だった…。旅先で出会った、老夫婦とも仲良くなれた…。
&gt;二人はとても楽しそうに話していた。
&gt;
&gt;土産話が終わると、学校の話を聞かれる。
&gt;学校の話は、ほとんど僕と俊二の漫才になってしまう。
&gt;
&gt;担任が実はズラだった。国語の担任がズラだった。理論の担任がズラだった。
&gt;ほとんどの男性教師の頭に砂漠化の初期現象がみられた。
&gt;購買部が生徒の波で決壊した。
&gt;
&gt;漫才は、夜遅くまで続いた。
&gt;
&gt;メリーはその日、ずっと笑っていた。
&gt;どこにいてもおかしくはない、普通の女の子のように。
&gt;
&gt;
&gt;「疲れた…」
&gt;「あ～…私も笑いすぎて、疲れちゃったわ…」
&gt;「何で俺漫才してたんだろう…」
&gt;「いいんじゃない？楽しかったんだし」
&gt;「はぁ、飯食ったらとっとと帰れってんだよ…アイツは」
&gt;「でも、俊二が居なかったら盛り上がらなかったわよ？」
&gt;「まったく…ふぁ～…眠い…」
&gt;「そうね…寝ましょう」
&gt;「おぅ…」
&gt;「おやす…みッ!!」
&gt;ﾌﾞｩﾝ!!
&gt;「ぬおぉぉぉ！？」
&gt;紙一重でハンガーを避ける。
&gt;「あっぶねぇ…。寝る前にコレはねぇだろ…」
&gt;「…ZZZZzzzz…」
&gt;「うわぁお、寝逃げっすか」
&gt;こいつは…。
&gt;
&gt;
&gt;警戒しつつ僕も布団に潜りこみ、睡魔にひれ伏すことにした。
&gt;
&gt;
&gt;…はっきりいって照れくさい。
&gt;だが、このまま黙っているのも、納得がいかない。
&gt;でも、面と向かって言うのも、恥ずかしい。
&gt;だから彼女は、今言う事にした。
&gt;布団から起きて、近寄る。
&gt;隆一は寝ている。狸寝入りでもなさそうだ。
&gt;
&gt;「…ありがとう隆一」
&gt;「あなたのおかげで、私にも家族が出来たわ…」
&gt;「『隆一と俊二が優しくしてくれる』か…。本当ね…。恥ずかしがって…バカみたい…」
&gt;「家族として、改めてよろしくね。隆一」
&gt;「…おやすみ」
&gt;
&gt;彼女は、寝ている隆一の頬に軽く自分の唇を押し当てた。
&gt;もし途中で起きられたら、いっそカマで真っ二つにしてやろうとも思ったが、大丈夫そうだ。
&gt;礼は言った。明日から、隆一をたっぷりとしごいてやろう。
&gt;そんな事を考えながら、少しウキウキした気分で眠りについた。
&gt;
&gt;
&gt;
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ!!
&gt;朝の宿敵に敗れ、僕は布団から生まれる。
&gt;メリー…寝てるよな、やっぱり。
&gt;さっさと仕度して、学校いかなきゃな。
&gt;「それじゃ、行ってくるよ。メリーさん」
&gt;眠っているメリーさんに挨拶し、僕は部屋を出た。


拍手っぽいもの（感想やら）
- これはかわいいｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ  -- ななし  (2007-07-25 02:36:05)
- 漫画的なものつくってみたら？  -- ななし  (2007-07-29 16:50:13)
- 携帯小説にしたらいいと思うよ  -- 名無しさん  (2007-10-15 16:33:47)
- 萌え　より　かわいい　が先に来たのは久しぶりかもしれない。  -- talk名  (2008-04-08 22:31:33)
- 漫画にするのはいいかも知れない。  -- 名無しさん  (2009-08-04 22:56:09)
- 漫画にしてみては？ &amp;br()  -- 名無しさん  (2011-05-09 19:10:11)
#comment(vsize=2,nsize=20,size=40)    </description>
    <dc:date>2011-05-09T19:10:11+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/18.html">
    <title>メリーの居る生活　二日目</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/18.html</link>
    <description>
      *メリーの居る生活　二日目

&gt;2スレ目&gt;&gt;638（修正版）
&gt;作◆Rei..HLfH.　ID:GkyoLLAD
&gt;[[メリーの居る生活　一日目]]の続編

&gt;「おはよ～…」
&gt;「お、隆一おはよーさん」
&gt;僕はフラフラと自分の机に着き、そのまま力無く伏せこむ。
&gt;「なんだ？疲労困憊なノリだな」
&gt;「どんなノリだよ…。あ～眠い…」
&gt;昨日の突然の来客のおかげで、僕は一睡もしていない。
&gt;「ところで、昨日のアレは本当なのか？」
&gt;「僕は嘘であってほしい…眠い…」
&gt;
&gt;昨日、僕はメリーさんに取り憑かれた。
&gt;嘘みたいな話だが、本当のことだ。
&gt;実際彼女に殺されかけたのも事実。
&gt;「で、そのメリーさんとやらは？」
&gt;「お前うるさい…寝るからむこう行ってろ…」
&gt;「委員長である俺の目の前で寝るとは良い度胸だな」
&gt;「ぐ…」
&gt;しまった…、そういえばコイツ委員長なんだった。
&gt;「昨日俺が電話で助けてやった恩を忘れるとは…薄情なやつだ」
&gt;「安心しろ、お前の助言は徒労に終わっている」
&gt;「で、あの後何があったんだ？聞かせてくれたら、授業開始まで寝ることを許す」
&gt;「分かったよ…」
&gt;
&gt;あの後…。
&gt;
&gt;「ということで、まずは…」
&gt;彼女は、おもむろにカマをしまうと、
&gt;「眠いわ。寝床を用意して」
&gt;「待ってください」
&gt;出来るだけ怒らせないように、下手に出てツッコミを入れる。
&gt;「ん？何か問題があるの？」
&gt;「キミはここに住む気？っていうか寝るの？」
&gt;「当たり前じゃない。私だって眠くもなるし、お腹も空くわ」
&gt;「………で、別の部屋で寝るってのは？」
&gt;「却下」
&gt;「何で!?」
&gt;「まずあなたの事を知るために、しばらくは観察させてもらうわ」
&gt;「…一人で寝るのが怖いとｋ」
&gt;言い終わらないうちに、一陣の風が舞起こった
&gt;「死にたい？」
&gt;メリーはカマを僕の首にかけていた。
&gt;「ゴメンなさい、失言でした」
&gt;「まったく…私がオバケを信じてるとでも思って？」
&gt;言いながらカマをしまうメリー。
&gt;どうやって出したんだ…？
&gt;
&gt;「でも、さっきの騒動で部屋が荒れてるんだけど…」
&gt;「…………」
&gt;「片付けて、客人用の布団を運んで、…面倒だなぁ」
&gt;「あなたが暴れたからでしょ？」
&gt;「誰かさんも、でかいカマ振り回さなきゃ、こんなにならなかったんだけどね」
&gt;「…悪かったわよ」
&gt;「へ？」
&gt;カマが振り下ろされるかと思ったが、意外な言葉が飛んできた。
&gt;「えっと、今なんて？」
&gt;「…私も部屋を滅茶苦茶にしたのは事実だし」
&gt;「………」
&gt;「うるさいわね!!さっさと片付けるわよ、…私も手伝うから」
&gt;何も言ってませんが…。
&gt;「…そうだな。僕はコッチやるから、メリーさんは棚から落ちた物を戻しちゃって」
&gt;
&gt;二人での部屋の片付けはそんなに時間は掛からなかった。
&gt;僕はそのあと、1階から客人用の布団を担いで、自分の部屋に持って来た。
&gt;「で、どこに敷く？」
&gt;メリーは部屋を見渡すと、
&gt;「あなたはどこに寝るの？」
&gt;「僕は、そこの窓の近くだけど？」
&gt;「じゃあ、その隣り」
&gt;「止めれ」
&gt;コンマ秒でツッコミを入れる。
&gt;「冗談よ。そこの壁よりに敷いてくれる？」
&gt;「へいへい…」
&gt;「襲おうとしたら、ぶつ切りにするからね」
&gt;そんな命知らずじゃありません。
&gt;
&gt;と言う事で、寝ることにしたのだが、
&gt;いきなりの来客で、それが自分を殺しに来た女の子。
&gt;それが同じ部屋で寝てるとなると、やはり眠ることは出来ない。
&gt;カーテンを開ける。
&gt;都心から少し離れてるので、星がそこそこキレイに見える。
&gt;静まり返った部屋…。
&gt;数時間前まで、この部屋で九死に一生なイベントをこなしてたのが、嘘のようだ。
&gt;すこし気になったので、耳を澄ましてみる。
&gt;………
&gt;「ｽｩ…ｽｩ…ｽｩ…」
&gt;規則正しい寝息。彼女は寝ているらしい。
&gt;（呑気なもんだ…こっちは寝れないってのに…）
&gt;これからのことを想像しながら、夜明けを待つことにした。
&gt;
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ!!
&gt;朝の天敵が僕を起こそうとしている。
&gt;その僕は、すでに着替えてベランダで体操していた。
&gt;「ん～…うるさいわね…」
&gt;朝の天敵は僕が止めないことを良い事に、メリーさんに標的を入れたようだ。
&gt;僕は面白いので、それを見ていることにした。
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ!!
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ!!
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ!!
&gt;ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘｶﾁｯ
&gt;「お勤め御苦労」
&gt;彼女は寝起きが悪い。っていうか、起きない。
&gt;低血圧なのか？
&gt;
&gt;寝ているメリーに布団をかけなおして、
&gt;僕は鞄を持ち、1階に下りた。
&gt;一昨日から四日間。僕の家族である、おじいちゃんとおばあちゃんは温泉旅行に行っている。
&gt;メリーには書き置きを残しておけば、大丈夫だろう。
&gt;そんな事を考えながらトーストをかじる。
&gt;
&gt;そして、通学中に睡魔に誘われたと。
&gt;
&gt;
&gt;「全部話した…僕は寝るぞ…」
&gt;「なるほど、分かった。授業開始まで寝ることを許す。…といっても」
&gt;ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…
&gt;「もう授業開始だがな」
&gt;「…後で思いっきり殴ってやる」
&gt;「お前の話が長いから悪いのさ」
&gt;そこで僕は気付いた。
&gt;「っていうか、授業開始前なら寝ても問題無いんじゃないのか…」
&gt;「まだまだ修行が足らんな」
&gt;「鬼か…お前は…」
&gt;「いいや、委員長だ」
&gt;
&gt;この極悪委員長こと、俊二は僕の幼馴染。
&gt;父親が武道に流通した人らしく、
&gt;本人もそこそこ武術の心得を持っている。
&gt;性格は明るくて面白く、ムードメイカー的な存在だ。
&gt;
&gt;
&gt;地獄の授業中（現代国語・社会基礎・理論・数学）
&gt;
&gt;
&gt;やっとの思いで昼休みに入った。
&gt;「腹減った…眠い…腹減った…眠い…」
&gt;かなり限界に来てる。
&gt;食堂や購買部に行くにも1階に下りなきゃならないが、僕にはその力は残っていない。
&gt;死を待つ冒険者か…ｺﾞﾌ…
&gt;「ほらよ、相棒」
&gt;遠くの世界に行く僕に鬼委員長が何かを投げよこす。
&gt;「おぉ…神の恵みだ…」
&gt;おにぎりが三つ入った袋だった。
&gt;「ツケとくぜ」
&gt;「踏み倒す」
&gt;「恩を仇で返すかお前は」
&gt;もちろん、僕はそこまでヒドイ奴じゃない。
&gt;こいつもオゴリのつもりで買ってきている。
&gt;「あと2時限。気張れよ」
&gt;「あぁ、ってことで寝る」
&gt;おにぎりの摂取で体力を使い果たし、そのまま机に倒れこむ。
&gt;「よし、俺はお前に愛の子守唄を…」
&gt;「それを歌ったら、僕が過労死すると思え…」
&gt;そしてそのまま意識を失った。
&gt;
&gt;6限目（英語）で事件は起こった。
&gt;「やべぇ…、昨日の騒ぎで課題やってねぇ…」
&gt;「あーあ、こりゃ腕立て…ﾋｨﾌｩﾐｨ…500回だな」
&gt;「やっちまった…」
&gt;「おーい隆ちゃん、ジュース買ってきてくれよ」
&gt;山崎が絶望の彼方にいる僕に言う。
&gt;「わりぃ、課題終わらせんとダメだから無理だ」
&gt;「あぁ？課題なんてやんなきゃいいじゃんかよ」
&gt;「山やんは、先生が怖がってパスしてくれるからだろ。僕はそうもいかない」
&gt;「しゃあないなぁ…、コラァ!!そこのガリ勉メガネ!!」
&gt;クラスで一番優秀な典型的キャラにドスの効いた声で脅しをかける。
&gt;「はい!?わ…わたすですか？」
&gt;「テメェだよ!!今日の英語の課題隆一に見せてやれ。俺のに写させる」
&gt;「わっ分かりました!!コレです。終わったら机に置いといてください!!でわ!!」
&gt;ゴメンよ…川岸…
&gt;「ほらよ、終わったらさっさとジュース買って来いよ」
&gt;川岸のノートと、ジュース代を渡される。
&gt;「わかった。いつものでいいのか？」
&gt;「今日はリンゴだ」
&gt;「了解」
&gt;
&gt;山崎は見た目は図体のデカいヤンキーで、
&gt;喧嘩になると、一騎当千の強さを発揮する。
&gt;だが、山崎も幼馴染で、根はとても良い奴。
&gt;しかも甘党だ。
&gt;同じ幼馴染の俊二がすこし警戒しているのは、
&gt;先月大喧嘩したかららしい。
&gt;
&gt;さっさと課題を終らし、ジュースを買いに行く。
&gt;
&gt;課題の提出を無事に終え、授業もこなし、下校時間になった。
&gt;メリーが家で何をやっているかが心配になった僕はさっさと帰る事にした。
&gt;…が、待ち構えていた俊二に捕まってしまった。
&gt;「一番最初に教室を出た僕より早く外にいるってどういうことだ？」
&gt;「世界は広いのだよ」
&gt;「ちゃんと答えろ」
&gt;「次元を越えるくらい造作ないことだ」
&gt;「………」
&gt;「俺もメリーさんとやらに挨拶しようと思ってね」
&gt;「まったく…………………」
&gt;と、僕は校門に目をやって、止まった。
&gt;普通ならあり得ないことだが、現実は僕をからかってるようだ。
&gt;「どうした？何か衝撃映像でも見たのか？」
&gt;「なぁ俊二、お前には校門に立っている女子を見えるか？」
&gt;「俺の目には金髪縦ロールのお嬢様が見えるな」
&gt;「お互い眼科に行った方がいいな」
&gt;「逃げるな、友よ」
&gt;「はぁ…」
&gt;校門には、書置きを無視し、何故か校門の前に立っているメリーさんがいた。
&gt;「……なんで？」
&gt;とりあえず近くに行き、あらゆる意味を込めたセリフを言う。
&gt;「遅い、待ちくたびれたわよ」
&gt;「書置きに、『家に居てください』と書いておいたはず…」
&gt;「敬語かよ…」
&gt;うるさい委員長
&gt;「帰りが遅いから、心配して迎えに来てあげたのよ」
&gt;「腹減ったんだな…」
&gt;「…わかっているなら、早く帰って食事の用意をしなさい!!」
&gt;
&gt;帰りはメリーさんも入れて3人で帰る事になった。
&gt;俊二とメリーは、とくに問題も無く他愛もない雑談をしていた。
&gt;が、僕は俊二がしきりに後ろを警戒しているのに気付いた。
&gt;僕もさっきから怪しい学生を見ている。それも同じ奴を何度も。
&gt;嫌な予感がしていたが、ある住宅街に入って、その予感は的中してしまった。
&gt;
&gt;「よぉにいちゃん、可愛い娘連れてるじゃねぇか」
&gt;いつの時代生まれなんだよ…。
&gt;見た所4人の不良に囲まれてしまったようだ。
&gt;その中に何度も見たあの怪しい学生もいた。
&gt;「にいちゃん、悪い事はいわねぇ、その娘こっちによこしな」
&gt;…あんたらに渡ったら一瞬にして肉塊の出来あがりだな。
&gt;だが、僕はメリーを見て気付いた。
&gt;…メリーさんの顔が強張っているのを。
&gt;そして、その手に握られているはずのカマは今僕の家にあると。
&gt;
&gt;「さぁ？どうする？痛い目見る？その娘を渡す？」
&gt;マズイ…マジ目だ。
&gt;「まだ一つ選択肢があったりして」
&gt;「あん？」
&gt;不良の目の先には、委員長がいた。
&gt;ぶっちゃけ僕はこいつの存在を忘れていた。
&gt;こいつなら4人相手でも楽勝だろ。
&gt;「俺ら2人でお前等を撃退する。ってのはどうよ？」
&gt;「やっぱりアンタは鬼だ」
&gt;僕も戦えということらしい。
&gt;「まだ選択肢は残ってるぞ」
&gt;「あん？（二度目）」
&gt;「3人で大暴れ。っつうやつだ」
&gt;「山やん!!」
&gt;「山崎か…」
&gt;「なんだ？べっぴんな姫様と盗賊団から姫を護るナイトってメンツは？」
&gt;メリーがカマ持ってたら、危険物を輸送中にテロ軍団に襲われた自衛隊なんだろうな…
&gt;「見ての通りだ、加勢するなら来い。見物なら帰れ」
&gt;「喧嘩の華がなきゃつまらねぇだろダボが」
&gt;「………あとでお前も退治してやる」
&gt;「上等…さっさと片付けようぜ」
&gt;仲が良いのか、悪いのか…。この二人はいつもこうだ。
&gt;話から完全に無視された不良がそろそろ我慢の限界の様子。
&gt;「なんだか知らねぇが、痛い目みたいようだな、あぁ？」
&gt;短期な不良が臨戦体勢に入った。
&gt;
&gt;「死ねやゴラアァァァー！！」
&gt;リーダーらしき不良が山やんに殴りかかる。
&gt;が、あっけなくガードされ、
&gt;「踏んでる場数が違いすぎるんだよっ!!」
&gt;おつりのボディブローで昏倒する。
&gt;
&gt;「あぁぁぁぁぁぁっ！！」
&gt;リーダーの横にいた不良が俊二に飛びかかった。
&gt;何の型もない、自己流の格闘など取るに足りんといった足取りで、攻撃をかわし。
&gt;体勢を低くし、下から掌底でアゴを強打し、倒した。
&gt;「まずは、ステップから習うんだな」
&gt;
&gt;だが相手は4人。
&gt;2人倒してもまだ2人居た。
&gt;そして、やっぱり1人が僕の方に突っ込んできた。
&gt;
&gt;2週間ほど前に、興味本位で俊二に習った技を使う時が今のようだ。
&gt;メリーさんには怖さのあまり、使えなかったが、メリーさんに比べれば怖くもない。
&gt;…どうやら、早速特訓の成果が出ているようだ。
&gt;
&gt;僕は鞄を相手の顔面に投げつけた。
&gt;相手はソレをはたき、真正面の僕を殴りにかかる!!
&gt;が、僕はそこにいない。
&gt;僕は鞄を投げた瞬間、相手の後ろに回りこんでいたからだ。
&gt;僕を見失った不良は、突然の事でわけもわからず左右を見まわている。
&gt;そして僕は後ろから思いっきり延髄を殴りつけた!!
&gt;不良はそのまま崩れ落ちた。
&gt;
&gt;「ひ…ひいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
&gt;仲間の3人がやられてしまったのを見て、
&gt;残りの1人は逃げ出してしまった。
&gt;が。
&gt;「待てやワレェ!!落とし前つけんかぃ!!」
&gt;「とりあえずお前も叩きのめす!!待てぇ!!」
&gt;
&gt;逃げた不良を追っかけて、山やんと極悪委員長は行ってしまった。
&gt;残ったのは、気絶した不良3人と僕とメリーだけになった。
&gt;
&gt;「まぁ、なんとかなったみたいだな…」
&gt;振り向こうとしたが、止められた。
&gt;背中が暖かい…さらに肩の下あたりに二つの柔らかい突起物…。
&gt;…抱きつかれてる？
&gt;「…どうした？」
&gt;もう一度振り向こうとして…。
&gt;「振り向いたら殺すわよ…」
&gt;…止めた。
&gt;
&gt;彼女の腕…。
&gt;僕を捕まえている腕が震えていた。
&gt;「…怖かったのか？」
&gt;「…カマがあれば…あんなチンピラ秒殺よ…」
&gt;「いや、殺すのは犯罪」
&gt;「……………ﾋｯｸｯﾋｯｸ…」
&gt;泣いてる…？
&gt;「もしかして、泣いてる？」
&gt;「……かっ…んだから…」
&gt;「…へ？」
&gt;「怖かったのよ!!ﾋｯｸ…」
&gt;「いきなり叫ぶな!!」
&gt;あービックリした…
&gt;「悪かったわよ…ﾋｯｸ…」
&gt;「………これに懲りて、しばらくは家でおとなしくしておくこと」
&gt;「………わかったわ」
&gt;「家帰ったら、僕の得意料理を披露する」
&gt;といっても、カレーなのだが。
&gt;「…あ…ありがとう…」
&gt;「さて、家に帰ろう!!」
&gt;「……うわあぁぁぁぁぁん!!」
&gt;「いきなり泣くなー！！」
&gt;
&gt;まだメリーさんとの生活は始まったばかりだ。
&gt;だけど、なんとかこのままやって行けそうな気がする。
&gt;
&gt;
&gt;「辛いわ。甘くして」
&gt;「無茶言うなよ」
&gt;
&gt;…たぶん。
&gt;


*拍手っぽいもの（感想やら）
- やべえｗｗｗｗｗｗ可愛すぎるｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ  -- kaz  (2006-06-06 22:15:17)
- アニメ化はいつですか？  -- 名無しさん  (2008-11-02 22:43:39)
- ツンデレwwwwwwww  -- 名無しさん  (2009-03-01 16:38:27)
- 可愛すぎだろこれｗｗ  -- 名無しさん  (2009-08-04 22:47:08)
- メリーさんを私にください  -- 名無しさん  (2010-08-06 00:31:49)
- メリーさんからの電話はどうしたらきますか？  -- 名無しさん  (2010-10-09 10:35:48)
- ツンデレｗｗｗｗｗｗｗ  -- 名無しさん  (2011-05-09 18:55:47)
#comment    </description>
    <dc:date>2011-05-09T18:55:47+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/30.html">
    <title>うｐロダもどき</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/30.html</link>
    <description>
      &gt;ファイルのアップロードの仕方を、雑に説明してます。
&gt;説明といっても、簡単なものなので画像参照ってことで。
&gt;[[手順1&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=%E6%89%8B%E9%A0%861.JPG]]
&gt;[[手順2&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=%E6%89%8B%E9%A0%862.JPG]]
&gt;[[手順3&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=%E6%89%8B%E9%A0%863.JPG]]
&gt;[[手順4&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=%E6%89%8B%E9%A0%864.JPG]]
&gt;うん、分ってる。
&gt;画像で余計分りにくくなったね。すまない許してくれ。

&gt;このページにうｐする方法はこれを見てくれ
&gt;[[ページ投稿の仕方&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%81%AE%E4%BB%95%E6%96%B9.JPG]]

&gt;うｐするならココから下でよろしく
&gt;[[めりー(鎌)&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=merry005.gif]]
&gt;[[めりー(釜)&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=30&amp;file=merry006.jpg]]
&gt;[[071114melly&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;page=%E3%81%86%EF%BD%90%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%82%E3%81%A9%E3%81%8D&amp;file=mry3.jpg]]
&gt;[[メリーさん(鎌自由制御)&gt;http://www5.atwiki.jp/melly/?cmd=upload&amp;act=open&amp;page=%E3%81%86%EF%BD%90%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%82%E3%81%A9%E3%81%8D&amp;file=melly01_2f.jpg]]    </description>
    <dc:date>2010-09-03T01:52:07+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/49.html">
    <title>メリーさんと一緒！！</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/49.html</link>
    <description>
      *メリーさんと一緒！！（ﾒﾘｰスレ5th47-69）
作：771 ◆gnkv6j0F.. 

「私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの」 
鳥遊 成海(たかなし なるみ)はそれまで、それなりの人生を送ってきた、と自負していた。 
別に幸せ、という訳では無いが、特に不幸だとも思って来なかった。 
特段変わったところも無い、平凡な人生だと、彼は思っていた。 
だが、その日は明らかに異常だった。いつの間に、自分の後ろにその少女は立ったのだろうか。 
数日前から、携帯に繰り返しかけられた少女からの電話。ただのイタズラ、都市伝説を模した幼稚な行為。そう思っていた。 
だが現にこうして、流布した噂の通りに、その少女はやって来た。 
耳に電話を当てたまま、成海は立っていた。まだ振り返ってはいないが、その気配は確固たるものとして背筋を舐ぶり、背面の皮膚一面を汗で覆わせたが、しかしそこを舐めずっていくものは冷たい。

殺気―― 
漫画等でしか見た事の無い気配が、そこにはあった。 
「ああ、これがそうなのか」、と納得させるだけの威圧感が、湧き出る水のように怒濤の勢いで迫り、しかし腐汁のようにずるりとした粘りと不快な感触を持って、背中から染み渡って来る。 
成海はまず、恐怖で弛緩した体を動かす事に努めた。 
耳に当てたままの携帯を離し、ゆっくりと、ゆっくりと腕を降ろす。 
それから、音を立てんばかりに凝り固まった首を後ろに回しながら、極度の緊張からか既に鈍痛さえ覚え始めた膝を動かして、後ろを振り向く。 
そして、「見てはいけない」と警鐘を鳴らす己が本能を抑えながら、閉じようとする瞼を必死に見開いて、そこにいる少女を、視界に収めた。 

「え･･････」 
そして、思わず声を漏らしてしまった。それと同時に、体を支配していた恐怖が一瞬で拭い取られるのを感じた。 
何故なら、振り向いたそこに立っていた彼女が、あまりにも美しかったからだ。いや、可憐と言うべきだろうか？ 
大きな青い瞳とそう高くない背が創るは幼さ。それに反し、金に輝く長い髪と身を包む黒いドレスが作り出すは妖艶。 
そして右手に携えられた、孤月を状の刃を持つ巨大な鎌は、日常から逸脱したものの象徴か。 
三つの相反する要素。だが、それを一つにまとめて、なおかつそれらを美しさとして認知させるのは、彼女の表情故であろうか。 
彼女は、ほとんどその顔に、感情を乗せてはいなかった。 

だが、僅かにそこから滲み出るのは―― 
「やっと、振り向いたの」 
少女が、口を開いた。その声は、やはり感情を乗せていなかったが、しかし透き通った、心地のよい声色だった。 
「あなたには、何も分からないかも知れないけど、死んでもらうの」 
彼女は、右手の大鎌を構えた。 
「･･････おい」 
成海は口を開いた。 
「お前、マジで俺を殺すの？」 
「･･････、うん」 
小さく、彼女は頷いた。 
「･･･だったら、」 
成海は、すっ、と彼女の顔に人差し指を向けた。 
「何で、そんな悲しそうな顔してんだよ？」 

そう言われて、彼女の瞼がぴくりと動いた。 
「･･････思ってない」 
「けっ、嘘つけ」 
吐き捨てるようにして成海が言った。 
「何か知らねーけどよ、無性にムカついてきやがったぜ」 
成海はがりがりと頭を掻き毟った。 
彼の中に今、渦巻いているのはただ単純な怒り。 
「手前、どうしても俺を殺すっての？」 
「･･････」 
少女は、黙って頷いた。 
「だったらよ･･････」 
成海は再び、少女に向けて人差し指を突出した。 
「手前にこんな事させてる奴、ここに連れて来い」 

「･･････え？」 
少女は驚いたのか、ぽかんと口を開いた。 
「手前は他人をぶっ殺す時に泣いてやがる。それは、本当は殺しなんかやりたくねえ、って証拠。だったら、無理矢理やらされてるに決まってる。だったら俺がそいつを殴って、殺しを止めさせてやるって言ってんの」 
少女は暫く唖然とした様子だったが、やがてきっ、と成海を睨み付けた。 
「何を言ってるの？　これは、私が自分で勝手にやって来た事。誰かにやらされてなんかない、私がやりたいと思ってやってる事！！」 
始めは落ち着いた口調だったが、最後には彼女は激昂していた。

「誰かにやらされてるなら、とっくに自分で止めてるに決まってる･･････止めたくても止められないの！！」 
「だったら！！」 
成海も、彼女を押す程の勢いで叫んだ。 
「俺が止めさせてやる！！　俺が止めてやる！！」 
「出来る訳ない！！」 
「出来る！！　やってやる！！　やってみせる！！」 
一瞬の、静寂があった。 
「･･････何で？」 
彼女がぽつりと漏らした。 
「何で、見ず知らずの私の為にそこまで言ってくれるの？」 
彼女のその問いに、成海は意外な反応を見せた。 
「はぁ？　何言ってんの、手前」 
彼は首を傾げて見せた。 

「別に、手前の為に言ってんじゃねーよ。これは、俺自身の為だ」 
成海は、自分の喉元に手を当てた。 
「気に入らねー事をそのままにしとくと、ここになんか詰まるような気がして嫌なんだよ。嫌で嫌でたまらないんだよ。これは俺の為にやってんだ。だから、お前が気に病む必要はねーよ」 
喉元を擦りながら、成海は言った。 
「で、でも」 
彼女は尚も食い下がる。 
「私は、人殺し･･････」 
「だったら何だよ」 
成海は、それを一言で切り捨てた。
「お前は誰も殺したくないって、思ってる。だったら、それが出来るようになるのが、死んだ奴に対して、やってやれる事なんじゃね？　つーか、やらなきゃならない事じゃね？　責任持ってちゃんとさ」 

その時、彼女は泣いていた。 
彼の事を優しい人だ、と思った。 
「ねえ」 
「ん？」 
「これから、一緒にいてくれる？」 
「お前がそうして欲しいなら」 
「私、人を･･････」 
「そんなの、俺は気にしない」 
成海は、にかっと笑って見せた。 
「だから、右手の鎌は置いてくれよ、メリーさん」


 
「･･････ん、お」 
成海は携帯のアラームで目を覚ました。 
ベッドの上で大きく伸びをすると、部屋のカーテンを開けた。 
「･･････うん、今日も清々しい朝だ」 
実に晴々とした顔でそう言ったが、携帯のアラーム音が「歌舞伎町の女王」で、果たして本当に清々しく目覚められるのだろうか。 
暫く外を眺めた後、ベッドを振り返る。 
そこでは、金髪の少女が静かに寝息を立てている。 
その無邪気な寝顔に、成海の顔が思わず弛む。 
成海の元にメリーがやって来てから数日。 
元々一人暮らしの成海に、彼女を受け入れない理由は無かった。 
「おーい･･････メリー･･････朝だよ･･････」 
そろそろと足音を忍ばせながら、成海はメリーの横に歩み寄った。 
「朝ですよー･･････起きてくださーい･･････」 
言葉でこそ彼女を起こしているが、その声量は余りにも小さい。 
彼女が静かな呼吸で、ゆっくりと胸を上下させているのを確認すると成海は、そっと、メリーの頬を指で押した。

むにっ。 
ふっくらとした、柔らかな頬の感触が、指先から伝わってくる。 
ただ、指先から彼女の温もり、という奴は伝わって来ない。 
それはやはり、彼女が人間では無く、妖怪や幽霊と言った存在だからだろうか。 
でも、 
「･･････へへっ」 
込み上げてくる笑みを、彼は抑える事が出来なかった。 
「･･････かーわいいよなぁ」 
ぽつりと、彼は漏らした。 
成海はもう、メリーが可愛くて可愛くて仕方が無かった。 
その幼さの残る美貌の前に、彼女が何者か、と言う事はほんの小さな問題でしかなかった。 
と、言うか、成海はあまり細かい事は気にしない、出来ない人間だった。 
そして、そんな可愛らしい少女が無防備な状態にあれば、多少のちょっかいを出したくなるのが、男の幼心と言う奴では無いだろうか？ 

「･･････へへー」 
成海は続いて二回、頬を押してみた。 
むにむにっ。 
「･･････んんっ」 
ぱしっ、と成海の手を払い除けて、それでも目を覚ます事は無く、メリーは寝返りをうった。 
「っ～～～！！」 
成海は笑いを堪えるのに必死だった。 
自分の太腿をつねって、吹き出しそうになるのを耐えた。 
笑いが治まると、彼は更なるイタズラを思い付いた。 
そっと、そうっとメリーの耳元に口を寄せると、ふぅ～、と優しく息を吹き掛けた。 
「やっ、んっ･･････」 
ぴくん、とメリーが身を震わせた。 

･････あれ？ 
成海は眉を潜めた。もう一度、息を吹き掛けてみる。 
「ふあっ･･････やあ、あ･･････んっ･･････」 
頬を僅かに紅潮させて、少女は身を捩り、喘ぐ。 
艶めかしさと言うか、そう、言うなれば「女性」を感じさせるようなものを振り撒きながら。 
成海は首を傾げた。 
これは自分が心のどこかで期待したものとは違う。しかし―― 
「これはこれで･･････」 
良いんじゃなーい？ 

つい先程まで彼がその内に抱いていたものは幼心。 
しかしそれは、今やなんぞ別の黒々とした物へとメタモルフォーゼ、トランスフォーム、六神合体していた。 
「も、もう一回だけ･･････」 
初めてエロ本を見た中学生のように胸を高鳴らせながら、成海は三度、メリーの耳に己の口をちかづけた。 
その時、 
「ん･･････う･･････」 
手の甲でゴシゴシと目を擦りながら、メリーは身を起こした。 
「･･････おはよう、成海くん」 
慌てて飛び退いて、足首を捻った成海に、彼女は会釈をした。 

「あのね、成海くん」 
サクサク、と朝食の食パンを囓りながら、メリーが口を開いた。 
「ん？　なんだ？」 
「あのね、私、変な夢を見たの」 
びしっ。 
一瞬。一瞬だけ。成実の動きがカチンコチンに固まった。 
「へ、へえぇえ。どど、どんな夢だよ？　おぉ俺に話してみろよ？」 
平然を装って、しかし全然誤魔化せて無い態度で成海は聞き返した。 
「えっとね」 
そんな成海の様子を気にするでも無く、メリーは答えた。 
「ネズミにね、大きく作りすぎちゃった人形の耳を囓ってってお願いしたらね、私の耳に噛み付いてきたの」 
「･･････え、ドラ○もん？」 

―“into infernal days” closed―

*コメント

- 映画「メリーさんの電話」 三原光尋監督 出演：紗綾、長澤奈央、上杉奈央、安岡あゆみ、土井玲奈、麻倉みな、沙倉しずか 他  -- saaya_holic  (2010-05-25 22:01:33)
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    <dc:date>2010-05-25T22:01:33+09:00</dc:date>
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    <title>メリーの居る生活　Of new distinction</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/60.html</link>
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      *メリーの居る生活　Of new distinction

----

学校からの帰り道。
『しとしと』とも『ぱらぱら』とも表現しづらい、控えめな雨が降ってきた。
傘を持っていない俺は、雨宿りする場所も見つけれず、駆け足で家に向かっていた。
傘を差したクラスメイトの横を抜き、商店街を過ぎ、住宅街に入る。
このまま雨が強まらなければ、制服も部屋干しで乾くだろう。

「…ん？」

家まであと少しというところで、走っていた俺は速度を緩め、そこに止まる。
ほぼ毎日通るこの道に、見慣れないものを見かけたからだ。
朝、俺がいつもゴミを出すゴミ捨て場。そこにゴミは回収されて残っていないが、ゴミ捨て場の横に「ここ」には似つかわしくない物が落ちていた。

「人形…？」

塀に寄りかかり、座るように置かれた人形は、一見して高価なそれのように思えた。
しかし、ゴミ捨て場に置いてあるということは、結局は少しばかりよく出来た子供の玩具か何かだろう。
人形なんか興味も無いし、持って帰ったところで飾るのも気味が悪い。
陰に隠れてて回収の業者さんが見落としてったんだろう。雨空の下に野晒しにされて気の毒だが、捨ててある人形を持って帰るような趣味なんて俺には無い。

少し後ろめたさを感じながら、俺は人形をその場に残し家路を急ぐ事にした。


「ただいまー。っと…。あぁ、もう出かけてるのか…」

閑散としたリビング。
テーブルの上には食事が置いてある。おばあちゃんが用意した物だろう。

「温泉旅行ねぇ…。シャワー浴びよう…」


♪～

シャワーを浴び、夕食も済まし、ソファで寝転がってゲームをしていると、携帯が鳴った。
携帯のディスプレイは、クラスメイトであり幼馴染である俊二からの着信を知らせていた。

「ん？…俊二か。…もしもし？」
「よう。ちょっと窓の外を見てみろ」
「あ？窓…？」

言われるがままにリビングの窓から庭を見てみると、ぼんやりと人影が見えた。

「電話切るぞ。警察に通報しなきゃならん」
「待て待て。俺だ。そこに居るのは俺だ」
「…何の用だ。返答次第じゃ本当に通報すんぞ」
「今日明日暇だろうから、遊びに来てやったんだよ。今玄関に向かうから開けてくれ。な？」
「…わかったよ。今玄関に行く」

そう言って通話を切る。
庭の人影も居なくなった。玄関に移動したらしい。

玄関戸を開けると、紛れも無くそこに居たのは俊二だった。
家の中に招き入れると、「悪いね」といいながら、靴を脱ぎだした。

「まったく、最初から玄関で電話しろ…。いや、来る前に電話しろよ」
「お前の事を想ったらいても立ってもいられなくなったんだよ」

気持ち悪い。
冗談でもそういう事を簡単に言うもんだから、学校でいつか変な噂が流れないか、本当に心配だ。
靴紐を解いてるこいつに蹴りでも入れてやろうかと考えもしたが、その俊二の髪先から雫が滴っている事に気付いた。

「お前やっぱ出てけ…って、何だ？お前ずぶ濡れじゃん」
「あぁ、来る前に雨が急に強くなってさ。ついでにシャワーも貸して」

雨の中、わざわざ庭に入ってきて何をしたかったのか。
こいつとは長い付き合いだが、未だに理解できない事をしやがる。

「図々しいという言葉を知らないのか、お前は」
「俺とお前の仲にそんな言葉は要らないと思うんだが？」
「それはお前の思い込みだ。脱衣所にハンガーがあるから服はそれで干しとけ」
「風呂場ってこっちだっけ？」
「そっちは俺の部屋だ。遊んでないでさっさと行け」

ヘラヘラと笑いながら脱衣所に入っていく俊二。
まぁ、確かに雨が降ってて今日明日はどう過ごすか考えていたところだったし、あいつに付き合ってやるとしよう。

リビングに戻ると、窓から外を見る。
俊二の言うとおり、いつの間にか夕方より雨が強くなっていた。

「…雨か」

あの人形…。まだ雨に降られたままかな…。いや、誰かに拾われたよな。きっと。
…って、何で今あの人形のことを思い出したんだ？…ダメだ気になってきてしまった。

気味の悪い不快感に頭をクシャクシャと掻き乱す。

「…ジュース買いに行くついでに見てくるか」

俊二の奴に風呂上りの一杯でも買ってきてやるか。
雨の中、濡れながら来たんだ。少しくらい労ってやろう。
そう自分の中で理由付けると、俺はシャワーを浴びてる俊二を家に残して外に出た。

傘を開き、外灯で照らされた夜道を歩く。
まだそう遅くもない時間だが、天気のせいもあって暗く、人通りもまったくない。
通りなれた道のはずなのに、こうも雰囲気が変わると気味が悪い。

程なくして、あのゴミ捨て場の近くまで来た。
付近には誰もいない。ウロウロしてても怪しく見られることも無いだろう。
近づいて、夕方に人形が置いてあった場所を見る。

「あ…！」

影で暗くてよく分からないが、何かがある。
俺は躊躇いもせずに、それを拾い上げた。
やっぱりそうだ。あの人形だ。

雨でびしょびしょに濡れたドレスを着て、目を閉じてまるで眠っているかのような女の子の人形だ。

「あちゃー…。…まぁ、仕方ないか。とりあえず、雨が止むまでならいいだろ」

今更見つけたからといって、また元の位置に戻して帰るというのも、なんだか良心が痛む。
相手は人形なのは分かってるが、よくテレビの怪談でそんな話も聞くし…。
心霊現象否定派の俺だが、出来る事ならすぐに手放したい。これの処分は明日考えよう。


「ただいまー」
「お。おかえり、どこ行って…」

家に帰ると、シャワーを終えた俊二が、腰にタオルを巻いた状態で、廊下をペタペタ歩いていた。

「何だその格好！？」
「何だその人形！？」

俊二も、俺が手に持っていた人形を見て、驚いていた。
まぁ、無理も無いわな。

「うわ、怖！こっわ！お前どこからそれ持ってきたのよ!?」
「とりあえず何か着ろ。かなり鬱陶しい」

俺は大げさに騒ぐ俊二を軽くあしらい、人形を持ったままリビングに入った。
とりあえず人形をテーブルの上に座らせてみる。
人形の大きさは30センチより少し小さいくらいだ。プロンドのロングヘアはパサパサに乱れていて、雨に降られたからか、顔も少し汚れていた。
着ていたゴシック調のドレスはびしょびしょに濡れているが、ドレスの色調が黒ばかりのせいか汚れは目立たない。洗って乾かせばまだ着れそうだ。
しかし、本当にこれは玩具なのだろうか…。よくある表現だと、まるで生きてるような…。今すぐ動き出してもおかしくないほど、ただの人形とは思えないというか…。

「ほう…。ずぶ濡れだな」
「うお！？随分早いな…。もう着替え終わったのか」

人形をマジマジ見ている俺の隣で、さっきまで全裸にタオル一枚だった俊二が、新しい服を着こんで現れた。

「見ての通りだ。もしもの時のために、前に来たときに着替えを置いておいたのだよ」

どこに置いといたんだよ…。

「それで、こいつは何だ？まさか雨が降ってる外に出て、わざわざ拾ってきたとか言わないよな？」

ずぶ濡れの人形を見て、それから俺を見て俊二は言った。

「そんな馬鹿な。何のために雨が降ってる中ゴミ捨て場に行かなきゃいけないんだ」
「なるほど。雨の中それもゴミ捨て場からか」
「俺の考えてる事を簡単に見透かすお前が恐ろしい」
「俺は雨の中人形を拾ってくるお前の方が恐ろしいね」
「うっせーよ…。雨が止んだらまた元の場所に置いてくる」
「ま、人形にも優しく出来る人間なんて早々いないぜ。もしかしたら恩返ししてくれるかもな」

ヘラヘラと笑いながら、背中をポンポンと叩く俊二。

「褒めてるつもりか？…第一、こいつからの礼は恩返しじゃなくて『怨』返しだと思うね」
「照れるなよ。さ、ずぶ濡れのこいつをどうにかするか。濡れたままじゃ連れて帰ってきた意味ないしな」
「お前も何だかんだ言って、乗り気じゃないのか？」
「どうせやる事と言ったらゲームだけだろ？さ、服を脱がせ」

俊二といるといつも大体はこんな感じだ。どんな事でも適当なノリで付き合って後々問題になる。なんて日常茶飯事なわけで。
ここには二人しかいないから普段やることのない人形遊びでも楽しめればいいだろう。という感覚だ。

「まぁ、そうだけどな。…どこから脱がすんだ？」

人形を持ち上げ、前から下から後ろから、その服を観察する。

「ゴチャゴチャしてて分かりづらいな…。ヒラヒラが邪魔くさいったらないな」
「ふむ。もしドレスみたいな作りなら、背中かわき腹に何か無いか？」
「何か？」

俊二の言うとおりに、俺は人形の背中と人形の袖の付け根を注意して調べてみた。

「…あ、なんだこれ。ボタンみたいなのがある」
「ん、それだな。それが止め具になってるはずだ。外してみろ」

小さなボタンのようなポッチを手こずりつつも外すと、着ていた服がシュルシュルと落ち、人形の肌があらわになる。

「よし、脱げた」
「ほう…キャミソールとは、最近の人形はこだわっているな」

俊二はまじまじとキャミソールとパンツ姿の人形を眺めている。
興味を引くのはいいが、そんな真剣な目で見なくてもいいと思うぞ…。

「素っ裸は人形でも気が引けるし、服だけ洗って乾かしておくか」
「ふむ。本当に人形遊びのような感じになってきたな。…なぁ、こいつ貰っておくか？」
「馬鹿言え、気味悪がられるわ」
「しかし、作りは結構いい物らしいぞ。こいつがゴミ捨て場に捨てられていたなんて信じられん話だ」
「………」

確かに俊二の言うとおりだ。
見たところ壊れた部分も無いし、汚れてさえなければほとんど新品のような状態だ。
何か事情があって捨てられたのだろうか。

「ふむ。髪もバサバサだな…」

雨と泥で汚れた人形の髪を、俊二が指で梳く。
服だけ洗って済む状態ではないようだ。

「あ、あぁ。…よし、俺はボディを洗うから、俊二は服を頼む。手で丁寧に洗ってくれ」
「よかろう」

…それから俺たちは洗面所に向かった。
手際よく洗面所で服を洗う俊二と、風呂場で人形の頭を丁寧に洗う俺。
石鹸で洗うのも面倒くさかった俺は、手っ取り早くシャンプーで洗う事にした。
その様子を見ていた俊二に、「そこまでやらなくていいだろう」と突っ込まれてしまった。
服の黒ずみに漂白剤を使おうとしているお前も人のこと言えないけどな。

髪を洗い、体の汚れを洗い流し、ドライヤーを使って髪を乾かし髪を梳かす。
うん。こんなもんかな。

「よし…っと。俊二、服は乾いたか？」

ドライヤーでキャミソールを乾かしながら、洗面所の俊二に話しかける。

「いや、洗い終わったところだ。しかし、この服は自然乾燥でいいのか？シワになるぞ？」
「脱水機に入れてアイロンでもかけてみるか？」
「それは…。逆にピチピチになるだろ。やはり干しておくか」
「じゃあ服をタオルで挟んで軽く叩いてくれ。それで脱水になるから」
「よかろう。ふむ。これ終わったら何かやるか」

タオルを俊二に投げ渡し、リビングに目をやる。
何かやるか…。最近はBBしかやってないからな。

「そうだな。服乾くまでBBで対戦でもするか」
「受けて立つ。しばし待っていろ」

タオル片手に洗面所に戻る俊二。
俺は…。ゲームする準備でもしてるか。
人形はキャミソールだけだが、まぁ素っ裸じゃないしこのままでいいか。


「ここだ!!もらったぁ！」
「それは何かな？」
「うぉい!?あ、コラ!!」

『FINISH!!』

「くっそー…。ジャストガードとかマジかよ」
「ぶっぱ狙ってるの見え見えだったからな。未熟!!」
「色々とキャラの真似してるのが余計腹立つわ…」

2勝15負
かなりの力の差を見せ付けられ、そろそろ俺も疲れてきた。

「む…？そろそろ服も乾いてくる頃合だな」
「え？あ、もうこんな時間か。俺見てくるわ」

洗面所に干されていた人形の洋服は生乾きだった。
リビングに持ち帰り、ドライヤーで一気に乾かす事にした。

「どうよ？」

ドライヤーの風に当てた服を俊二に渡し、乾き具合をチェックしてもらう。

「ふむ。これくらいなら許容範囲内だな。早速着させてみるか」
「何か緊張するな。…どっちが前だ？」

四苦八苦しながら人形に服を着させる男達。
すごい嫌な光景なんだろうと思いつつ、何とか人形を元通りの姿に戻すことが出来た。

俺は元に戻った人形を改めて正面に据えて眺めた。

「うお…。なんか…すげぇ…」
「あ…あぁ。おい、これ本当に拾い物なのか？」

黒いゴシックドレスを身にまとい、ウェーブのかかったブロンドをした少女。
肌はあくまでも白く、見開いた瞳は澄んだ青色をしていて、まるでこちらを見透かされているような気がした。

「これは半端な作りではないぞ…。紛失物として警察に届けるべきじゃないか？」

あの俊二が珍しく真っ当な意見を述べた。それだけ驚いているのだろう。もちろん俺だって驚いている。
これがどこかの博物館や有名な展覧会に飾ってあっても、何もおかしく見えない。
これは落し物か忘れ物なのだろう。そうとしか考えられない。

「…そうだな。明日にでも交番に持っていこうか」
「その方がいい。…さて、俺もいいものを見せてもらったことだし、帰るとするか」
「ん、そうか。結構いい時間だしな」

人形をテーブルの上に置き、俺は俊二を外まで見送る事にした。
いつの間にか雨は上がっていた。

「夜分遅くまで悪かったな。…あ、休み明け、お前が日直だからな」
「はいよ。お前も警察に職質とかされるなよ」
「大丈夫だ。足には自信がある」
「捕まるぞ」

俊二を見送った後、俺はリビングにあった人形を持って自分の部屋に戻った。
人形を棚の空いたスペースに置き、ベッドで横になり読みかけだった雑誌を読む事にした。

交番か。休みだってのにそれだけの用事で外出るのも面倒だな…。この辺りって一番近い交番ってどこだろう。
そんな事を考えている間に、眠気が襲ってきた。雑誌を放り投げ、照明を消し、ベッドの中にもぐりこむ。
棚に置かれた拾った人形なんてまったく気にもならなくなっていた。


『プルルルルル』
『プルルルルル』

「ん…。んん…」

真っ暗な部屋の中、携帯の呼び出し音が俺を起こした。
どこの誰だか知らんが、こんな時間に何だ…。
じいちゃんばあちゃんか…？

「ふぁい…もしもし…」
「私メリー。今度人形を引き取りにあなたの所に行くわね」
「へ…？人形…？」

少女の声が聞こえた。
内容までは聞き取れなかったが人形と言う言葉だけが耳に残った。

「ツー…ツー…ツー…」
「え…人形…あれ…？」

…通話は一方的に切られてしまったらしい。
何はともあれ、人形の持ち主が見つかったらしい。
これで交番に行かないで済むんだな。よかった…。

安心した俺は携帯を握ったまま、また眠りに落ちてしまった。


翌日。
目を覚ました俺は、ふと棚に置いた人形を目にして、昨日の夜に掛かってきた電話の事を思い出した。
手に握ったままの携帯を見て、昨夜の事を少しずつ思い出す。
そして、真夜中の着信の事を思い出した俺は、寒気と共に背筋の凍る感覚に襲われた。

電話って…？
どうやって…俺の携帯にかけてきたんだ？

電話の相手は『人形を引き取りにくる』と言っていた。その人形は間違いなく、昨日拾ってきた人形の事だろう。
人形を拾ったことは俺と俊二以外知らないはずだ。人形を拾いに行くときも、辺りには人はいなかった。
…いや、もし見られていたとしても、俺の携帯の電話番号を知っているなんておかしいだろ。

落ち着け、まずは何で電話番号が知られているのかだ。
俊二が誰かに言いふらしたのだろうか。…あいつが他の誰かに俺の電話番号を誰かに教えるなんて考えにくい。
でもあいつだから、念のため、聞いてみよう。

「あ、もしもし。起きてるか？」
「昼前に電話で『起きてるか？』とは、随分舐められたものだな」
「悪いな。んで、昨日の事なんだけどよ」
「昨日…。人形の事か？」
「ん、まぁそんな所。昨日から誰かに俺の携帯の番号教えたりしたか？」
「いや、俺はあのまま帰宅して床に就いたが。…どうかしたのか？」
「あー…。実はな…」

俺は電話の事を、出来るだけ詳しく話した。
事情を知っている俊二は、興味を示し聞いてくれた。

「ほほぅ…。夢か現か、定かではない。と」
「話持ちかけておいて何だが、やっぱり夢だよな？」
「夢と切り捨てるのは簡単だが、あの人形が夢に絡んでくるとなると、強ち夢とも断言できないな」
「はは…。マジかよ」
「昼寝でもすれば、また電話が掛かってくるかもな。今はそれ以上のことはなんとも言えないな」
「そうか…。考えておく。んじゃな」
「うむ」

俊二はああ言ったが、結局あれは夢だと、俺は思った。
いくらなんでもピンポイントで携帯に電話をかけてくるなんて、あるはずがない。
起きたときに携帯を握っていたのは、無意識の内に携帯を掴んでいたんだろう。
それは着信履歴を見れば明らかだった。昨日と今日は、一度も電話は掛かってきていない。

ま、交番に行かなきゃいけないのは少しかったるいけど、本当に変なのが来たら嫌だしな。
これで一件落着だ。

自分の中で結論を出し、昼食を取ろうと立ち上がった瞬間。

『プルルルルルル』

手に持っていた携帯が鳴り出した。まさかと思いつつも、恐る恐る携帯のディスプレイを確認する。

「何だこれ…」

携帯は鳴っている。
しかしディスプレイは着信を知らせる画面ではない。白い画面が表示されているだけだ。
壊れたのか？いや、まさか…。

『プルルルルルル…ピッ』

「…もしもし？」

高鳴る鼓動を押さえながら、俺は携帯を耳に当てた。
あれは夢のはずだ。何かの間違いであって欲しかった。

「私メリー。今、あなたが人形を拾った場所にいるの」
「…メリー？お前の名前か？」
「もう少ししたら、あなたのお家に着くわ」
「…!?おい、何でお前俺の―――」

『ツー…ツー…ツー…』

「くそ…」

何なんだよ…。
携帯の番号どころか、電話の相手…メリーとか言ったか、メリーは俺の家の場所まで知っているらしい。
悪ふざけにも程があるぞ。

…そうだ！着信履歴は…。
元通りにディスプレイの画面が表示されている携帯を操作し、今かかってきた電話を履歴で呼び出すことにした。

「…嘘だろ」

履歴の画面を何度読み返しても、今日と昨日、この携帯に着信は記録されていなかった。

「何だよこれ…。くそ…」

混乱してきた頭を抱えつつ、現状を整理する。
何だか分からんやつが、何だか分からん方法で俺に近づいてきている。
何だか分からんが、とにかく危険だ！

「おい、俊二!何か、ヤバいぞ!!」
「ん…？どうしたんだ？」

携帯を操作し、もう一度俊二に電話を掛けた。

「俺にもよく分からんが、さっき話した電話がまた掛かってきた！相手は俺の家の住所を知ってるらしい！」
「…面倒事になったか。しかし何でそんなに慌ててるんだ。ドアや窓に鍵でも掛けておけばいいだろう」
「さっきから携帯の調子がおかしいんだよ！着信履歴も残らない、着信画面も真っ白で表示されないから電話番号も分からん！」
「おいおい…。そりゃマジでヤバい人形を拾ってきたのかもな…」
「人形…!!」

棚に置かれた人形を見る。あの人形に何かあるのか？
俺は棚に近づき、人形に手を伸ばす。
そうか！こいつが無ければ――――！

「待て。人形に何かしようなんて考えるなよ？下手に触らない方がいい。人形はキーアイテムだ」
「…じゃあどうすりゃいいんだよ！」
「俺もすぐそっちに向かう。お前はまだ家から出るなよ！今出たら鉢合わ―――――」
「俊二？…おい！俊二!!」

人形を掴もうとした瞬間、携帯から俊二の声が聞こえなくなった。

「――――――私メリーさん」
「ッ！？」

小さい「ヒ」という言葉と同時に、息を呑んだ。
嘘だろ…。こいつ、通話中に割り込んだ!?
ディスプレイを見ると、また画面は真っ白に表示されている。

「あれ？…もしもし？もしもーし」
「も、もしもし…」
「あ、いた。どうしたの？」
「…あんたは何者なんだ？」
「私はメリーさんよ」
「…こっちに来るのか？」
「うん。もうすぐ着くよ」
「…何しに？」
「人形を返してもらうために」

…今度は会話が成立しているな。
話を聞くだけなら、まともな相手だが…。

「何で俺の携帯の番号と家の場所を知ってるんだ？」
「そんな事聞いて、どうするの？」
「え？」
「だってあなたには話す必要なんて無いし、それに…もう、あなたのちかくにいるもの」

それを聞いた瞬間、全身に寒気が走った。
そして、その意味を聞き返す前に、窓の外…ベランダで物音を聞いて、俺はその意味を悟った。
メリーと名乗る人物…少女は、部屋の窓から出るベランダから俺を見ていた。
メリーは鍵の掛かっていない窓を静かに開けると、靴を脱いで部屋に上がり込んできた。

「ふふ…。おじゃましまーす！」
「………!!」

入ってきたのは、あの人形と錯覚するほど瓜二つの顔をした、黒いゴシックドレスを着たブロンドの少女だった。
彼女は興味津々な様子で俺の部屋を物色する。
そして、グルッと部屋を見回してから固まっている俺を見てこう言った。

「こんにちは。私のお人形拾ってくれてありがとう！」
「あ、あぁ…」

俺にニコリと笑顔を見せると、今度は心配そうな顔をして俺を気遣う。

「どうしたの？そんなに青い顔しちゃって」

どうしたもこうしたもない…。
…いや、下手に会話を長引かせると何かと厄介だ。早く用を済ませて出て行ってもらおう。
そうすれば面倒事も起きずに終わってくれるはずだ。

「いや、なんでもない…。人形だな…あれ？」

メリーと目を合わせないように、背を向けて人形の飾ってある棚を見る。
が、そこに飾ってあるはずの人形が無くなっている。

「ん？何だか前より綺麗になってる？」
「……どうなってんだよ」

…もう表現するのにも馬鹿らしくなってきた。
俺が背を向けた瞬間に、棚にあった人形がメリーの腕の中にあった。
何を言っているのか、俺にもわからない。これが痛覚のある夢なら早く覚めてほしい。

「ねぇ、このお人形に何かした？」
「汚れてたから洗ったんだ。目的を果たしたんならさっさと帰ってくれ」

関わり合いたくない俺は、彼女に目をそむけながら、窓の外を指差し出て行くように促した。
すると、メリーはそんな俺を見て言った。

「…ねぇ、なんでそんなに冷たくするの？」
「何でって…。お前に親しくする必要は無いだろ」
「お人形には優しくしてくれたのに、私には冷たくするの？どうして？」

メリーはそっと両手を差し出し、俺の手に触れた。
その手の温もりが、ここにいる少女は『現実』だと突きつけられたようで、一層俺を混乱に貶めた。

「何だよ…」
「…………」

メリーはジッと俺を見つめて動かない。このままでは帰ってくれないと俺は観念し、彼女と向き合う。

「冷たくするついでに、お前に一言言っておくわ。それ、お前の人形なんだよな？」

俺はメリーの抱いている人形を指差した。それに首を縦に振ってメリーは返答する。

「それを引き取りにくるならいいさ。責任持ってわざわざ来てんだからな。でもよ、取りに来るなら最初から大事にしろよ」

女性を責めるのはいい気がしない、しかし一度言葉が出ると後には止まらない。突然の俺の批判にもメリーは表情を変えずに黙って聞いている。

「相手は人形だろうがな、雨の中野ざらしになってたんだぞ？それもゴミ捨て場のすぐ近くにだ。捨ててると同じようなもんだよ。勝手すぎやしないか？」

説教している俺も何だか悲しくなってきてしまった。
何が悲しくて人形を哀れだと感じなきゃいけないんだ。俺も終わってるな…。

「人形は持ち主を選べないんだ。だから、持ち主のお前が大事に扱ってくれよ。いいか？」
「うん。…ありがとう。ありがとう、拾ってくれて…」

強く言い過ぎてしまったが、これだけ言えばもう面倒事も起こさないだろう。
俺は腰を少し屈めて、泣きじゃくりそうな彼女と同じ目線になった。

「キツイ言い方でごめんな。でもそいつは大切にしてやってほしいんだ」
「うん…」

うつむいたメリーが顔を上げると、彼女と目と目が会った。大きくて青い瞳。まるであの人形のような。綺麗な瞳だった。
しかし、彼女の青く光る瞳を見た瞬間、俺は全身の力が抜け、その場に崩れるように倒れた。

「…かっ…はっ…。何…だ…!?」

眩暈と吐き気に似た不快感に続き、金縛りに会ったかのように身体はおろか、口すら麻痺して喋る事すら難しくなった。

そんな…。今までの仕草は…。全部芝居…？
はは…。馬鹿かよ俺…。偉そうに説教とか…するんじゃなかったな…。

「何を？決まってるじゃない―――――」
「……っぐ…うぁ…あ…」
「――――――――――――」

朦朧としていく意識の中、ぼんやりと彼女は俺の顔を覗き込んでいたのが見えた。
あくまでも優しい表情で見つめるメリーを前に、何も出来ずに俺はそこで意識を失った。


『プルルルルルルル』

「………」

目を覚ますと、俺は自室の床の上で仰向けで寝転がっていた。
すぐ近くに転がっていた携帯に手を伸ばし、天井を眺めながら通話ボタンを押した。

『プルルルルル…ピ』

「…もしもし」
「隆一！お前か？」

通話口から、珍しくも俊二の大きな声が聞こえた。

「…俺の携帯だ。俺以外に出る奴はいねえよ」
「いや、その通りだが、大丈夫だったのか？メリーが何だとか言っていただろう？」
「あぁ…。来た…んで、今までぶっ倒れてた。俺、生きてるか？」
「何とも言えん。が、俺が生きてるから、お前も生きてるんじゃないか。何があった？」
「俺にも分からん。あーくそ…。えーと、通話に割り込んできたと思ったらもうベランダにいて、ベランダから入り込んだと思ったら人形を持ち出してて…。目を合わせたらぶっ倒れた」
「奇想天外だな…。簡単には信じられん。それで人形は？」

天井から棚に視線を移す。

「…無い。持って帰ったみたいだな」
「そうか。お前自身、何かされてないか？」

起き上がり、手足が付いていることを確認すると、今度は鏡で自分の顔を見た。

「大丈夫だ。何もされてない…っぽい」
「ふーむ…。何だか知らんがお疲れ。何も無くてよかったな」
「あぁ…。ところでよ…」
「ん？」

「…お前、誰だよ？」

「何？俺は俊二だが？」
「違うな。あいつなら俺の着信には歌が流れるんだよ。それに俊二はそんな軽い口調じゃない。…お前、メリーだろ」

少しの間を置き、電話の相手は観念したのか、ため息を付いた。
咳払いを一つすると、「あーあー…」と声を整え、再び電話に出た。

「うーん…。モーニングコールのつもりだったんだけど…」
「ふざけんな。まだ何か用でもあるのか？」
「だからモーニングコールだってば…。もう夕方だよ？起きないと風邪引くしさ」
「うるせえ。誰のせいで床の上で寝てたと思ってるんだ」

悪びれる様子も無く、メリーは馴れ馴れしい口調で電話越しに接してくる。
何を考えているのか、ただ単に狙われているだけなのか。もしくは呪われているのか。

「それと、お腹が空いてたから、あなたが寝ている間にキッチンにお邪魔しちゃったよ」
「…はぁ？」
「後でチェックしといたほうがいいかもね。それじゃ、またね！」
「あ、待て!…『またね』って…」

寝てる間…じゃなくて、俺が気を失っていた間に、あいつは家の中を歩き回っていたらしい。
心配だな…。行ってみるか。

リビングに向かった俺が、まず最初に目にしたのが、テーブルに置いておいた昨晩の残り物が乗っかっていたはずの皿だった。…皿しかない。
次に冷蔵庫をみると、目に付いたのは何かが入っていたに違いない空の真空パックと、ほとんど中身の残っていない牛乳のパックだった。
すぐに食べれそうな物が軒並み消失している。
そして棚に隠しておいたカップ麺は、変わり果てた姿となってゴミ袋に入っていた。
お湯は…やかんで沸かしたのか。

変わり果てたキッチンに立ち、呆然とする俺が思ったことは一つだった。

「あいつは何が目的だったんだろう…」


『ピ…』

「…あぁ、もしもし。俺だ。…あぁ、一応な。それで、今から飯食いに行かないか？」





最悪な一日が終わり、また新しく不安な一週間が始まった。
教室に入り、クラスメイトと挨拶を交わすと、ふと、俊二に日直だと言われたことを思い出した。

「あ、今日俺が日直だったっけ。出席表取りに行くのか…。めんどくせ」

クラスメイトの横を通りすぎ、自分の机にカバンを放る。
すると、俺のぼやきを聞いていた一人が怪訝な顔をして俺に言った。

「お前は先週やっただろ？それと、お前の席もう一個後ろ。お前、寝ぼけてないか？」
「え？…あ、…あぁ。そうだったな？」

俺は放ったカバンを取り、一つ後ろの机に置いた。

「ははは。しっかりしろよな？まだ月曜日だぜ？」
「あー…。ダメだな。ちょっと頭冷やしてくるわ」

クラスメイトに見送られ、俺は廊下に出た。

「………」

カバンを置いた机は、間違いなく俺の席だった。
でも何で俺は、何も疑うことなく間違いを認め、後ろの席に移ったんだ？
自然とそれが当たり前かのような感覚だった。

「よう、心の友よ」
「ん、俊二…」

この感覚の原因が何なのかを考えていると、横から奴が声を掛けてきた。

「朝っぱらから黄昏てる姿が似合ってるな。流石だ」
「何が流石なんだよ…」

窓の外から校庭を眺めていると、俊二が低い声で、それも他人に聞かれないような声で言った。

「なあ…。何かおかしいと思わないか？」
「生憎と、俺は昨日からずっとおかしいこと続きだ」
「お前はそうだろうが、ここは学校だろ。それでもあいつが関係してるって言うのか？」
「わかんね…。こんな事、他の奴に言っても信じてくれないだろうな」
「む…。ちょっと待ってろ。おーい、そこの君、その出席簿をおじさんに見せてくれ」

俊二は廊下を歩いていたクラスメイトを捕まえると、出席簿を借りて戻ってきた。

「あいつ、金曜にも日直やってたよな」
「ああ。だからこいつを見るんだ、俺の予想では日直が繰り下がってるはずだ」
「…ってことは？」
「俄かには信じがたいが。休み中に出席番号が一つ増えたという事だろうな」
「…この中に『あいつ』がいるのか？」
「多分な」

出席簿を見ると、クラスメイト全員の名前が載っていた。
しかし、どの名前も見覚えがあるような、どの名前も今日始めて見たような、曖昧な記憶しか思い浮かばなかった。
そんな状態が続き、昼休みに俺たちは廊下に出てお互いに気付いた点を話し合う事にした。

「席の位置が変わるだけで、授業も新鮮になるもんだな」
「そうだな。…で、早速だが、おまえは誰が怪しいと思うんだ？」

俊二が出席簿のコピーを取り出し、俺に見せた。
俺はそれを受け取り、あごを持つ。

「見たところ、みんな不自然な動きはしてないよな」
「そうだな。怪しい動きしてたら即刻俺が取り押さえている。だが、教師という事ではなさそうだ」
「なんで？」
「教師も、たまに机の列を見て不可解な表情を見せる。何か違和感を感じているんだろうな」

アテになるのか？と思いつつ、改めて机の配列を眺めるていると、俺の席の近くの机の配置に違和感を覚えた。

「机の列ねぇ…。あ？」
「ん、どうした？」
「この列、机が一個少ないぞ？」
「……そういえば、お前の後ろ斜めの位置に席があったな」

俺の席は一番後ろの席で、俺より後ろの位置にくる机は無いはずだった。
この出席簿でも俺の席が一番後ろになっている。
しかし、確かに俺の隣の列では俺より後ろに机があった。

「…元凶はずっと俺の後ろ居たって事か？」
「そう言うことだ。…そいつは今もお前の事を後ろから見てるぜ」

俊二の言葉を聞き振り返る。
同時に何人ものクラスメイトが目に入るが、一人だけ。教室の中から俺達を見ている「そいつ」と目が会った。
俺に気付かれたと分かると、そいつは急いで教室から走り出し、廊下を逃げて行った。

「ふむ。廊下は走ってはならぬというに。ますます怪しいな」
「…行ってくる！」
「うむ。励んで来い」

俊二を置いて、俺はあいつを追いかけた。
何で今になって気が付いたんだ。あんなに近くに居たっていうのに！
こんな校則の厳しい学校で、一人だけウェーブをかけたブロンドで、妙に小さいあいつを、何故気付かなかった！

階段を駆け上がり、屋上への扉を開け放つと彼女は屋上の真ん中で佇んでいた。
背中を向け、空を仰いでいるそいつに近づきながら、俺は叫んだ。

「お前は…、お前は一体何なんだ！」
「…何度も言ってるでしょ？私はメリーさんよ」
「そうじゃない！お前は何のために俺に付きまとうんだ！」
「付きまとったりなんかしてないわ。これは極自然な好意よ？」
「…好意？何でこんな事が好意になるんだよ！」
「人形を拾ってくれたお礼…。今日、日直だったでしょ？」
「日直…？」

そんな馬鹿な。
まさか俺に日直をやらせないためだけに、自分をクラスに入れて席順をずらしたって言うのか？

「そんな事のために？」
「だって、お礼ですもの」
「馬鹿げてる…。そんな事のためにこんな面倒なことをするのか？」
「…面倒でもその人のためにする。あなたがこの人形にやってくれたことを返しただけ」



「それが、私なりの恩返し」



「……!!」

気が付くと、メリーは俺の目の前に立っていた。
俺が危険を感じ、メリーから離れようとすると、それを察知したメリーが言った。

「大丈夫。今度は何もしないから。あなたには一言言いたいだけ」
「…なんだよ」

メリーはゆっくりと腕を上げると、人指差しを俺の唇に当てた。
そして、俺の顔を見てにこやか笑い、俺に告げた。

「ごちそうさま！」
「は？」

それだけ言うと、メリーは俺の横をスッと走りぬけ、階段をタッタッタと下りていってしまった。

ごちそうさま？
その意味を考えていると、今頃になって昨晩の惨状が脳裏に浮かんだ。

「…あいつ！！コラ、待て！俺の晩飯返せ！！いや違、…とにかく待てえぇぇー！！」




「結局、あいつはなんだったんだろうな…」
「さてな。まぁ、席も戻ってたわけだし、一件落着でいいじゃないか」

放課後、俺の俊二は人もまばらになった教室を眺めていた。
俺が屋上から戻ると、机の数も元通りになり、俺達の席も元に戻っていた。
途中で催眠術？が切れたせいで、結局俺は日直になっていた。全員が気が付いたときにはもう最後の教科が終わったときだった。
メリーのおかげで俺の今日の仕事は出席簿を担任に届ける事だけになった。

「なーんか、釈然としない」
「いいじゃないか。お前の話じゃ、これであいつの目的は済んだということだろう？」
「そうだといいんだけどさ…」
「考えても、お前の頭では何も解決しない。諦めて帰るぞ」
「はぁ…。そうだな。帰るか…」


家の玄関を開けると、おじいちゃんとおばあちゃんの靴が揃えてあることに気が付いた。

「ただいまー。あれ、帰ってるん…だ……？」
「あら、おかえり隆ちゃん」

おばあちゃんの隣に置いてある、黒い靴を見て俺は嫌な予感がした。
右からおじいちゃん、おばあちゃん、そして、第三者の靴。
おばあちゃんの声が聞こえたそのすぐ後、案の定、あいつの声が聞こえた。

「おかえり、隆一！」

リビングのソファに座ってテレビを見ていたそいつは、俺をの顔を見ると笑顔で手を振っていた。
どうやら、あいつの恩返しはまだ終わっていなかったらしい。

「ただいま…」
「ふふ…」

俺が落胆していると、メリーはおもむろに俺に近づいてきた。
そして、俺の顔を覗き込み、満面の笑みで嬉しそうに告げるのだった。

「私メリー。あなたと一緒にいるの」    </description>
    <dc:date>2010-02-27T00:54:40+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www5.atwiki.jp/melly/pages/61.html">
    <title>コメントログ</title>
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      - 最後に、不良に向かって「・・・私メリーさん。今あなた達の前にいるの・・・」とか言わせてみたい   --  (砂)  &amp;size(80%){2010-02-26 19:45:45}     </description>
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    <title>メリーの居る生活 特別編『Trick or Treat』前編</title>
    <link>http://www5.atwiki.jp/melly/pages/59.html</link>
    <description>
      *メリーの居る生活 特別編『Trick or Treat』前編

作： ◆Rei..HLfH.

-まえがき
ハロウィンという事で、久しぶりに短期集中執筆に挑戦させていただきました。
今回は効果音の削除、フラグ散布など、様々な試みを試しております。
後半は視点がホイホイ変わる部分。よく分からないネタの混入など。そのせいで色々と読みにくくなっています。
すいません。ごめんなさい。

今回初登場となる新キャラですが、7話に登場するキャラクターです。
彼女の詳しい情報は、もうしばらくお待ちください。

そして、今回もエピローグ後載せの方法でお送りします。

それでは前置きが長くなってしまいましたが、本編に参りましょう。
時間の空いている方のみにお届けする、ある平凡なハロウィンの風景です。

----

10月29日

「隆一、明後日は何の日か知ってる？」

カレンダーを眺めていたメリーは、不意に僕に訊いてきた。
全滅した数学の小テストを眺めていた僕も、カレンダーを見る。
カレンダーにプリントされた31という文字の周りには、これといったイベントの名前はかかれていない。
祭日というわけじゃないらしい。

「10月31日か。…知らんなぁ。メリーの誕生日とか？」
「違うわよ。よく考えなさい」

クッションを抱えゴロゴロとくつろいでいるメリーは、何かもどかしそうな態度で返す。
どうやらこいつは答えを知っているらしい。

「10月31日…10月最後の日だろ？……ダメだな。さっぱりだ」
「はぁ…トリックアトリートと言えば？」

早く答えて欲しいメリーは、僕が答えられないことは我慢できなかったらしい。
あっさりと、だが呆れた様子でヒントを出した。

「ハロウィンか？」
「そう。まったく、それくらい知ってなさいよ」
「無理言うなって。で、ハロウィンがどうしたんだ？」

メリーがこんな回りくどい前フリで話しかけてきたということは、何か企んでいるに違いない。
無視するのも手だが、聞かないと後が面倒だから一応聞いておく。

「トリックアトリートよ！」
「『お菓子を寄こせ、さもなくば死あるのみ！』だっけ」
「そんな怖いお祭りじゃないでしょ。『悪戯するぞ』でしょ？」
「今のはメリーなりの解釈。実際は脅迫じゃなくて『トリックオアトリート（Trick or Treat）＝悪戯か、お菓子か、どっちがいい？』って選ばせてるんだぞ？」
「じゃあ選ばせるわ。大人しくお菓子を寄こすか、私に悪戯されるか。どっちがいい？」
「…立派な脅迫じゃないか」


10月30日

一晩経って、学校in朝のHR後の自由時間。
あれからハロウィンのことを調べていたが、ついつい深入りしすぎてしまった。
睡眠不足に堪える授業を前に、せめて開始までの15分でも寝ようと試みる。

「おっす、隆一。元気そうだな！」
「そうだな。今日僕があと1時間も寝てなかったら、お前の顔に型抜きを押し付けてる所だった」

こういうときに限って、元気一杯の馬鹿が寄ってくる。
こいつの事だ、眠そうな時を狙って話しかけて来るんだろうな。

「はっはっは。そう邪険にするな。…しかし何だ、型抜きって？」
「…お前10月31日は何の日か知ってるか？」

陽気に笑うこの馬鹿に、昨日僕がメリーにぶつけられた質問を投げかけてみる。

「31日か…。ガス記念日か？」
「いや、僕が聞きたい答えは別だ。ガス記念日とか興味ないから」
「うん？ガスじゃないとなると、ハロウィンか」
「正解」
「ん、ハロウィンがどうかしたのか？」
「メリーに、『トリックオアトリート』って言われる事になった」
「ほほう。それでそれで？」

この野郎、ニヤニヤして聞いてやがる。

「…昨日そのお菓子に何を用意すればいいか考えてたら、寝る時間が無くなった」
「で、結局何作るか決まったのか？」
「さっぱり。…メリーのことだ、そこらで売ってるお菓子じゃ『期待はずれだー』とか言って暴れるかもしれない」
「ふむ。クッキー辺りでも焼けばいい」
「僕もそれを考えたんだけどさ…。作った事がないし、失敗なんかしたら、それこそ渡す物が無くて悪戯される」
「それで『型抜き押し付けるぞ』か。今日帰った後に試しに焼けばいいじゃないか。なんなら俺も手伝うぞ？」
「帰る頃には、おばあちゃんがキッチン使ってるからなぁ。焼くとすると都合よく学校が休みな当日しかない」
「難儀なやつだな。しかし、ハロウィンに渡す菓子か…。ん？」
「…どうした？」

俊二がクラス全体を見渡していると、うってつけな人物を見つけたと言わんばかりに、チョンチョンと一人のクラスメイトを指差した。
その先には、いつの間にかこのクラスに紛れ、そして馴染んでいた横島が眠っていた。

「横島？お菓子ならあいつより詳しそうな女子いるだろ。咲とかさ」
「菓子より今回はハロウィンのイベントに詳しい奴に聞いたほうがいいと思うぞ。普通の菓子ならいつでも作れるからな」
「そうかぁ？それにあいつがハロウィンに詳しいなんて、何で解るんだ？」
「ん？…雰囲気で。…だな」
「偏見だぞそりゃ」

彼女は口数は極端に少なく、クラスメイトと話をしている所も見たことはない。むしろ『話しかけるな』というオーラが出ているような気がする。
着崩さずに制服は着ているが、伸ばし放題に伸ばした髪は、椅子に腰掛けると床に触れてしまいそうなほどだ。
こう言うと勘違いされそうだが、不潔ってわけじゃない。…ただ極稀に、彼女から気分が悪くなるほどの薬品のような臭いがするので、うかつに近寄れない。
外見と性格(と臭い)のせいか、あの咲でさえ話しかけることが出来ない。…いや、咲が話しかけたところで無視されるだろう。
授業中は主に持参した携帯ゲーム機と睨み合い、バッテリーが切れたか、やる事がないとこうやって眠っている。
どういうわけか、その授業態度を咎めたりする者はおらず、初めは周りの人間には彼女が見えていないのかと錯覚すら覚えたほどだ。

周りから見れば少し変わった、そんな女子生徒なんだが…。
彼女は俊二たちとは違う意味で「クセのあるやつ」で、僕は彼女と知り合いだ。
横島はあの日から、僕…というかメリーを見張るかのように、こうやって現れた。
初めは何が目的か注意していたが、何をするでもなく、こうやって学校生活を送っている。

「聞いてみなきゃわからんだろう？ほれ、行くぞ」
「お前は寝てる奴を起こしたいだけなんじゃないのか…？」
「そんな意地悪な人間に見えるか？」
「悪魔には見えるが」
「ありがとよ」

寝ている横島は寝息どころかピクリともせず、寝てるというより死んでいるようだった。
僕の「『起こす』より『蘇生する』のほうが正しいんじゃないか？」という問に、俊二も「俺もそう思う」と答えて、俊二は横島の肩を優しく叩いた。

「……ん………？」

横島は微かな反応を示した。が、顔を開けようとはせず、うつ伏せたまま止まってしまった。

「これは…起きてるのか？」
「多分。聞いてみれば？」

起こした張本人である俊二は咳払いをし、声をかけた。

「なあ、聞きたい事があるんだが…」
「…………………………」
「あー…、もし？横島や？」
「…………………………」
「だ、ダメだ…」

解ってた事だがな。
彼女は『話しかけられたこと』に対して興味は持たない。
他人に興味がないから尚更だ。

「まったく…」

彼女と話すには、少しコツ…というより条件がある。
肩を落とす俊二を横に退けて、僕が話しかける。

「悪いな、起こして。お前に頼みがあるんだ」
「…………………………」
「ハロウィンで渡すお菓子についてなんだが、何か知らないか？」
「……………」

すると、うつ伏せていた横島はむくりと起き上がり、おもむろに自分のカバンの中身を探った。
間もなく彼女が小さなポシェットのような物を取り出すと、それから携帯ゲームを取り出した。

「PSPか…？」
「何だ何だ？」

その様子を見ていた僕と俊二に、彼女はそのPSPの画面をグッ押し付けた。

「お、モンスターハントか。…ずいぶんやりこんでるな」
「ふむ？だがマルチモードクエストが全然埋まってないな」

どうやら、一人では埋めれない多人数プレイのモードのクリア…つまり、このゲームの進行を手伝えという事らしい。

「よし、これが報酬だな。僕もこれ手伝うから、今言ったハロウィンのお菓子のこと教えて欲しい」
「む、知ってるのか横島？」
「ああ、知ってるからこうやって、伝えてるんだろ？」
「………」

PSPを受け取った横島がコクリと頷く。

「よし、ならば俺も手伝おう。俺がいればどんな奴もイチコロだぞ」

俊二は胸を張って自評する。

「…………いらない…」

そんな俊二を、横島は一言で切り捨てる。

「うお、声初めて聞いたが…うぅむ…。俺を用無しと申すか」
「横島、こいつもいた方がいいぞ。埋まってないクエストには三人以上いないと都合の悪いのもあるし」
「でも…」
「こいつも一応やりこんでるから、邪魔にはならないって。な？」
「うむ、今まで培ってきたプレイに恥じない動きをお見せしよう」
「………わかった」
「サンキュ。それじゃ、昼休みにでも詳しい話聞いていいか？」
「…わかった」
「んじゃ、よろしくな」
「……ん」

そう言って、僕らは横島の席を離れた。
席に戻った頃には横島はまた机にうつ伏せになっていた。

「しかし、隆一よく会話できたな…。俺は初めて声を聞いたぞ」
「そっか、お前は話したことなかったもんな」
「ううむ…。貴様女のたぶらかし方、解っているな」
「滅多な事言うな。横島は特別なパターンだ」
「どうだかな。何はともあれ、昼休みか。昼飯でも一緒に食う気か？」


「横島って飯食うのかな…」
「いや、食うだろ。昼は飯を食う。人間なら当たり前の行動だ」
「まぁ、そうなんだけどな」

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

「む、授業が始まるな」
「はあ…結局寝れなかったか…」
「昼も寝れそうに無いな。ま、頑張れ青年！」
「あー…かったるい…」

重たいまぶたを擦り、僕は机の中に詰め込んである数学の教科書を引っ張り出した。
ふと、横島の方を見ると。
…やっぱり寝ていた。



夢と現の狭間で何を学んだのかも覚えていないまま、待ちに待った昼休みに突入した。

いつもなら昼飯を食うか、このまま寝るかの二択問題で悩む所だが、約束があるのでどうにも起きていなければならない。
この後に控えている午後の授業を想像して、憂鬱なため息を吐いた。

「青年よ、勉学に精を出した後の気分はどうだ？」
「めちゃくちゃ眠い。あと腹減った」

そこにタイミングよく水を差しに来る馬鹿野郎がやってくる。

「だらしねえこった。飯、食いに行くんだろ？……横島と」

俊二は周りに聞こえないように、横島の名前を出した。
気を使っているつもりなのか。余計なお世話だと言ってやりたい。

「お前も来るか？」
「そんな野暮な真似するかよ。二人でじっくり話し合ってこい」
「僕はお前が何をしたいのか解らん…」
「俊二様はクールに去るぜ」
「………………………」

何だか知らんが、今日の俊二はいつもより3割り増しでおかしくなっている。
まぁ、あいつがどうなろうと知ったことでもないし、ほうっておいても問題ないだろう。

「さてと…」

馬鹿の背中を見送って、僕は席を立った。
向かう先は、もちろん横島の席だ。

「…まだ寝てるのか」

1時間目から昼休みまで、何度か横島の動向を横目でチラチラ確認していたが、とうとう彼女は顔を上げることは無かった。
この非常に長いシエスタタイムを遮っていいものか、そしてどう声を掛ければいいのか分からず、とりあえず名前を呼んでみることにした。

「おーい、横島ー起きてるかー？」
「………………起きてる」
「ん、今から食堂に飯食いに行くんだが、一緒に行くか？」

うつ伏せたまま返事をする横山に驚きつつ、なるべく自然な言葉を選び横島を食堂に誘う。
何だかナンパしてるような気がして、恥ずかしい。

「………」
「………」

横島はゆっくりと顔を上げると、座ったままの姿勢で僕を見つめてきた。

「…な、何だ？」
「…用件だけ話に来たわけじゃないの？」
「あ、ああ。食いながらでも話したほうが、落ち着いて話せるかなって思ったんだけど…」
「…わかった。行きましょ」
「へ？あ、おう…」

意外とすんなり受け入れてくれたことに、心の中で感謝して、僕と横島は食堂に向かった。
食堂へ向かう途中、僕と横島はお互いしか知らない事を話をしていた。

「ところで、お前は食事とか摂るのか？」
「必要ない。でも人間の食べ物は嫌いじゃない。…何故そんな質問を？」
「食べれないのに誘ってたら悪いなって思ってさ」
「……同情はいらない。…メリーの様子は？」
「上々。ブレーキでも付けて欲しいもんだ」
「………そう」

そこで会話が終わってしまい、後は二人無言のまま食堂にやってきた。

「食堂は使ったことあるか？」
「……無い」

横島は賑わう食堂を、物珍しそうに端から端まで見渡している。
そんなに珍しいのか。

「こっち来てみ」
「…………」

僕は横島を手招いて、日替わり定食の展示されたショーケースの前に立たせた。
のんびり歩いたせいで、ショーケース前の人口はまばらだ。

「………？」

ショーケースを覗き込む横島は、ただジッと数種類ある定食に目移りさせていた。
人間の食べ物は嫌いじゃないというが、結構好きなんじゃないのか？

「…………うぅん…」

悩み疲れたのか、一度ショーケースから離れて、何かを考え始めた。
そっけない態度をとっている彼女だが、今の彼女は十分人間臭さが溢れている。
見ていて実に楽しい。

「日替わり定食って奴だ。Cのから揚げ定食なんかオススメだぞ」
「……なら私もそれ」

意外にも彼女は、あっさりと僕の薦めを聞き入れ、から揚げ定食に決めた。
自動販売機は普段から使っているという横島は、食券の自販機では戸惑うことなく券を購入した。

「今買った食券を、おばちゃんに渡して少し待つんだ」
「…そう」
「おばちゃーん、C定食二枚ねー」

中で忙しなく動き回る調理のおばちゃん達に、声を大きめに注文する。
すると、その中の一人のおばちゃんが愛想良くこちらに寄ってきた。
このおばちゃんと僕は、ちょっとした知り合いだ。
どんな知り合いかというと、またクセのある人物で、メリーと深い係わり合いのある人物でもある。
普段はバザーで怪しげなものを売ってたり、かと思えば不思議空間で若返って暴れてたり、そして学食のおばちゃんをやってたり。
とにかく謎の人物という事だけは確かだ。

「あら、隆ちゃん。そちらのお嬢さんは？おばちゃん初めて見るわねえ」
「僕のクラスメイトの横島。今日が学食初体験なんだ」
「という事は…、いやだわこの子、学校で逢引きなんて」
「表現古いし、違うから。相談事ついでに飯でも食おうって、誘ったの」
「あんまり変わらないんじゃなあい？」
「そ…そうかな？そんな気もしてきた」
「その子がどう思ってるか次第よ。……ところであなた」
「…………何か？」

調子よく僕をからかって気が済んだのか、おばちゃんが横島を見つめた。
その目は『おばちゃん』の顔には似つかわしくない、鋭い目をしていた。

「人間の形をしているようだけど、何者かしら？おばちゃんは人間の食べ物しか作れないわよ？」
「確かに私は人間ではありません。…ですが、ご心配なく。問題を起こす気も無ければ、人間の食べ物も食べれます」

横島はおばちゃんの目に怯むことなく、珍しくはっきりした口調で答えた。
その態度を見ておばちゃんは、コロリと表情を変えて話を続けた。

「いやだわぁ。おばちゃんてっきり、隆ちゃんを誑かせて色んなことしてるんじゃないかって」
「たっ、たぶ―――…!?」

お、横島が珍しく焦ってる。
うーむ、新鮮だ。

「おばちゃん、学校で変な事言わないように」
「あら、おばちゃんつい口が滑っちゃった。ごめんなさいね？」
「……いえ」
「それで、注文は…Cを2つね。二人ともちょっっとだけ待っててね？」

そう言うと、おばちゃんは返事を待たずに厨房に入っていってしまった。

「……あれほどの人物がこんな所に」
「ん？無口なお前が独り言なんて珍しいな」
「…うるさい」
「ん」

おばちゃんの存在がよっぽどショックだったのか、とりあえず横島には定食が出来上がるまで話しかけないことにした。


「はい、お待ちどうさま。から揚げ定食ね」

すぐに定食は出来上がった。
おばちゃんが定食を渡し口まで持ってくる。

「…来た来た。…横島、どうかしたのか？」

横島は同時に渡されたから揚げ定食を見て、困惑していた。

「…多い。……量が」
「本当だ。頼んだの大盛りだったっけ？」

横島は首を横に振る。
実際にはこの量は大盛りどころじゃない。
横島に渡された定食は、僕の定食より1.5倍の量はある。
これを食べろとは、量的にもカロリー的にも酷な話だ。

「おばちゃん、これ何？」

この特盛り仕様の定食は何なのか、と盛り付けた張本人に訊く。

「サービスよ。サービス。これからも学食来てねって」

女子にするサービスじゃないだろ。

他の生徒も利用する事もあり、渡し口からすぐに離れる事になり、今度は座れる場所を探す。
しかし、隣で特盛り定食を持った横島には同情する。
周りにはあまり気づかれていないようだが、さすがに居た堪れないようだ。
男の僕でも、これは羞恥プレイとしか…。

「……どうしよう」

その特盛り定食に困惑している横島を、気の毒に思った僕は、彼女に提案をした。

「僕のと交換しよう。こっちは普通の量だし」
「…………え？」
「ほい、目立たないうちに、さっさと交換だ」
「……うん」

戸惑う横島から、特盛り定食を奪い、代わりに僕の定食を渡す。

「結構…重いな。食うだけで昼休み消費しそうだ」
「………いいの？」
「むしろ特盛り食えてラッキーって思ってる」
「…………助かる」

少しでも横島を安心させようと、僕はバレバレでも強がりを見せた。
普段からそんなに喋らない奴だけど、横島とは仲良くなりたい。
今まで色々助けてもらってるし。これくらいで恩返しなんて思ったら逆に罰が当たるだろう。

「次は、席を探すんだが…。もしかすると…」
「……………？」

この学校の食堂は、他と比べると広いそうだが、ほぼ全校生徒が集まるこの時間は満席になる事も珍しくない。
賑わった食堂の席一つ一つを確認する。
あまり見たくない顔だが、あいつのことだ。多分…いや、絶対いる。

「いた。やっぱりあいつ3人分の席キープしてやがる」
「………？」

俊二は、満席スレスレの食堂で四人用の丸テーブルを一人で占領していた。
こんな無茶できるのは、この学校でコイツと数名だけだろう。
名誉と悪名を兼ね備えた変態…もといクラス委員長。
委員長ってそんなに権力あったか？

誰がいたのかまだ分からない横島に、中指で奴を指さした。
もちろん恥ずかしいので、目立たないように腕は伸ばさず、だ。
横島はその指先を目で追って何かを見つけると、今度は僕を見た。

クールに去るぜとか言っておきながら、会話に混ざる気満々だったんだな。
気が利くというか、うざったいというか。
あいつがいるとなると、横島との話がうまく進まないかもしれないな。
横島はどう思ってるんだろう。聞いてみるか。

「あいつも会話に混ざるかもしれないけど、いいか？」
「…構わない。……余計な事を話すつもりは無い」
「スマンね」
「…構わない」

僕と横島は、俊二が一人でうどんを啜っている席に歩き出した。

「む、来たか。遅かったじゃないか」

僕らが席の前に立つと、うどんに夢中になっていた俊二が、ようやく僕らに気がつく。
気が変わった、やっぱり邪魔だ。
横島は気にも留めていないようだが、こいつがいると僕が横島から話を訊きにくくなる。

「すまん。横島、やっぱ他で食おうか」
「私はどこでも構わない」
「待て待て待て。せっかく気を利かせて場所取りしておいたってのに、その扱いはないだろ」
「や、頼んでないから」
「…気遣いは必要ない」
「ぐ…。わかったわかった。うどん食ったらいなくなる。だからそんな事言ってくれるな」
「仕方ないな、一緒に食うか。横島、いいか？」
「……どこでもいいわ」
「さあ、そんなとこで突っ立ってないで座って食え」

俊二に急かされ、僕と横島は隣同士の席に座った。先に座っていた俊二とは対面した位置だ。
とにかく、飯を平らげて俊二をどかしてからじゃないと、落ち着いて話が出来ない。
今は飯を食う。この山盛りになった米と、おかずとしては大げさな量のから揚げを平らげる。

「さて、いっただきますよっと」
「…いただきます」

両手を合わせ、箸を持つ。
改めて見ると凄い量だ。午後は胸焼けしなきゃいいけど。
心の片隅で心配しながら、から揚げを一つ口に運ぶ。
うん、うまい。量は多すぎるけど、とりあえず美味しいぞ。
カラｯと揚がっててあたたかい。

「何だ？そのギガ定食は」

うどんの麺を口に入れようとした俊二が、呆気に取られた様子で聞いてきた。
そりゃ、この量だからな。驚かないほうが難しいってもんだ。

「おばちゃんの気まぐれが、いけない方向に向けられた」
「それがこの気まぐれ定食か」
「から揚げ食うか？よし、食え」
「まだ何も言ってな――待て待て、せめて受け皿に寄こせ。から揚げうどんは趣味じゃない」

多すぎるおかずを、無理やり俊二にお裾分けする。
友情って、こんなやり取りで育まれるんだよな。

「おかずだけでは物足りぬだろう。米も分けてやる。何、遠慮するな」
「だから待て、うどんに入れようとするな。受け皿出してるだろ。こら、話を聞け」

よし、これで定食の量は普通盛りになった。
問題は俊二に定食を分けた分、食い終わるまで、こいつがこの席に長くとどまる事になるな。

「さぁ、さっさとそれを食ってこの席を明け渡せ」
「何と暴虐な…。こんな事が許されると思うな!」

と言いながら、むしゃむしゃとから揚げをほおばる俊二。

「そば茶がうめえ…」
「けっこう美味いな。たまにはから揚げもいいもんだ」
「…………」

昼休みが中ほどまで来た頃、丁度三人は同じタイミングで食事を終えた。
僕と俊二は食べ始めるのが遅かったからだろう。黙々と口に食べ物を運んでいた横島が一人食べ終わっていないという状況にはならなかった。

「結構食ったな。さて、俊二。お前はどっか行け」
「ふむ…。残念だ。俺もハローウィンとやらの事を聞きたかったんだがな」
「お前がいると落ち着いて話も出来ないだ―――」
「……別にいても構わない」
「え？」

意外だ…。
横島が僕の言葉を遮って、小さくだがハッキリした声で喋った。
俊二をこの場から追い出したいのは、僕のわがままだ。
横島にそう言われて、僕のわがままを無理に押し通す気はない。

「…仕方ないな、横島がそう言うなら」
「む、いていいのか？内心涙ぐんでたんだぜ俺？」
「…………………」

横島がコクリと頷く。
しかし何故急に？

「うむ、やはりお前達は見所がある。お前らの分の食器を片付けてきてやろう」

俊二は僕らの食器を取り、揚々と席を立ち返却口に歩いていった。

「よっぽど嬉しかったのか…。スキップでもして帰ってきそうだな」
「…………」
「別に不満に思ってるわけじゃないが、何であいつを？」
「…今回の件の報酬は、隆一と俊二の協力。そうすると俊二の願いも聞き入れなければ等価条件とならない」
「不公平ってわけか。でもどうするんだ？もし、あいつがいたおかげで昼休み中に僕の質問が終わらなかったら、いつ聞けばいい？」
「……放課後」
「放課後って…。横島って、いつも放課後は真っ先に帰ってるよな。あれって何か用事があって急いでるわけじゃないのか？」
「………理由を話す必要は無い」
「そうか。それでも出来るだけ手短に終わらせるよ」

横島には横島の考え方がある。か。
ここは横島のペースに合わせたほうがいいかもしれないな。
さっきみたいな僕のわがままで横島に迷惑かけるわけにも行かない。

「心の友よ。茶を淹れてきてやったぞ」

俊二が満面の笑みで緑茶を配膳する。
配り終えると、俊二は席に着いて、緑茶を静かにすすった。
こいつは何を話すわけでもなく、僕らが喋りだすのを待っているようだ。

「…さて、まず今回の話は『ハロウィンに渡すお菓子について』だが、まずはハロウィンについて訊きたい」
「………例えば？」
「そうだな…。元々ハロウィンって、何のためのイベントなんだ？」

元々僕は、ハロウィンを仮装してお菓子をねだるというイベントとしか認知していない。
何の意味があってのイベントなのか聞いておけば、用意するお菓子のヒントになるかもしれない。

「…昔、ある一部の人間たちは10月31日を1年で最後の日としていた…。その日の夜は、死者の霊や魔女が出没すると信じられていた」
「11月で一年か…。何だか変な感じだな」
「ふむ。大晦日にこの世の者ではない者がやってくるってことだな」
「…その霊や魔女から身を守るために、人間は仮面を被るなど行った」
「それが今で言う仮装大会に繋がるのか」
「しかし、何故その身を守る為の仮装が、自ら化け物になりお菓子を要求するようになったのか…」

俊二の言う事に、僕も相槌を打つ。

「…そこまでは私も知らない。お菓子は『親類の魂を天国へ導くためのものとして使われた』というのが起源」

お菓子が道しるべか。
ファンタジー…と言っては失礼だな。昔の人の考えは僕にはよく分からない。

「へぇ、どこかのお菓子が欲しい子供が、幽霊に変装すればお菓子を沢山もらえると考えたんだろうな」
「もしそうなら稀に見る秀才と見た」

イベントを自分の食欲のために利用して、それが後世まで受け継がれるんだ。
もしかしたらの話だが、そうだとすると面白い習慣だな。

「横島、昔はお菓子って何が作られてたんだ？」
「…言い伝えでは、干し葡萄のパンだった」
「パンは流石に難しいな。手間が掛かりすぎる。それならハロウィンで定番のお菓子とかって無い？」
「…定番とは言えないが、カボチャを使ったお菓子が多い」
「ふむ。ハロウィンといえば、カボチャだからな」
「カボチャか…。いいかもしれない。レシピとか知ってたりしないか？」
「……少しなら教えれる」
「何!?是非教えてくれ!」
「うぉっと!」
「―――――」

僕はつい、声を上げてしまった。
俊二は椅子から転げ落ちそうになり。
周りの生徒は、ちらほらとこちらを見る。
だが、俊二がここに居てくれたおかげで、次々と『なんだ、こいつらか』といった反応をして戻っていく。
横島は、目を見開いて固まっている。驚かせてしまったようだ。

「すまん。つい必死になった」
「…構わない」
「悪いな。で、そのお菓子の作り方なんだが…」
「材料も調理手順も覚えている。放課後に…」
「え…？それって」
「…私は構わないと言った」
「助かる。よろしく頼む!」

僕はつい横島の手を取って、握っていた。

「……………」
「…あ。悪い」

すぐに横島の手を放して謝罪した。
さっきから謝ってばっかりだ。

「…別に」
「……………」

少し調子に乗りすぎた。
聞くことも無くなって気まずい空気が流れてきた。

「ふむ。今日の収穫はこんな所か。横島よ。貴重な話を聞けた礼を言おう」
「…そう」
「約束だからな。俺はもう行く。あとは二人でよろしくやってくれ」
「あ、おい！…行っちまいやがった」

こんな時に限って、あいつはスタコラとこの場を去っていった。
二人になることを望んでいたのは確かだが、この状況は耐え切れない。
何か話題を出したいが、何を離せばいいか浮かんでこない。
困ったな…。

「……手」
「…手？」

不意に、横島の方から話しかけてきた。
横島は自分の手をジッと見つめてる。

「……何故そんなに温かいの？」
「へ？…あぁ、僕の手？んー…健康だからじゃないか？」
「…その手の温もりは、私には必要ない」
「ん？」
「………」
「あ、あぁ。わかった…」
「……………」

横島はそれから何も喋らず緑茶をすすった。

僕は横島の言葉が、自分には何も必要無い。私には触れないでくれ。と言ってるように感じた。
重かった空気がさらに重くなった気がして、とにかく話をして紛らわそうと、それから昼休みの終わるチャイムが鳴るまでは、作るお菓子について聞いていた。
『どんなお菓子なのか』『僕にも作れるのか』…そして忘れてはいけない、『そのお菓子は甘くて美味いのか』。
細かい質問にも、横島は淡々と答えてくれた。
大体のイメージが掴めてきたところで、チャイムが鳴った。

次は放課後。材料を買いに行って、当日の最終調整だ。


「青年よ、二人きりの会話、どうだった？」

教室に戻り、席につくと早速、俊二が寄ってきた。

「さてはお前、話す事がなくなるタイミングでわざとあの場を離れたな？」
「何を馬鹿な。お前らがいい雰囲気だから空気を読んでやっただけだ。で、どうなんだ？」

興味津々の悪趣味丸出しの馬鹿が、目を輝かせている。
殴ってやろうか。

「放課後にお菓子の材料を買いに行く。…横島と」
「貴様それは―――…」
「それ以上言うな。他の奴らに聞かれたら…」

「聞かれたら、何？」
「うわ!!」
「む、咲か。久しぶりだな」

ひそひそと男二人で話しこんでいるところに、咲が現れた。
今の聞かれたか？

「ふーん、隆一君ったら…」

咲はそこで一旦区切り、周りを確認した後、近くによってきて…

「…横島さんとデート？」

とニコニコしながら小声で聞いてきた。
どうやら聞かれていたようだ。くそ、油断した。

「違う!断じて違うぞ!!」
「えー。だって二人で買い物ってまるきり…ねえ？」
「うむ。お前が違うと言っても、周りの人間から見ればな…」
「うぅ…。なんか急に気が重くなってきた…。どうしよう」

とんでもない方向に状況が進んでいた事に気づき、机の上にうなだれる。
クラスで噂にでもなったら最悪だ…。
横島はどう思ってるんだろう、そんな事になった時のことも考えて提案してくれたんじゃ…。
寝てるってことは、何にも考えてないんだろうね…。

嗚呼…もう、どうすりゃいいんだ…。

来てほしく無い放課後なんて、初めて体験する。
いつも長く感じる授業が、あっという間に過ぎ去り、気が付けばもう放課後だ。


「はぁ～…」

クラスメイトが次々と席を立つ中、僕は一人だけ、机にぐったりとうなだれ、ため息をついていた。
何、クラスメイトに見つからないように買い物すればいい。目立たなければいいんだ。
買い物に行く商店街を通学路にしているクラスメイトは山ほどいるし、横島の外見(長い髪とかな）はかなり目立つが…。
腹を決め、ゆっくり顔を上げる

「……………」
「…よう」

目の前に、帰る仕度が済んだ横島が音も立てずに立っていた。

「………………」

何も喋らず、横島は僕を見下ろしている。
僕のことを待っているようだ。

「悪い、すぐ仕度する」
「……校門で待ってる」
「わかった」

そう伝えて、横島はさっさと教室から出て行ってしまった。

「はぁ…。かったるいな」

横島は怒っていたのだろうか、あとで謝っておこう。
僕はカバンに数学の教科書を放り、横島の後を追って教室を出た。
すでに教室には、俊二と咲の姿がなかったのが気がかりだったが、横島を待たせるわけにはいかないと思い、あまり深く考えないようにした。
急いで玄関口からでると、校門に気持ち早めに歩いた。
走って横島の元まで行ってみろ。まるでデートの待ち合わせじゃないか。

校庭の横を歩いていると、学年違いの女子達が、会話でなにやら盛り上がっていた。

「ねえねえ、今校門の前にすごい人立ってるよ！」
「すごいってどんな人？」
「なんかねぇ、すごい身体がスラッとしてて、背も高くて、すごい髪も長くて、すごいモデル体系なの！」
「え、見にいこ見にいこ！」
「写真撮らせてくれるかなぁ！？」
「ねえねえ、美帆も呼んでこようよ！」

嫌、聞きたくない。
もうそのモデル体系の人スルーして帰りたい。

校門につくと、そこで待つ横島を見つけるのは難しくなかった。
ただ問題は、校門を通る生徒の大半が横島を見て驚いている。
声さえ掛けられていないものの、注目の的なのは間違いない。
今、横島の元に向かえば、明日の僕は人気者だ。そんな面倒は御免こうむりたい。

「変装でもしていくか…。うちって演劇部とか無かったかな…」

ハロウィンにはまだ早いぞ、青年！

…とか言って、俊二が来てくれれば、どれだけ助かった事だろう。
神出鬼没なあいつも、今回は近くにいないらしい。
行くしかないか。なるべく普通に…、普通に…。

僕はなるべく平然を装って、横島に近づく。
周りで横島を見ていた奴らも、僕を見る。

「悪い、待たせた」
「……………」

横島はコクリと頷く。

「商店街…でいいんだよな？」
「………………」

またも頷く。

「よし、行こう。今日はよろしく」
「…………」

僕はその場から歩き出すと、横島も横を歩き出す。
どうだ？なるべく普通に接したはずだ。

「あれ誰だろ？」
「彼氏かな？」
「あの人って、文化祭で窓から飛んできた人じゃない？」

去り際、女子生徒たちの声が耳に届いた。
あかん。これで明日は完全にクラスで話題になる。

「…何やってたの」

不意に小声で、横島が文句を言った。

「声掛けるのに二の足踏んでたんだ。横島こそ何であんなに注目集めてるんだ？」
「……理解できない。人間は何故、私なんかをあんなに見る？」
「僕ら人間が見ると、横島は美人の部類に入るからだろ。それも上位の」
「……理解できない」

こいつはこいつで自覚していないと来た。
学校が終わればすぐに下校。
その時間帯なら他の下校生徒も少ないから、学校ではクラスメイト以外の生徒には目撃もされないし。無理も無いか。

「…何故お菓子を作るなんて？」
「ん？…あぁ」

横島が聞き逃してしまいそうな小さな声で聞いてきた。
いきなり小さな声で話しかけられるから、油断できない。
自分から話を持ちかけるのは苦手なんだろう。

「そういえば話してなかったな。メリーのリクエスト」
「…メリーが？」
「そう。あいつお菓子…というか甘いのが好きだからな」
「……そういうこと」
「悪いな。あいつのわがままに付き合わせることになって」
「……別にいい」

横島は軽く首を横に振って迷惑を否定した。

「商店街に着いたら何を買うんだ？」
「…かぼちゃ」
「……………」
「………………」
「…かぼちゃだけ？」
「…あとは調味料。砂糖。バター。薄力粉…」
「それなら、わざわざ一緒に買い物なんて…」
「………………………」
「あ、いや…、一緒に買い物するのが嫌ってわけじゃなくて…」
「……これは私の望んだ事。…気にしないでいい」
「あ、あぁ。うん。…ありがとう」

何だかよく分からなくなってきた。
かぼちゃを買うだけか…。なら今のうちに詳しいレシピを教えてもらった方がいいな。

「確か、かぼちゃのクッキーだったよな。作り方ってどうなってるんだ？」
「……クッキーを作った事は？」
「無い。お菓子自体、作るの初めてだ」
「……………」
「驚いた顔してるな」
「……何故そう思ったの？」
「カマをかけた」

ご存知の通り、横島は無表情だ。
表情なんてさっきから変わっていない。
目の動きと、喋るタイミングで心理状態を読み取ることが出来ないと、横島とのコミュニケーションを取るには難しい。

「……自信はあるの？」
「これっぽっちもない。焦がしたりなんかしたらメリーに笑われるかな」
「……それなら―――――」


「ただいまー…って、あれ、おばあちゃんとおじいちゃんは？」

買い物を終え、家に帰ってきた。
リビングに行くと、ソファにうつ伏せになり、退屈そうにテレビに映るニュースを見てるメリーしかいなかった。

「おかえりなさい。二人なら出かけてるわよ」
「そっか。晩飯どうするよ？」
「早く帰ってくるって言ってたわよ。遅くなるようなら電話もするって」
「ふーん」

会話を投げかけて普通に投げ返してくれる相手って、素晴らしいな…。
当たり前な事に感動を覚えて、僕はキッチンに袋を置きに行く。

『行方不明の少女は今どこに!?そして超能力者が集結!果たして少女は見つかるのか!!』

ニュースはCMに入り、いかにもな番組の宣伝が流れる。
メリーはゆっくり身体を起こし、テーブルに置いてあった湯飲みに口をつけた。

「ねえ、さっきの袋はなに？」

制服を脱ぐのに部屋に戻ろうとした僕を、メリーが呼び止める。

「…明日使う物。見たら明日のお菓子抜きな」
「そ、そんなことしないわよ…」
「はいはい。着替えてくるわ」
「んー」

メリーの返事を聞いてから、僕は階段に向かった。
…階段を上るフリをして、メリーの様子を窺ってみた。

「――――――――――――」

ソファーに顔を埋めて足を勢い良くバタバタしていた。
そんなに楽しみなんだろうか…。

こりゃプレッシャーだ…。


&gt;[[メリーの居る生活 特別編『Trick or Treat』後編]]へ続く    </description>
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