ゲーム理論の授業記録 その2

ゲーム理論 (香川大学全学共通科目 2009 年度 数学 B) の授業記録の 12 回目以降.じっさいにやったことの記録のほか,学生へのアナウンスメントや 次回までの課題 などもふくむ.後者については 授業計画]も参照すべき.

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目次


7/07/09 Class 12

■アナウンスメント
  • Date: Tue, 30 Jun 2009 21:25 ころ「ゲーム理論の担当講師から」というタイトルでこれまでのクイズの成績を配信した.メールボックスを確認のこと.全体的な統計は講義ページに載せた.疑問がある場合は三原まで連絡よろしく.なりすまし対策のため,大学以外のアドレスから成績について問い合わせるときは,送ったメールの全文 (あるいは少なくとも学籍番号,学部ナンバー,履修登録日付,そして成績にあたる部分) を引用した上でどうぞ.
    • 大学アドレスに届いたメールはこちらの webmail にログインすることで確認できる.ユーザ ID とパスワードについては,同ページの右欄「利用案内」の該当項目を参照.
    • Gmail など一部の Web メールを利用すれば,どこからでも大学アドレスを使った送受信ができる.送信が出来ない場合でも,大学アドレス宛に来たメールをほかのサーバに転送するように設定することはできる (やや高度).

  • 総合情報センターがメール検閲をはじめた.検閲に引っかかったメールは届けられないため, みなさんからのメールが届かない可能性が増大した (これまでは可能性はほぼゼロだった).今後大学アドレス宛にメールを送る場合は注意. 三原宛のメールに返事がないときは,べつの方法で早めに確認したほうがいい (通常は2日以内に返事する).もちろん (こちらの記事などを参考にして) 文句は付けているが,総合情報センターが対応する様子はない.

  • これまでの小テストの結果から判断するに,授業の進行にあわせてやっておくべき課題をさぼってきた学生が多そうだ.うれしくない現実だが,反面,多くの学生が,今週からはじまる課題の解説の ありがたみ (笑) を分かってくれるんじゃないかと期待する.気を取り直してやっていこう.解説を聞く前にあらかじめ正解例を読んで,分からないなりにも悩んでおくと効果的だ. いちど分かってしまえば,「どうして自分はこんな簡単なことが分からなかったのだろう」「どうしてあんな無意味なまちがいをしたのだろう」と思うようになるはずだ. 夜間主の学生にゲーム理論を教えたときも,学期末にそういう発言をする学生があいついだ.


■やったこと
出席者は17名.むずかしい演習をあつかったわりには,一部でかなり急いだ.特に図による直観的説明を重視し,板書は少なめだった.各自しっかり復習して,解答文を理解しておいて欲しい.
  • アナウンスメント.1037まで.
  • 戦略に整合的な信念について補足 (教材なし). 1055まで.
  • ホテリングモデル (梶井・松井239-242頁とそのノート; 奥野197-199頁にもある)
  • 補助教材 演習3.10 [梶井・松井練習問題13.1, 13.2; 13.2 の説明は省略したので各自でやること.] 1120 まで.かなり急いだ.
  • 補助教材 演習 2.9, 2.10. それぞれ1143, 1155 まで.特に後者はかなり急いだ.
  • 課題を最初から順番に.演習2.4.1204まで.

渡辺のテキストのほか,補助教材,演習問題の正解,武藤のテキストも持ってくること.

■課題
  • これまでの課題を順番に復習していこう.ていねいに説明してもらいたい問題を選んだり,質問を考えたりしておいて欲しい.説明を希望する学生がいない問題はとばすことがある.
  • 過去の試験問題もチェックしよう.

7/14/09 Class 13

■アナウンスメント
  • 本日および来週は (すまないが先週火曜日に掲示したとおり) 延長して12:30 までやる予定.教室で食事するときは12:00以降,ほかのひとの迷惑にならないように.
  • 室温の設定をあつかった演習 2.9 にコメントしておく.集計に中央値を使うばあい,各人にとって自分の最適温度を答えるのが弱支配戦略であった.たとえば中央値よりも低い最適温度を持っているひとは,それよりも低い温度を答えても結果には影響を与えられない一方で,それより高い温度を答えると結果を高める方向にしか影響を与えられないためである.
    • ところで授業評価では中央値を使えばうまく行くという議論がある.たしかに平均値よりは中央値を使った方がマシだとは思えるが,楽観はできない.というのは学生が内心で思ってる評価と公表されて欲しいと思ってる評価結果にギャップがあるためだ.5 段階評価でたとえば内心では 3 と思っているような授業でも,その教員が嫌いだったりすると公表結果は最悪 (1 か 5 か知らんが) になって欲しいと思うことがあるだろう.そのとき各人は後者の評価をつけるのが理論上つねに最適になる.内心思っている情報は理論上も引き出せない.
    • 教養科目の授業評価での集計方法は平均を用いていたと思う.要するにみなさんの誠実さがなければなりたたない評価方法である.あと,単にその教員を好きか嫌いかで答えるものではないことに注意.
  • 期末試験は過去問とちがって選択式より記述式が多くなりそう.小テストと大差ない.その他考えられる問題例.
    • ゲーム理論とその意義について1000字ていどで述べよ 」 →ほかの科目ならありそうな問題だが,この科目ではたぶんこういう出題はない.自分なりにまとめるならまだ意味があるかもしれないが,ひとがまとめたものを暗記して転記する作業が学生の問題解決能力などの向上に役立つとも思えない.ある学問の現状を知るくらいの効果しか期待できないのでは.
    • 自分が好きなゲームを10個挙げ,それぞれについて適当な解概念を定義し,その解を求めよ.ただし,戦略形ゲーム,展開形ゲーム,不完備情報ゲームのそれぞれを最低1つはふくめること.また,解概念としては,支配戦略均衡,ナッシュ均衡,部分ゲーム完全均衡,完全ベイジアン均衡をすべてふくめること 」 →大部分の過去問題はある意味この問題の一部と言える.「自分が好きなゲーム」を挙げてもらうかわりに,講師が指定するところがちがうだけ.追試験や再試験には使えるかもしれない.

■やったこと
出席者ははじめ9名,真ん中あたりで14名.少ないなあ.括弧内に断りなく演習番号があるものは各自やってもらいたい.ただし「各自」となっている問題も質問があれば解説する.
  • アナウンスメント 10:45 まで.
  • 補助教材 演習 2.6 (支配あるいは弱支配の定義は試験に出す予定), 2.8 g, h, i, j (その他は各自で).1100, 1110 まで.
  • 補助教材改訂途上版 演習 5.1, 5.2, (5.3, 5.4, 5.5 は各自で) 1126まで.
  • 補助教材 演習 3.12. 1138 まで.
  • 補助教材 演習 (3.1, 3.2, 3.3 は各自で;3.2と3.3は5.1の類題), 3.4
  • 武藤 114-115頁 練習問題 (1), 2の3-3 (3-1, 3-2は各自で) 1134まで, (3), 4, 5. 1200 まで
  • 補助教材演習2.8, a-f. 1220 まで.
  • 質問に回答.終了後にいくつか質問あり.利得関数の表記,展開形を戦略形になおすときの戦略,信念の整合性など.

■課題
  • シラバスを読み直しておくこと.授業評価の質問に的確に答えるためにシラバスを正確に理解しておく必要がある.
  • これまでの課題を順番に復習していこう.ていねいに説明してもらいたい問題を選んだり,質問を考えたりしておいて欲しい.説明を希望する学生がいない問題はとばすことがある.(どうでもいいが,アメリカの大学で教えていたとき学生はよく質問してきた.ただし「 これは試験に出ますか? 」という,あまり工夫されたとはいえない質問がいちばん多かった気がする.)
  • 小テスト過去の試験問題もチェックしよう.

7/21/09 Class 14

■アナウンスメント
  • 本日は延長して12:30 までやる予定.教室で食事するときは11:30以降,ほかのひとの迷惑にならないように.
  • 試験前情報に期末試験の出題形式や辞退のあつかいなどについて載せた.見ないと損.

  • 学者を目指すひとにとって,特定の研究対象に関する知識を獲得することだけでなく,ゲーム理論や統計学 (理論および統計解析プログラム) のような 研究方法 をマスターすることが大事だと何度か言って来た.ゲーム理論は,理論をつくって現象を説明する方法を提供し,統計学は事実を明らかにする方法を提供する.「自分は学者にはならないから関係ない」と思うかもしれないが,MBA (経営学修士) プログラムではゲーム理論や統計学がひじょうに重視されていることを思い起こして欲しい.じつは ビジネスや公共団体をめざすひとにとっても, 論理的に考えたり他人に説得的に説明したり事実を明らかにしたりといったスキルが大切なのはまちがいなく,そういったスキルを高めるためにそれらの学問が役に立つと考えられているわけだ.
    • ゲーム理論のひとつのおもしろさは 思考する対象 をあつかうところにある.「このプレーヤーの立場から見て最適なのは?」と絶えず考える.ところが統計学では自然現象だけでなく社会現象もあつかっているのに,人間が出て来ない.いや,まったく出て来ないわけではないが,あくまでも過去の行動などがデータとして出て来るのみであり,人間の思考には立ち入らない.そのデータが未来の予測にどうつながるかは,人間の思考に立ち入らなければ分からないはずなのに,その重要な部分をスキップしている.
  • この科目は数学として開講したが,経済学として教えた.単に与えられた問題が解けるというだけでなく,解いている問題とその解の意味もじゅうぶん説明するようにした.それらの問題のもととなった現実世界についての説明は十分とは言わないが,現実を単純化しモデル化したものの意味は十分に説明するようにした.数学がリアルな世界と結びついていることを感じてもらいたいからだ.
  • ところで 図解雑学シリーズくらい読みこなせないと, 大学生としてかなりまずい.職業人になったとき,簡単に専門的知識を得ようにも,読める本がないということになる.そういう最低限の 学習力 はついただろうか?

■やったこと
出席者は授業開始時点で17名,終了時点で21名.課題の解説の続きをやった.括弧内に断りなく演習番号があるものは各自やってもらいたい.ただし「各自」となっている問題も質問があれば解説する.
  • アナウンスメント.1044 まで.
  • 補助教材 演習 3.13 (後回しにして忘れた), (3.6), 3.8, 5.6.1100まで.
  • 武藤 68頁,練習問題1 (マックスミニ戦略とマックスミニ値は除外)の 2-2 [正解6頁] (2-1は各自で) 1115まで.
  • 補助教材 演習 (5.7 は説明する時間がとれないため試験範囲から除外), (5.8は各自で)
  • 補助教材 演習 (4.3は各自で), 4.4, 4.5, 4.6, 4.7, (5.9は各自; 4.6の類題), (5.10は各自; 4.4-4.7の類題) (5.9, 5.10 は Quiz 5 問題3のような穴埋め形式で出る.) 1150まで.
  • 武藤 135 頁 練習問題 (1は各自), 2 [正解13頁] 1200まで.

  • 質問に回答.特になし.

  • 授業評価.ほとんどの学生が5分くらいで書き終えた.
    • 以下に近いことは言った.「特に自由記述欄には嬉しくなるようなことを書いてくれるとありがたい.こういうのはだいたい満足している人はなにも書かない一方で,不満のある人は一生懸命書いてくれるためである.これだけで判断すると,授業の良い部分まで潰してしまいがちだ.」
    • 以下のようなことを授業前にここに書いたのだが,読んだ人は少なかっただろうな.「授業の改善につながるよう,不満な人は具体的に指摘してくれるとありがたい.(「この科目最悪」とか「講師がおかしい」とか書くだけではどう改善すればいいか分からない.)」

■課題
  • 期末試験の準備をしてくれ.小テストと最後の2回分の授業でカバーした内容だけでも合格点に到達できるはず.小テストの正解例には絶対目を通しておいた方がいい.

7/27/09 スペシャルオフィスアワーズ

15:00-19:00 図書館4階北ペントハウス 三原研究室にて質問などを受け付ける.食べ物・飲み物持参可.(研究室では飲み食いオーケーだが,図書館閲覧室では飲み食いしないように.)
  • 男子2人,女子4人がやってきた.それぞれの学生はわりと長くいて,実際の対応時間は 1510-1935 だった.
  • 2名が補助教材などの正解例を印刷していなかった.

7/28/09 期末試験

  • [試験一週間前のアナウンスメント] 試験前情報はほぼ確定した.試験前に大きな変更はないはず.小テストの正解例には絶対目を通しておいた方がいい.
  • 期末試験は20人受験.1143 時点で2名が残り,最後の受験者は1158 までいた.試験問題と正解と採点基準および成績は別ページを参照.
  • 2009/07/30 17:01 ころ,「ゲーム理論の担当講師から」というタイトルで成績を配信した.メールボックスを確認のこと.
    • 大学アドレスに届いたメールはこちらの webmail にログインすることで確認できる.ユーザ ID とパスワードについては,同ページの右欄「利用案内」の該当項目を参照.
    • Gmail など一部の Web メールを利用すれば,どこからでも大学アドレスを使った送受信ができる.送信が出来ない場合でも,大学アドレス宛に来たメールをほかのサーバに転送するように設定することはできる (やや高度).

では,ごきげんよう,

三原麗珠