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  • 無題- 





少し陽も和らぎ涼やかな風がほほをなで始めた初秋の夕暮れ時。
幸村の本宅。
よい風だと、二人縁に出たのは半時ほど前。
政宗に半ば無理やり膝の上に載せられ、はじめは抗っていた幸村も誰も来る気配がないのを感じ取ると大人しくなるにまかせ二人穏やかな時間を楽しんでいた。








「政宗殿は、大きくて、綺麗な手をしておりますな…」


幸村は政宗の膝の間に腰を下ろし、後ろから囲うように回された政宗の腕を取り手のひらをしげしげと見つめながら幸村はぼつりといった。
しきりに指の節くれ立った部分や手の甲に指を這わせ己の手と比べ見る。


「An?…急にどうした?」

「いえ…ただ、ふと思うたのです。」


訝しげに問えば指先を絡めたままふわりと笑いそう幸村はそう返した。
幼子が戯れに指を絡めて遊ぶ様にそれは似ていた。
政宗は幸村のしたいようにさせながらその様子を穏やかな目でみやる。
それに気付きもせず、幸村は言葉を続ける。


「不公平ではないかと…。」

「…不公平?何がだ?」

「政宗殿はこのようにどこもかしこも男らしいのに…」


……何ゆえ自分にはその半分もないのかと。
幸村は今度は自分の手を見つめ唇を尖らした。
政宗に比べ一回りほど小作りな手のひら。
指は先にしたがって細く、決して女性の手のひらではないのだがそこはかとなくし女性を連想させる。
体の作りも華奢で、この体躯でよくもあのように二双もの槍を繰り出し、戦場を駆け回っているのが不思議なほどだ。
あまり口には出さないが、内心よしとはしていなかったのだろう。
目の前にある理想に近い体躯を前につい零れた言葉。
心を許しているからこそ漏れたそれ。
政宗は小さく笑うと幸村の耳朶に唇を寄せ甘くそこに歯を立てた。
途端にひくり、と幸村の背が跳ねた。
その反応に気をよくし、耳の奥に熱い吐息を吹き込むように政宗は言葉をつむぐ。

「…お前はそれでいいじゃネェか。」

「……よくはありませぬ…俺はあなたのように…」


低くささやく声に知らずほほを赤らめながらも幸村はゆるくいやいやと頭を振った。


「俺のように…?Han、馬鹿なことを…お前はお前のままでいい。」

「ばか…ではございま…せ…ぬ…っ」

「いつまでも華のままでいろよ。」

「それでは…貴方…と…共に…」


耳穴に舌を差し入れ悪戯を仕掛けながらさも楽しそうな声色で政宗は幸村の言葉に耳を傾ける。
幸村は絶え絶えに一人の男として貴方と共に居たいのだと必死に言葉をつづろうとするが、政宗は頤を捕まえ唇を重ね、口内を犯すことでその先の言葉を封じた。
舌を絡め舌裏を、そして歯列をなぞってやれば、たやすいほどに熱い吐息にかわる。
十分に絡めてから唇を開放すれば、つ、と名残惜しそうに透明に光る糸が二人を繋ぐ。
その様に幸村は赤い頬をさらに高潮させ、恥ずかしげに俯いた。


「なぁ、何度もはいわねぇ。俺だけの華で居ろよ。」


熱の篭った低い声で政宗は再度囁いた。


「は…破廉恥にございます…」


わずかに震えた、消え入るような声で幸村はそういうのが精一杯だった。


「たく…お前はすぐそれだ。」


半ば呆れたように政宗はそういうと、先ほどとは打って変わって、ま、お前がどうしてもって言うんだったら別に無理にとはいわねぇけど?と気のない返事を返す。
え?と幸村が思うまもなく、政宗は畳み掛ける。


「ただ、そうしたらもうこうやって可愛がってはやらないぜ?」

「えっ?」


弾かれたように顔を上げた幸村の目と、意地悪く笑う政宗の目が合う。


「厭だろう…?」

「…っ!!」


その瞬間、幸村は己の負けを悟ったのだたった。











──いつまでも己だけを愛する美しい華であれ。





                    • >>

あれ…?
はじめおにいちゃんと幸の話で考えてた時は
ものすっごいほのぼの可愛い監事の話だったのに…;;;
相手を政宗様に変えただけで…
なんかちょっと…イヤ…かなり違う方向に…;;;
おかしいなぁ…;;;
政宗様、話をあらぬ方に曲げないで下され…(汗)