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「ラグオルの風 第7話」(2006/08/20 (日) 15:35:28) の最新版変更点
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<p><br>
気がつくとメル=フェインの顔がどアップだった、<br>
すかさず繰り出したアッパーを紙一重でかわしながら命の恩人は言った<br>
「アンタねー、人が死んだフリしてぷかぷか流れてってるのにつっこみいれないどころか<br>
アンタが逆に本当に溺れてどうするよ!?」まったくボケ損だ、と<br>
ぶつぶつ文句いっているが表情は安堵に満ちていた。実はかなりやばかったらしい<br>
「あ、ありがとにゃん」「んまあ、いいや。私はめるっていうの、アンタなまえは?」<br>
「める。」「いや、それはめるのものなのであげられません」困り顔で目をそむけるネコ娘</p>
<p>
「なまえないの?うーん、めるがきめてもなー。自分できめちゃいなよ」「で、でも~」<br>
「ほら、アンタって猫っぽいじゃん、ナントカねことかねこナントカとかてきとーで」<br>
(てきとーって・・)ネコ娘はう~んっと頭を抱えてあたりを見回す、それにつられ<br>
(カンペでもあるんかいな)とメルも同じ方向に顔を動かす。<br>
そんなお馬鹿な空気が流れる中うつむいた状態でぴたりと動きが止まった。<br>
「あかねこ」「は?」「うち、あかねこにする」「んっいいんじゃない?響きかわいいし」<br>
うつむいていたのでメルにはわからなかったがネコ娘の口元は自虐的に笑っていた。<br>
あの月の晩自分の躰に染み付いていた覚えている最後の色。返り血の、赤。<br>
戒めの意味を込め名に刻む。じっとちいさな手を見つめ、あかねこは心に誓った。<br>
(もう戦わない・・・もうコロさない。だよねハカセ)<br>
「アンタくさかったから洗ってあげたのも感謝しなさいよ」「くさいいうなー!」<br>
このとき溺れたトラウマで水浸恐怖症になり、後にお風呂嫌いで有名になる。<br>
いつまでも裸じゃアレだしと、メルが腕輪を操作してでフォトントランクを呼び出した。<br>
「そこのネコ、これ着なさい軍隊めーれーです」黄色いヒラヒラした服を押し付けてきた。</p>
<p>
プロポーションの良いメルが着れば男性の視線を集めるそのセクシー服装も</p>
<p>
子供体型のあかねこが着るとどこかピエロのようだった。<br>
「あと耳隠さなきゃねー、めるはあんま帽子持ってないから街で買うとして、<br>
まーとりあえずバンダナでも巻いてごまかそーか」<br>
「街?」<br>
「うん、アンタどうせ市民IDとか登録されてないんでしょ?、だから<br>
めるの知り合いに頼んでニセIDでも発行してもらおかなーと」<br>
「にゃんでさ」「ん?」<br>
「なんでそんにゃにやさしいのん?」<br>
大きな瞳でちょっとだけ背の高いメルを見上げるネコ娘の頭をやさしく撫でながら<br>
少し悲しげな顔をするのだった。(おなじオモチャ同士、助けてあげなきゃね)<br>
「後で躰でかえしてもらうためなのさ!」「ニャンダッテェエェエ」<br>
*<br>
「ねえ、ところでおしごとはええのん?」(ピクッ)<br>
エアバイクで二人乗りして帰ろうと簡易後部座席を作っていた新米ハンターは<br>
すっかり忘れていた大事な任務の事を思い出した。<br>
「しもたー!うっかり話し込んじゃったよ」<br>
定時連絡を(ちょっと遅めにだけど)入れた。怒られた。しょんぼり<br>
「んじゃさくっとお仕事片付けちゃうか」<br>
「ぁぃょぅ」「て、アンタは危ないからここに・・・おいといても不安だよなあ」<br>
(連れていって目の届く所にいさせて敵を発見したら木にでもくくりつけるかな)<br>
「ねこ二等兵、後をついてきたまえ」「あーい」「返事の最初と最後にはサーをつけろ」<br>
「さーあーいさー」わいわい騒ぎながら二人のちびっこは森の奥へと消えていった。<br>
「ところでさ」<br>
気になることは聞いてみないと気がすまないメルはてくてく歩きながら<br>
「アンタってなにか能力あるの?もしかしてただの愛玩用とか?」<br>
とストレートに質問してみた。<br>
先ほどのみだらな行為を思い出しあかねこは頬を赤らめながら答えた。<br>
「え、Hにゃのはいけないと思います!」「どこのメイドロボだよ、アンタは」<br>
「実は忘れちゃって」「は?」「研究所にいたころの記憶が所々しか思い出せなくて。<br>
痛かったり悲しかったり、ちゃんと思い出せないけどすごくいやーな感じがする」<br>
覚えているのは何かをコロした瞬間、そして断末魔、飛び散る赤いモノ。<br>
(なんだか逃げてきちゃったけど、ハカセだいじょぶかな。あいたいな)<br>
黄金の太陽をもってしても彼女の心の中に降り積もった雪までは溶かせなかった。<br>
つらい記憶を覆い隠したソレが溶けるにはまだまだ早すぎたようである。<br>
「そっか」<br>
悪いこときいちゃったね、と頭でもなでてやろーと横をみるとネコ娘はいなくて<br>
すこし後ろで立ち止まっていた。「ねこ、どうした?なにか思い出したの?」<br>
返事が無い。眼が虚空を睨み耳がピクッピクッと痙攣したように動いていた。<br>
「あし・おとが・・10にんくらい・・・ヒトの悲鳴も!」「それってまさか!」<br>
あかねこが一目散に駆け出し、のちにA級ハンターとなるメル=フェインも<br>
負けず超速度でそれに続いた。「うひっ」たまに木につまづきながら・・・</p>
<p><br>
気がつくとメル=フェインの顔がどアップだった、<br>
すかさず繰り出したアッパーを紙一重でかわしながら命の恩人は言った<br>
「アンタねー、人が死んだフリしてぷかぷか流れてってるのにつっこみいれないどころか<br>
アンタが逆に本当に溺れてどうするよ!?」まったくボケ損だ、と<br>
ぶつぶつ文句いっているが表情は安堵に満ちていた。実はかなりやばかったらしい<br>
「あ、ありがとにゃん」「んまあ、いいや。私はめるっていうの、アンタなまえは?」<br>
「める。」「いや、それはめるのものなのであげられません」困り顔で目をそむけるネコ娘</p>
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「なまえないの?うーん、めるがきめてもなー。自分できめちゃいなよ」「で、でも~」<br>
「ほら、アンタって猫っぽいじゃん、ナントカねことかねこナントカとかてきとーで」<br>
(てきとーって・・)ネコ娘はう~んっと頭を抱えてあたりを見回す、それにつられ<br>
(カンペでもあるんかいな)とメルも同じ方向に顔を動かす。<br>
そんなお馬鹿な空気が流れる中うつむいた状態でぴたりと動きが止まった。<br>
「あかねこ」「は?」「うち、あかねこにする」「んっいいんじゃない?響きかわいいし」<br>
うつむいていたのでメルにはわからなかったがネコ娘の口元は自虐的に笑っていた。<br>
あの月の晩自分の躰に染み付いていた覚えている最後の色。返り血の、赤。<br>
戒めの意味を込め名に刻む。じっとちいさな手を見つめ、あかねこは心に誓った。<br>
(もう戦わない・・・もうコロさない。だよねハカセ)<br>
「アンタくさかったから洗ってあげたのも感謝しなさいよ」「くさいいうなー!」<br>
このとき溺れたトラウマで水浸恐怖症になり、後にお風呂嫌いで有名になる。<br>
いつまでも裸じゃアレだしと、メルが腕輪を操作してでフォトントランクを呼び出した。<br>
「そこのネコ、これ着なさい軍隊めーれーです」黄色いヒラヒラした服を押し付けてきた。</p>
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プロポーションの良いメルが着れば男性の視線を集めるそのセクシーな服装も</p>
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子供体型のあかねこが着るとどこかピエロのようだった。<br>
「あと耳隠さなきゃねー、めるはあんま帽子持ってないから街で買うとして、<br>
まーとりあえずバンダナでも巻いてごまかそーか」<br>
「街?」<br>
「うん、アンタどうせ市民IDとか登録されてないんでしょ?、だから<br>
めるの知り合いに頼んでニセIDでも発行してもらおかなーと」<br>
「にゃんでさ」「ん?」<br>
「なんでそんにゃにやさしいのん?」<br>
大きな瞳でちょっとだけ背の高いメルを見上げるネコ娘の頭をやさしく撫でながら<br>
少し悲しげな顔をするのだった。(おなじオモチャ同士、助けてあげなきゃね)<br>
「後で躰でかえしてもらうためなのさ!」「ニャンダッテェエェエ」<br>
*<br>
「ねえ、ところでおしごとはええのん?」(ピクッ)<br>
エアバイクで二人乗りして帰ろうと簡易後部座席を作っていた新米ハンターは<br>
すっかり忘れていた大事な任務の事を思い出した。<br>
「しもたー!うっかり話し込んじゃったよ」<br>
定時連絡を(ちょっと遅めにだけど)入れた。怒られた。しょんぼり<br>
「んじゃさくっとお仕事片付けちゃうか」<br>
「ぁぃょぅ」「て、アンタは危ないからここに・・・おいといても不安だよなあ」<br>
(連れていって目の届く所にいさせて敵を発見したら木にでもくくりつけるかな)<br>
「ねこ二等兵、後をついてきたまえ」「あーい」「返事の最初と最後にはサーをつけろ」<br>
「さーあーいさー」わいわい騒ぎながら二人のちびっこは森の奥へと消えていった。<br>
「ところでさ」<br>
気になることは聞いてみないと気がすまないメルはてくてく歩きながら<br>
「アンタってなにか能力あるの?もしかしてただの愛玩用とか?」<br>
とストレートに質問してみた。<br>
先ほどのみだらな行為を思い出しあかねこは頬を赤らめながら答えた。<br>
「え、Hにゃのはいけないと思います!」「どこのメイドロボだよ、アンタは」<br>
「実は忘れちゃって」「は?」「研究所にいたころの記憶が所々しか思い出せなくて。<br>
痛かったり悲しかったり、ちゃんと思い出せないけどすごくいやーな感じがする」<br>
覚えているのは何かをコロした瞬間、そして断末魔、飛び散る赤いモノ。<br>
(なんだか逃げてきちゃったけど、ハカセだいじょぶかな。あいたいな)<br>
黄金の太陽をもってしても彼女の心の中に降り積もった雪までは溶かせなかった。<br>
つらい記憶を覆い隠したソレが溶けるにはまだまだ早すぎたようである。<br>
「そっか」<br>
悪いこときいちゃったね、と頭でもなでてやろーと横をみるとネコ娘はいなくて<br>
すこし後ろで立ち止まっていた。「ねこ、どうした?なにか思い出したの?」<br>
返事が無い。眼が虚空を睨み耳がピクッピクッと痙攣したように動いていた。<br>
「あし・おとが・・10にんくらい・・・ヒトの悲鳴も!」「それってまさか!」<br>
あかねこが一目散に駆け出し、のちにA級ハンターとなるメル=フェインも<br>
負けず超速度でそれに続いた。「うひっ」たまに木につまづきながら・・・</p>