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 白い世界にひとりの少女が座っていた。ひざを抱え虚ろな眼でうつむいたまま。
一面を押せば沈むあやふやな雪で覆われ、白い空から白い雪が舞い降り視界を遮る。

雪のようなそれは冷たくなどは無かったがその世界はその雪達で閉ざされていた。
 その音の無い世界に先ほどから騒がしいオトが聞こえてくる。少女は外からの

オトに反応しオトを送り返す。凍りついた思考でただ反射的にオトを返す。
外からのオトは不満げな不協和音をたてながらもどんどんと近づいて来てくる、
オトはだんだんコエになり、空にはいつのまにか黄金に輝く太陽がどどん、と浮んでいた
どこかいたずらっぽいその輝きで舞い降りてた雪を次々と消してゆく。
 雪のカーテンで遮られていた世界が黄金色の太陽によって侵食、もとい解き放たれて
世界をモノクロイメージとしか捉えてなかった瞳が光を取り戻し

新緑芽吹く色鮮やかな森を、

キラキラと美しく陽光を反射する川を、
そしてすぐ真横でいたずらっぽく笑う金髪少女の顔を映し出した。「反応アリ、ひひひ」
足元がいや下半身が冷たい、どうやら川の中にいるようだ。二人とも裸で。

体を洗ってくれていたのか返り血まみれの肌は白い輝きを取り戻していた。

 しかし冷たい川の中、躰の芯はなぜか火照っていた。しかもなんだか体が痺れて
むず痒い「ナ、にャッ?」「やっぱ覚醒させるならこれだねぃ、うふふ」
ぺっとりと丸裸のネコ娘の背後から抱きついてその右手は

川の中のぽんぽこりんな下腹部方面に伸びている
「生意気にちっさくてもやっぱ感じるんだ」

左手は上半身の数少ないふくらみを這い回っていた
「なっ」ネコ娘の瞳に生気が完全に戻り即座にざぶざぶ2歩前進して離れ

「お、やっと気がつい-」「にゃにすんねん!」

すぱこーんと即座に虎尾脚で打ち上げられ哀れメルは人工衛星と化した。
                        *
どぶん。
派手に水しぶきが上がった。人工衛星なりそこねのメルがぷかぷか流れていくのを

無視しながらネコ娘は改めて周りを見回した。

やわらかい日差しの太陽、風で葉を揺らしながらざわざわと心地よい音を奏でる森

「これがソトの世界、きれい・・・」滅び行くこの星の自然はどこか儚げで
それでも美しく輝いていた。
(!)足元を魚がきらきらと光りながらぬけていった(ナニあれ、うまそー!)
脱出以降心を閉ざしていた時に見えていたモノクロの世界では、動いていた生物は

ただの記号にしか見えてなかった。生き抜くためにひたすら記号を食べ飢えを満たした。
「ま、まってー」ざぶざぶと走って魚を追いかける、無論そんな方法では

魚を捕まえることはできず走り回るうち「にゃっ」どぼん、と深みにはまってしまった。

(い、きが、ごぼがぼぶべ)

調整水とは違う初めての水をいつもの羊水感覚で飲んでしまい、ネコ娘の人生は

早くも幕を閉じようとしていた。いままで味わったことの無い苦しみの中

なにか大きな魚が近づいてくるのを感じながらネコ娘の意識は遠のいていった。