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 到着したときにはすでに犯人の姿は無く物言わぬ骸が転がっているだけだった。
「ちくしょ、ひどいなー」
なりたてとはいえハンターのメルは遺体に近づき死因を調べ始めた。
「フォトン弾、ぽいね。マシンガンの。てことはやっぱ相手はヒトかあ」
あんたは危ないからと、振り返るとあかねこはブルブルと震えていた。
無理もない初めて死体を見てしまったんだから。そうメルは思っていた。
(ドクン)戦え(ドクン)戦わなく・い・よ(ドクン)殺せ(ドクン)逃げ・だ
相反する命令で思考停止しかけていた顔面を突如メルチョップが襲った
「ほら、ぼーっとしてないでコレ持ちなさい」
「うー」鼻を押さえながらみるとハンドガンを手渡された。
「いーさん、これをつかえ」「いーさん??」
「スタンモードになってるから。危なくなったらこれで自分の身をまもりなさいよ
いつこの人たちを殺した奴らが来るかわかんないし」といいかけふと思い出す
「あ、そだ足音とか聞こえない?さっきみたく。」
「ん~」おおきな耳がピクピク
「周り取り囲まれてる。衣擦れの音がするよ」あかねこが小さくささやく。
「こちらブラックウィドウ、Eonaを発見、排除を開始する」
リーダーらしき人物が何者かに報告をいれていた。
(ヴンッ)メルの手にフォトントランクから転送されたパルチザンが出現する。
「すたんもーど」
音声でフォトンブレードをショックで相手を気絶させ捕縛するモードに切り替える。
あかねこに突きつけたときしてなかったのは内緒だ。
「あのねーあんたたち、そこにいるのはとっくに気づいてるんだよ」
「怖くなければさっさとでてくればー?」のんびりした声で挑発してみる。
ライフルやマシンガンで武装した集団が取り囲むように出てきた。
7・8・9・・・10人
(げっ、お、多い、かばいながらだとちときっついなあ)
ちらりと相方の様子を見た、ネコ娘はまた硬直していた。
 (ゥゥゥゥゥゥゥ・・・)何かが聞こえた、まるで威嚇の声のような何かが。
あかねこはそれが自分自身の声だと気づかなかった。
その黒い服の集団にはなぜか見覚えがあった。大事なモノを奪ったやつら
そう本能が告げている。何かは思い出せないけど、とてもとても、大事なモノ。
頭で何かがはじけ怒りに任せ飛び掛った。同時に一斉に銃器が火を噴く
                          *
「あのばかっ」
メルは飛び交うフォトンの雨を避け、長刀で弾き、盾の力場で受け流す
(思った以上に・・・やばいかも、助けたかったのに!)
(ヴン!)一瞬で間合いを詰め薙ぎ払い力技で二人をまとめて吹き飛ばす、
大昔の漫画のように頭からザシャアと落ちそのまま動かなくなった。
こちらは何発か弾をは受けたものの鎧のシールドで軽減し問題ない。
 木立を利用しようと森へ走り込む、ついて来ているのは五人だ
残る三人は(あ、あれ?)少しひらけた場所で二人が血の海で倒れていた。
そこに右手を血で染めたあかねこの姿もあった。
全身が紅潮しており桃色だった髪の毛も何故か赤く染まっている。
(コロセコロセコロセコロセ・・・・)
ぶつぶつと呟きながら残りのもう一人の黒装束の方へと飛び掛る
ただなぜかその瞳は涙を流していた。
(イヤヤモウヤメテーナ!)白い世界の中で少女は必死に叫んでいた
それでも破壊衝動は止まらない「ばかねこ、殺しちゃダメー!」
スッ、とん、ころり。オモチャのように首が切れ足元に落ちた。
(まるで別人、いや別猫か、こりゃやばいねー)
新しい獲物を求め赤猫はこちらへとグルリと顔を向けた(来るっ)
とっさに防御姿勢をとったメルの横を駆け抜け残りの5人の方へ
フォトンの雨を赤い残像がかいくぐっていく。
(どうやら敵味方はわかるみたいだけど、どうしたもんかね)
流れ弾を長刀で弾きながらこちらも間合いを詰める。
バーサーカーシステムと名づけられているそれは一時的に心拍数を300以上
にまで引き上げ血が全身を高速に駆け巡り肌が紅潮する。
まるでスロー再生でも見ているかのように周りの動きが把握でき
同時にナノマシンが痛覚麻痺の薬を注入し怯むことがなくる。
超反応とただでさえ高い身体能力の70%まで発揮できるようになり、
思考は身体速度に置いていかれ、本能の赴くままに反射行動してしまう。
ただし疲労度が高く少しでも怪我でキズができるとそこから血が霧のように噴出す
それが髪の毛が赤くなったり残像に見えたりするのである。
生き残り5人は弾幕を厚く張り、赤い残像もなかなか思うように近づけないでいた。
本来なら多少のダメージを受けながらでも攻め続けるバーサーカーにしては
いまの赤猫はどこか躊躇しているような所があった。
並みのニューマンとは比べ物にならない特殊に作られたニューマンである
メルの目をもってしても動きを追うのがやっとだった赤猫のスピードが
目に見えて落ちてきた。少しずつかすり傷が増え、スタミナも減ってきている
それによくみると、さっきから右手しか使っていない、
使っていない方の左手には貸し与えたあの短銃が握られたままだった。
「あかねこ、右手は使用禁止!ハンドガンで攻撃しなさい!」
(ピクッ)
あかねこというキーワードで一瞬動きが止まり、数発のフォトンが赤猫の肌をかすめる。
血の霧が一層濃くなった「にげろ、あかねこー!」もう一度呼ぶと正気をとりもどし
あわててあかねこは木陰に逃げ込んだ。「あ、あれ?にゃにがあったの?」
「げ、アンタああなると記憶とんじゃうわけ?」
「記憶て何?、一体にゃにがあったの?」
「とにかく!素手禁止ね、今からハンドガンしか使っちゃだめよだめ!」
なにやら怒ってるメルに逆らえずあかねこは初めて使う短銃を握り締めた。
                           *
(手持ち武器はパルチザン、ハンドガンは貸したし、テクニックは・・・
めんどくさがらずに覚えればよかったなあ。んま、突撃するかな)
「いくよ」ぼそりとつぶやく、向こうであかねこがうなずくのが見えた。
あかねこが木々を三角飛びしながらかく乱する中メルは正面から突進した
数発フォトン弾が飛んでくるが長刀でかっこよく弾く!
たまに失敗するけどそれは気にしないことにする。
長いリーチを生かして鳩尾に叩き込み、そのまま振り向きざまに二人目を薙ぎ払った。
一人目は昏倒したが二人目は意識があった、すかさず返す刀で薙ぎ払う。
(スコン)二人目も倒れたが長刀が木にめり込んでしまった。「げっ」
三連携の隙を狙っていた黒装束のライフルがハンターの頭に標準を合わせ
止めを刺そうとした瞬間男の目の前が真っ白になった(な、何っ!?)
上から飛びついてきたあかねこを肩車している、
正確には前と後ろが逆になった肩車、で
がっちりふとももでロックされ前が見えなくてもがいている男に
長刀をようやく引き抜いたメルはスタスタと近寄り、
「んま、やーらしっ」
と男の股間にパルチザンを叩き込んだ
「◎☆♯※〒♭★!」
悲鳴にならない悲鳴をあげ天国と地獄を味わった男は倒れた。
見回すと残りの二人も倒れていた、眉間にフォトン痣ができている。
「へえ、銃うまいんじゃない」
「ふふ、百発百中だお!」嬉しそうに笑う。すごく気に入ったようだった。
「へー、眉間に百発百中ねえ」つられて笑顔になる。
はっ、とさっきの逆肩車光景を思い出し
保身無き零距離射撃かいっ!スカポーン、どたまを思わず突っ込むのだった。