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・『真の感プレを目指すため』-中編


 数万年の昔、ノーラ種族はカバリア島の海底に生活圏を築き、さらに地底に数多の地下道を広げて大都市を形成していた。当時カバリア島にはノーラ種族から見て文明と呼べる文明も無く、彼らは安心して生活基盤を固めていった。
 彼らの最大の敵は太陽光線であった。元々ノーラ種族の住んでいた惑星では紫外線、赤外線、可視光線などがこの惑星よりもはるかに弱く、ノーラという種の皮膚には太陽光線に対する免疫がそもそも欠落していた。であればこそ、他文明によって形成してきた環境を破壊されることを、ノーラたちは何よりも恐れたのである。彼らは他文明の脅威が及ばないことに安堵し、生産活動をより活発化させていった。
 到達暦5830年の公転周期3月末、全てが唐突に崩壊した。ノーラ種族が形成した地下の、さらに数十万倍ほど真下の海底プレートが突如としてずれたのである。カバリア島はこの振動に大きく歪められ、地表にずれて直撃を受けたノーラ族の都市圏は直射日光を浴びてなす術もなく、現在のノーラ・マミー、ノーラ・ジョーと言った姿へと歪められ、わずかに生き残ったノーラ・ビッグ達も尋常の姿を維持することは適わなかった。文明は崩壊し、それから数万年の時が流れていった。

 長い夢を見ていたような気がする。私は頭を動かさずに視線だけで部屋を見やり、そこがアクアリースホテルの一室であることを確認した。
 心配そうにベッドの隣に立っているギルドメンバーのタヌーンとですのを見て、とりあえず口を開きかけ、言葉ではなく喉から込み上げて来たものを吐き出した。ですのが慌ててハンカチで口元を押さえてくれ、誰にも見えないようにそれを包んでゴミ箱に投げ捨てた。それはおそらく血なのだろう。見ていないがなぜかそんな気がした。
 私はゆっくりと軽く呼吸を繰り返し、言葉は発さずに軽く微笑んで大丈夫だと伝えた。微笑みになっているか、そして本当に大丈夫だと思ってもらえたのかはどうかは、今ひとつ自信が無い。
 「マスター、あんまり無理しちゃだめですの」
 ですのはそう言い残して部屋を出て行った。そして部屋に残っている心配顔のタヌーンからは、軽く問いただされた。
 「マスター、先週は一体どこまで行ったんですか?」
 窓の外を見ると、深い海の中が見える。ここからでは遠すぎて確認できないが、私は窓の外に魚の群れを連想した。
 ・・・そんな穏やかな海底の、さらに奥へと繋がるポイントがあった。子供にノーラ人形を渡したあと、一瞬違和感を感じ、その刹那風景が洞窟に一変していた。私は好奇心から奥へと進み、進み進んで、湿った洞窟を迷子になった。それでも手探りで進み続け、洞窟の壁が硬い岩石から、もっと硬い鉱石の様なものに変わったと思った瞬間、私はそれを目の当たりにしたのだ。
 それは、スリムな体に無駄なく筋肉が付いており、体の端々から金属が露出し、浮遊しながら洞窟の大広間を行き来していた。レッドサラマンダーもかくやという巨体、金色の尖った髪、不自然に巨大な手から伸びに伸びた4本の指と爪先。足は退化しているのであろうか?バランスを取るためなのか、代わりに尻尾が大きく伸びていた。
 私はそれをもっと間近で見ようと後ろから忍び寄り、いやな予感がしたと思ったときにそれに振り向かれ、即座にその巨大な両腕を伸ばされ、逃げる間もなく強い衝撃を全身に受けた。吹き飛ばされる瞬間はとても遅く感じ、「時間ってゆっくり進むんだなぁ・・・」と暢気に思った。やがて脳が自分を守る為なのか、衝撃に備えて硬くなったような気がし、激しい衝撃を全身で受けておそらくは岩壁に頭から叩き付けられた。
 その後は、必死に逃げたような気がする。とにかく朦朧とするまま逃げることだけを続け、かろうじて洞窟の外に出たところで大切なアイテムを落とし、拾う気力もなく進み続けてアクアリースを半ばまで来てから考え直して引き返し、私が落としたアイテムを拾って持ち主を探していた牛さんが、私を見て酷く困惑していたような覚えがあった。牛さんは持ち主の確認も何もせぬまま、黙って私が差し伸べた手にアイテムを載せてくれた。その後私は、かろうじてアクアリースホテルまでたどり着き、借りていた一室に戻りそのままベッドに倒れこんだ。
 おそらく、いつまでも集合場所に来ない私の様子をメンバーが見に来てくれたのだろう。私自身、ようやく状況が理解できた。
 じっと見つめるタヌーンに、私は何も答えずに微笑んでおいた。



追加依頼 ノーラ人形200個

依頼内容 ノーラ人形×1個
クエスト制限回数 のべ700回
報酬 7,000ゲルタ×個数
依頼条件 メンバー全員可能

その他 Lv38ノーラ・ジョー Lv54ノーラ・マミー Lv109ノーラ・ビッグ
生息域 ノーラの下水管


2006年1月22日 中編スタート