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蜃気楼という現象がある。密度の異なる大気中で光が屈折して起こる現象の事だ。
この果ての砂漠でもよく見られる現象であり、遠く揺らめく景色というのは自然の美しさを感じさせてくれるだろう。

しかし、砂漠という環境ではそう安心出来ない。
もし砂漠で遠くに水場があるように見える時があっても、その時は注意深く見直して欲しい。もしかしたら、その水場は『逃げ水』という現象かもしれないからだ。
『逃げ水』は蜃気楼の一種で、遠くに水のようなモノが見える現象を言う。もしこの水場を目指して歩くと、ありもしない水を探して永遠に砂漠を彷徨うことになってしまうだろう。

また、一般的な蜃気楼とは違い、この砂漠特有の蜃気楼と呼ばれる現象がある。
その現象は起こる場所も条件も解明されていないが、ごくたまに砂漠の景色の向こうに見たこともない街並みを見たという人が出てくるのである。
その目撃者達の証言によると、突如砂漠の景色の向こうに、背の高い建物とそれを中心に広がる街並みが現れるらしい。その街並みは、揺らめく大気に遮られて詳細な形を確認する事は出来ないが、近代的な街並みのようにも古代の遺跡のようにも見えるのだという。そしてしばらくすると、街並みは幻のように掻き消えるのだそうだ。

勿論この果ての砂漠にはそのような街は存在せず、位置的にも他の宰相府の区画の建物ではないようなのである。
砂漠に沈んだ都市の亡霊だとか宰相府で秘密裏に建設されている軍事基地だという何の根拠もない様々な憶測が飛び交うが、真相を知るものは誰一人としていない。