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おばあちゃん

    

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小学生は忙しい。
朝は遅刻すると先生におこられるし昼は早く校庭に出ないと場所がとれない。
学校が終わってから晩ご飯までの遊ぶ時間だってちょっとだし夜も遅くまで起きてちゃいけない。
そして朝、昼、夜とご飯の時間がある。

僕の家はおじいちゃんやおばあちゃんの住んでるところから遠く離れたとこにあって、お盆と正月の休みくらいにしか会いに行けない。
だからたまに会えると僕は緊張してしまって普段よりいい子にしようとする。
おじいちゃんもおばあちゃんも別に恐い人じゃないし僕も人見知りする方でもないと思うんだけど、やっぱりちょっとしか会えないから。

いつかの食事の時間のこと。
その頃の僕は家の中や庭の探検で忙しかったから食べるのがすごく早かった。
でもあるときおばぁちゃんが「お米は八十八回かみなさい」って。
叱ったつもりでもなかったんだろうけど、僕もちょっとびっくりしただけだったんだけど、それからはちゃんとご飯を一口食べるごとに八十八回数えてから食べるようになったんだ。

だから僕はご飯を食べるのがとっても遅い。
朝はいっつもお母さんにおこられて遅刻ギリギリだし昼休みもほとんど遊べない。
おやつを食べ終わるのも僕が一番最後だし晩ご飯が終わったらもう寝る時間だ。
みんな「あんたは本当に食べるの遅いねぇ」ってあきれてる。
おばあちゃんまでそう言って笑ってた。
でも癖になっちゃったからどうしようもない。

最近はおじいちゃんとおばあちゃんの前でも緊張しなくなってたんだ。

それなのに、こないだ急に体調が悪くなったおばあちゃんは入院してすぐに死んじゃった。
死んじゃう直前にぼくらはお見舞いに行って、そのときは普通にしゃべってたんだ。
風邪かな、とか話しながら。
そのとき病院のご飯がおいしくないって話から納豆の話になった。
納豆まで味が薄いってぼやいてたんだけど、おばあちゃんが言ったんだ。


「納豆を美味しく食べるには九百九十九回かきまぜるんだよ」


別に緊張してたわけではないし、僕にそうしろって言ったわけじゃないのは分かってるんだけど。
僕はまたご飯を食べるのが遅くなりそうだ。




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