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目次












(1984年4月30日の霊示)

1.物質文明を軽ろんじてはならぬ


―― マハトマ・ガンジーの招霊を行なう。――

――  訛(なま)りのあるインド語らしい言葉で自己紹介がはじまる。――暫時続く――。

善川  マハトマ・ガンジー先生ですか――。

ガンジー  ティ――。

善川  突然お招きいたしまして大変失礼だと恐縮しておりますが、あなた様は、近年におけるインドの最も偉大なる指導者として、インドの地におきましても非暴力主義を唱えられ、かつて、イギリスの支配下におかれていたあの苦境の中でも、その信念を曲げることなく、闘い通したという偉大な方でありますが、いま現在、天上界にあられて、どのような霊域でどのようなお仕事をされておられますか。

ガンジー  ワタクシハ、イマ、テンジョウカイデ、ヤハリ、シドウシャトシテ、イロイロナヒトビトト、シドウスルマイニチヲ、オクッテイマス。

善川  あなたのお出でになるところでは、どういうお知り合いのお方がおられますか。歴史上に名の残っている方ではどういうお方がお出になられますか。

ガンジー  私の友達は、たとえば、――たとえば、日本の方で言えば、しょうとくたいし、といわれた方、あるいは、あるいは、きんねんではきんねんでは、――ふくざわゆきちといわれた方、あるいは、あるいは、――うえき、えもりといわれた方、なかえ、ちょうみんといわれた方、このように国造りのために働いた人々が私の仲間です。

善川  それは非常に高い霊域でお仕事されていると拝察されますが、あなた様ご在世中に唱えられました非暴力主義という立場ですが、これはあなたの宗教信条から出たご思想ですか。

ガンジー  そうです。とともに当時の時勢からいって、武力を持って大イギリス帝国に歯向かう力はわれわれにはありませんでしたので、安易な武力闘争が起きたならば、われわれの、われわれの小勢力は一度で潰されてしまうことも目にみえておりましたので、わたくしは、そういった闘い方を支持しました。

善川  ご承知とは思いますが、日本はアメリカおよび英国と戦争をしてインドの地まで戦禍が延び、かの地がかなり荒廃化したことをどのようにお考えでしょうか。

ガンジー  過ぎ去ったことを、とやかく言うつもりはありませんし、かならずしも日本の方のすべての意でもなかったはずです。やむを得ずして時の流れ、時勢というものもあったでしょうから、だからといって日本がどうということを私は申しません。

善川  当時の日本は゛八紘一宇゛と申しまして大東亜共栄圈の確立ということが大きなスローガンで、アジア民族は一つであるという崇高な理想を挙げたことでありましたが、結局のところ、アメリカの武力のもとに、その夢も現実も撃破されたという結果に終わりましたが、これは、武力をもって戦おうとするものは武力で滅びる、という原理が生かされたというふうに考えるべきでしょうか。

ガンジー  武力で戦ったものが武力で亡びるというよりも、それぞれの国は、それぞれの文化があり歴史があり伝統がありますから、それは守らなければいけないし、そのようなものを破壊してしまうということは、神の眼からみても決して正しいことではありません。許されないことです。

善川  今あなたはインドの政情をご覧になって、今のままでよいとお考えでしょうか。それとも政治については、もうご関心はおありにならないのでしょうか。

ガンジー  インドは、インドはまだまだ貧しい国です。私達も努力しましたけれど、まだまだ貧しい国です。あなた方近国の、隣国の人達の援助を受け、もっともっと発展していかなければ、五億の民は救われません。彼らが幸いに、平和に生きていけるように、平和に幸せに、豊かに生きていけるように、物質も――人は物質を軽んじますけれども、特に宗数的なことをする人達は物を軽んじ、さまざまなことを軽んじますけれども、人間は人間としてこの地上に生きている間は、物質なしでは生きていけないのです。そういう意味においてこの地上界を豊かにすること、楽園とすることもまた神の意に適ったことであります。貧しくとも心は豊かであることも一つではありますが、心がさらに豊かになるためには、物質的なくびきによって、われわれが余りにも心を奪われてしまってはいけないのです。そういう意味において、あなた方はいま、新しい「法」を説かれようとしておられますけれども、ただ単に精神的なものだけではいけないのです。それぞれの時代において新しい政治、新しい国家、新しい文化、新しい社会、このような環境の整備なくしては新たな精神文化も生まれて来ないのです。


2.心の世界のみ説くなら地上に生まれる要はない


ガンジー  あなた方に伝える他の霊達は、心の世界の大切さを説かれるでしょう。しかしながら、心の世界の大切さはもちろん重要ですけれども、心の悟りだけならば、われわれはこの地上に出てくる前に、天上界に居た時に、既に悟った存在でありますから、心清くするためだけならば、この地上に生まれてくる必要はないのです。われわれは悟った生活をしております。天上界で悟った生活をして居ります。そうであるならば、あえてこの地上に生まれてくる必要はないのです。われわれがこの地上に生まれてきた以上は、この地上という環境の美しいものを、素晴しいものを、素晴らしい楽園にしないで一体何の役割がありましょうか。私はあなた方の志しているもの、目指しているものを知っております。ただ言いたいことは、二千数百年前に釈迦が説いたような心の教えを説く、或いはイエスの説いた教えを説く心の教えだけではなくて、今この二十世紀の後半にあなたが生き、また同時代人がこの地球上に生きているという現状を見て、何かをなさねばならぬことも大切です。心の教えは大切です。忘れた時には説かねばなりません。しかしそれ以上に、あなた方の考えておられるユートピアというものは心だけではないのです。

今後、人々は新たな政治のあり方、新たな文化のあり方、新たな社会機構のあり方が分からなくなって居ります。今後の世界、今後の日本、インド、このような国々が如何なる指導原理のもとに、如何なる社会生活を営んでいくのが多くの人々を幸せに、豊かに導いていけるかということ、このようなことを抜きにしては真実の正法はあり得ないのです。ただ悟りだけならば、仏教者や、宗教家達がいくらでもおります。私のなしたことを思って下さい。私がガンジー主義といわれ、私の教えも一つの聖書といいますか、ガンジーの聖書のような形で私の言葉や考えたこと、書き留めたことを信ずる人は多いですけれども、単に精神主義者として、宗数的に人々を指導することだけなら楽なことでありますけれども、私は敢えてこの地上界にユートピア建設、具体的ユートピア建設のために立ち上がった。どちらがよりむずかしいかということを考えて頂きたいのです。単に心の教えだけならぱ、あなたのこんな小さな家に篭って教えを説いていれば良いのです。けれどもそれではいけないのです。あなた方の時代の要請を読みとりなさい。今後の未来の社会、どのような社会を作っていくか人々に教え、自らも行動して欲しい。私の希(ねが)いです。


3.カースト制度の廃止のためにも社会改革が必要


善川  現在インドにおきましてはご承知のように、古いカースト制というものが未だに持続していて、古い仏教なり、古いヒンズー教なり、その他の古い教えがそのまま伝わっているということ、そういう習慣なり、非近代的な風習というものを打ち破らなければ、インドは新しい近代国家として生まれ変われないのではないかと思うのですけれども、それについてのご意見は如何でしょうか。

ガンジー  そうです。釈迦の教えによれば、転生輪廻というものがあって、善因、善果、悪因、悪果と申しますか、カースト制度においても現在、貧民階級にいる人達は、かつては悪いことをした、或いは上の方に居て下の人を見くだしたために、今そのカルマを刈り取るために貧民に生まれた。だからこの地上での生まれは必然的なもの、運命的なものだから、それ受け入れようという考えがあるかも知れませんが、考えてもごらんなさい。前世と今世との因果関係からみれば、そういうことは言えるかも知れません。今世においてこのようなカースト制度があるということによって、また来世、今後の世界のために、悪しき因縁の種が蒔かれるということもあるのではないでしょうか。貧民に生まれて魂のカルマを摘み取るということもいいけれども、貧民という階層があるために、新たな魂のカルマをいっぱい生み出している方もまた数え切れないはずであります。

そうではないでしょうか。このような輪廻を断ち切るためには、この地上生活において素晴らしいもの、社会を創っていく。みんなが一致団結して素晴らしい世界を造ったならば、そのような悪しき輪廻も無くなっていくはずなのです。

善川  私達の考えますには、行く行くはもう国家間の枠を外して、共存協和の世界を築いていかねばならぬのではないかと思うのですが、こういう考え方は如何でしょうか。

ガンジー  大切なことです。そして先程語ったことをもう少しつけ加えておきます。仏教の真理によれば、確かに悪いことした人はそれだけの返報(むくい)はくるし、転生輪廻という形においては確かに現在苦しんでいる人達は、過去世の何かを償わされているのかも知れないけれど、それは事実としてそうであるかも知れないということであって、だからあなた方は苦しめというような、そんな冷たい突き放した心持ちであってはいけません。すべての人が、全体がより幸せに、より皆が幸福に近づいていけるように、すべての人が向上できるようにと思うことが本当の神の心であって、単に昔あったことの償(つぐな)いを今せよ、というような発展性のない、単にプラス、マイナス零(ゼロ)、の人生を人間は送ればよいのではないのです。すべてを引き上げていかなければいけないのです。そこを思って欲しいのです。現世において迷っている人も居る。釈迦の転生輪廻もそこに問題があると思うのです。確かに原因があり結果があるのです。作用、反作用という法則も聴いております。けれども、それにおいてプラス、マイナス、零(ゼロ)、の人生をトータルにおいて送ればいいのではないのです。皆がプラスの人生を送れるように、すべての人が、最大多数がより豊かに生きていける方向に持っていくことこそが、真実の人間の生き方でないでしょうか。お前達は悪いことをしたから反省せよ。それでプラス、マイナス帳消しなんだというような小さな教えに止まってはいけないということです。


4.日本は既に精神革命、インドは未だ社会革命の時期


善川  お教えを頂いて非常に有難いのですが、そのためには日本におきましては、明治維新という一つの政治革命の時期がありました。また第二次大戦後におきましても、敗戦によって民主主義がとり入れられたというような大きな変動期を通して発展してきましたが、インドにおきましては、現在の段階において革命的な状況が生まれなければ、この古い制度、古い考え方というものから脱却できないのでしょうか。

ガンジー  神はさまざまな計画をしておられます。このままにはして置かれません。しかし、インドに住んでいる人達の人間的努力というものは大切です。何がどう起こるかということは私は申しません。インドというような地において、地上天国、環境――物質的に、社会的に、国家としての天国を造る道はどういうことかということを、あの地に生まれている人達は、いま体験していかねばならない。そして一歩進んだあなた方の国においては、現に国家はユートピアに近づいてきております。このような国においては、精神的なものをさらに深めていくということも大事でしょう。それぞれの地域によって発展の段階も違います。いろいろな段階があります。

善川  あなた様は現在のインドの政情に対し、誰かその要路にある方に対して、アドバイスをされているようなことはございませんか。

ガンジー  そのようなことは、私はしておりません。私はまたこの私たちの世界において新たなことをしておりますし、私達は私達でさまざまなことを学び、またこちらの世界の人々を指導して居ります。

善川  しかし過去世においてインドの地で生を送られたということからして、インドを懐(おも)うということにおいては変わりはないのではないでしょうか。

ガンジー  懐う心はあります。必要とあれば、われらの仲間をまたインドの地に送り込みます。

善川  ご承知のように、日本においては諸派の宗教が入って来て居りますが、宗旨宗派によって人々の日常生活にも、また政治にも拘束力は持っていませんが、インドにおいては、特殊な宗教によって政治形態というものが左右されているのではないでしょうか。

ガンジー  それだけではないのです。日本がいま栄えているのは、それだけの人がいま出ているからなのです。それだけの優れた人達が日本を造るために出て来ておるのです。過去世においてさまざまな修行を経た立派な方々がいま日本の地に数多く出ておられるからこそ、これだけ発展しているのです。われらの世界、インドの世界においても、それらの人々が出て来て活躍できるだけの基盤作りをしておかなければいけないのです。そういう優れた魂の方々は、自らが活躍できる揚というものを必ず探すのです。そのような場が出来てきだからこそ、彼らはいま日本にたくさん生まれて来ているのです。彼らはやはり地上の遅々とした進歩を見ながら、漸く進歩してきた頃を見計らい、また生まれてもいいかなと思った頃に出て来るのです。単純に大昔に経験したような社会には生まれては来ないのです。


5.新文明圈はやがてアジアに移動する


善川  そういう意味では中国はじめインド、東南アジア諸国にも新しい光の指導霊が現われて来る可能性もあるのですね。

ガンジー  あります。その前には環境づくりをしておかねばなりません。

善川  そのお手伝いを日本はすることになると考えてよろしいか。

ガンジー  しなければなりません。やがて文明はアジアに移って来ます。アジアが一大文明圈を作っていきます。その時に日本だけでなく、韓国も、中国も、インドもセイロンも、インドネシアも、マレーシアもすべての国の人達が一つの大きな理想のもとに文化を発展させていかねばなりません。そういう時期がいま、来つつあるのです。

善川  ところがいま、ご承知のように中国では、唯物論の共産主義思想をもったグループが政権を取っておりますが、これらは将来どういうことになりましょうか。


6.中国は強力な指導者により革命が起きる


ガンジー  やがて新たな政治勢力によって、とって変わられるはずです。そのようになっております。

善川  その時点では、神仏を信ずることを自由とする政治形態が生まれてくるわけでしょうか。

ガンジー  新たに強力な指導者が出て来ます。中国にも出て来ます。そう遠いことではありません。あのような強固な指導体制を作ったのは強力な指導者でした。そしてまたあのような体制を変えていくのも強力な指導者です。そういうものは生まれつきそういう指導者として出て来るのです。新たな計画を持った人が出て来ます。中国の共産主義も無駄ではないのです。あの偉大で広大な土地、何十種族もの人民を糾合するという意味において、非常に大きな役割を果たしたのです。あれは第一段階です。第二段階が出て来なければいけないのです。統一国家には、新しい器(うつわ)には、新しいものが盛られるのです。

善川  インドにも偉大な指導者が現われてくるというご計画がございますか。

ガンジー  まず、インドにはさまざまな文化の交流が必要です。文化の交流というのは、文化が栄えるということです。まず文化的にもっともっと高まって行く必要があります。やがて政治がついて来ます。そういう意味において、文化的に優れた人達が多く輩出していくこととなりましょう。


7.私は天上界からインスピレーションを受けていた


善川  あなたのご生前の思想というものは、あなたの環境なり境遇なりから自力で開発されたお考えでしたか。

ガンジー  と言うよりも、私を指導していた方々がインスピレーションという形で私を指導しておりました。

善川  仏教はインドで発祥しましたが、今後インドに仏教が真の姿を取り戻して帰ってくることはないでしょうか。

ガンジー  仏教はもうその時代は終わりました。仏教はもう教えの時代が終わらんとしております。

善川  キリスト教については如何でしょうか。

ガンジー  キリスト教も今世紀を最後に、新しい教えに移っていくでありましょう。


8.新たな政治、社会の指導理念を研究課題とせよ


ガンジー  今日私が申しあげたかったことの一つは、あなたは心の教えを説いて行かれるでしょうけれども、時代の変革期においては、新たな政治、社会の指導理念というもの、そういうものも必要なんですよ、ということを言いたかったのです。それを念頭に置いておいて頂きたいのです。理想的な新たな政治形態、理念というものを、どうか忘れずに勉強して、考えていって頂きたいのです。それも一つの「正法」なんです。すくなくともその方面に゛志(こころざし)”を持っていなければ道は開けませんので、たえず心の底に置いといてほしいのです。

善川  本日は突然にお招きして非常に有意義なお教えを伺うことが出来、まことにありがとうございました。また国づくりに関しまして、折りあらばご指導下さいますようお願い申し上げます。