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目次













9.圧倒的な霊言量で、世の常識をぶち破れ


――  最後と言っては失礼なのですけれども、表題のことなのですけれども、いろいろと考えてきたのですが、何か霊言ということが、『ピカソの霊言』ということが、少し当を得ないのではないかというので、たとえば『新芸術の展開』、『ピカソ美学の新展開』とか、いろいろと案じているんですが、この「霊言」という言葉を通すことはいかがなものでしょうか。

ピカソ  やるなら徹底的にやってもいい。あなた方が隠しに入ったら、世も隠し始めるでしょう。やるなら徹底的にやりなさい。やるなら遠慮せずに、何十冊でも。ピカソの霊言も、五冊でも十冊でも、やるなら徹底的にやりなさい。やっているうちに、目に焼き付き、耳に焼き付くようになる。あまり隠そうと思う必要はない。『ピカソ霊示集』で結構です。

――  ああ、そうですか。サブタイトルとしては、美術なり芸術なり、いろいろと角度をつけてもいいわけですね。

ピカソ  そうです。『ピカソの霊訓』でも『ピカソ霊示集』でも結構です。もう霊でやるなら逃げないで、徹底的にやりなさい。もう「霊」という字を、何十回でも、何百回でも、何千回でも使うことです。そのうちに、その意味が変わっていきます。霊がマイナスイメージなら、徹底的にそのマイナスイメージを使うことによって、今度は、逆にそれはプラスになってくるのです。

キュービズムがおかしければ、私の絵がおかしいなら、もっとおかしい絵をいっぱい描いてやる。徹底的に描くうちに、値打ちがついてくるのです。まあ芸術家は、真の意味でへそ曲がりでなければいけない。あなた方があまり隠そうとか、逃げこもうとかしないことです。徹底的に勝負しなさい。

――  もう、打ち出した以上はね。

ピカソ  一冊でだめなら、五冊、十冊、二十冊、百冊、二千冊、三千冊、いくら多くても結構です。世の著者が何冊ぐらい書くのが普通だからと、気にする必要はない。何千冊でも書けばよい。何万点もの絵が描けるぐらいだから、何万点もの書を書くつもりで書けばよい。

私の絵といっても、一作を五時間ぐらいで描ける絵はそんなにない。もっと時間がかかります。しかし、こうした霊訓集、霊示集なら、六時間も話をすれば、一冊分位の書物になる。もっと簡単です。人の手を使って、もっともっと書くことです。もっと私の絵以上に書ける、本が書けるかも知れない。生涯に一万冊創ってもよいのです。

徹底的に世間の常識をブチ破っていく。新時代を創る。こういう気持がなければいけません。そのためには、どうしても数多くの絵、数多くの神理、数多くの言葉がいるのです。五百回以上の講演というのでは少なくて申し訳なければ、五千回以上でも結構です。一万回でも結構です。毎日でも話してもよい。毎日のうち、一日八時間は執筆をして、二時間は話をしてもよいのです。そのぐらい精力的に生きなくてどうしますか。

そのために、ステーキを食べようが、美女と戯(たわむ)れようが、結構であります。そんなものは気にする必要はない。徹底的にやることです。もったいない時間です。妥協してはいけない。何と言われようと、個性を貫くこと。強靭(きょうじん)な意志力でもって、やることです。やり抜くことです。

ま、あなた方の霊言、霊訓集というのは、私の絵でいえば、目の曲がった人間の像ぐらいのものです。鼻が曲がり、目が曲がっている人間の像が、霊訓集ぐらいなものでしょう。たぶん、そうでしょう。

これは、徹底的にやれば値打ちが出てくるのです。安易なところで止めて、元の写実主義に戻ったらそれまで。ピカソはないのです。その絵を描いて、おかしな絵を描いて、そして批判を受けて引き下がるなら、それまでの値打ち、それまでの人間、それまでの芸術家、それまでの信念です。

批判が出れば、もっと徹底的に書くことです。そのうちに世が認めてくるのです。ピカソの立体画だと思って出すことです。ボンボン出すことです。いくらでも。画家だっていくらでもおります。必要とあらば、私は誰でもあなた方にご紹介するつもりでおります。まあそういうことでね、私はもう少し、信念と熱意ということ、それと、芸術家のような情熱をもっていて欲しいということ、これを言っておきたい。

小さな善人になってはいけない。小心な者になってはいけない。徹底的にやり抜く覚悟。毎日毎日、絵を描いていると思って。絵は描かないとだめなんです。そのつもりで、仕事を続けることです。わかってくれますか。そうでないと、私の世界は扉を閉めて、絶対に入れませんから、あなたを絶対に入れませんから。そう思ってやって下さい。よいかな。

――  はい。

ピカソ  ま、そういうことで、長くなりますが、ま、今回私の書物を出してくれるということで、大変うれしく思います。

――  きっと立派なものができるだろうと思いますので、ぜひ、皆さんのご協力を得させていただきたいと思います――。

ピカソ  もっともっと、あなたも貪欲になって、こんな一作だけではなくて、何十作でも創るつもりでやらねばいけませんよ。

――  まあ、近々また、ご要請もありますので、哲学編というものも編集せねばなりませんし、やはり、この芸術諭もこれ一冊というのではなく、また、いろんな方々のご紹介を願って、そういう方々を一同に会して頂いてお説を承って、出していきたい。そのように考えておりますので、その節はまたご協力お願い致したいと思います。

ピカソ  わかりました。

――  ではピカソ先生、どうもありがとうございました。