概要

我らがドラクエシリーズを販売する【エニックス】と、ファイナルファンタジーシリーズなどで知られる「スクウェア」が、2003年4月1日に合併して誕生した企業。
現在DQシリーズのゲーム作品は全てスクウェア・エニックスを販売元としている。
略称は「スクエニ」。

なぜ合併したのか

国内のRPG市場において圧倒的なシェアを誇るDQシリーズを擁するエニックス。
一方、スクウェアは打倒DQを旗印に、FFシリーズ、聖剣伝説シリーズ、SaGaシリーズなど新機軸のRPGを次々と投入、ゲーム市場で確固たる地位を築く。
両社は言わばゲーム市場における米ソというべき関係にあった。
エニックスの「4コママンガ劇場」が、MOTHERやポケモンといった他社のRPGを取り上げながらスクウェアのソフトは一切取り扱わなかった事からも、両社の険悪さが伺えるだろう。

それだけに、両社の合併は当時のゲーム市場に大きな驚きをもって迎えられた。
「なぜスクウェアとエニックスが合併したのか?」については様々な推測がなされているが、よく言われているのは以下の様な所である。

エニックス・スクウェア両社の都合

  • 発売タイミングの衝突防止
「DQ」と「FF」の発売時期が重ならないようにすることで、両者が1つのパイを食い合う状態を防ぐ。
  • 両社の性質の補完性
エニックスは製品開発を【チュンソフト】などに外注。出版事業を擁している。「DQ」はアジア圏で強い。
スクウェアはもっぱら自社開発。「FF」以外にも多数のゲームブランドがある。「FF」は欧米で強い。

エニックス側の都合

  • 出版事業の危機
「エニックスお家騒動」と呼ばれるゴタゴタにより、エニックス系雑誌で掲載していた漫画家が大挙して他誌へ移籍する事態が発生していた。
  • DQ以外の軸が欲しい
エニックスは極度にDQに依存した企業であり、数年に一度の本編シリーズ発売年以外は収益が悪化するため、安定して利益を与えられるブランドを欲していた。

スクウェア側の都合

  • 経営危機
2001年の映画「ファイナルファンタジー」のギネス級の失敗により、スクウェアは多額の負債を負っていたため、合併を余儀なくされた。
…という話がまことしやかに囁かれる事が多いものの、2003年には既にスクウェアの経営は再び軌道に乗っており、信憑性が薄い。
  • 任天堂との仲直り
当時のスクウェアは諸事情により任天堂と極めて険悪な仲に陥っており、任天堂ハードでゲームを発売することができない状態になっていた。
一方エニックスはⅦのPSでの開発を発表してからもゲームボーイなど任天堂の携帯機でゲームを出し続けていた。

合併してどうなったのか

旧エニックスの【ドラクエ課】がスクエニの【第9開発事業部】になっただけという感が否めない。
「ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリート Special」では両作品の共演を果たしているものの、それ以外で両社が手を組んだことを実感させるのは【トロの剣】【シドもじゃ】くらい。
DQⅨとFFⅩⅢを同じ年に発売するなど、「DQとFFが食い合わないようにする」気があるのか疑問な動きも多い。
合併が発表された当時マスコミがよく書き立てていた「ドラゴンファンタジー」「ファイナルクエスト」など夢のまた夢である。

せっかくゲーム制作ノウハウを持つスクウェアと合併したにも関わらずⅧ・Ⅸと外注を続けたDQシリーズだが、オンラインゲームという性質もあってDQⅩはDQシリーズ初の自社開発となった。
Ⅹでは同じオンラインゲームであるFFⅩⅠとのコラボ企画も行われており、ようやく両社の合併は実を結び始めているのかもしれない。


最終更新:2014年01月21日 13:24