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・DQ本編シリーズ
―Ⅶ―


概要

2000年8月26日にプレイステーション用ソフトとしてCD-ROM2枚組で発売された。
任天堂以外のマシンで発売された最初のナンバリングタイトル。
開発は【ハートビート】【アルテピアッツァ】

シリーズで初めて3D要素を取り入れたが、キャラやモンスターは原画のイメージが活かすためドット絵で表現された。
また、前作まではワールドマップが複数あったが、今作では逆にマップを集めるという発想から「石版」を集めながら冒険を進めるシナリオが採用された。
このほか連れている仲間と会話ができる新システムや、モンスター職やモンスターパーク・移民の町などのやり込み要素も多く登場。
売上は400万本を越え、PSソフト歴代出荷本数第1位を記録。Ⅲの持っていたシリーズ最高記録も更新した。
お国(文化庁)による賞も受賞した本作だが、一方でシナリオの長さや面倒さ、不具合の多さ、ムービーの出来などに対する批判が多かったのも事実である(後述)。

約12年半後の2013年2月7日にはニンテンドー3DSでリメイク版が発売。
また、2014年以降にはスマホでの配信も予定されている。

本編作品としてはⅣ以来久々に海外進出を果たし、PS版が "DRAGON WARRIOR VII" のタイトルで発売された。

開発

マップを集めるという考えは、データの書き換えが出来るという64DD向けソフトとして企画が進んでいた事から生まれた発想である。
しかし64DDはNINTENDO64の売り上げ不振など様々な事情で後手後手に。
以前から打倒任天堂を掲げていたSCEからの勧誘を受けていたDQは当初は「もっと本体売上伸ばしてからまた来てね」と軽くいなしていたが、最終的に勧誘を受け、1997年1月に移籍を発表。
この時点で石版システムは形を変え、ゲーム内で進行する形に。移民システムのメモリーカード交換がその名残。

PSに移ったことで容量を気にせず作れる状態になり、アルテピアッツァ主導でグラフィックがアップグレードされる。
またハートビートはシステム面に尽力。データ読み取り高速化という新技術を発明し特許申請するが、そのせいでⅦを遊んだ人は地獄を見ることに…。
ハートビートが開発に関わるのはこの次のPS版Ⅳが最後になった。

その一方、堀井は平均プレイ時間100時間以上にもなる膨大なシナリオを製作。詰め込みすぎです堀井先生。
PSに移籍して以降は広告体制も変わり、途中で新体制にへそを曲げて開発無期延期と言い出すなど、発売は遅れに遅れ。
果てには1999年初頭に「今年は出ますように」と願うCM(ゲーム画面も一部公開)がSCEによって流されるも、その年には結局出なかったという始末。
実際に発売されたのは前作から約4年8カ月後となった…。

従来作からの変更点(PS版)

PSに移ったことで、移動画面の仕様変更やフォントの変更(従来のDQフォントから一新)などが見受けられる。
本作で確立されたポリゴンとドット絵を組み合わせた演出方法は、後にPS版ⅣやDS版各リメイク作品にも受け継がれている。
またⅥから継承された職業システムは、職歴と新職業の追加、モンスター職の追加でかなりボリュームが増した。

全般

  • プレイ時間が表示されるようになった。
  • モンスター・アイテム・特技の名称に、どんな場面でも漢字が使えるようになった。

キャラクター関連

  • 馬車および仲間モンスターが廃止。パーティは最大4人であり、ストーリー進行によってメンバーが加入・離脱を繰り返す。最終盤でのみ任意に入れ替え可能。
  • 前作の【転職】システムを継承し、【職歴技】【モンスター職】の要素が追加。
    • 「職歴」は直前の職業と現在の職業の両方の経験を生かした呪文や特技を習得できる。
    • 「モンスター職」は【モンスターの心】を所持することで転職できる。
  • ストーリー進行により戦闘に加わる【NPC】が登場。Ⅳと違って戦闘中には死なない。

移動中

  • ポリゴンでの3Dマップが採用されたが、キャラクターはテクスチャ表示。視点の回転(町では360°、ダンジョンでは30°程度)ができ、縮小する事で遥か上空からマップを見渡す機能も追加された。
  • キャラクター操作は上下左右に加えて斜めが加わり8方向に動けるようになった。
  • 便利ボタンで壺や樽などの物を【持ち上げ】て投げるアクションが追加。
  • 移動中のウィンドウも半透明化された。
  • 仲間との【会話システム】が初めて導入された。

戦闘

  • 背景が3Dとなり、呪文・特技によってはカメラアングルが変わる演出も。
  • 戦闘中にも仲間と話すことができる(PS版Ⅶ限定)。
  • 【AI】の作戦を個別に指定する事が可能になった 。これに伴い「みんながんばれ」が「バッチリがんばれ」に変更。
  • 補助呪文は数ターンで効果が消える仕様に変更された。

アイテム関連

  • 【ふしぎな石版】を集めて次の冒険舞台に進むシステムを採用。マップコレクションシステムともいわれる。
  • 各アイテムの簡単な解説文が表示されるようになった。
  • アイテムの売値が買値の75%から同50%に変更された。
  • 【モンスターずかん】が初登場。

おまけ要素


舞台

本作の舞台はⅠ~Ⅲのロト編、Ⅳ~Ⅵの天空編ともまったく異なる世界となっている。

今回は世界そのものは一つだが、タイムトラベルの要素が取り入れられ、現代と過去の2つの時代が舞台となる。
現代では最初、世界の中央に【エスタード島】があるのみだが、ふしぎな石版を集めると過去の一地方へ行くことができ、その地方でボスを倒すなどして封印を解けば、現代にその地方の陸地が復活する。
過去と現代では地形が同じだが、どちらか一方にしかない施設があったりする。
過去に存在した町などは、現代でもほとんど変化がない所もあれば、大幅な発展・変化を遂げ、もしくは逆に衰退し滅びる場所もある。
復活した土地では、過去における主人公たちの活躍が語り継がれているケースが多いが、中には【レブレサック】のように事実と異なる話が信じられている場所も。
なお、現代は当初は平和な世界であるため、海上を除いてエンカウントが発生しないが、終盤になり平和ではなくなると普通にエンカウントが発生するようになる。

乗り物は現代のみで使用でき、【船】【魔法のじゅうたん】【飛空石】が登場。
船は序盤で手に入る小型の船と、終盤に登場する海賊船【マール・デ・ドラゴーン】がある。
上述のようなシステムの関係上、船の入手タイミングはシリーズ中最も早くなっている。

ストーリー

プロローグ

魔物のいない平和な小さな島、エスタード島。
世界にはこの島ただひとつ。
人々はこの平和が永遠に続くものと信じていた。

ある日、島の片隅にある寂れた遺跡では、二人の少年たちの話し声が。
彼らは漁師の息子【主人公】と城の王子【キーファ】
彼らの好奇心が、後に世界を大きく変えることになろうとは知る由もなかった…。

シナリオ

まずは主人公とキーファがエスタード島で遺跡の謎を解き、石版を発見するところから話が始まる。
石版を揃えると過去の世界へ運ばれ、そこで魔物を退治して元の世界に戻ってくると、新たな陸地が出現。
そして新たな石版を見つけ、再び過去へ…。
序盤から中盤まで(PS版におけるDISC1)はこうして過去と現代を行き来しながら大陸を増やしていくが、その過程において、陸地を封印した張本人である魔王【オルゴ・デミーラ】、およびそれと戦った【神】の存在が徐々に明らかになっていく。
全大陸を復活させた後(PS版におけるDISC2)は、儀式により神を復活させるが、後日、その神の手によっていくつかの陸地が再び封印。
主人公たちは旅の扉を使って火土風水の【四精霊】に会い、彼らの力を借りて陸地を元に戻し、そして神に化けていたオルゴ・デミーラと対決する。

今作は石版や旅の扉で一地方ずつ訪れていく関係上、オムニバス的なストーリーが展開され、その一つ一つが「町→ダンジョン→ボス→町」などというお使い形式のシナリオとなっている。
石版を揃えないと新たな場所へ行けない構造のため自由度は低め。
しかもダーマなど、ボスを倒すまで過去世界に閉じこめられて現代に戻れなかったり、終盤でもルーラが使えず自由に動き回れない場面があったりもする。
攻略の順番もほぼ一本道だが、石版が大量に手に入るハーメリアの後しばらくと、旅の扉が複数使えるようなる終盤の海賊イベント後は、攻略順序を自由に決められる。

リメイク

3DS版

開発はアルテピアッツァ。
ⅣやⅤのようなストーリー周りの大幅補完こそないが、グラフィックやシステムが大幅に見直され、追加要素も数多い。
歴代リメイク作でも有数のフルリメイクとなった。DS版Ⅵとは何だったのだろうか……。
細かな変更点を挙げると切りがないが、PS版との主な違いは以下の通りである。

  • 全般
    • 3DSの特徴をフルに生かし、キャラクターもフル3Dに変更された。
    • BGMが【東京都交響楽団】によるフルオーケストラ音源化。
  • キャラクター関連
    • 装備品のうち武器と盾がグラフィックに反映されるようになったほか、職業によって服装が変わるようになった(ちなみに【ゆめのキャミソール】は職業服よりも優先して着用する)。
    • 上級職で覚える呪文・特技は、その職業に就いている間しか使えないようになった。これにより、状況に応じて一度マスターした職業にも再度就く戦略性が求められるようになった。
    • 職歴技が削除。職歴で覚えていた呪文・特技の習得条件は各職業に分散された。
  • 移動中
    • 下画面がメインだったDS各作品と異なり、今作では3D表示機能のある上画面がメインとなった。
    • フィールドがⅧに近い感じの後方視点になり、宝箱も配置された。
    • Ⅸより登場した【あらすじ確認機能】が追加。
    • 物を持ち上げるアクションが廃止され、壷・樽はDS各作品と同様、調べるとその場で割るようになった。
    • 仲間会話における下ネタの大幅削除(例1例2)。
  • 戦闘
    • エンカウント方式が【シンボルエンカウント】に変更。
    • 戦闘では手前側に主人公たちの姿が映るようになり、各種モーションも行う。
    • 戦闘中の会話システムが削除。
  • マップ・シナリオ関連
    • オープニングシーンが変更。PS版のOPで使われていたBGM【エデンの朝】は削除された。
    • スタート直後の【謎の遺跡】の謎解きが大幅に簡略化された(シーソーや水路、魔物の石碑などが削除)。
    • ふしぎな石版のシステムが大幅に変更。【石版案内人】に話しかけて石版の色と台座を指定すれば即座に台座画面に切り替わる(わざわざ台座の前まで行く必要がなくなった)。また、未発見の石版に近づくと反応する石版レーダーも登場。
  • おまけ要素
    • 【すれちがい石版】システムの採用。移民システムとモンスターパークは、ともにこのすれちがい石版に大きく関わるように仕様が変更された。
      • すれちがい石版でだけ手に入るアイテムや新モンスターが大量に追加。石版限定のモンスターは【トクベツなモンスター】と呼ばれ、Ⅶ既存モンスターの新しい色違いや他作品からのゲスト、果ては完全新規デザインのモンスターまで様々。
      • Ⅸの【ストーリークエスト】と似た位置づけの「ストーリー石版」が配信され、PS版では語られなかったサイドストーリーを見ることができる。

その他、Ⅷ以降からの特技・アイテムの輸入、システム変更やご時世に伴う一部特技の削除、威力やMP・習得時期の調整、一部テキストの見直しなど、細部があちこち手直しされている。

評価

本作(PS版)はそれまでのDQ作品では最高の412万本の出荷を記録した。
しかし、
  • 仲間モンスターの廃止
  • 仲間の一人【キーファ】が強制的に消え二度と現れなくなってしまう
  • ストーリーが非常に長い
  • 度々起こる【フリーズ】
  • さっぱり進化していないグラフィック
  • 影の薄いモンスターが多すぎる
  • めちゃくちゃひ弱そうな主人公
  • 【恐怖のムービー】
等の点から本作を酷評する者が多い。

だが同時に、
  • 長い間楽しむことができる
  • 非常に考えさせられるストーリー
  • 豊富なやりこみ要素
  • やりごたえのある高い難易度
  • 【マリベル】との会話
等により支持する者も少なくない。
特にストーリーの深さは頭抜けており(かなり鬱だが)、その為名作との呼び声もまた高い。

よって、
「ムービー見せとけ、綺麗な画面見せとけ。それさえやっとけばクソでも売れる」という傾向が強まる時代背景で、
昔ながらの「ドラクエらしさ」や「ゲームらしさ」を残す内容から
それまでドラクエに興味を示さなかった人やドラクエを避けてきた人に 「Ⅶをきっかけにシリーズのファンになった」という声を出させた事も事実である。
また同様の理由から、本作は国による「文化庁メディア芸術祭」においても賞をもらっている。

このように、本作は他作品に比べてもプレイヤーを選ぶ作品といえる。
どのくらい賛否両論かというと、PS版におけるアマゾンのレビューが星1~5まで均等に並ぶほど賛否両論である。

賛否両論のせいか、もしくは前述のようにⅠ~Ⅲ、Ⅳ~Ⅵと別世界の物語であるためか、複数の世界を跨ぐような作品とはあまり縁がない作品である。
わりとガッツリ登場しているのはキャラバンハートくらいであり、あとはⅨとバトルロード程度。
特にバトルロードでは全作品で最も影が薄い。