概要

ドラゴンクエストシリーズの攻略本の一つ。
ゲームの販売会社であるエニックス(現スクウェア・エニックス)刊行の、文字通り公式な攻略本である。
最初に刊行された「公式ガイドブック」はFC版Ⅲのもので、そのすぐ後にⅠとⅡのものが刊行されロト3部作のものが揃った。
以降は、リメイク版を含む各作品ごとに刊行されており、町・ダンジョン・アイテム・モンスターなどに関する詳細なデータが掲載されている。
数値的なデータ以外にも呪文の仕様やアイテムにまつわる設定、モンスターの性格など様々な情報が載っているので、
本辞典にてページを作成・編集する際にも、一読しておくといいだろう。

Ⅰ~Ⅲのロトシリーズは全データが1冊に纏められているが、Ⅳ以降は上下巻に分けられている。
主に上巻(世界編)はダンジョンのマップやゲームの進め方、下巻(知識編)は特技やアイテム、モンスターのデータが載っている。
Ⅸでは「上巻・世界編」「下巻・知識編」に続いて、主にクリア後の要素を掲載した「秘伝・最終編」が発売された。
なお、DS版の天空シリーズは上下巻には分かれておらず全てのデータが1冊に纏められており、その分かなり分厚い。

この公式ガイドブックの特徴としては、他のゲームの攻略本と違って、ゲームの細部にはあまり踏み込んでおらず、ボスの詳細なデータや、終盤およびクリア後の情報は敢えて記述が無い事が多かった事が挙げられる。
FC版Ⅰ~Ⅲでは一部の中ボスがほかのモンスターと一緒に掲載されていたものの、竜王・ハーゴン・バラモスのデータとグラフィックにそれぞれ?マークとモザイクが掛けられており、またⅢではアレフガルドのデータがほとんど伏せられていた。
FC版Ⅳは一部のボスや終盤のザコの一部が非掲載で、SFC版Ⅴではザコが全掲載となったがボスは1匹も載らなかった。SFC版Ⅵからはボス攻略法がまとめて掲載されるようになった。
ラストダンジョンなど終盤の地域のダンジョンマップなどに関しては、FC版Ⅳでは闇の世界が非掲載、SFC版ⅤやⅥでは【その他の地域】などと表現されダイジェストのみ掲載された。
この辺りの情報量は少なかったが、それでもVジャンプブックスの攻略本よりは総合的な情報量はかなり多かった。

しかし2000年代以降は情報の規制が緩やかになっていった。
PS版Ⅶからは巻末に袋とじで終盤やラストダンジョンまで掲載されるようになったほか、それまでのガイドブックでは掲載されていなかったダンジョンの宝箱の位置や階段の繋がり、アイテムの代表的な入手場所も掲載されるようになった。
さらにⅧでは宝箱の中身も掲載されるようになった。
ⅨやWii版Ⅰ~Ⅲなどの2000年代後半以降のリリース作品に関しては、終盤やクリア後のデータも余さず載せている傾向が強い。
特にDS版Ⅳ・Ⅴに関しては裏ダンジョンのマップの全部までを、Ⅸもクリア後に行ける地域を掲載しているほど。

なお、出版は前述通り販売元の会社なのだが、集英社との契約の関係で鳥山明氏のイラストは一枚も載っていない。
各種装備品や道具に関してはほぼ全てにイラストが与えられており、
それ以外でもキャラクターやモンスター、町や城の外観など、随所に様々なイラストが掲載されているのだが、
これらのイラストは東映の【中鶴勝祥】氏や4コマ作家の【村上ゆみ子】氏等が担当している。

ちなみに初代シリーズの公式ガイドブックには表紙のデザインにも工夫が凝らされている。
FC版Ⅰ~Ⅲの公式ガイドブックはそれぞれに【ロトの剣】の一部が銀箔で箔押しされており、
左から順に3冊を並べるとロトの剣が完成するという揃いのデザインとなっている。
上下巻に分かれたFC版Ⅳでは、やはり同様に並べると【天空の剣】が完成する。
この表紙の箔押し仕様はSFC版ⅤとⅥまで続いたが、この2作品では武器ではなくキャラクターがモチーフとなっている。
Ⅴでは主人公とビアンカで、上巻は少年時代、下巻は青年時代の二人が箔押しされており、
Ⅵでは上巻は主人公・ハッサン・ミレーユ、下巻はバーバラ・チャモロ・テリーとなっている。
また、SFC版Ⅲのものの表紙には【オルテガの兜】が箔押しされている。

ただ、これらは綺麗ではあるのだが装丁の仕様上塗装が剥がれやすくもあり、
何度も本棚から出し入れしたり手にとったりしていると割とすぐに傷だらけになり、最後には全て剥がれ落ちてしまう。
これらは完全な状態を保っておきたいのであればそれこそ「保存用」を確保しておきたいところでもあるのだが、
今となってはそれも叶わないのが現状である。手元に綺麗な物が残っている人は、今からでもとりわけ大事にするのもありだろう。
一応、この手のタイプの装丁では最も遅く発売されたSFC版Ⅲのものは、それらに強い仕様の装丁となっている。

最終更新:2013年06月30日 18:20