概要

Ⅲ以降ほぼ半数のナンバリング作品に登場したキャラ育成システムのひとつ。
【ダーマ神殿】の大神官に話しかけることで職業を変え、新たな人生を歩むことができるという点は共通しているが、システムの中身は各作品ごとに異なる。
また外伝ではトルネコ2でも登場した。

各作品の職業については職業一覧を参照。


DQⅢ

Ⅲではダーマ神殿にたどり着きさえすれば、条件を満たせばすぐにでも転職できる。
ダーマに到達可能となるのはストーリー中盤の船入手直前の頃(【ノルドの洞窟】開通後)から。

勇者である主人公以外の全ての仲間キャラは、レベルを20以上に上げることで転職可能となる。
転職後は装備可能アイテム・能力値成長・習得していく呪文・特殊能力は完全に新しい職業のものに変更され、レベルも1になる。
ただし能力値は転職前の1/2が残され、また習得済の呪文は全て引き継ぎされる。
これによって呪文を扱える戦土や武闘家を生み出すことも可能であるが、この場合は当然、転職後に習得呪文やMPが増えたりすることはないため、元の職業である程度レベルを高めてから転職することが望ましい。
リメイク版では【性格】システムが追加され、転職時にはそれに応じたコメントが聞けるが、転職によって性格が変化することは無い。

基本的に転職は自由だが、職業をやめる(無職になる)ことはできない(常に何かしらの職業に就いている)。
例外として【賢者】への転職には【さとりのしょ】が必要となるが、【遊び人】から転職する場合は不要。
また【勇者】は主人公専用の職業であるため仲間キャラがなることはできず、加えてFC版では遊び人に転職することもできない。

後述するⅥ・ⅦやⅨと異なり、Ⅲでは転職したら元には戻れないので慎重に行う必要がある。

DQⅥ

現実世界の本気【ムドー】を撃破後、ダーマ神殿の封印が解けることで転職可能となる。

Ⅵでは主人公を含む全てのキャラクターが自由に転職が可能。
今作では一部キャラを除いて最初は職に就いていない。
転職後も職業をやめて元の【無職】に戻ることもできるようになっている。

キャラのレベルは転職しても変わらず、レベルアップによる成長率や装備可能アイテムも変更されない。
能力値は、無職時の値に%補正をかける形で変動する。
【熟練度】の概念が導入され、一定回数戦うことでその職業の熟練度が上がり、呪文や特技を習得していく方式。
熟練度が最大の8になるとマスターとなり、上級職の場合はマスター特典も得られる。
一度上げた熟練度は他の職業に転職しても維持され、また熟練度によって覚えた呪文・特技は転職後も引き継がれる。
したがって全職業をマスターすれば、ベホマズンなど一部を除くほとんどの呪文と特技を、攻撃系・補助系・回復系などのジャンルを問わず使いこなすことができる。

Ⅵの職業は基本職と上級職があり、無条件に転職できるのは基本職に限られる。
上級職への転職には複数の基本職をマスターする必要があり、さらに【勇者】になるには主人公は1つ、仲間キャラは複数の上級職をマスターしている必要がある。
この他、隠し職業として終盤には【ドラゴン】、ゲームクリア後には【はぐれメタル】という職業が登場し、それぞれ【ドラゴンのさとり】【はぐれのさとり】を所持することで転職が可能。

DQⅦ

過去のダーマでの超長いシナリオの末、【アントリア】を倒して神殿を魔物の手から解放すれば、転職可能となる。
過去でも現代でも転職は可能であり、過去では少女の大神官【フォズ】が転職を担当する。

システムはⅥの転職とほぼ同一だが、以下の点が変更されている。

まず、いくつかの人間職の追加と変更が行われた。
上級職のうち、新たに登場した【ゴッドハンド】【天地雷鳴士】は、他の上級職を複数マスターしていないと転職できない、いわゆる最上級職である。
【勇者】はキャラに関係なく、上記2つを含めた上級職を3つマスターすることで転職可能となる。
また、人間の職を特定の順番で渡り歩くことによって【職歴技】を習得できるようになった。

人間職のほか、【モンスター職】が多数追加された。
モンスター職に就くには【モンスターの心】が必要となる。
心は同名モンスターが低確率でドロップするが、モンスターに心をドロップさせるには、モンスターパークで【まもののエサ】を入手しておかないといけない。
それ以前ではドロップ確率の高いモンスターといくら戦っても落とさない。
一部の心は道中の宝箱やカジノの【ラッキーパネル】などでも入手できる。
モンスター職には中級職と上級職もあり、人間の上級職と同じように複数のモンスター職をマスターすることで転職できる。

これらの変更により前作に比べて職業選択の幅が広がったが、やり込みで全ての職業を極めるには膨大な戦闘回数(総計で1万回弱!)が必要。
また、呪文や特技の中にはモンスター職しか覚えないものもある。

DQⅦ(3DS版)

人間職は熟練度の必要戦闘回数が下がり、また職歴技が廃止された。
これによって、PS版で職歴によって覚えた呪文・特技も今回は熟練度で習得できるようになった。
また、バランス調整の為か上級職で覚えた技は転職すると使えなくなるようになった。
その代わりにPS版よりも使える呪文・特技が大幅に増えている。

職ごとにコスチュームが用意され、見た目のバリエーションも楽しめるようになった。
これにより、主人公やマリベルなど、頭巾などの下の髪型もグラとして初めて描かれた。

モンスター職は必要戦闘回数が変わっていない。
その代わりに、モンスタ一職で覚えた呪文・特技はどの職に転職しても失われない。
また、今回新たに登場した【すれちがい石版】で行けるダンジョンは心の入手率が10倍近く上がり、心を落とすモンスターをボスにすると討伐報酬でも心を入手する事が可能になり、モンスター職への転職が非常に容易になった。

この変更により、人間職は熟練度を上げやすい代わりに汎用性が低く、モンスター職は熟練度を上げにくい代わりに汎用性が高いという差別化に成功した。

ただ、普通に裏ボス含めてクリアするだけならゴッドハンドや勇者と言った最上級職に就けば容易にできるので、やはりモンスター職はやりこみの要素が強い。

DQⅨ

【ダーマの塔】【魔神ジャダーマ】撃破して大神官を正気に戻した後、ダーマ神殿で転職が可能になる。
なお、賢者の【さとり】スキルの特技【ダーマのさとり】を覚えれば、転職の際にいちいちダーマ神殿まで赴く必要がなくなる。

今回はシステムが一新され、ⅢともⅥ・Ⅶとも異なる転職システムが登場。
また、Ⅷから採用された【スキル】システムと共存する形になった。
なお、Ⅲと同じく無職にはなれなくなった(常に何かしらの職業に就いている)。

転職後はレベル・装備可能アイテム・能力値・呪文・特殊能力・所持スキルが新しい職業のものに変更される。
今回のシステムでは、キャラのレベルと能力値は職業ごとに記憶される。
初めて転職するときはレベル1となるが、たとえば戦士をレベル15まで極めたあと僧侶に転職、再び戦士に戻るとレベル15からのスタートになる。
種や木の実による能力ドーピングもその職業のみで保存される。

今作では、呪文はレベルに応じて習得するが、特技は職業のレベルアップではなく、職業ごとに持つ5つのスキルにそれぞれスキルポイントを振り分けることで習得する。
また、今までの利点であった転職による呪文の引継ぎができなくなり、呪文は職業ごとの専門のものになった。
これにより、ベホマが使えるバトルマスターなどが作れなくなり、キャラの没個性化が防がれた。
一方で、スキルポイントや、その振り分けによって得た特技やステータス補正(底上げ)は転職後も活きる。
レベル1の職業に転職すると能力値もレベル1のものとなるが、スキルで底上げしていればその分が常にプラスされ、最終的にはレベル1でも底上げ前のレベル30~40相当の能力値で戦えるようになる。

Ⅵなどと同様に今回も基本職と上級職が存在する。
今回の上級職は特定の基本職を極めるのではなく、世界各地で受けられる転職【クエスト】を受注し、それをクリアすることで新たな上級職に就けるようになる。
但し、【賢者】はストーリー終盤、【スーパースター】はゲームクリア後でないとクエストが受注できず(発生せず)転職できない。
上級職への転職クエストでは基本職で習得できる特技や呪文が必要となるが、これらはスキルポイントを少し振るだけで、または低レベルで習得できるものである。
また基本職・上級職とも転職クエストとは別に、レベル15および40に到達したときに受注できる職業クエストが用意されており、レベル15のものはクリアするとその職業専用の防具が、レベル40のものはその職業の【秘伝書】がもらえる。

ゲームクリア後には、レベル99まで上がったあとに再びレベル1にもどれる【転生】システムも用意され、1からレベルを上げ直すことでスキルポイントの振り直しが可能となる。

Ⅸでは回復役などの関係で今まで以上に転職の計画性が求められるようにもなっている。
ルイーダの酒場での仲間の職業の選択や、転職可能になるまでのスキルポイントの振り方にも気を配ろう。

トルネコ2

本編シリーズ以外では唯一システムとして登場。
ダーマ神殿は存在せず、不思議のダンジョンクリア後に魔法屋のサービスに追加される。無料。
職業は【戦士】【魔法使い】、そしてトルネコにとっての基本職である【商人】の三つ。
戦士は技を覚えて戦う代わりに指輪が装備できず、「杖を振る」「巻物を読む」ができない。
魔法使いは呪文を覚える上にハラヘラズだが、攻撃力が上がらず、武器と盾と矢を装備できない。
戦士の技は装備によって使える技が制限されるがダンジョンを出ても(転職しても)忘れないので、何度も冒険して技を覚えるほど、確実に強くなるタイプと言える。
一方魔法使いの呪文はダンジョンを出ると忘れる上に、レベルアップでランダムに覚えるので、いかに序盤で主要な呪文を覚えられるかという、運が強く絡むタイプになっている。
なお、それぞれの職業でしか入れない専用のダンジョンがあり、戦士は【剣のダンジョン】、魔法使いは【魔のダンジョン】、商人は【井戸のダンジョン】である。
余談だが、転職した姿の場合ネネの反応が変わるが、独断で商人を辞めても怒らないどころか「素敵」と言ってしまう妻は、現実で考えるとシュール極まりない。

いたストSP

スフィアバトルトーナメントを全制覇すると、その後スフィアバトルを始める際に職業を選べるようになる。
また、プレイ中も「ジョブチェンジ」のスフィアを発動させると、その場で転職が可能。

最終更新:2013年11月24日 10:33