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概要

【冒険の書】が登場する以前のファミコン版Ⅰ・Ⅱで採用されていたコンティニュー方式で、いわゆるパスワード。

当時はROMカートリッジ内へのデータ保存(バッテリーバックアップ)や外部記憶メディア(メモリーカード)などはまだ存在せず、
プレイヤー(主人公)の名前経験値ゴールド道具や、ストーリー上で必要なフラグなどといった情報は、
ある一定の法則に従って数値化し、さらにそれを文字に変換するという手順でパスワード化して記録していた。

この文字列をできるだけ短くするために、Ⅰ・Ⅱとも復活の呪文には必要最低限の情報しか格納されていない。
例えば、経験値からレベルを算出することで、「レベル」という情報を省略している。
ⅠやⅡで建物やダンジョンなどに置かれた宝箱を何度でも取れるのは、この宝箱の取得情報を省略しているからである。

ちなみに、Ⅲ発売当時のスタッフのインタビューによれば「Ⅲで復活の呪文を導入すると800字を越える」とある。
バッテリーバックアップシステムの登場で大量の情報を格納できるようになり、ストーリーやシステムをより充実させることができるようになったのだ。


復活の呪文の使い方

ゲームを終えるときは王様などからこの復活の呪文を聞き、それをメモする必要がある。
そのため、ⅠやⅡをリアルタイムに遊んだプレイヤーは、たいてい、復活の呪文をメモするための専用のノートを用意していたものだ。

復活の呪文を入力するときは、タイトル画面で「CONTINUE」を選ぶ。
(わかりやすい表現がドラクエの特徴のひとつなのだが、このように当時はメニューに横文字が使われていた)
すると、名前を入力するときのように画面に五十音の文字盤が表示されるので、メモしておいた復活の呪文を入力する。
この説明を読んだだけで、脳内BGMとして【Love Song 探して】がPSG3音で流れてきた人もいるはずだ。
そして、入力した復活の呪文が正しければ、レベルやゴールド、持ち物などが以前と何一つ変わらない状態で勇者が復活し、続きを遊ぶことができる。
特に王様が勇者の名前を覚えているのは、わざわざ取扱説明書に書かれるほど当時はかなり画期的なことであった。

ただし、通常の復活の呪文は無意味なひらがな文字の羅列であるうえ、当時のテレビの画質はあまり良くなかったため、
「ぬ」と「め」、「わ」と「ね」などの似ている文字、また濁点や半濁点などを書き間違うことも多かった。
復活の呪文が違うと【じゅもんが ちがいます】というメッセージが表示されゲームを再開できず、
それまでの数時間~数十時間におよぶプレイを水泡に帰してしまう場合もあった。

先述したとおり復活の呪文には必要最低限の情報しか格納されておらず、
現在のHPやMP、また毒の有無といった情報も記録されないため、宿屋の代わりにもなる。
Ⅱの場合は教会に行かずに仲間を生き返らせることも可能だ。
よっしゃ蘇生代が浮いた! と思いきや、ちゃっかり仲間の分の蘇生代金は引かれた状態での再開だったりする。
王様もそこまで甘くない。

DQⅠ

長さは20文字の固定で、区切りは「5文字・7文字・5文字・3文字」。
【ラダトーム】の城で【ラルス16世】から聞くことができる。
ちなみに【りゅうおう】からも聞くことができるが、こちらは勇者の現在のデータは破棄され、
経験値もゴールドもゼロで、道具も装備も何一つ持っていない状態に変えられてしまう。

なお、DQⅠでは名前によって決まる成長パターンのどれかに従って固定のステータスの伸び方をするため、
各種パラメータは復活の呪文の内部には格納されていない。名前とレベルが分かれば再計算できるからだ。

格納されているフラグ


DQⅡ

長さは18~52文字の可変で、仲間の人数や持ち物の数が増えれば長くなる。
一行の基本的な区切りは「3文字・3文字・4文字」。
今作より復活の呪文の文字に半濁点(パ行)が登場したが、当時のテレビの画質では読みにくかったため、
これが書き間違いが増えた大きな要因だと思われる。
【ローレシア】【サマルトリア】・ラダトーム・【デルコンダル】の城、
【ムーンペタ】【ベラヌール】の街、そして【ロンダルキアのほこら】の合計7箇所で聞くことができる。

【ふっかつのたま】を持っていれば、どこでも復活の呪文を聞くことができる。
ただし、セーブした箇所の情報は上記の7箇所のいずれかしか記録されないため、
このアイテムで復活の呪文を発行した場合、レベルや持ち物などの情報はその時点のものになるが、
セーブ箇所だけは「最後にセーブした場所」に戻される。

なお、【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】の名前は【ローレシアの王子】の名前をもとに決定され、
また各種パラメータは固定であるため、いずれのデータも復活の呪文の内部には格納されていない。

格納されているフラグ


現在では

バッテリーバックアップやメモリーカードといった便利なセーブ方式が主流となった現在では、
パスワードが今後“復活”することはまず無いだろうし、復活の呪文はすでに過去のシステムとなってしまった……
と思われていたが、2011年9月にWiiで『ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ・Ⅲ』が発売された。
このロトシリーズ三部作の復刻版では、ファミコン版の復活の呪文もそのまま使えるということで、
自分が最強レベルまで育てたキャラの復活の呪文を今でも暗記しているリアルタイム世代のプレイヤーは、
昔を懐かしみながら試してみたことだろう。
これは保存の永久性ではどんなセーブ方式もかなわない、まさに“人間冒険の書”という表現がピッタリだ。

また、呪文の書き取りに苦労した当時とは違い、現在はケータイのカメラという秘密兵器がある。
王様が復活の呪文を言っている画面を撮れば、カメラのピントを間違えない限り簡単に完全な状態の復活の呪文が手に入るのだ。
なんと、先述のWii版の取扱説明書にも「写真を撮るなどして記録すれば安心だ。」と書かれているほどである。
時代は変わったと実感せざるを得ないが、これならば書き間違いによるデータ消失を防げる。便利な世の中になったものよのう。
もっとも、当時でもゲーム画面をビデオで録画すればそれほど苦労はしなかっただろうが、
まだまだビデオデッキは高価だった時代で、今ほどは普及していなかった。

さらに、ファミコン版Ⅰ・Ⅱの発売から長い時を経て復活の呪文の仕組みが解析されたことで、
【復活の呪文作成プログラム】を使って【成文型復活の呪文】を作るという、当時には無かった遊びが生まれた。
特にⅠの復活の呪文は先述したとおり文字の区切りが五・七・五の韻律であるため、俳句や川柳のような完成度の高い作品も数多く存在する。
この語呂合わせ復活の呪文の捏造は言葉のパズルを解くようなおもしろさがあり、黎明期のドラクエならではの楽しみ方といえるだろう。

他作品でのパロディ

ファイナルファンタジーⅫ

ロトの剣のパロディアイテムである【トロの剣】の説明文にⅠの復活の呪文が書かれており、
これをⅠで実際に入力するとFFⅫの主人公の名前で再開できるというお遊びが入れられている。

日常(アニメ)

水上麻衣(みなかみ まい)という女子高生が、友人2人とジャンケン遊び「グリコ」をしながら階段を上っていて、チョキで勝ったときに、
「ち・よ・た・に・け・ら・は・と・ほ・ら・す・て・の・は・て・き・ら・と・な・り・は・し・て・と」
と言いながら階段を一気に上りきったあと、静かに「復活の………呪文。」と言い放った。
なお、全部で24文字あるためⅡの復活の呪文だと思われるが、これをⅡで実際に入力してみてもゲームは再開できない

復活の呪文にまつわる有名人のエピソードなど

すぎやまこういち氏

Ⅸ発売時の任天堂の岩田聡社長との対談で、「テレビ画面をプリントできる機械を買って、
『ね』と『わ』などの似ている文字の問題を克服した」と告白している。
その機械いくらしたんだ?

田尻 智氏

「復活の呪文は、正に呪文を唱えてるような不思議な感覚」
(『HIPPON SUPER! ~ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ発売記念特集 一億人のドラゴンクエスト~』より)

(中略)
また、復活の呪文も、初期ドラクエの忘れがたい思い出である。
日本語でありながら日本語でない言葉の連なり。
パスワードだけが、遠大なゲーム世界を維持させられるなんて、ハイテックなような原始的なような…
まあ、今の僕は、バッテリーバックアップの利便さを味わってしまった以上、もうあの文字の羅列を書き留める気にはなれない。
しかし、当時のあの行為には、ゲームの世界を記述するという充実感と、正に呪文を唱えてるような不思議な感覚と楽しみがあったと、懐かしく感じるのだ。
(後略)

淡路恵子氏

(ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』より)

「もう、昔のはね、あの『復活の呪文』っていうのが大変だったの。
 大学ノートを広げてね、『ぱ』だとか『び』だとか『ぺ』だとか『ふ』だとか書いていくわけよ。
 ところがね、急いで書いて、次にそこへ戻ろうと思ってそれを入れようと思うと、
 『ぱ』だったか『ば』だったか、『ぷ』だか『ぶ』だか、もうそれでそこへ帰れなくなるとかね、
 昔はそんなでしたよ。
 でもそれが楽しくて、攻略本も何にもないのに、全部それで制覇してったんですからね。」