概要

Ⅰ~Ⅷに登場する呪文。
各作品の主人公のレベルより【モンスターレベル】がおおむね5以上低いモンスターのエンカウントを封じる(要は自分より弱い敵が出現しなくなる)。
基本的に、モンスターが出現する場所で一定距離を移動すると効果が切れる呪文で、消費MPはⅠとⅡが2、Ⅲ以降は4。
同じような効果をもつアイテムとして【せいすい】がある。

第1作以降ほぼ皆勤の名物呪文だったのだが、近年は【しのびあし】の登場や【シンボルエンカウント】の採用によって、地位が非常に脅かされつつある。


DQⅠ

レベル15(ガラケー版ではレベル22)で習得。
このころは町の中での歩数も効果の持続期間にカウントされていた。
また効果があるのはフィールドだけで、ダンジョンでは効果がない。こちらの仕様はかなり長く踏襲されていく。

DQⅡ

【ムーンブルクの王女】がレベル8で習得。
Ⅰに比べるとだいぶ序盤で習得する上に、Ⅱの戦闘はこちらがかなり強くても敢え無く事故死するような尖った連中が相手なので、使う機会はかなり多い。

DQⅢ

この作品から、街中での歩数は効果にカウントされない現在の仕様になった。
【勇者】がレベル19前後で習得。
ここから「トヘロスは魔法使いや僧侶ではなく、勇者の使う呪文」という伝統が確立されていく。
ⅠとⅡの使用者もⅢの勇者の子孫であるため、勇者の眷属には含まれる。

SFC版では新職業の【盗賊】がしのびあしを覚えるようになってしまったため、ほとんどお呼びがかからない。

DQⅣ

やはり勇者である【主人公(Ⅳ)】がレベル11前後で習得。
FC版では【NPCトヘロス】という裏技があり、NPCを入れて1回戦闘した後トヘロスを唱えれば、以後どの場所でも一切敵が出なくなる超性能を誇る。

PS版以降はこの裏ワザがなくなった上に、トルネコがしのびあしを使えるようになってしまったため、やっぱりお呼びがかからない。

DQⅤ

【主人公(Ⅴ)】は使えず、やはり勇者である【男の子】がレベル10で習得。
その他、【ヘンリー】【ホイミン】【パペック】【ケンタス】、リメイク版以降は【プチヒロ】【ターク】も習得できる。
モンスター連中はともかくとして、ヘンリーが何故習得できるのかは謎。
まさかラインハット王家にも勇者の血が……?

PS2版では、ダンジョン内で使用すると「何も起こらなかった」と表示されるが、実はしっかり効果が発動しているバグがある。
その後の作品ではこのバグが仕様となり、過去作リメイクも含めてダンジョン内でもトヘロスの効果が発動するようになった。
便利になったのはいいのだが、やっぱりサンチョが覚えるようになったしのびあしのせいで日陰の立場は変わらない。

DQⅥ

何と勇者の習得呪文から剥奪され、【レンジャー】の★1で習得する。
聖なる呪文というイメージだったのがとんだアウトロー職に移された上に、レンジャーは特技にもステータス補正にも乏しい地雷職であり、左遷の感が漂う。

そしてこの作品より、ついに宿命のライバル・しのびあしが登場。
トヘロスと異なりエンカウント率をゼロにはしないが、下級職の盗賊で手軽に習得でき、敵の強さに関係なくエンカウント率を著しく低下させるしのびあしはトヘロスより圧倒的に使い勝手がよく、トヘロスを完全に食ってしまった。
以降、これまで記してきたとおり、数々のリメイク作でトヘロスはことごとくしのびあしの後塵を拝していく。

DS版

しのびあしに設定ミスに近い弱体化(エンカウント率がほとんど落ちず、先制される確率だけ上がる)が加えられており、トヘロスがちょっと復権している。レンジャーが地雷職なのは全く変わらないので、やっぱり使う機会は少ないが。

DQⅦ

やっぱり勇者ではなく、【吟遊詩人】の★5で習得。トヘロスは歌だったのだろうか。
この作品からしのびあしに「先制される確率が上がる」というデメリットがついたのだが、元々エンカウント率が低いⅦではしのびあしを使うとまるでエンカウントしなくなることも多く、トヘロスの立場はⅥ以上に悪くなっている。

3DS版

【盗賊】の★7で習得に変更された。やはり吟遊詩人が覚えるのは、おかしいということだったのだろう。
Ⅸ同様にシンボルエンカウントを採用しているこの作品での扱いが心配されたがしっかり健在で、唱えるとシンボルが一切出現しなくなる。しかもシンボルエンカウントではしのびあしの方が成立しないため、何と宿敵しのびあしが削除された。
効果がある場所で使用すると、フィールドをうようよしているモンスターが一瞬で地面に吸い込まれていくのがちょっと面白い。
元々シンボルを避け易いフィールドマップでの価値は薄いが、輝くのはダンジョン内。
狭くて避けようがない場所にガンガン敵シンボルが出るため、こいつらを避けるためにはトヘロスが必須。
Ⅸから打って変わっての大勝利である。やったねトヘロス!と言いたいところだが、新しく行くダンジョンにはトヘロスが効かないレベルの敵が出るのが当たり前。そして肝心の【すれちがい石版】内では効果が無い、とやはり微妙なのであった。

DQⅧ

主人公が【ゆうき】スキル28SPで習得。久々に勇者の呪文へ舞い戻ってきた。

この作品でもしのびあしの後継特技である【しのびばしり】との争いになるが、しのびばしりはMPを消費する上に、使い勝手の悪いヤンガスの格闘スキルでしか覚えられず、必須スキルの勇気に比べると習得させる機会が少ない。
レベルに関係ないというメリットは相変わらずでかいが、久々にトヘロスがエンカウント率低減の主役の座を奪い返したと言えるだろう。
特に【竜の試練】に何度も挑む時などは、裏ダンジョンの敵をシャットアウトできるトヘロスは重宝する。

DQⅨ

Ⅷでの復権もつかの間、シンボルエンカウントの採用によって【ステルス】にその座を譲り、何と登場しない。
Ⅰからの皆勤記録もこれで敢え無く途絶えてしまった。

最終更新:2014年02月05日 18:36