概要

全シリーズで登場する初等の回復呪文。
味方1人のHPを30~40程度回復する。
FFシリーズの初等回復呪文「ケアル」と双璧をなす非常に有名な呪文。

名前の由来

現在ネット上では「休み」→「イ木 み」→「イホ み」→「ホイ ミ」→「ホイミ」
…という説がまことしやかに流れているが、これは俗説にすぎない。
Ⅱ発売当時、「オールナイトニッポン」に出演した堀井雄二氏は「ホイミの語源」を訊かれ、
特に語源はないんですよ、適当に感じで、感覚で作ったんですね
と回答している。

また、“元々「ホーミ」という名前にするつもりだったが、「ホーミ」が沖縄弁で女性器を意味する事が分かったため、
「ホイミ」に変更になった”という説も流れているが、これも事実とはやや異なる。
「誕生25周年記念ドラゴンクエスト展」によれば、
“「ホイミ」を「ホーミ」にしてカタカナの「イ」の字を節約できないか検討していた”というのが正確な所のようだ。
仮にこの案が採用された場合「スラム」は別の名前になっていたわけで、DQの歴史は大きく変わった事であろう。

本編

DQⅠから登場する由緒正しき呪文。
僧侶系はもちろんだが、それ以上に歴代主人公に愛用された呪文であり、ⅡとFC版Ⅳを除く全ての作品の主人公がレベルアップで覚えられる。
ベホイミを覚えたらあまり使わなくなるが、序盤~中盤初期くらいまではかなり助かる。というか使わないとクリアが困難。
基本的にやくそうとほぼ同じ回復量を持ち、これが十分に使える頃になると薬草の出番は少なくなる、
というイメージを持たれがちだが…?

DQⅠ

Lv.3で覚える最も基本的な呪文。
ドラゴンクエスト史上一番最初に覚える呪文はコレである。
だが、この作品のみ効力が非常に低く、MPを4消費するのに10~17しかHPが回復しない。
非常に燃費の悪い呪文であった。
これに対し、【やくそう】の回復量は23~30。ホイミの約2倍の効力である。
かつてホイミは薬草の下位互換だったのだ。

やくそうは一度に6つまで持てるので、ホイミの仕事は6つの薬草を全て使い果たした場合の回復となる。
ただ、この作品はやくそうもやたらと高く、1つ24Gもする。
よって、お金がないときもこれで我慢することになる。

なお、敵が使う場合は20~27も回復する。ズルい。
タイマン戦闘のⅠではこれを使われるとなかなか戦闘が終わらなくなる。

リメイク版では消費MP3、回復量も25~30となり、妥当な性能となった。

DQⅡ

サマルトリアの王子が最初から覚えている呪文。
消費MP3で、HPを25~42回復する。
前作からかなり強化されたが、実は本作はやくそうの回復量が34~66とかなり多いため、
相変わらずやくそうの下位種という地位に変わりはない。
とはいえ本作でもやくそうは15Gと高いため、「お金を使わずに回復できる」のはちょっとした革命。
仲間になった直後の【湖の洞窟】辺りでは、サマルトリア王子は神のようなお方に見える。
(そして彼の評価はこの後ダダ下がりの一途をたどるのだが、それはまた別の話)

ご存知ホイミの名手、【ホイミスライム】も本作から登場。
後の作品の控えめなホイミスライムと異なり、本作のホイミスライムはまさにホイミの鬼。
行動の7/8がホイミというホイミ狂である。
彼は残り1匹だけにならない限り自分にホイミをかけないので、
ホイミスライムから叩くようにすれば被害は大分減らせる。
ただ、ローレシア王子1人旅のころは「ホイミスライム 1ひき」になってからも苦行。
攻撃ダメージがホイミの回復量を下回るため、ホイミスライムが攻撃するか会心の一撃が出ないとダメージが全く蓄積しない。

リメイク版では25~30回復と、のちのシリーズとほぼ同じ性能に調整された。
やくそうの回復量は20~35となっており、「やくそうとホイミは相互互換」というⅢ以降と同じ関係性になっている。

DQⅢ

僧侶が最初から、勇者がLv.4で習得。
回復量は30~39となり、現在とほぼ同じとなった。
実はやくそうの回復量は35~49のため、未だにホイミ<やくそうの関係は続いているのだが、
プレイヤーの感覚ではほぼホイミとやくそうは等価値になったと言っていいだろう。

DQⅣ~Ⅷ

回復量は30~40、やくそうと完全に一緒になった。
消費MPはⅤまでは3だが、Ⅵ以降2に減っている。
序盤は主人公の1人旅か、仲間がいてもホイミが使えない(ハッサン、ビアンカ等)事が多く、
先述の通り多くの作品で主人公が覚えるホイミが生命線となる。
ホイミを覚えてやくそうから開放される事がゲームの1つの通過点といっても過言ではない。

敵ではホイミスライムのほか、【スライムナイト】が得意とする呪文。
【チョッキンガー】【ゆきのじょおう】など、序盤のボスが使ってくることも多い。
実は敵のホイミには2つの種類があり、味方に掛けられるタイプと自分にしか掛けないタイプがある。
ホイミスライムは当然前者だが、スライムナイトを筆頭に意外と後者のタイプが多い。

特殊なホイミ

Ⅴでは【パパス】が戦闘終了後に【主人公(Ⅴ)】のHPが減っているとホイミを唱えてくれるが、「ホイミを唱えた」というメッセージは出るものの、その効果たるやホイミの比ではない。
なんと、HP全回復に加えて毒を受けていれば解毒されるというベホマとキアリーの効果を兼ね備えており、しかもMPを消費しない。
このようにホイミにしては超絶すぎる効果だが、この手の「主人公を全回復してくれる魔法」のようなものはDQシリーズとしてはそこまで珍しいことではなく、祈るだけでパーティ全員のHPもMPも全回復する神父もいるくらいであるが、その手の能力に具体的な呪文名が割り当てられてているのは珍しい。

ちなみに、効果以前にSFC版ではパパスはそもそもステータス画面上ではホイミを習得しておらず、覚えていないはずの呪文を使っていることになる。
この違和感はリメイク版では修正されており、パパスの習得呪文にホイミが加わっている。

DQⅨ

回復魔力 50 200 400 600 800 999
回復量 30~40 50~60 76~86 102~112 129~139 155~165
【かいふく魔力】の値によって回復量が増加するため、初めてやくそうを超えたことになる。
習得する職業の多さは最多で、12職中7職がホイミを覚えることができる。
神など信仰の薄そうな盗賊でも覚えるため、DQ世界ではホイミ程度なら習得は容易なのだろうか。
回復呪文は攻撃呪文に比べると伸び率が大きく、なんとなく軽視されがちな回復魔力の恩恵は意外と大きい。

習得者一覧

作品 習得者、習得職 習得条件
DQⅠ 主人公 Lv3
DQⅡ サマルトリアの王子 習得済
DQⅢ 勇者 Lv4
僧侶 習得済
賢者 習得済
DQⅣ 勇者(リメイク版のみ) Lv2
クリフト 習得済
ミネア 習得済
ホイミン 習得済
ロレンス 習得済
DQⅤ 主人公 Lv4
ピエール 習得済
ホイミン 習得済
ザイル Lv3
プチヒロ Lv5
プチプリ 習得済
コロプリ Lv5
DQⅥ 主人公 Lv4
ミレーユ 習得済
チャモロ 習得済
アモス 習得済
ホイミン 習得済
ピエール 習得済
キングス 習得済
僧侶 ★1
DQⅦ 主人公 Lv3
マリベル Lv10
僧侶 ★1
羊飼い ★3
はなカワセミ ★2
ホイミスライム ★2
DQⅧ 主人公 Lv3
ヤンガス 人情スキル10P
ククール 習得済
DQⅨ 僧侶 習得済
旅芸人 Lv3
盗賊 Lv9
パラディン Lv7
レンジャー Lv10
賢者 Lv2
スーパースター Lv4

DQM1、2

味方1体のHPを30~40回復させることができる。消費MPは2。
ホイミスライムはもちろん、【キメラ】【グレムリン】などがLv2(PS版ではLv1)でステータスが一定以上だと習得する。
Lv10になるとベホイミに進化する。

DQMCH

回復量や消費MPは同じだが、習得できるレベルが10に上がっている。
しかしベホイミに進化するのはLv14とちょっと遅めになっただけである。

不思議のダンジョンシリーズ

同シリーズでは、自分とその周囲8マス内にいるキャラのHPを25回復する呪文としてトルネコ2から登場。やはりホイミスライムが使用する。
この呪文は、敵味方関係なく効果を発揮するところが面白い。また、ゾンビ系には25ダメージを与える。

トルネコ3ではメインシナリオ中盤まで仲間になる【イネス】が使える。話しかけると回復してもらえる。
モンスターは引き続きホイミスライムと、コロプリーストとプチプリーストが使う。

少年ヤンガスでは、味方のみの効果発揮に変更された。また、ゾンビ系もちゃんと回復できる。回復量は20~25。
回復系はこれに限った事ではないが、継承させると便利だが、たかだか1回復するのにも使ったりするので少々ウザイ。
だからと言ってのうりょくつかうなにしておくと連続攻撃なども発動しなかったりするジレンマが。
合体用員に覚えさせておくのがベストか。

また、この3作品には対象の1体にホイミの効果をもたらせる【ホイミの杖】というアイテムが存在する。

いたストSP

スフィアの一種として登場。商人、賢者で入手できる。
これが発動すると、指定した自分の店1軒の価格が10%アップする。増資しきっていても問題なくアップする。
そのため、ホイミ系スフィアがある職のキャラのお店はどこまでも大きくなっていく。

最終更新:2014年02月17日 20:10