概要

1990年4月19日に旧エニックス(現スクウェア・エニックス)より刊行された、公式4コマアンソロジーコミック及びレーベル。
全体的に作品の世界観を最大限尊重する方針を取っていた為、現実世界の要素を絡めたりするネタは極力自制する、ある意味で硬派なシリーズとも言える。
この本のヒットが後の【月刊少年ガンガン】創刊へと繋がった。
また、ドラゴンクエストの第一巻が発行されて以降、DQシリーズのみならず「スターオーシャン」、「ヴァルキリープロファイル」等のエニックス作品はもとより、
「マリオ」、「テイルズ」といった他社の人気シリーズから「Kanon」、「To Heart」等のギャルゲーに至るまで刊行された。

執筆陣は有名無名問わず、多種多様なラインナップとなっており、『南国少年パプワくん』の柴田亜美、『魔法陣グルグル』の衛藤ヒロユキ、『BAMBOO BLADE』の五十嵐あぐり(当時は曽我あきお名義)など、後に大ヒット作品を生み出した作家もいる。
また、藤原カムイ、いがらしみきお、松沢夏樹など、当時の少年ガンガンで連載していた人気漫画家が特別に参加したこともある。

しかし、インターネットの普及とともに作者及びファンサイトやネタスレが発展し、ファンサービスとしての需要が落ち込んだためか、DQではⅧの3巻、4コママンガ劇場全体としては「テイルズオブシンフォニア」の3巻を最後に、ストーリー物のアンソロジーレーベル「スーパーコミック劇場」と統廃合する形でレーベル廃止となった。
その後復活は絶望視されていたが2009年12月、実質的な後継レーベルである「ガンガンコミックスアンソロジー」でⅨの4コマ劇場が発売され、1ページ目から夜麻みゆき往年のペロキャンネタが登場。古参ファンを喜ばせた。
なお、このコミックには初期のドラクエ4コマを支えた執筆陣は残念ながら居ないものの、夜麻みゆき、五十嵐あぐりなどが久々にドラクエ4コマに復帰したり、
『WORKING!!』の高津カリノ、『ぱにぽに』の氷川へきる、『天体戦士サンレッド』のくぼたまことなど、異色の組み合わせが実現していたりと、見所は少なくは無い。

公式ガイドブック非掲載ネタの取り扱い

パルプンテによるメタル狩り、悟りの書無しで賢者に転職、魔法のビキニ(FC版)、シンシアのはねぼうしなど、公式ガイドブックなどに記載されていないゲームネタ等も登場していた事もある。
また、ネタバレを避けるため、モンスターズシリーズを除いて各シリーズのラスボスの登場は禁止となっている。
(原則として公式ガイドブックに出ているモンスターのみ。番外編1巻95P)
ただし、【りゅうおう】(第一形態)、【ハーゴン】【ピサロ】などは、その存在が本編中でも最初からないしはごく序盤の段階で知れるためか、登場OKとなっている。
だが、最初期にはその規制も緩かったのか、姿こそ出てこないものの【ゾーマ】という単語が何度か出てきたり、Ⅲ勇者に「ロト」という完全ネタバレな名前が付けられていたり(ゲーム中では任意でつけられない。詳細は【名前(プレイヤー)】参照)といったこともあった。

リメイク版への影響

4コママンガ劇場で定番だったネタが後にリメイク版が発売される際、公式設定として逆輸入される場合もある。
天空編では特に顕著で、「カジノ狂いで酒豪のマーニャ」 「少し暗い性格のミネア」「アリーナに片思いしているクリフト」「おばけきのこが仲間になる誤植」などが挙げられる。
【マッスルダンス】は4コマのギャグが本編での特技になった珍しい例。

楽屋裏

掲載された作家が元ネタとなったゲームについて1ページを使って語るコーナー。
このコーナーが本レーベルの象徴となり、読者に強く受け入れられることにつながった。
当初は限られたメンバーのみが楽屋裏を描いていたが、後に全員が1ページずつ描くようになる。

シリーズごとの概要

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場

通称無印(元祖とも)。
Ⅰ~Ⅵまでのナンバリングタイトルを総合的に取り扱った全編描き下ろしのシリーズ。全20巻。
1巻発売当時最新作だったⅣはネタバレ回避のためかモンスターネタのみ、キャラ・ストーリーネタは2巻、Ⅴネタは7巻、Ⅵネタは12巻で解禁となった。
本シリーズが4コママンガ劇場のみならず、エニックスの漫画事業(※出版事業そのものではない)の原点となった。
※エニックスは営団社募集サービスセンターという不動産情報誌専門の出版社が前身だった。

ドラゴンクエスト4コママンガ大全集

Ⅶまでのナンバリングタイトルに加え、モンスターズ1・2のネタを取り扱った無印の後継シリーズ。全7巻。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 番外編

「月刊少年ガンガン」の読者投稿コーナー「ドラゴンクエスト4コママンガクラブ」に掲載された作品と選外佳作を収録した傑作集。全23巻。
「番外編」と銘打ってあるのに本編(無印)より巻数が多いことを突っ込んだら負けである。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 ガンガン編

ガンガンの執筆作家が同誌に寄稿したドラクエ4コマを単行本化したシリーズ。全13巻。
後年発売されたⅨ4コマ劇場は「描き下ろし」「スクエニ全誌」という違いはあるものの、コンセプトはこちらに近い。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場 ギャグ王編

「ガンガン編」の【月刊少年ギャグ王】版。全2巻。

ドラゴンクエスト1Pコミック劇場

「4コマ」ではなく、その書名の通りにひとつのネタを「1ページ」で表現する派生作品。
ギャグ王コミックスとして執筆作家が同誌に寄稿した1Pネタを単行本化したシリーズ。
1994年10月に創刊し、以後は不定期に1998年10月までに計11巻が発行された。
コマ割りに関して作家の自由度が高くなり、斜めや縦長のコマも登場するようになった。
一枚絵のように大きなコマもあり、お気に入りの作家の描く好みのキャラが大きく描かれていたりしたときには、大いに歓喜した読者もいたことだろう。
最初の8ページは人気作家たちのカラーページ、以後のページも複数の作家によるアンソロジーと、通常の4コママンガ劇場と同じページ構成となっている。
ただし各作家の楽屋裏はなく、代わりに小さなカットが描かれていることがある。

作品別4コママンガ劇場

ドラゴンクエストシリーズの作品別に刊行されたシリーズの総称。
ナンバリングタイトルはⅠ(全1巻)、Ⅱ(全1巻)、Ⅲ(上下巻)が過去に無印で掲載された作品の再録、Ⅴ(PS2版ベース・全3巻)、Ⅶ(全8巻)、Ⅷ(全3巻)は描き下ろしである。
Ⅸ(全1巻)は前述のとおりレーベルと版型を変更しての発行となり、楽屋裏も廃止された。
Ⅳ、Ⅵは2010年5月現在発行の予定はない。
モンスターズシリーズは1(全5巻)、2(全3巻)、CH(全1巻)が発行されたが、JOKERは発行されなかった。
不思議のダンジョンシリーズはトルネコ1(全4巻)、2(全2巻)、3(全2巻)が発行されたが、少年ヤンガスは発行されていない。
意外なところでは電子ペットゲームのあるくんです(全2巻)も発行されている。
余談だが、表紙デザインが一新してからは呪文や一部アイテムの説明が廃止された。

当wikiにてページが作成されている執筆陣の一覧(五十音順)

【浅野りん】
【浅村イオン】
【天宮霞】
【池野カエル】
【石田和明】
【越後屋サイバン】
【衛藤ヒロユキ】
【押田J・O】
【梶原あや】
【川本祐太郎】
【きりえれいこ】
【金田一蓮十郎】
【栗本和博】
【坂本太郎】
【笹桐ゆうや】
【柴田亜美】
【白井寛】
【すずや那智】
【染宮和子】
【たるみ】
【ちるみる】
【天空宇宙流】
【中井一輝】
【なかがわはてな】
【新山たかし】
【西川秀明】
【猫乃都】
【野原すずかけ】
【原淳】
【ぴろしき】
【ふじいたかし】
【堀口レオ】
【魔神ぐり子】
【牧野博幸】
【三剣もとか】
【村上サトム】
【村上ゆみ子】
【山崎渉】
【夜麻みゆき】
【幸宮チノ】

【天野シロ】(Ⅸの4コマ劇場で表紙絵を担当)
【加藤礼次郎】(4コマ漫画劇場の2~4巻のカバーイラストを担当)

最終更新:2014年02月20日 18:33