1985年にエニックスが発売したファミコンソフト。
シナリオ・堀井雄二、プログラム・中村光一(チュンソフト)のコンビでは最初の作品。
パソコンからの移植版で、原作ではプレイヤーがコマンドを毎回キーボードから打ち込んでいたのだが、
キーボードの無いファミコンのために堀井氏が考え出した「コマンド選択方式」が採用されている。
(パソコンでは同じ堀井雄二原作の【オホーツクに消ゆ】が初めてコマンド選択方式を採用したが、ファミコンではこちらが先)
プレイヤーは先輩刑事「ボス」となり、部下の「ヤス」にコマンドによる指令を与えることでゲームが進んでいく。

当時のファミコンにおいては、アクションやシューティングなどのキャラクターを画面内で縦横無尽に動かすゲームが主流であり、
RPGのような文字がメインのゲームがすんなり受け入れられるかどうかには疑問が生じる状態だった。
そこで、だったら先ずプレイヤーに「画面の文字を読んで判断する」ということ自体に慣れてもらおうとの考えから、言うならばDQⅠへの布石として発売されたのがこのゲームであり、
以後のドラクエシリーズ同様、当時の【週刊少年ジャンプ】でも何度も特集記事が組まれることとなった。

ちなみにこの作品、一部のプレイヤーの間で異様な盛り上がりを見せている【うげっーー!!】【ぬおおおー! かっー!】といった類いのセリフも早々と登場している。
捜査の展開によってはヤスが麻薬の売人を逮捕することがあるが、このときに売人の男が
おとこ「げっー! しまったあっっ!」
と叫ぶのだ。この当時から堀井氏には先見の明があり、後の流行を予感していたのかと驚かざるをえないw

なお、DQⅠのメルキドの町には、
*「ねえ わたしの ぽーとぴあと あなたの ドラゴンくえすとを かえっこしてよ」
と言う女性がいる。
どちらのタイトルにも、【よく使う20文字のカタカナ】以外のカタカナが使われているため、こんな中途半端な表示になってしまっているわけだが、
【ドラゴンクエストへの道】の作中では「ゲームの世界観を壊すギャグは許せない」 と息巻いていた堀井氏や中村氏が、よくこんなセリフを入れたものだ……。

最終更新:2013年06月01日 21:32