概要

漫画【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】に登場するボスキャラ。
【異魔神】率いる魔王軍の大幹部「四大魔王」の一人であり、不死・霊体系モンスターからなる妖(ファントム)軍団を指揮する。
異魔神の直属の部下であり、魔王軍の参謀にして知恵袋的存在という魔王軍に不可欠な人材。
【世界樹】を枯らせたり魔王軍を結成したのも彼である。

漆黒のローブで全身を覆い、時折蜘蛛の様な顔や腕を覗かせる正体不明の怪人。
「グブブブブッ…」と不気味な叫び声ともつかない笑い声を発する。
性格は残忍にして冷酷非道、自分以外は全て道具であると考えている。
魔法とは異質の力「妖術」を操る事で様々な怪異を引き起こす。

異魔神の最古の配下にして最も近しい存在でもあるため、異魔神の正体を探る上でも重要な存在。
また、初めてアルス達とあいまみえた四大魔王でもある。

その能力

彼自身も極悪非道だが、それ以上に彼の妖術が不気味で気色悪く趣味が悪い。
作品の怪奇・グロ要素を一手に引き受けており、コイツが現れるとその回は漫画の対象年齢が5歳くらいアップする。

瘴気を纏った雲を作り出しそれに乗って移動するため、彼が通るだけでも周囲には死者の山が築かれる。
妖術の一つである幻術を用いることにより敵を幻惑し自滅させたり、拷問にかけ自白や精神崩壊に追い込んだりといった、人の精神を弄ぶかのような戦術を得意とする。
無論、精神的撹乱のみならず自身もかなり強く、巨岩や雪崩を音もなく操るくらいはお手の物。
強力な邪気の塊を吐き出し、敵を跡形もなく消し飛ばすこともできる。

だが、彼の最大の能力は死した魔物をゾンビ状態で蘇生し使役することだろう。
まさに「冥王」の名に相応しい能力だが、ここに彼の性格の悪さが加わることで地獄絵図と化す。
彼は魔物たちをあえて不完全なゾンビ状態で復活させており、彼に召喚された者は常に死の苦痛に苛まれ続ける。
こうして召喚された魔物たちは死なないし、死ねない。
体の一部を斬り落とされると、その肉片が「異種再生」して別種のゾンビ状態の魔物が誕生、犠牲者がますます増加する。
ゾンビ状態の方が彼にとっては操りやすく強力な部下であるため、彼は敢えて魔物たちを死地に送り込み、敵に殺させている。
そして魔物たちを永遠の苦しみと共に蘇生させると、「苦しみから逃れたければ、敵を倒せ」と言い放つのだ。
まさに外道!

ゾンビ軍団への唯一の対抗手段は聖なる力で完全に消滅させる事。
無論ゴルゴナもそれは承知であり、彼は聖なる力を相殺する光葬魔雲という技(妖術?)も所持している。

さらなる切り札として、敵を冥界に引きずり込む事が可能。
この場所はゴルゴナのホームグラウンドであり、真の力を発揮することが可能。
よってこの場所に引きずり込まれたが最後、生きて脱出することは不可能に近い。
冥界ではさまよう亡者の群れを集め、跡形もなく喰らいつくさせる。

その正体

その正体は1万2千年前に繁栄を極めた「ムー帝国」の太陽王ラ・ムー(のちのタオ老師)の弟、魔導師にして科学者ゴルゴナ。
現在の姿からは想像もつかない太ったおっさんである。
召喚術に長けていた彼は世界征服を目論み、不老不死の研究の実験で産まれた副産物「世界樹のエキスで作られた不死のゴーレム」を与える条件で異魔神と契約、異魔神を現世へと召喚する。
現人神として崇拝される事になった異魔神を彼は自身の野望に利用しようとしたが、次第に手に負えなくなり帝国の滅亡を招いた。
ゴルゴナはその責任を取らされ崩壊する大地に取り残されたが、その際に冥界の王である大蜘蛛と契約。
部下の研究者6人(ツークーマン、オティカワン、トピアポ、フロレンシア、キアーラ、ポポルヴー)と共に大蜘蛛と融合し、不老不死の肉体を得た。
かくして彼は自分を見捨てた兄への復讐と世界征服を再び目論む。
一度は精霊【ルビス】に封印されたが、大魔王【ゾーマ】に彼女が封印された際に復活。
ゾーマ亡き後再び活動を始め、オメガルーラで宇宙の彼方へ追放された異魔神の精神を呼び戻し、今回の事件へと発展することになる。

現在の「ゴルゴナ」は、元のゴルゴナ+大蜘蛛+部下6人が融合した怪物の総称というべき存在。
普段はローブで隠されている大蜘蛛の背中に本来のゴルゴナの顔がついており、その周囲に部下6人の顔が仮面のように張り付いている。
ただし、意思決定権は本来のゴルゴナが持っているらしく、彼にとって都合が悪くなった部下は容赦なく大蜘蛛の背中から放出されてしまう。
大蜘蛛から切り離された者は1万2000年分の歳月が瞬時に経過し、死亡する(因みに、最初切り離されたのはタオ老師の攻撃を受けたトピアポ)。
また、冥王として振るう数々の能力は、本来大蜘蛛が持っていたものである。

他者の生命を弄び続けた男の末路は悲惨なものであった。
自らの兄であるタオ老師やアランの支援によって大蜘蛛が致命傷を負わされ、ゴルゴナは自らが助かりたい一心で部下を切り捨て大蜘蛛から離脱。
大蜘蛛と部下たちをゾンビ化して戦わせようとするが、冥界の王たる大蜘蛛から分離した彼に既にそんな能力はあろうはずもなかった。
かつての栄光を共に取り戻そうと吹き込み隙を突こうと試みる最期の悪足掻きも老師には全く通じず、タオ老師の気功砲の一撃で無残な最期を迎えた。
大蜘蛛の遺骸はその後、四大魔王の一人にして若かりし頃の竜王が回収し、異魔神への報告後 握りつぶされると同時にゴルゴナの死に対して異魔神から意にも返されなかったゴルゴナへの同情遺憾の念を抱かれた。

物語の前半から多大な存在感を見せていたが、正体が判明してからの凋落ぶりが凄まじかったキャラクター。
自己中で人相の悪い大黒様という人間時の様相、そして擁護しようのない最期、物語前半で見せた大物感が台なしである。
体型のデブ化と小物化は、かのデブソーンこと【暗黒神ラプソーン】にそっくり。
また、老獪な知能派で 魔導師にして科学者的な側面を持ち合わせる点、更に物語中に見せる数々の卑劣な行いから往生際の悪さなどは、
ダイの大冒険の【ザボエラ】とも大きく共通する。
とはいえ、魔剣ネクロスをはじめ、ラスボスの異魔神まで強大な敵の最終形態がショボイのはこの漫画の特徴でもあったりするが。
ダイの大冒険の前半で小物化したにもかかわらず、後半で誇りを取り戻し堂々とした最期を遂げたハドラーのツメの垢でも煎じて飲ませたい所だ。

余談

ゴルゴナと部下、タオ老師は七福神がモデルとの事。
特に人間時のゴルゴナの体型は大黒様そっくりである。

ところで、エッゾ(北海道)地方編にて彼の操るゾンビ軍団の中にポンキッキのガチャピンとムックが何気なく紛れている。
その他にもグノンの操る獣兵団にトトロが混ざっていたりしているが、藤原氏は著作権者から文句を言われなかったのだろうか…?

最終更新:2012年12月08日 12:39