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真新しい制服に、袖を通す。
自分の制服姿を初めて見るわけではないのだが、心なしかそわそわしてしまう。
鏡の前に立てば、おかしいところはないかと、チェックを入れる。
最後にスカーフを止め、満足げに一回りした後は、やはり真新しいかばんを手に、部屋を出た。


―― …座の人は、今月、運命の人に出会えるでしょう。


玄関まで行く途中、かすかに届いたテレビの占いの声。
だけれど、それにとらわれる事無く、台所にいる母親に声をかければ、まっすぐに玄関へと向かう。


「行ってきますー」


そして、そう元気に声を上げれば、ゆっくりと外へと歩み出た。




雲ひとつ無い青空。
太陽の光が何にも遮られる事無く、降り注ぐ。

額に手を付けながら、いささか眩しそうに空を仰ぎながらも、その表情にはうっすらと笑みが浮かぶ。
けれど、それは一瞬の事で、満足そうな表情は残したまま、視線を元へと戻すと少し駆け足でバス停へと向かった。


音成乃子15歳。


今日が、高校生活のスタートであった。