44話

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*第44話:冷血の青風 広大な草原を進み行くテリーはふと足をとめる。 彼の目に人とおぼしき姿が映った。 背格好は自分よりもずいぶん横に大きい。 鎖帷子を着込んでいる、兜は頭をかるく覆う程度の軽微なもの。 旅の戦士といった風情だ。 村にたどり着く前に、また力を試す相手に出会えたことを彼は幸運に思った。 肥満体形で戦士風の男はテリーを見つけるなり、駆け寄ってきた。 相手を疑うことを知らないような純粋な目をして、自分がどんなに愚かな行動をとっているでかもわからずに、 近寄ってくる。 それでは戦場では生き残れない。 テリーはつまらなそうにつぶやいた。 こいつは力を試すほどの相手じゃない 「あ、あなたもこのようなゲームに参加されて、いや、させられて、今まで辛かったでしょう」 その男――トルネコは親しそうにテリーへ語りかけ、鼻の下を指でこすった。 「僕もずいぶん悩んだし、泣きました。だってたった一人だけしか生き残れないなんて酷すぎる。  ……怖いですよ。いったいどこから誰が襲ってくるかわからない。それでも一対一ならまだ自身は  ありますが、徒党を組んだ集団に狙われでもしたら、そのときは……」 トルネコの目は潤んでいた。テリーに哀願するように続ける。 「理性的なあなたなら大丈夫だと思ったんです。  お願いです。はっきり言って一人じゃ心細いんです。一緒に行動しませんか」 もううるさいとしか思わなかったテリーは、クリスタルソードの刃の先をトルネコの胸に押し当て、 力をこめて前に突き出した。 トルネコは一瞬怒ったような真っ赤な顔になり、それから顔色はみるみる青ざめて、自分の胸に手を 当てた。 その手はいっぱいに溢れた血で汚れていた。 そして、テリーを見つめ、トルネコは何ごとかつぶやいて、後ろに倒れた。 風が流れる。空気が周りから逃げていくように。 テリーは倒れたトルネコに冷ややかな視線を送った。 「天国にしろ地獄にしろ、一人だけでいくんだな」 テリーはトルネコが完全に動かなくなると、彼の残したザックの中身を確認した。 極めて上質なアイテムだと一目でわかるものがあった。 この死んだ男にはわからなかったらしいが。 テリーは当然それをもらい受けた。 【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド、天使の翼、リフレクトリング 行動方針:レーベへ向かう/自らの力を試す=ゲームに勝利する】 【現在位置:レーベ北東の平原(レーベ近く)】 【トルネコ 死亡】 【残り 127名】

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