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*第77話:呪われし美女
いざないの洞窟の西側、山岳地帯。
地面に並べた支給品を見て、思わず女性――ミネアは苦笑する。
かぶれば頭に棘が刺さりそうな冠、死に逝った者の怨念が作り出した盾、邪悪な悪魔の尻尾。
どう考えても、どれかが自分の身を守ってくれる可能性などゼロに近い。
――せめて護身用の何かが欲しい、と思うのだが、彼女の持ち物はその他には何もない。
「呪われてるのかしら、私…」
笑いも既に乾ききって、溜息が一つ出た。
ドォォォン……
不意に、くぐもった様な爆音が聞こえた。
ミネアの、遥か前方のようだ。
「…?」
一寸首を傾げると、その方向に目を凝らす。
「爆発…?」
音でそう判断するも、視界には何も映らない。
ドドォォォン……
もう一度、爆音が聞こえる。
「何かあったのかしら…?」
ミネアの爆音に対する若干の恐怖は、彼女の心の大勢を占める好奇心の中で、消えた。
呪われた支給品を一応ザックにしまい、彼女は爆発があったと思われる方向へ歩き出した。
…爆発を起こした主が、自分より更に呪われているという可能性には、彼女は未だ辿り着いていなかった。
【ミネア 所持品:いばらの冠 嘆きの盾 悪魔の尻尾
行動方針:爆発現場(ハッサン)の様子を見る
【現在位置:いざないの洞窟西の山岳地帯(ハッサンより若干南)】