169話

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*第169話:月光 「ひどいよ――約束が違うよぉ!!」 バーバラは走りながら叫んだ。 その声は虚しく街の外れの闇に消えていった。 「最高だ! あなたは僕が壊すのにふさわしい。  僕に悲鳴を聞かせてください。その雪のように白い肌からワインのような赤い血を出してほしいんですよ。  あなたの叫ぶ声を聞かせてください。もっともっと絶望に満ちた声をもっと…」 一発の銃声が響き渡る。 デールの放った銃弾がバーバラの右足を貫通した。 「………っ!!!!」 バーバラは声にならない悲鳴をあげ、まるで糸の切れたマリオネットのように地面に倒れた。 (…助けて、あたし死にたくない。助けてくれるんじゃなかったの?いやだ、死にたくない!!) バーバラはアーヴァインと名乗った男に騙されたということは感じ取っていた。 そして自分は助からないことも。 「そろそろ鬼ごっこは終わりみたいですね」 月光が二人を包む。 二人を邪魔するものは誰一人いない。 バーバラの所持品が先ほどの銃撃でこぼれ落ち、あたり一面に様々な草がばら撒かれていた。 (…あたし、もうここでおしまいなのかな。死んだらどうなるのかな。…月が綺麗。…まだ死にたくないよぉ…) 「…まだ逃げる気でいるのですか。ではこうしたらどうでしょう?」 デールはバーバラの左足も撃ちぬいた。 月光が恐怖と絶望と激しい痛みに歪めたバーバラの顔をうつし出していた。 それを見てデールは光悦とした表情を浮かべる。 バーバラは逃げ出そうと地面を這いずった。 「それではそろそろチェックメイトにしましょう。 最高の悲鳴を聞かせてください、至高の踊りを見せてください、さぁ!!!」 銃声はすぐには鳴り響かなかった。 デールがバーバラを壊そうとした瞬間目の前から姿を消してしまったのだ。 なぜなら、ばら撒かれた草の中に消え去り草があり、こぼれ落ちた際に噴出した粉がバーバラの這いずった地面にちらばっていたからだった。 「いない、どこへ消えた!小娘どこへ、どこへ!」 デールは錯乱してあたり一面にマシンガンを撃ち放つ。 幸いにもバーバラには当たらなかった。 「…はあ、はぁ。くっ…この近くにいるのはわかっているのですが…僕は貴方から流れ出る鮮血が見たいのです。  恐怖に歪めた顔を見たいのです。そして踊る姿が見たいのですよ」 デールは地面に落ちた説明書を手に取った。 「…なるほどそういうことでしたか。  どうやらその効果は歩き回らないと消えないみたいですね。  もし貴方が先ほどの銃撃で死んでいないのならば今回は見逃しましょう。  次会った時には貴方の壊れる姿を見せてもらいます。」 バーバラの意識は安堵と両足の激しい痛みから夜の闇へと消えていった。 月光はデールの歪んだ笑みを照らし、そしてデールの行き先を照らしていた。 【デール 所持品:マシンガン、アラームピアス(対人)、ひそひ草、アポカリプス+マテリア(かいふく) リフレクトリング  第一行動方針:次の獲物をさがす 第二行動方針:皆殺し(ヘンリー、バーバラ[非透明]が最優先)】 【バーバラ(透明化、両足負傷、気絶)  所持品:ひそひ草、他に様々な種類の草たくさん(説明書付き) エアナイフ 食料一人分(マリベル)  第一行動方針:? 第二行動方針:エドガー達と合流/ゲーム脱出】 【現在位置:レーベの村の外れ】

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