375話

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*第375話:murders 「…つまり、あの扉の前で行動を起こしたのは大正解だったわけだ」 「ああ。5人いるうち2人は確実に殺したし、もう3人に重傷を負わせたんだからな。  ところでお前、レオンハルトはどうした?」 「殺せそうだったんだが、邪魔が入ってな。  わけのわからない飛び道具で襲ってきたから、念の為に逃げてきた」 「わけのわからない飛び道具…まさか、デールか?」 「デール?誰だ?」 「それよりさあ」 それまで続いていた会話を、スミスが遮る。 「こいつのことはどうすんのさ?思ったよりヤバそうだけど」 カインはスミスを振りかえり、その背に乗せられている重傷の少女を見た。 「そういえば、それは一体誰だ?今にも死にそうだが」 先ほどまでカインと話していたフリオニールも言う。 彼は先ほどカイン達と合流したばかりだった。 カインとスミスが気絶したアリーナを連れ、城の南の平原に出た際、偶然に彼と出会ったのだった。 フリオニールも自分達と同じで何処へ行くか決めかねていたらしく、 目的も一致していたので行動を共にすることにしたのだ。 もっとも、一致している目的とはすなわちゲームの成功であり、最後の一人となるまで生き延びる事なのだが。 マーダー同士で殺し合うには早過ぎる事ぐらい、カインはもちろんフリオニールも了承していた。 彼らを結びつけ、仲間としているのはとどのつまり、利害の一致でしかないのだ。 「ああそうだ。その事でお前に頼みがある」 カインが思い出したように言うと、こう続けた。 「お前、回復魔法は使えるか?」 「ある程度なら使えるが…まさかその娘を治療しろだなんて言わないよな?」 「そのまさかだ。頼めるか?」 冗談じゃないとばかり腕を広げるフリオニールに、カインが落ち着き払った口調で言う。 「僕もあんまり気乗りしないんだけどさあ…」 少々顔をしかめながら、スミス。 少女の体は自らの血に紅く塗りつぶされているが、その半分は他人からの返り血である事がわかる。 その返り血にまみれた姿が意味する事は一つ。 彼女もまたゲームに乗ったマーダーだということだ。 それをわざわざ治療して助ける気には、スミスもフリオニールも少々気が進まない。 マーダー同士が徒党を組む事は確かに重要だが、ゲームに乗ったもの全てが勝利を目的としているとは限らないからだ。 蔓延する狂気に影響されて殺人に走っただけかもしれないし、 ただ他人の死そのものを目的としている殺人鬼かもわからない。 もしそうだったなら、傷が癒えて意識を取り戻した瞬間襲われてもおかしくはない。 故に、いくら同類だとしてもおいそれと助けるわけにはいかないのだ。 「なに、こいつはきっと良い駒になるさ」 妙に自身ありげに、カインは言う。 「本当なら生きてるほうが不思議を通り越して不気味なぐらいだ。  こんな傷負ってもまだ生きてるようなのをここで野垂れ死にさせるには惜しい」 カインはそこで一旦区切り、「それに」と続ける。 「例え襲ってきてもスミス、こっちにはお前がいるじゃないか」 「ええ?なんだよそれ」 飛竜が迷惑そうな顔で漏らすのに対し、剣士の方は不意に破顔して大笑いした。 スミスの読心能力と干渉能力の威力がどれほどのものかを、彼は身をもって知っている。 「まあ、あんたらには恩みたいなのもあるし、一肌脱いでやるかな」 しばらくの後、ようやく笑いが収まったフリオニールは言うと、左手に淡い青色の光を宿らせる。 「とりあえず、そこの森にでも移動してからにしようよ。ここじゃ目立ちすぎる」 少し不機嫌そうな顔でスミスがそう言うと、彼らはすぐ近くにあった森へと身を隠した。 【カイン(HP 5/6程度) 所持品:ランスオブカイン ミスリルの小手 えふえふ(FF5) この世界(FF3)の歴史書数冊  第一行動方針:アリーナ2の回復を待つ  最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】 【スミス(変身解除、洗脳状態、ドラゴンライダー) 所持品:無し  行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】 【フリオニール 所持品:ラグナロク  第一行動方針:アリーナ2を治療する  最終行動方針:ゲームに勝ち、仲間を取り戻す】 【アリーナ2(分身) (瀕死)  所持品:E:悪魔の尻尾 マティウスの支給品袋  第一行動方針:気絶中  第二行動方針:出会う人の隙を突いて殺す、ただしアリーナは殺さない  最終行動方針:勝利する 】 【現在地:サス―ン城東の森】

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