26話

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*第26話:"竜王" (ちくしょう…何所まで追ってくる気だ…。) 金髪の鶏冠頭の青年、ゼルは洞窟を逃げていた。 (あんな強そう奴と戦ってられるかってんだ!) なぜ追われているのか、それは数分前にさかのぼる。 「ぅー、痛ってぇなぁ…まだ頭がズキズキするぜ。」 と、ゼルは洞窟の近くに放り出されていた。 とはいい、出るタイミングが分からなかったので、派手に頭から突っ込んでしまった。 そして、彼は考え込んだ、このゲームの主催の魔女について。 (―俺らが倒したはずの次元の魔女がいる、そして俺たちに殺し合えと言っている。  冗談じゃネェ!絶対に止めてやるぜ!) と、彼は心の中で決めた、もう一度倒すと。 「さて…俺の支給品は…?おっ、いいじゃねぇか!」 そう彼の袋の中に入っていたのは、服と帽子だった。 素手で戦う彼にとっては、剣だとかそういう武器ではなかったのは助かった。 そして、彼は服と帽子を着た、その直後だった。 「げ、な、なんだよアレ……」 そう、彼の目の前には人のような、でも人ではないような者が経っていた。 そして、そのものはゼルのほうを向き。 「ほう…先ずは一人…私の為に、死んで頂こうか。」 そう、それは”竜王”と呼ばれる、ある世界の魔王だった。 ゼルは見た、その邪悪に満ちた顔を。 そして、彼の戦闘の経験と知識が彼にこう言った。”逃げろ”と。 ゼルは走った、後ろにあった洞窟へ、一目散へ。 竜王は、以前ゼルを追ってきている、戦えば殺される、竜王の放つ気配が物語っていた。 そして、リュカ達のいる部屋を超速で素通りし、竜王もそれについていった。 「ん?今何か通ったかな?」 リュカは、ケット・シーに尋ねた。 本気になれば飛空挺をも上回る脚力を持つゼルを、見ることが出来ただけでもものすごい動体視力だ。 しかし、ケット・シーはこう返した。 「え?何かとおりました?ワイには見えんかったし、何も通ってまへんですよ。」 「そう、かなぁ?」 と、リュカは首をかしげていた。 (ちくしょう!あの階段を上るしかねぇ!) ゼルは、追い詰められたと思った、出る先は、きっと孤島なのだろうと。 しかし、登らなくてもあの怪物と戦わなくてはならない、一人では確実に死んでしまうだろう。 そうやって、ほぼヤケになり階段を上った。 ―見えたのは塔のような入り口と、二人の人だった。 人が見えたことを確認すると、ゼルはこう言った。 「おい!逃げろ!とんでもない奴が襲ってくるぞ!」 と、ゼルは、怒鳴り散らすような声で言った。 すると、入り口にいた戦士が一人言った。 「逃げろって、何があったん―――」 戦士の言葉はそこで切られた、恐怖から来るものに切られた。 傍にいた僧侶も、畏怖の表情を浮かべ、小さく叫んだ。 ゼルも後ろを振り向いた、そして、恐怖の衝撃が彼を襲った。 しかし三人が立ちすくんでいる中、現れた青年と少女。 少女は僧侶と同じ畏怖の表情を浮かべていたが。 青年は………鋭い眼光で怪物を見ていた、そして呟いた。 「竜王…………」と。 しかし、彼らも怯えるばかりではない、目も前に立ちはだかる魔王を倒そうと決意し、戦う構えを取った。 「ほう、ロトの血脈を引く者もいるのか、ならば丁度いい、まとめて薙いでくれるわ!」 竜王のその声は塔と塔に繋がる洞窟に響いた。 【サックス 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り 【フルート: 所持品:草薙の剣 スノーマフラー 【リルム 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪 【ロラン 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート 【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト 行動方針:目の前に現れた竜王と戦う】 【現在位置:ナジミの塔入り口】 【竜王 所持品:不明  行動方針:目の前の人間を殺す】 【現在位置:ナジミの塔入り口】

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