415話

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*第415話:TimeAttack mode:START 「どうすんの?」 「あの男の事か?」 「監視するに値すんの?あれ。ボロボロだよ?殺しとけば?」 「それは早すぎる」 カインとスミスは上空でやりとりをしながら、サックスの動向を監視していた。 先程からサックスは延々と村を調べている。そして時々、自分の支給品をチェック。 だがそれ以外に何も行動を起こさないし、何も起こらない。 村から出るわけでも無し、瓦礫に隠れていた仲間が姿を現すわけでも無し。 「ぶっちゃけ飽きた~。街も爆発とかなんとかでボロボロだし~」 「………風が強くなってきたな」 「え?あ、そうだね」 「ゆっくりと少しだけ降下しろ。近くの森の樹の上に俺は降りる」 「なんで?……まぁいいけどさー」 スミスはカインの言うとおり少し降下する。 すると彼はスミスの上から飛び降りた。そして樹に着地する。 葉と葉の擦れ合う音がしたが、風が強く元からそう言った音が湧き上がっていた状況なので、違和感は無かった。 その証拠にサックスは何も気づいていないし、樹に対して何の興味を示すことも無かった。 (カイン、僕これからどうしたらいいわけ?このまま上空で待機?) スミスはカインにテレパシーを送った。 カインはその問いを否定するように、首を横に振った。 (じゃあ何?また偵察?) カインは首を縦に振った。肯定の合図だ。そしてそのままある方角を指差した。 その方角は、サスーン城だ。 (城とか周辺の偵察……か。人を見つけたらどうすんの?接触する?) その問いには、否定。 (じゃあ自分が見つかったら?逃げる?殺しちゃ駄目?) その問いには、肯定。 スミスはそのカインの返答を整理した。 様は、カインが樹の上で待機している間に自分がサスーン城やその周辺を偵察。 誰かを見つけても何もせず、誰かに見つかっても戦わずに逃走する。 至った結論をカインに再び問うと、カインは首を縦に振った。 (そっか、じゃあ行ってくるよ。良い情報、ゲットしないとね) スミスは最後にそう言い残し、サスーン城のある方角へと飛んでいった。 カインが行動を起こすに当たって、いくつか不安な要素がある。 一つ、サスーン城とカズス間には大勢の人間がいること。 彼らが現在どの位置にいるのか、それが知りたいのが正直な感想だ。 サスーン城で見捨てたセージとタバサ。 森の中で出会ったリュカ、エドガー、シンシア。 カズス寄りの森で出会ったトサカ頭達。 そしてエッジとユフィもどこかにいるはずだ。 フリオニールもこちらに向かっているかもしれない。 更にはどこかにリュカが治療した女もいるだろう。 レオンハルトは何処かに消えたかもしれないが、周辺にいる可能性は捨てられない。 そしてカズスには騎士風の男と、まだ姿は見ていないがフルートという女。 多い。この中でもおそらくいくつかはカズスに向かおうという人間もいるはずだ。 実際フリオニールとはここで落ち合う約束をしている。まぁトサカ頭達は……戻っては来ないだろうが。 だがリュカにはカズスで待っているとも伝えた。恐らくあの3人が健在なら……。 更には彼の近くの城にはセージとタバサがいる。彼らともし再会したら、5人でこちらに来るかもしれない。 まぁ彼らは自分の事を信用しきっている。利用する事は出来るだろう。後はエッジ達もそうだ。 以上を整理して……。 一応自分を信頼しているおめでたい馬鹿共が大半を占めている。 怪しまれていることも無いはず……だが、安心は出来ない。 何かイレギュラー――例えば、レオンハルトと再会する等のアクション――が起こる可能性もある。 自分の裏切りを知っている、または自分と戦った事のある人間と彼らが出会った場合は拙い。 築き上げた信頼が無くなっていく。多くの人間を敵に回す事となる。 イレギュラーを生むも殺すも自分次第。余計な手出しは出来ないが……。 だが、目の前の男はどうだろう。多少強引に殺しても良いのではないだろうか。 見たところ他には誰もいない。殺すなら今しかない。 だが万が一の事もある。イレギュラーを生む事になってしまう可能性も捨てきれない。 しかし、このふらついた男がカズスでの行動に邪魔なのは確か。 ならばこうしよう。 暫く観察し、もし利用するに値する価値があると判断すれば生かして駒としよう。 だが価値がなければ、殺す。 多少強引なことになっても良い。殺すならこの状況が適当だ。 ……まぁ、とりあえずは情報を手に入れなければならない。 故にスミスに偵察をしてもらい、その情報を元に策を練らなければならないのだ。 信頼という隠れ蓑を、最硬のシェルターへと進化させるために。 多少話がそれたが、もう一つ。 単純に現在の彼らがどういった状況なのか。 移動しているのならどの方角か。 待機するなら何処で独りか複数か。 戦闘しているなら有利不利はどちらに傾いているか。 人が死んでいるならそれはどんな人間か。 まぁ当然偵察なのだからこれくらいの情報は持ち帰るだろう。 人数だけが知りたいわけではない。サスーン城とカズスの間で誰が何をしているのかが知りたいだけなのだ。 これらの情報が揃えば、自分は一応対応策を打ち出すことが出来るようになるはずだ。 彼ら全員が自分たちを殺そうと戦いを挑んできたら、それはもう逃げるしかない。 だが必ずここカズスでは何かが起こる。自分はそう信じて疑わない。 というか、自分が何かを起こそうとしているのだ。何か起こらないはずは無い。 スミスがサスーン城まで辿り着き、往復してこちらに戻る。所要時間はいくらだろうか。 竜は人間とは違う。恐らく思いの他早く遂行するだろう。 早ければ日没直後。多く見積もってもフリオニールとの再会に合わせての到着辺りか。 だがこれも何かイレギュラーが無ければの話だ。まぁスミスは上空を飛んでいるだけ。ヘマはしないだろう。 さて、村にはこの男が一人。女はいない。 引き続き、男の監視を続けることにしよう。 カインの思案から暫く経った後、まだサックスはゆっくりと村を探索していた。 家だったものが軒並み崩れて崩壊している。樹も薙ぎ倒されている。 いくつか無事な樹もあるようだが、そんなものはどうでもいい。 一つ、爆心地であろう場所から一番離れていた家を見つけた。 それでも、その家は見るも無残だった。崩壊し、モノが散乱している。 焼け焦げた柱がなんとか耐え、家を形作っているだけのようにも思えた。 「何が……あったんだよ……」 その家を視界から外し、ついそう呟いてしまった。 そしてサックスは、何かを感じ水鏡の盾を虚空に構えた。その刹那、衝撃が走る。 危なかった、と心中で漏らすも今は余裕は無い。 反射的に尋ねるだけで精一杯だった。 「あなたは……一体!?」 完璧、のはずだった。 相手はふらふらで、怪我も負っている。 奇襲攻撃など簡単に成立し、殺せたはずだった。 カインは、サックスの動向を監視している間に早くも結論を出してしまった。 しばらく見ていたがサックスには利用価値は無い。生かしておいても何の意味も無い、そう結論付けたのだ。 ずっと見ていても、村の中をふらふらうろうろ。体に鞭を打って歩いているだけ。 やはり殺してしまおう。疲弊した参加者を葬るだけなら容易い。 そう思い、天空へと飛び立ち、槍を構え、肉薄した。 しかしサックスは、思いのほか神経を研ぎ澄ましていた。 決意は固く、強い。ここで死ぬわけにはいかないと、彼の体は叫んでいた。 故にサックスはカインの奇襲に気づき、盾を構え、見事な防御を展開させたのだった。 驚くカインに、サックスは問う。 「あなたは……一体!?」 鋭い眼光でサックスは言葉を続ける。 そしてカインも同じように答えを返す。 「でも、急に襲い掛かってくる人に訊いても意味は無いかもしれませんね」 「そう言うことだ。お前は死ぬ、だから訊いても意味は無いだろうな」 「あなたが殺し合いに乗っているのなら、戦います。僕は死ぬわけにはいかない!」 「ああ、そうか。せいぜい吠えておく事だな」 会話はあっけなく終わってしまった。だが、唐突に戦いは始まった。 カインの槍がサックスを狙う。しかしそれをサックスは盾で受け流し、一撃を叩き込もうとする。 だが途端に眩暈が彼を襲った。片膝をつき、必死に呼吸を整える。 その隙を突いてカインは一歩下がる。直後、一気に脚力を最大限に引き出し突撃した。 ランスオブカインは、見事に彼の左肩を襲撃した。サックスは痛みに耐えかね悲痛な表情を浮かべる。 だがそれでも草薙の剣がカインを襲う。見ればサックスは、右腕一本でも戦っていた。 その様子にカインは微笑する。明らかにこちらが有利だということを悟ったのだ。 しあかし、カインはいくつかの誤算に気がついていなかった。 まず一つ。それは、サックスの決意の強さ。 必死に生きようとする彼の剣筋は、流石は光の戦士。類まれなるものだった。 そしてもう一つ、サックスは自信の器を理解し、保身に勤めていたこと。 自分は今戦っても勝ち目は無い。そう悟ったのも速かった。 そして最後にもう一つ。 えふえふは、アリアハンで既にその力を失っていた。 草薙の剣がカインを襲った。それを余裕の表情で槍を使い受け止めるカイン。 しかしそれはサックスの全身全霊の攻撃だった。 元々強力な力を持つ草薙の剣の力も相まって、剣圧がカインを後方へ倒れさせた。 そしてサックスは入口の方角へと走り、支給品袋から急いであるアイテムを取り出した。 それは、ある竜騎士の忘れ形見。 加速装置を装着したサックスは、左肩を抑えながら静かに言った。 「ごめんなさい、僕は……あなたには勝てない。でも僕は生きたいから、だから逃げます……さようなら」 そして彼は森の中へ、西へと駆けていった。一陣の風が吹くカズスで、カインは独り取り残された。 そんなカインは自問自答を繰り返していた。 つけていれば絶対に死ぬ事は無い「えふえふ」を装備している自分が、なぜ押し負けたのか。 ……もしかするとこれは「ダメージ」を無くすだけのもので「衝撃」は無くすことが出来ない物なのかもしれない。 そうだ、恐らくそう言う能力なのだ。そうだと思わないとつじつまが合わない。 だが、えふえふに関してはこう片付けられることだとしても、彼にとって拙いことはまだまだ沢山ある。 自分と戦ったサックスが逃げた。 恐らく、彼の証言に嘘がないと他の参加者が悟れば……今までの信頼は崩れる。 それにあの「キンパツニキヲツケロ」というふざけたメッセージもより自分を追い詰める要素になり得る事も確か。 彼を追うか。だがここには日没後に落ち合う約束をした人間が沢山いる。 深追いし、村から離れ、わざわざ怪しまれるような事をしていると拙い。妙な疑惑が増えるだけだ。 だがこのままでは恐らく……杞憂だと信じたいのが本音だが、可能性は大いに高い。 ……ならば日没までに奴を仕留めれば良い。 奴が情報をばら撒く前にしとめ、日没までにこの村に戻る。 スミスには「人を見つけても接触するな」と言ってしまったし、自分に頼るしかない。 太陽を見る。日没まではあと2~3時間と言ったところか。 もしも日没まで仕留められなければ……その時には諦めることとしよう。 いくつかの不安材料を抱えながらでも、カズスにて自分は行動を起こす。 カインは跳躍し、森の中にいるであろうサックスを追い始めた。 あまりにも厳しいタイムリミットが、カインを襲う事となった。 【サックス (負傷、軽度の毒状態 左肩負傷)  所持品:水鏡の盾 草薙の剣 チョコボの怒り 加速装置 ドラゴンオーブ シルバートレイ ねこの手ラケット 拡声器      スノーマフラー 裁きの杖 魔法の法衣  第一行動方針:西へと逃走する 第二行動方針:なるべく仲間を集める  最終行動方針:ゲームを破壊する。アルティミシアを倒す】 【現在地:カズスの村から西の方角(森の中)】 【カイン(HP5/6程度)  所持品:ランスオブカイン ミスリルの小手 えふえふ(FF5)  この世界(FF3)の歴史書数冊  第一行動方針:サックスを追い、殺す  第二行動方針:サックスを早めに殺し、日没までにカズスに戻る  最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】 【現在地:カズスの村→西の方角へ】 【スミス(変身解除、洗脳状態、ドラゴンライダー) 所持品:無し  第一行動方針:サスーン城の方角へと飛翔し偵察 終了次第カズスへと戻る  行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】 【現在地:カズスの村→サスーン方面へ】 スミスの偵察内容 「サスーン城周辺とカズスの間にいる人間の状況を調査。  参加者との接触はせず、隠密行動を心がけて調査する」 カインは日没までにサックスを殺せないと悟った場合、諦めてカズスに戻ります。

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