285話

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*第285話:ギルダーを追って 魔法への制限のせいか、自身の状態のせいか、 結局サイトロでの周辺捜索はうまくいかなかった。 ギルダーを見失ったドーガは彼が逃走した方角へ とりあえず向かうことにし、仲間を探すフィンも彼に従った。 森を抜けて川に突き当たる。 ギルダーが消えたのはこのあたりの川岸だった。 おそらく向こう側へ逃れたのだろうと判断し、川を越える。 どこまで逃れたのかわからないが、 川向こうでもギルダーの姿も気配も見つけられない。 川越えで濡れた衣服を乾かすためもあり フィンとドーガはここで休息をとることにした。 「ドーガさん。僕の仲間、見つかるかな?」 小さな焚き火にあたりながら、フィンが不安げな声で問いかける。 「こんな世界じゃ。  正直言って状況は厳しいの。じゃが…希望は捨てぬことじゃ。  そなたの仲間もきっと、そなたを探しておるじゃろう」 そう言ったドーガの脳裏にギルダーの姿がちらつく。 夕暮れに見た血染めの剣。先ほどの死体。 あのギルダーでさえ魔女の呪いの言葉に踊らされ他人を害している。 ギルダーを殺さずに止める、その希望はあるのだろうか。 結局そのまま、ここに留まることになった。 疲労のせいであろう、暗闇の中、フィンは寝入ってしまったから。 その傍らであたりの気配に気を配りつつ支給品をいまさら確認するドーガ。 ―これは、辞典じゃな。そしてこれは…ボムのたましい? なになに…ふむ、生命力を破壊力に変えるアイテム―自爆という奴じゃな。 このようなものまで使わせる気とは、魔女も趣味が悪いの。 その時、自分たちが元来た方向、アリアハン城の方角より ドーガは強烈な魔法の波動を感知した。 それはドーガが知っているものとは何かが違うものであったが。 一度目はメテオ。そして、いくらかの間をおいて二度目はホーリー。 禁呪であるメテオとホーリーを扱えるほどの術者がいて、 しかもそれらが行使されてしまったという事実。 おそらく多くの被害者が出てしまっただろう。 ――メテオ、か。ザンデの奴は…闇に呑まれておらぬとよいが。 ふと、かつて世界を無に帰そうとした弟子仲間を思い出す。 夜のメテオ、まさかザンデの奴が、という疑念が僅かに浮かび、 ドーガはそれを振り払おうとする。 ――いや、ザンデも愚かではない。それにプライドの高い奴じゃしな。 魔女が決めたルールで動こうなどとは思いもせんじゃろうな。 そういえばウネはどうしておるかのう。 緊張のせいであろうか、三時間ほどでフィンは目を覚まし、 二人は再び移動することにした。 夜の闇の中、慎重に山中を移動してゆく。 負傷しているギルダーが人が集まりそうな場所に近づくとは思えない。 そう判断したドーガは東に広がる山地へと向かうことにした。 明け方近くなって、 きわめて強力な、しかしドーガにとって未知の魔法の波動を感知する。 いや、立ち上る光さえも見ることができた。 「ドーガさん、今の光、何かな」 「わしにもわからん。どうも別体系の魔法らしい」 足を止め会話を交わす二人の足元で突然大地が鳴動し、 頭上でアルティミシアの声が響き渡る。 そして、フィンにとって聞きたくなかった名前が告げられた。 「そんな…キーファ…メルビン…アルカートまで…」 この大陸のどこかでの仲間の死。 フィンが打ちひしがれているのは誰の目にも明らかだった。 重苦しい雰囲気が場を支配する。 「フィンよ…」 ドーガにはそれに続く言葉が見つからない。 目の前の青年にとってどれほどのかけがえの無い仲間を失ったのか。 いかなる慰めも取り繕いにしかならない。それがわかっているから。 「すまぬ…うまい言葉が見つからん。  ただ…まことの敵が誰なのか、それだけは見失わずにいてほしいんじゃ」 ようやく、それだけの言葉を紡いだ。 少し間をおいて、ドーガは話を切り出す。 「さらに東方の洞窟に次の世界への旅の扉があるようじゃ。  時間はちと厳しいが、わしのヘイストでなんとかなるじゃろう。  …ともかく、自分が命を失っては何にもならんよ。生きている者は先を目指さねばならん」 そうですね、何とか答えた声は小さく、沈んだまま。 それでもフィンはドーガと共にいざないの洞窟を目指すことにした。 まだアイラやフライヤは生きているという希望を抱いて。 二人とも何の会話もなく、ただ、ひたすらに駆けて行く。 …希望はすでに打ち砕かれていることを知るすべなどなかった。 【フィン(ヘイストで加速中) 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)  第一行動方針:ドーガと共にいざないの洞窟へ 基本行動方針:仲間を探す】 【ドーガ(軽傷、ヘイストで加速中) 所持品:マダレムジエン、ボムのたましい  第一行動方針:いざないの洞窟へ急ぐ 第二行動方針:フィンの仲間とギルダーを探す   第三行動方針:ギルダーを止める】 【現在位置:いざないの洞窟近くの祠あたり】

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