180話

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*第180話:ようやく見えた希望 「ちくしょう……早くしないと」 白魔導士は未だに見つからない。エッジに負ぶわれたユフィは、浅い呼吸を静かに繰り返している。 もう時間がない――近くにいるはずなのに。マリアを置いてまでして、ここまでやって来たのに! エッジが歯を食いしばったその時、波動の杖が奇妙に揺れ動いた。さらに不意に木々が揺れ、二つの影が目の前に現れる。 「おや、どうしたんだい?」 反射的に身構えたエッジに、影の片割れである老女が問い掛けた。 その言葉に敵意がないことを悟り、彼は背中のユフィを二人に見せる。 「あんたたち、回復魔法は使えないか!? このままじゃこいつが死んじまう!」 死に瀕した少女の姿に老女は顔色を変えた。それから、連れの年齢不詳の男を見上げる。 「ザンデ。力を貸してくれるかい?」 「……ふん。わしの領分ではないが、いいだろう」 「よし、それじゃあ若いの。その子を横にさせな」 言われるままにエッジはユフィを下ろし、地面に横たえさせた。 「若いの、何か回復用の道具は持っているかい?」 「ハイポーションは使っちまった。白魔法の力を持つ剣があったけど、別の場所で待ってる仲間が持ったままだ」 「そうかい。ザンデ、あんたの支給品は?」 「剣と妙な機械だが、どちらも癒しに役立つものではない」 「まったく……使えそうなのはあたしの杖だけかい」 老女はぶつくさ文句を言いながら、その杖とやらを袋から取り出し、ユフィの上に掲げる。 不安げに二人を見つめるエッジに、老女はにやりと笑った。 「安心しな、若いの。ノアの弟子が二人も揃っているんだ、これで助からないわけがないさ。  あんたも疲れたろう。大船に乗った気分でゆっくり休むといいよ」 【ユフィ(瀕死) 所持品:プリンセスリング フォースアーマー  行動方針:死を待つ】 【エッジ 所持品:風魔手裏剣(30) ドリル 波動の杖  第一行動方針:ユフィの回復を待つ 第二行動方針:仲間を探す】 【ザンデ 所持品:シーカーソード、ウィークメーカー 【ウネ 所持品:癒しの杖、残りは不明  第一行動方針:ユフィを助ける 第二行動方針:ドーガを探し、ゲームを脱出する】 【現在位置:アリアハン北の森、橋の近く】

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