378話

「378話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

378話」(2008/02/15 (金) 01:39:29) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第378話:ソロという青年は ジェノラ山。 少女と、中年の戦士を背負った老婆――言葉にすれば一見不可解な集団が、山頂目指して歩き続けていた。 「ソロ…殿…」 ウネの背中でライアンが呻く。 「ライアン?大丈夫?」 アリーナが歩きながら心配そうに見つめる。 まだ意識を回復していないライアンだが、先程からしきりにソロの名を呼んでいる。 「まったく…気を失っている時くらい妻とか恋人とかの名を呼ぶものじゃないのかい。 ソロってのは…そんなに大切な仲間かい?」 ウネがやれやれと言った表情でアリーナを見る。 「うん、まぁ、確かにそうだけど…ライアンに恋人がいるなんて聞いた事もないしね」 アリーナは、ライアンの顔を見ながら少し笑顔を見せる。 「…確かに、いる風には見えないけどねぇ」 ウネもそれに合わせて笑う。 「それはそうと、ソロってのはどんな人なんだい?」 何か感じるところがあるのだろう、ウネは真剣な表情に戻りアリーナを見つめる。 「えっ…ソロ?ソロは…あたしたちの仲間で…勇者として、生まれたの」 ――そう、勇者として。 「ソロは、故郷を滅ぼされて、大切な人を失った。 でも、最後には、故郷を滅ぼした張本人とも手を組んで、本当の悪を倒すために、戦い続けるの。 それが、勇者であることの意味だからって…」 ――小さな村で、一人の青年として静かに暮らす事を、彼は望んでいたのかもしれない。 ――でも運命は、彼が勇者としての道を歩くことを望んだから。 ――彼に悲しい宿命を背負わせることを、望んだから。 「ソロは…自分のためには何一つとして望んだことがないの。 勇者として生まれたから、これが宿命なんだって言っていつも笑っているけれど、 その宿命のために大切なものを失って、それでも彼は戦い続けなきゃならなかった」 ――皆の前での笑顔も、独りになった時の寂しそうな表情も、あたしは、知ってる。 ――ずっと、ずっと、背負い続けてきた物も。勇者であり続けることの重荷も。 「みんな彼をお人よしだって笑うけど、あたしは…悲しくなるの。 自分のために何かを望むことが出来ないんじゃないかって。人のためでないと、何も出来ないんじゃないかって…」 ――彼が故郷で見た幻。廃墟となった故郷での、大切な人との再会。 ――彼が本当に自分で望んだことは、大切な人と静かに過す事…ただそれだけ… 「アリーナ、どこへ行く気だい?」 ウネの声にハッと気付けば、一人山頂とは別の方向に向かっていた。 「あっ…」 照れ笑いをし、アリーナは走って本来の道に戻る。 「ごめんなさい、つい話すのに夢中になっちゃって」 そんなアリーナを見て、ウネは皺の刻まれた顔を綻ばせる。 …ソロという青年、一度会ってみたいものだねぇ。 ふと、アリーナ、次いでウネが足を止める。 「…誰かいるようだね?」 二人の視界に、山頂に佇む男の影が映り込んでいた。 次の瞬間には、先程までとはうって変わった緊張感が、その場を支配していた。 【ウネ(HP 1/2程度、MP大幅消費) 所持品:癒しの杖(破損)  第一行動方針:山頂へ向かい、眠る  基本行動方針:ドーガとザンデを探し、ゲームを脱出する 【ライアン(外傷は回復、気絶)所持品:レイピア 命のリング】  行動方針:不明】 【アリーナ 所持品:プロテクトリング  第一行動方針:山頂へ向かい、ウネとライアンを守る  第二行動方針:アリーナ2を止める(殺す)】 【現在位置:ジェノラ山 山頂近く】 【アルガス(視覚聴覚は通常状態へ)  所持品:カヌー(縮小中)、兵士の剣、皆殺しの剣、光の剣、ミスリルシールド、パオームのインク  妖精の羽ペン、ももんじゃのしっぽ、聖者の灰、高級腕時計(FF7)、インパスの指輪、他2人分の支給品、武器ではない。  第一行動方針:これからどうするか考える  最終行動方針:脱出に便乗してもいいから、とにかく生き残る 【現在位置:ジェノラ山 山頂】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。