401話

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*第401話:A=B+C+D 一旦、僕達だけで先行して、村の様子を偵察する。 それはそれでいいけれど…… 「ああ、もう……偵察なら僕一人でいいじゃんかー。重くてたまんないよ~」 フラフラと低空飛行を続けながら、僕は呟く。 それを聞き咎めたのか、背中に跨ったカインが苛立ったように吐き捨てた。 「朝方、ロクに偵察もこなさずに帰還したのはどこのどいつだ?」 「だからアレは……」 ちゃんと理由があったのだと言い返そうとしたけれど、その途端、カインの心に殺気じみた怒りの色が混ざり始める。 僕は慌てて口を噤み、空を駆けることに集中した。 広い森を抜け、開けた野原の上空を、数分ほど駆けただろうか。 「スミス」 唐突にカインが僕の名を呼び、一角を指し示した。 ちょうどカズスがある方角。そちらから幾つかの人影が歩いて来ている。 僕が提案する前に、カインが釘を刺してきた。 「エッジやリュカの事もある。ここは接触するだけに留めるぞ」 接触するだけ=殺せない。 一瞬落胆したものの、人影の数を確認し、考えを改める。 ――絵筆を持った女の子、軽装の男。白いフードを目深にかぶった魔道士。 ――盗賊っぽい姿の剣士、中年のオジサン。何だかワケのわからない格好をした人。 全部で六人、かなり大規模なグループだ。 急襲をかければ半分くらいは仕留められるかもしれないが、無傷で勝ち逃げるには、少し厳しいものがあるだろう。 それに一人でも逃がせば、エッジやリュカ達に僕らのことがバレる可能性もある。 それじゃあ流石に面白くない。 『ゲームに乗る気がないモノ同士をいがみ合わせて殺させる』 ……カインはあくまで自分の手を汚さないため、その程度にしか考えてないようだが。 僕にとっては貴重な『仕込み』のチャンスだ、数人ごときのために逃す手立てはない。 【A=B+C+Distortion】 傷つける必要の無い者を傷つけた。無意味に命を奪った。 自責、後悔、罪悪感。心を苛み、切り刻む刃が生み出す苦痛。 そこに付け入ることこそが、ドラゴンライダーの本領と言っていい。 罪悪感を抱いたヤツが待ち望むのは、許されるための方法。苦痛から逃れるための手がかりだ。 恋人を目の前で失い、仇に手出しすることもできなかったフリオニール然り。 止める事もできたのに、みすみす仲間を死なせてしまったレナ然り。 僕は真実を教えよう。二人がリュカを殺してから。 『あんたが殺したのはマリアさんの仇じゃない。帰りを待つ子供がいる、何の罪も無い男だ』と。 仇討ちなんて真顔で考える二人のことだから、本当のことを知れば、絶対に後悔するに決まっている。 壊れる寸前まで追い詰めて責めたてて、それからフリオニールの時のように一言囁いてやればいい。 『優勝することができれば、死んだ人を生き返らせてもらえるよ』……とね。 優しい声で告げてやれば、エッジもユフィも、きっと良い駒になってくれるだろう。 ――けれど、そこまで上手く事を進めるには、我慢する事も大切だ。 僕は翼をはためかせながら、彼らの前に降り立った。 驚く六人に、僕の背から飛び降りたカインが、武器を収めて話し掛ける。 「驚かせて済まない。見てのとおり、俺たちには戦う意思はない。  ただ、少し話を聞かせてほしいのだが」 「話だって?」 トサカみたいな髪型の、頭の悪そうなヤツが応じた。どうやらコイツがこのグループのリーダーらしい。 流石に警戒しているらしく、フリオニールやレナみたいに易々と心を覗かせてはくれないが…… 殺し合いに乗る気がないこと、みんなと仲良く脱出なんてことを考えるバカだってことは読み取れた。 僕はそれをテレパシーでカインに伝える。 カインは口の端をわずかに吊り上げながら、言葉を続ける。 「ああ。実は、別行動中の仲間とカズスの村で落ち合わせる約束をしていたのだが……  先ほどカズスの方角で爆発が起こるのが見えたのだ。  そして、君たちがそちらからやって来たのもな」 カインの言葉に、六人は顔を見合わせる。 そして、魔道士の前に立ちはだかっていた、バンダナを巻いた剣士が答えた。 「あんたの仲間って……言っとくけど、俺が見たの、こいつらとイクサス達ぐらいッスよ?」 「イクサス?」 聞き覚えのない名前に、カインはおうむ返しに呟く。 「ああ。医者みたいなカッコした子供でさ。  人のこと、すぐ人殺し呼ばわりして来るような奴で……でも、殺された」 「殺されたとは穏やかではないな。一体誰に?」 目を細めるカインに、トサカ頭が苦々しく口を開く。 「サックス、いや、フルートだ……オレたちの仲間だった。  あいつがそう思ってたのかは知らねーし、オレももう、あいつを仲間だなんて思っちゃいねーけどな」 NGワードに触れたのかもしれない、と思う暇もないまま。 僕らはしばらく、トサカ頭の愚痴に付き合わされることになった。 それでわかったのは、フルートってヤツがやったコト。 『道案内を買って出たから任せたところ、目的地から離れた森に誘導された。その結果襲撃にあった』 『回復呪文が得意なのは彼女しかいないというのに、瀕死の人間を小一時間も放置した』 『偵察に行くのに何故か軽トラ(馬車のような乗り物らしい)を使うと言い出し、その軽トラをわざと壊した』 『子供一人を二人がかりで追い詰めた上、殺した』 『絵描きのリルム(金髪の子供の事らしい)の右目を潰した』…… ――僕に言わせれば、二番目か三番目で気付かない方がマヌケだ。 カインもまた、同じようなことを思ったのだろう。 (ここまで騙されやすいバカがいるのか……フルートとやらも、さぞ楽だったろうな) そんな心の呟きが聞こえてきたが、当然、表情には一切出していない。 あくまでも真摯に聞き、真剣な顔で問い返している。 「それで、そいつらはどこに?」 「村の奥にある鉱山の中だ。落盤が起きてなきゃ、生きてると思うぜ。  ……ただ、気をつけろよ。天然ボケを演じちゃいるけど、本性はとんでもねぇぜ」  ご丁寧に忠告までしてくれた。どこまでいってもシアワセで、脳天気な連中だ。 そういうことは、利用される側の連中に言ってやるんだね。 まぁ……フルートってヤツは僕達と同じ立ち位置にいるみたいだし、生きているなら接触してもいいかもしれない。 「それで、爆発の原因なのだが……まさか、それもフルートとやらがやったのか?」 そんなことを考えている間に、カインは話題を変えていた。 そういえば、当初の目的は爆発の理由を聞き出すことだ。長い話のせいで忘れかけていたが。 ぺろりと舌を出す僕の前で、トサカ頭が魔道士の方を振り向く。 【A=B+Cheating+Distortion】 「いや。ありゃ、赤髪の女がやったんだ。名前は……何だっけか……、ぁー」 「バーバラ、です。ゼル君」 魔道士が、ローブについたフードを被り直しながら喋り出した。 声が妙に甲高くて、少し耳障りだ。 「イクサスと一緒にいた、魔法使いの女の子です。  詳しい事情は知りませんが、二人で、アーヴァインという男を探していたようでした」 「あ……あ……?」 何故かトサカ頭は眉を潜め、口をぱくぱくさせる。 そんな彼の足を、これまた何故か蹴りながら、金髪の女の子が早口でまくし立てた。 「そういうことなの、そのバーバラってヤツが町を吹っ飛ばしたのよ!  天使みたいに羽を生やしてふわふわ浮いてたと思ったら、いきなりドカーンって!  ホント、とんでもないと思わない?」 そこで同意を求められても、リアクションに困る。 はっきり言って『思う思わない』以前の問題だ。態度といい、内容といい、果てしなく嘘臭い。 僕が聞いたバーバラは、もっと無力な存在だ。 生粋の殺人者から武器を盗むなどという無謀な真似をした、愚かな娘。 狂気の殺人者に目を着けられた、哀れな娘。 カインが語った彼女の像は、そう言った、狼に追われるだけの無力な羊に等しいものだった。 そんな女が、いきなり羽を生やして空を飛んで、町一つを吹き飛ばしたなど…… 突拍子が無さ過ぎて、下らないガキの夢か、イカれた人間の妄想としか思えない。 カインが訝しげに問い返したのも、こればっかりは演技ではなく、本心からの行動だったろう。 「本当なのか?」 金髪の少女に話し掛ける、その視線が、一瞬だけ僕の方を向いた。 探れということのようだが、言われるまでもなく、僕は彼女の心を覗こうとしている。 だが、ダメだ。こいつも僕達を警戒している、僕に気を許していない。 他の連中――トサカ頭や剣士も似たような感じだ。 辛うじて読み取れたのは、『何かを隠しちゃいるけれど、ウソはついていない』という事だけ…… (――って、ウソじゃないのかよ!!?) 信じられない……が、心まで偽れる人間がいるはずもない。 驚愕を隠し切れないまま、僕はカインに思念を送る。 同時に、トサカ頭が「間違いないぜ」と頷いた。 それで初めて、カインが動揺の色を浮かべる。 「本当に……本当にあのバーバラが、爆発を?」 「……もしかして、あいつと知り合いだったんッスか?」 剣士の問いに、カインは即座に答える。 「ああ。俺の友人と一緒に行動していたことがあった。  だが、何の変哲もない、多少魔法が使えるだけの子供にしか見えなかったが」 淀みなく、すらすらと話す様子は、アドリブであることなど微塵も感じさせない。 剣士は疑うこともなく、「そうなんだ」と納得した様子を見せる。 それから、何かが気になったのか、別の事を聞いてきた。 「じゃあさ、アーヴァインって奴のことは?」 ――もちろん知らないはずもないのだが、まさか本当の事を喋るわけにはいかない。 カインはまたもや平然とした表情で、顔色一つ変えずに嘘をついた。 「残念だがそちらは知らんな。  だいたい、バーバラと会ったのは昨日の夜に一度きりだ。  大方、その後で酷い目に合わされたのだろう。その時には、そんな男の事など話さなかったからな」 「ふーん、そっか」 剣士の問いは、それで終わりだった。 最後にカインはバーバラの生死についても尋ねてみたが、 「倒されたとは思うが、死んではいないかもしれない」という奇妙な答えが帰ってきただけだった。 どうやら、これ以上詳しいことは、危険を押してでも自分達の目で確かめるしかないようだ。 聞きたい事も、連中への興味も無くなった僕達は、定型文のような別れの挨拶を告げてカズスへ飛んだ。 【A=Blunder+Cheating+Distortion】 竜の影が鳥のように小さくなってから、オレはアーヴァインとリルムを睨みつけた。 「何だよ、あの気色悪りぃマネは。つーか、なんでいきなり蹴るんだよ?」 けれど、二人は謝るどころか肩を竦め、冷たい視線をオレに向ける。 「このニブチン。そんなんだからニワトリ頭なんだよ」 リルムの暴言に言い返す間もない。 似合いもしない白いローブをはためかせながら、アーヴァインが詰め寄る。 「忘れないでよね、何で僕がこんな服に着替えたのか」 「あ……」 そういえば――カズスの入り口で、怪我の手当てをしていた時のことだ。 泣き止んで、ようやく落ち着いてきたアーヴァインが、身を震わせながら喋った話。 『僕は……人を殺してしまったんだ。  思い出せるのは二人だけだけど、多分、五人は殺してる……もしかしたら、もっと多く……』 どこまで本当かもわからない。こいつの話だけならば、精神不安定な男の妄想と断じていただろう。 けれど、ティーダのヤツがいた。 ソロ、イクサス、バーバラ。ティーダが見てきた三人の態度は、どれもアーヴァインの話を裏付けるものだった。 だが、人が死んだと思ってわぁわぁ泣き出すヤツに、殺し合いに乗る度胸があるとも思えない。 大方、サイファーやガルバディア軍の連中みたいに、魔女にコナを掛けられて正気を失っていたのだろうと思う。 思うが――それはあくまでも『オレの見解』だ。 こいつに被害を受けたヤツからすれば、操られてようが自分の意志だろうが、見分けもつかないし大差もない。 そもそも本気で復讐を考えている奴は、言い分すら聞かずに襲ってくるだろう。 だからユウナが、ティーダが持ってきた服に着替えて、顔を隠すことを進めたのだ。 (ティーダはティーダで、イカれたストーカー女に目を着けられているらしい。難儀なこった) ――そんな状況で名前を呼ぶというのは、確かに迂闊過ぎたかもしれない。 反省するオレに追い討ちをかけるように、リルムが冷たく言う。 「ついでに、何でもかんでもペラペラ喋んないでよね。  あの金髪カッコマン、かなりの食わせ者っぽいよ」 「……食わせ者?」 首を傾げるオレに、背後から納得したような声が届く。 「あ、やっぱりそういうことだったの?」 「道理でおかしいと思っていたのですよ」 声の主はユウナとプサンだった。二人ともポンと手を叩き、勝手に頷いている。 アーヴァインもその意味がわかってるらしく、すました顔をしている。 どうも、わかってねーのはオレとティーダのヤツだけらしい。 「「????」」 困惑する俺たち――いや、ティーダに、リルムが眉をひそめる。 「知ってて聞いたんじゃないの? バーバラと、そこのモヤシのこと」 「いや、純粋に気になっただけッスよ。  それにアーヴィンのことは、アーヴィンが聞いてくれって頼んできたから……」 「なーんだ」 リルムは呆れたようにため息をついてから、アーヴァインに向き直った。 「てことは、最初から心当たりがあったわけ?」 珍しく真剣な表情で、アーヴァインは頷く。 「ああ、ヘンリーさんが言ってたんだ。昨日の僕と手を組んでいた男がいたって。  ……そいつは槍を携えた、金髪の騎士だったってさ」 ――金髪に槍。飛竜に乗った男と、特徴が一致している。 アーヴァインはさらに言葉を続けた。 「外見的な要素だけじゃない。あの男は確実に僕のしたことを知っている。  それなのにすっ呆けて、知らないフリをしてやがった」 すっ呆けている。 そのフレーズに、オレはさっきの会話を思い返す。 そして――ふと、『おかしな点』に気付いた。 「あー……そうか、そういうことか」 「?????」 まだわからないらしく、困惑の色を強めるティーダに、ユウナは苦笑しながら説明する。 「アーヴァイン君ね、『バーバラって子が探してる』としか話してないんだよ?  なんで『酷い目に合わされたから』ってわかるの?  知り合いだから探してるとか、逆恨みで探してるとか、色々考えようはあるのに」 「あっ!」とティーダが声を上げた。ようやくわかったようだ。 その傍らで、リルムが冷静に切って捨てる。 「『知らない』って答えたのもマイナスポイントね。  フツーは背格好ぐらい聞き返すし、どっちかって言えば『わからない』って答えるもの。  ――で、そう言って嘘をつくってことは、アイツはこいつとの関係を誤魔化したい立場だってこと」 さらに、リルムの説を補足するようにプサンが言う。 「あの竜からは、魔女の魔力や邪念といったものを感じました。  恐らく、ですが……主催者が紛れ込ませた手駒だと思います。  まともな人間なら、そんな存在を引き連れるはずがありません」 「BINGO、だねー」 アーヴァインが言った。 腰に手を当てながら口笛を吹いたりする様子は、まるっきり他人事のようだ。 「って、いいのかよ、そんなヤツ野放しにしてよ?」 その様子に苛立ちでも覚えたのか、ティーダが言った。 魔女の手下と手を組んだ殺人者。そんなヤツを逃したら、この先何人犠牲者が出るかわからない。 捕えておくか、何がしかの手を打つべきだったのではないか? そんな考えが、表情に出ている。 「そりゃ、まーね。並みの相手だったら、とっ捕まえるって手も打てたかもしれないけどさ。  ボウガンとG.F.装備した僕がまるで相手にならなかったっていうピサロさんと、槍一本で渡り合ったっつーしねぇ。  あの竜も、アルティミシアの下僕ってことは相当強いんだろうし……戦ってたら、こんな感じになってた気がするよ」 アーヴァインはそう言って、『お手上げ』と両手を上げた。 調子こそふざけてはいたが、目は決して笑っていない。 さらに、ユウナが銀球鉄砲をくるくると回しながら付け加える。 「上空から攻撃されたら、私の銃と、リルムの魔法しか打つ手がないでしょ?  それに、こっちにはプサンさんも、リルムも、アーヴァイン君もいる。  下手に戦って犠牲者を出してしまったりしたら、それこそ本末転倒だよ。  もちろんキミの言いたいことはわかるし……こういうのも、少し、ムカツクけどね」 アーヴァインはまともに戦えない。 相手の正体に気付いたところで、それを暴いて戦いを挑むなど、出来るはずがなかっただろう。 空に逃げ去った相手を追いかけて、戦闘を仕掛けるというのも無理がありすぎる。 そしてユウナの言うとおり、上空からの襲撃者相手に、誰一人犠牲者を出さずに勝つなど不可能に近い。 騙されたフリをして見送るのは、現状からすれば最良の選択だった。 ――もちろん長期的に見れば、ティーダの考えの方が圧倒的に正しいだろうが。 釈然としない表情で俯くティーダに、ユウナが声をかけた。 「ねぇ……カズスに行こうとする人と会ったら、私たちで引き止めてみようよ。  そうすれば、危険な目に合う人も少しは減ると思うんだ」 その言葉に、アーヴァインがうんうんと頷く。 「そーそー。それでも行くようならジコセキニンってヤツ。僕、しーらない」 「そういう考えは感心できないなぁ……」とユウナは呟いたが、実際、オレ達が打てる手はそれぐらいしかない。 「ま、納得行かないかもしれないけど、この際仕方ねーだろ。  それにあんなヤツを構うより、この輪っかを外す手でも考えた方が利巧ってもんじゃねーか?」 取り成すつもりで言った言葉に、ティーダはいきなり顔を上げた。 「そうッスよ、首輪! 誰か調べてるヤツいないかと思って、持ってきたんだ」 そう言ってヤツは、自分の袋からソレを取り出した。 見間違いようもない、オレ達の首についているのと同じ首輪。わずかに血がこびりついている。 どうやって手に入れたのかは気になるが、ティーダの表情を見る限り、聞かない方が良さそうだ。 「これさ、機械に詳しいヤツだったら、調べられるんじゃねーかなって」 機械、か。 ガーデン操縦士のニーダ辺りが得意そうな気もするが、ヤツはこの殺し合いには参加させられていない。 「物知りゼルー。実はこの手の解析が得意だとか言ったりしない?」 アーヴァインが茶々を入れるように聞いてきたが、地理や歴史ならまだしも、機械工学は守備範囲外だ。 「できるワケねーだろ」と、首を横に振る。 その時、黙って話を聞いていたリルムが言った。 「エドガーなら調べられると思うよ。機械に詳しいし、色々弄って変な武器作るのも好きみたいだし」 ……改造したり、製作が好きとなると、相当に専門的な知識を持っているのだろう。 リルムの世界の文化レベルにもよるが、そいつは頼りになるかもしれない。 「ティーダ、リュックは?」 今度はユウナが手を上げる。 「シンラ君ほどじゃないけど、リュックもそっち方面には詳しいし。  三年前と違ってね、マキナ自体の発掘や研究もけっこう進んでるんだよ。  だから、多分解析できるんじゃないかって思うんだけど」 「マキナ?」 「あ……ええと、機械のこと。機械っていうと抵抗があるからって、マキナって名前で広まったんだ」 ……三年間の溝は中々深いらしい。 首を傾げるティーダ(と俺たち)に説明するユウナは、少し寂しそうに見えた。 ともかく、これで話は決まりだ。 第一目標は、エドガーだかリュックだかと合流して、首輪を調べてもらうこと。 そのついでにプサンの探し物――ドラゴンオーブとかいう、本人曰く『大切なお守り』を見つけるのを手伝って、 後は……殺し合いに乗っていない奴で困ってる人がいたら助ける、といったところか。 ――で、最大の問題は、そいつらもオーブも探す宛てがないってことだが。 この世にカミサマってのがいるなら、せめて二人の居場所だけでも教えてくれねぇかなぁ…… ……Accident=Blunder+Cheating+Distortion. 【カイン(HP5/6程度)  所持品:ランスオブカイン ミスリルの小手 えふえふ(FF5)  この世界(FF3)の歴史書数冊  第一行動方針:カズスの村を偵察した後、カズス北西の森の東部に戻ってエッジ達と合流する  第三行動方針:カズスの村でフリオニールと合流し、罠を張る  最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】 【スミス(変身解除、洗脳状態、ドラゴンライダー) 所持品:無し  行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】 【現在地;カズス北の平原→カズスへ】 【リルム(右目失明) 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪 ブロンズナイフ】  【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト】 【ユウナ(ジョブ:魔銃士、MP1/2)  所持品:銀玉鉄砲(FF7)、やまびこの帽子】 【プサン 所持品:錬金釜、隼の剣 【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、身体能力低下、一部記憶喪失)  所持品:竜騎士の靴、自分の服 【ティーダ(変装中@シーフもどき)  所持品:鋼の剣、青銅の盾、理性の種、ふきとばしの杖〔3〕、首輪×1、ケフカのメモ、着替え用の服(数着)、自分の服  第一行動方針:機械に詳しい人(エドガー、リュック)を探し、首輪の解析を依頼する  第二行動方針:ドラゴンオーブを探す  基本行動方針:仲間を探しつつ、困ってる人や心正しい人は率先して助ける】 【現在地;カズス北の平原→移動】

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