471話

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*第471話:ウルに明かりが点いたわけ 「ええっ、ソロ戻って来てないの? っかしいなあ、交代したのになあ」 レナとバッツと一緒の帰り道。 これで全員集合だねってハッピーな気分のままヘンリーと話してびっくり。 確かに見送ったはずなんだけど、ソロはどこ行っちゃったんだろう。 多分自主的に見回ってんだろーなーって一人納得してうんうん頷くヘンリー。 んー、しょうがない、ちょっとあたしが探してきてあげよう! 「レナは先に行ってて。みんな心配してたんだよ~?  エリアもそろそろ起きてるかもしれないしさ、早く顔を見せてあげないとね。  あたしはソロ探してくるから、レナが起きたーって!」 「おう、頼むぜリュック。じゃオレはまだこの辺回ってるからまた声掛けてくれよ」 「了解! ほらバッツ、早くレナをみんなのとこに連れてってあげなよ」 すぱーんって空いてる方の肩をはたいてバッツを後押し。 それからソロを探して駆け出した。 流石のあたしでも闇雲じゃ見つけるのは簡単じゃない。ほら、暗いし、ここ結構広いし。 でもあっさりソロを見つけることができたのは、防具屋のお店の前にぱっと点いたあかりに照らされた彼を見つけたから。 「ねえねえソロ~、レナ起きたんだよお」 って呼びかけながら走り寄るあたし。くるりと振り向いてこっちに気付くソロ。 「リュックさん、何かあったんですか? レナさんが目を覚まして…」 「あ、んーん、そうじゃなくて、レナは大丈夫なの。  大丈夫だから、今みんな宿屋に集まってるところなのね。で、ソロが戻ってないから――」 「探しにきてくれたんですね。要らない心配を掛けてしまったのか、すみません」 「そーんなの気にしなくていーよう。でもってソロは一体何やってたの? ライトアップ?」 ソロの手にある支給品の火種と明るいお店の外灯を交互に見る。 その時のあたしは随分と好奇心と興味のあふれた目をしてたみたい。 「ソロが点けたんでしょ、これ」 「はい。説明しますね……では宿屋に向かいながらにしましょう」 「うん、危ないとこだったんだなあ」 あたしは向こうできらめく宿屋の光を見ながら腕組みしておーーきく頷いた。 隣ではソロが別の外灯に明かりを灯している。 もう一度宿屋を見る。うん、よ~く目立ってる。 「すごいね、ソロは」 「いえ、すごくないです。むしろ暗い村に明かるい建物が1つだけってことが  どれだけ目立つかということにもっと早く気付くべきでした。無警戒すぎました」 「でもソロは気付いたんじゃない。やっぱりすごいよ」 「いえ…」 さっきより明るくなった村の中はさっきよりずっとよく見通せる。 ほら、やって来る人影も―――って 「なあ、お前等何やってるんだ?」 ヘンリーでした。もー、脅かすなよぅ。 驚き顔のあたしをおいといて、ヘンリーさん、と返事してあたしに教えてくれたことと同じことを丁寧に説明しようとするソロ。 あっともともとの目的を思い出したあたしはそれを制止して二人を宿屋に急き立てることにした。 それくらいはあたしの時と一緒で歩きながら話せるし、 いつまでもレナやみんなを待たせるわけにはいかないしね。 ―――それで、みんなでこの後の事とかマスタードラゴンって偉い人の事とか 天空の剣の事とかスミスってモンスターの事とかターニアの事とかあって。 村の守りについて盛り上がったのはヘンリーが出てったあと。 宿屋だけが明るくて目立ってたこととそれを紛らわせるためにいくつかの門灯や街灯を灯して回った事をソロが報告。 みんなの意見をミックスしてさらにアイデアを集めて会議会議。 で、今あたしの手にはローソクと布とお皿があるわけ。 宿屋の物置とか部屋とかから調達したってバッツは言ってたっけか。 と・も・か・く。 ずーっと頑張り過ぎって位に頑張ってきたソロには休んでてもらって あたしとバッツとビビであちらこちらの建物にローソクを仕掛けて回ることになった。 片っ端から外灯を灯して回り、屋内にローソクと適当に加減してカーテンみたいに布を張って。 イベントの準備みたいでちょっとだけ楽しかった…てのは不謹慎かな。 そーいうわけであちらこちらの建物に偽装工作を仕掛けて、 村はとっても明るくなった。やっぱり暗ーく沈んでるよりキラキラ明るい方がいいよ、ホント。 即席の工作の出来栄えをひとしきり眺めてふいー、と一息。 いい雰囲気になっちゃった村を通り抜けて戻ってきた宿屋のそばで向こうから来るソロと鉢合わせ。 「ねえソロ、もしかして…もなくて見張りに出る気だよね?」 はいって力強い返事が返ってきたけどなんかもー、あきれたっ、って感じかも。 だから、言ってやった。 「ダメだって。頑張りすぎだよぉ。  あのさ、もっと仲間を信頼してくれてもいいってあたしは思うよ。ほんとずーっと頑張り過ぎだって。  そりゃレナやバッツには無理させられないけどあたしは元気だし、ほら、見てみて、  まだまだ全然平気。だから―――」 優しそうな笑みとちょっぴり困惑したような目をしたソロがいた。 「ありがとうございます、リュックさん。  でも、やっぱり僕が休んでいるわけにはいきませんから。  リュックさんはみんなのそばを守っていてくれませんか? お願いします」 あたしにだって分かる目、止めても聞かないんだろうなあって目だったよ。 結局、そんなソロの視線にあたしは押し負けちゃったんだろうなあ。 「はぁ、まったく。ホントに無理しちゃダメだよ?  えっとねぇ、じゃあ、宿屋のカウンターにいるから、一回りしたら替わろ?  みんな、みんなを守りたいって気持ちは一緒なんだからあたしにも見せ場をちょーだいっ、てね。  それじゃ、約束だよっ」 せめてのお返しとばかりに強引に約束を押し付けて返事より先に横をすり抜けてダッシュ。 途中でぶらぶら見張り役のヘンリーと手を上げて声を掛け合って、宿屋の中へダイブする。 奥の明かりを確認してから入り口そばのカウンターの中へ。 光源のある場所から少し離れて薄暗がりへ店番みたいに腰掛けた。 今もどっかでがんばってるユウナとティーダ、二人の顔を薄墨のスクリーンに思い描く。 その隣にパインの顔を思い出して、アーロンを思い出して、届かなかった距離に切なくなった。 カウンターに突っ伏して目を閉じて、まだ届くところにいる二人を思う。 ユウナん、怖い目とか苦しい目とかにあってないかなぁ? 安全なところにいてくれてるかなぁ? ティーダ、一人で走り過ぎて危ない橋渡ったりしてないかなぁ? ユウナんのこと心配してるだろうなぁ。 あー、ほんと自分の力の限界ってヤツを思い知らされるよ。 ここでどんなに無事を願ったって―――って弱気はよくないねっ。 あたしにだって出来ることはある。みんなを守るとか、困っている他人を助けるとか、悪いヤツを懲らしめちゃうとか。 それに、生きてりゃ希望の明日はやってくるんだからっ! 物思いにふけってるとなんだか凄い速さで時間が流れてるって思わない? あたし、どれくらい顔を伏せたままでいたんだろう。 がばりって顔上げたらあたしを見上げてるビビがそこにいた。 どうも心配されちゃったみたい。 「お姉ちゃん、大丈夫? 疲れてない?」 「ビビったらいつからそこで見てたのー? ぜんっぜん気づかなかったよ。  なんでもないって。ちょっと考え事してただけ―――」 距離のせいでぼやけてる乾いた爆発音が小さく、でも聞こえた気がした。 ビビの反応が、あたしだけじゃないってことを教えてくれてる。 何かが起こったことを察して体中に一気にスイッチが入る。 立ち上がった足元に派手な音を立ててイスが寝っ転がった。 【リュック(パラディン)  所持品:バリアントナイフ マジカルスカート クリスタルの小手 刃の鎧 メタルキングの剣  ドレスフィア(パラディン) チキンナイフ 薬草や毒消し草一式 ロトの盾  第一行動方針:どうする?  基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す  最終行動方針:アルティミシアを倒す】 【ビビ 所持品:毒蛾のナイフ 賢者の杖  第一行動方針:どうする?  基本行動方針:仲間を探す】 【現在位置:ウルの村 宿屋・カウンター】 【ソロ(魔力少量 体力消耗)  所持品:さざなみの剣 天空の盾 水のリング  第一行動方針:見張りとして村を周回中  基本行動方針:これ以上の殺人(PPK含む)を防ぐ+仲間を探す】 【現在位置:ウルの村】

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