449話

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*第449話:傍観者と勘違いと間違いと偶然の一致 赤いスープがことこと温まるにつれて、食欲を誘う匂いが漂い始める。 角が生えた兎と、何だかよくわからない野菜の絵が描いてあるシールを貼ったガラス瓶。 その中に入れられた、トマトシチューのような煮込み料理。 指をつけて舐めてみると、甘酸っぱくてスパイシーな独特の味が舌の上に広がった。 「もういいんじゃないかな。先に食べちゃおうよ」 火傷しないように瓶詰のふちを掴み、パンと一緒にニワトリ頭――ゼルの前に置く。 ゼルはぼんやりと赤いガラス瓶を見つめ、疲れたように息を吐いた。 「俺は後でいい……腹減ってねーし」 「あー? 昼間に『こんなんじゃ足りねー、ガクショクのパン腹いっぱい食いてー』とか言ってたの誰だよ」 「……この状況で食欲なんか湧くかよ」 「だからって何も食べなきゃ、おなかが空いて余計に気が滅入っちゃうよ?  せっかく『食べてていいよ』って、瓶詰置いていってくれたんだから」 口を尖らせながら言うと、ゼルは億劫そうに顔を上げた。 パンを手に取り、噛み千切る。 無表情で飲み込むその様は、美味しくないというより、味のしないものを食べているみたいだ。 ――放送で聞こえたロランとフルートの名前。 ――覚悟していたって、袂を分かったって、やっぱりゼルには堪えたんだろう。 楽しかった頃の記憶は、そう簡単には消えてくれないから。 私は……――色々な人が一杯死んでいったせいかな。 それとも、ロラン達といる間だけは無理してでも笑っていようって思ってたからかな。 強がったり、泣いたり、心配してる人を見たせいかな。 なんだか悲しい気持ちにならなくなってきた。 その代わり、何人死んだとか楽しそうに言ってるケバケバおばさんをぶっ飛ばしたいって気持ちが沸いてくる。 それが怒りなのか憎しみなのかは――自分にもわからないけどね。 でも、これだけははっきり言える。 私はおじいちゃんがいるサマサへ帰りたい。 笑って「ただいま」って言いたい。 確かに辛い事も悲しいことも一杯あった。 だけど自分が笑えなくなるような事だけは絶対しない。 『生き残る、でも人は殺めない、生きてサマサに帰る』って誓ったから。 「――そういやあいつ、どこへいったんだ?」 人の思考を打ち切るかのように、ゼルがいきなり聞いてきた。 一瞬ユウナ達のことかと思ったけど、そうじゃない。 多分、アーヴァインのことだろう。 放送の少し前に、またまた『焚き木を集めてくる』と言って、ふらりとどこかへ行ってしまった。 そのことを話すと、ゼルは首を傾げる。 「焚き木なんてこれだけ有りゃあ十分だろ。  だいたい一人で大丈夫なのか? あんなフラフラのヘナチョコな状態でよ」 「大丈夫でしょ、自称17歳男子なんだし。だいたいテメーが人のこと言えた義理かよ」 「なんだそりゃ……」 呆れたようなゼルに、こっちもため息をつく。 今ごろになって聞いてきたり、こんな苦しい言い訳を真に受ける辺り、重症だ。 誰がどう見たって、ユウナ達が戻ってくるまで焚き火を続けるぐらいの量はあるし…… 同じパーティにいたんなら、性格だの何だのなんて、一番良く知っているはずじゃない。 「どーせすぐに戻ってくるよ。寒がりなんだしさ」 そう言って、私は瓶詰の中身をパンにつけてみた。 ヘンリーとかいう人に貰ったってそれは、美味しいんだけど、ちょっぴり辛過ぎる気がして。 昼間もらったような、ふわふわで甘いパンケーキを、おじいちゃんと一緒に食べたいと思った。 あー寒いなぁ。腰も痛いし疲れるし面倒だし。 いっそのこと、そこらへんの木の枝ぜ~んぶ、バキバキ折って持って帰っちゃいたいよ。 これだけ風吹いてれば、多少の物音は誤魔化せそうだもんなぁ。 ま、樹液の臭いって意外と強烈だし、ハデにやって嫌な連中に見つけられたら困るからやらないけど。 奥まった場所を探して待機場所にしたり、こうしてランプも着けずに歩いてる意味が無くなっちゃう。 それに生木は水分が残ってる分、ちょっぴり燃えにくいしねぇ。 はー。枯れ枝枯れ葉に枯木はございませんか~っと。 ティーダ達戻ってきたって、お城が危険だったら、あそこにキャンプ張るしかないもん。 寒さは体力を削る。疲労やストレスは判断力を鈍らせる。 みんなが休めるように、夜中に集めに行けとか言われなくて済むように、い~っぱい集めておかないと。 けど……もう二十分は過ぎた気がするし、放送も流れたし、そろそろ戻った方がいいのかなぁ? ゼルがまたヒートアップしてるかもしれないし、そうでなくてもリルムに気を使わせてるだろうしなー。 いい加減、迷惑をかける立場から脱却しないと。 ちみっちゃい子に励まされて、年下の女の子に慰められて、11歳児に見透かされて心配されて……じゃねぇ。 僕がすべきことは、死んだ人に詫び続けることでも、許しを乞うことでも、ましてや泣く事でもない。 今生きている人達の生存確率を少しでも上げること。 どうにか殺人者連中を退けて、休息を取って、首輪を解除できる人やアイテムを探して、脱出方法を探す。 それがきっとソロ達も望んだことで、僕が今生きている意味……なんだよね。多分。 ――っと。なんだ、アレ? 木陰の向こうで、光がチカチカ揺れてる。 ……あれは――トンベリにアダマンタイマイ? それに子供? 何でトンベリだの何だのがこんなところに……てゆーか子供って危なくない? 万が一戦闘に巻き込まれたり、襲われたり、 『――イオラ!――』 そうそう爆発に巻き込まれたりしたら…………って爆発ぅううう!!?? 瞬間的に弾けた光が三つの影を照らし出す。 それがピエールの術だと気付いた時には、アリーナが走り出すのが見えた。 私はカンテラを消し、息を潜めて様子を探る。 閃光と煙で視界を遮り、音で聴覚を奪い、混乱を起こす――奇襲としては悪くない手だ。 あえて言うならば、剣の力で雷を呼び寄せた方がより大きなダメージを与えられていたと思うが…… ここは比較的背の高い大木が密集した森林。 どれほどの範囲にどれほど指向性を持つ雷を落とせるのか試していない以上、使い慣れた魔法を選ぶのも当然だろう。 しかし、気になるのはピエールの行動。 アリーナとの共同戦線に加わらず、不思議な術――とびつきの杖とやら――を使い、奥の方へ駆けて行った。 アリーナが何も言っていない辺りからして予定調和的な行動のようだが。 確かピエールはレーダーを持っていた。もう一人か二人、あちらの方に潜んでいるということだろうか。 「うわぁっ!?」 私の予想を裏付けるように、闇の向こうから男の悲鳴が上がる。 だが……次の瞬間、予想外の自体が起きた。 地から天へと伸びた白い閃光。 それがピエールを包み、吹き飛ばしたのだ。 白亜の輝きに照らされ、一瞬だけ相手の姿が見える。 白いフードを目深に被り、同じ色のローブを着込んで杖を携えた、典型的な白魔道士。 だとすれば今の光は――白魔法唯一の攻撃魔法にして最大の奥義、ホーリーか。 どうする。 元々ラムザ達以外の相手に対しては、そこまで積極的に戦う気はない。 それに私がピエールやアリーナと手を組んだことは、極力知られたくない事実だ。 迂闊に襲撃に加わり、万が一にも私の顔を見た相手を逃せば、生存者の間に厄介な噂として広まりかねない。 二人で間に合う相手ならば、このまま傍観を決め込んでいただろう。 しかし……そうも温い事は言っていられないらしいな。 ぼくのトモダチはマホウが得意です。 ぼくにもマホウの使い方を教えてくれました。 ぼくはほうちょうでプスっと刺す方が好きだけど、トモダチは言いました。 「目には目で、刃には刃で、マホウにはマホウなんだよ」 ぼくがいたところは寒いところでした。 ぼくのトモダチも、トモダチのトモダチも、熱いのがキライです。 ぼくも熱いのはキライです。 それなのにいきなり熱くなって、体がぽーんと飛んで、痛くなりました。 びっくりして辺りをみると、ぎどさんがてりを抱えて、ぼくみたいにびっくりしてました。 そうしたら突然へんなお姉さんが出てきて、ぎどさんを殴りました。 それから、あのぷよぷよにのった悪いヤツが空を飛んでいきました。 ぼくはあのぷよぷよの仕業なんだって思いました。 ぼくはとっても怒ったけど、さっきのもやもやはもう使っちゃダメだって、てりもぎどさんも言ってました。 だからトモダチから教わったマホウを使いました。 お城を吹っ飛ばした光よりずいぶんちっちゃいのは、ぼくがマホウを使い慣れていないせいでしょうか? でも、白い光がぎゅいーんって伸びて、きゅいきゅいきゅいーんって音がしました。 ちっちゃくても、成功したならいいと思います。 そうしたら、お姉さんがいきなりぼくを殴りました。 二回も三回も四回も殴られて、木にばちんってぶつけられて、泣きたいぐらい痛かったです。 ぼく、何か悪い事しましたか? 悪いヤツは倒せばいいんだって、れくすも言ってたのに。 痛くて泣きたくなったら、てりが駆け寄ってきて、ぎどさんがぼくとてりの前に立ちました。 それを見たお姉さんは、悪いヤツの顔をして言いました。 「何よあんた達。魔物のくせにいい子ぶるつもりなの?」 「魔物だの何だのという括りの前に――  お主らのような、正義も人の心も知らぬ獣でないことだけは確かじゃな」 「亀に獣呼ばわりされる筋合いはないわよ。  正義だの何だの語りたいなら、地獄でゆっくり語らせてあげるわ!」 おいおいおいおい。魔法カウンターでホーリーなんてアリ? トンベリったら普通、「みんなのうらみ」と「ほうちょう」じゃないの~? おかげで助かったからいいけどさ。 しっかしこのヒトも随分派手に吹っ飛んだなぁ。 ザックとか全部バラバラに散っちゃったじゃ~ん。 まぁいいや。今のうちにアイテム貰って身包み剥いじゃおっと。 子供の方は気になるけど、あんなトンベリいるなら心配なさそうだし、あっちの女のコとは絶対に関わりたくない。 どう見てもあのコ、ティーダが言ってた『サディスティックテレポーターストーカー女』だもん。 二人揃ってロックオンなんてヤダよ。 っと、なんだこの機械? ふむふむ……ほーほー、参加者発見用のレーダーかぁ。 随分便利そうだけど、これで僕の居場所に気付いたってわけかい。 まーいいよ。とりあえずこいつと、落ちてるザックを回収回収~っと。 これだけのアイテムにザックを二つも三つも持ってるってことは……やっぱコイツ、人殺しまくってるんだろうなぁ。 こんなヤツ、今までなら始末してたけど…… ――運、良かったね。 と~、なんだこの中身? 妙な杖が二本と、怪しい雰囲気の指輪と、やけに存在感のあるゴテゴテしたマント。 組み合わせがすっごく謎だけど、『だいじなもの』とか『きちょうひん』とか、そういう類なのかなぁ? わかんないけど一応持っていこう…… 「返せ……それは我が主君のものだ!」 ――うわっちゃぁあ!? いつの間に復活したんだ、このヒト! 剣を振りかざして襲い掛かってきて……って危ない死ぬ死ぬマジで死ぬ殺される! こういう時はジャンプで逃げー! そんでもって、この杖で――そのアブナイ剣を吹っ飛ばしてやる~~!! ヘンなお姉さんはやっぱり悪い人でした。 ぎどさんは一生懸命戦ったけど、ぼくは何をすればいいのかわかりませんでした。 おろおろしてたら、てりが「さっきの呪文を使うんだ」って言ったので、もう一度唱えてみました。 でも、なぜだか上手くいきません。 『しっかりヤる気にならないと、マホウは上手くいかないよ』ってトモダチが言ってたけど…… ぷよぷよを吹っ飛ばして、ちょっとスッキリしちゃったからでしょうか? どうしようって思っていたら、『ばちん』とか『しゅばっ』って感じのヘンな音がしました。 それから右手と体にぶすぶすって感じがして、とっても痛くなりました。 びっくりして見てみると、長いのが刺さってて、赤いのがだらだらしてました。 てりがぼくの名前を呼んで、ぎどさんもこっちを見ました。 そうしたらぎどさんにも長いのが刺さって、目をおさえてしまいました。 お姉さんはいやな顔で笑って、ぎどさんのことを思いっきり蹴りました。 ぎどさんはひっくりかえって、立てなくなってしまいました。 ぼくはどうにかしたかったけど、体が痛くて寒くて気持ちが悪いです。 困っていたら、突然キレイな剣がびゅーんって飛んできて、てりの足元に突き刺さりました。 それからあのぷよぷよの声がしました。 「貴様、その技は――ラムザ=ベオルブか!?」 お姉さんが驚いた顔で、ぷよぷよのいたほうを見ました。 剣を拾ったてりも、ぼくも驚いて、ぷよぷよのいたほうを見ました。 暗くてぐるぐるだったけど、黒くて白っぽい影が見えました。 影の人は、お兄さんの声で言いました。 「ふん、そんな輩は知らぬな。  ……我が名はカイン=ハイウインド。グランバニア帝国竜騎士団を率いる者だ」 一般的な白魔道士は接近戦では無力だ。 さらに止めを刺さなかった辺り、殺し合いに乗る気もないらしい。 いかにピエールが手傷を受けていようと、遅れを取る相手ではない。 アリーナの方も、子供と妙な魔物はどうでも良いように見えた。 問題にして、刮目すべきは亀の魔物。 アリーナの四連攻撃を一方的に受けているように見えて、その実、甲羅や手を利用して見事にいなしている。 真正面から耐えるのではなく、わずかな動きで力の向きを変え、分散させる…… 言葉でいうのは簡単だが、並みの魔物や魔法使いにできる芸当ではない。 反撃の機会こそ封じているが――あれでは致命傷を与えるどころか、アリーナの持久力が尽きる方が先だ。 思案の末、私は一先ず矢を射掛けることにした。 相手を暗闇に陥らせてしまえば顔を見られる心配もなく、直接援護に赴く事ができるからだ。 そうして上手く亀と魔物に矢を当てた時――予想外の事態が起きた。 ピエールがあの白魔導士をラムザと誤認したこと。 そして、白魔導士が名乗った肩書だ。 アリーナの話では、確かにラムザはジャンプを使っていたらしいが―― あの白魔導士、いや自称竜騎士とは声も体格も似つかない。 態度からしても、ピエールと同郷とは考え難い。 たまたま同名の国が他にあったということなのだろう。 だが、私も、アリーナも、完全にそちらに気を取られてしまった。 そしてあの亀は――ひっくり返っていても、やはり、我々の隙を見逃すような相手ではなかった。 「スリプル!」 その声が聞こえた瞬間、強烈な眠気が襲ってきた。 それでも私は意識を集中させ、どうにか睡魔の誘惑を凌ぎきったが…… 視界の向こうでアリーナの体がバランスを失い、ピエールすらも片膝を着くのが見えた。 あ、合ってたのかなぁ……? 信憑性出すために肩書まで騙っちゃったけど、何だか激しく間違ってる気がする。 あー。ナントカ帝国とか王国とか竜騎士団長とか、そんな感じだったのは覚えてるんだけど。 レイドックとかバロンとかダムシアンとかアレクサンドリアだったかなぁ。 ……なんかテストで四択問題出されて答えたはいいけど自信が無いみたいな、とってもモヤッとした気分。 まぁ、多少間違ってても仕方ないよね。とっさに思いついただけだもん。 だって誰だか知らないもん、ラムザなんて人! 僕みたいにハイジャンプが使えるとか、隠れるの大好きとか、不意打ちの天才とか、多分そういうヤツなんだろうけどさ。 いくら僕でも勘違いで殺されるなんて真っ平ゴメンだよ。 でも、本名を言えばリストで顔まで控えられる。せっかく顔と髪の毛隠してるのに、ストーキングされるのヤダ。 ソロ達の名前じゃあ向こうに迷惑がかかってしまうし、誰もジャンプなんて使えない。 万が一知り合いだったらバレてしまうから、本当にジャンプが使えた記憶があるカインの名前を借りたんだ…… あいつならいくら迷惑かかっても困らないしさ…… いいよ。結果オーライだからもういいよ。 悪い連中は眠らされたみたいだし、僕ももうヘロヘロに疲れちゃったし、このまま逃げちゃおう―― ――って言いたいけど、助けてもらった義理もあるし、何よりもう一人近くに誰かいる。 この状況で出てこないってことは、少なくとも味方になってくれるヤツではなさそうだ。 僕は二度ほどジャンプして、子供の傍に降り立った。 カインって名乗った分、攻撃されてもおかしくなかったんだけど……幸いにしてアイツのことは知らなかったみたいだ。 とりあえず声をかけてみる。 「大丈夫かい? 悪い奴らに酷い事されたみたいだけど」 「オレは平気だよ……でも、トンヌラとギードが……」 涙目で言ったその言葉通り。 子供は無傷そうだけど、トンベリがかなりの深手で――カメが大変なことになっている。 僕はとりあえず子供を手伝って、カメを元に戻してやることにした。 トンベリの傷は、今の僕じゃあどうにもできない。 やっぱり、リルムのところまで連れて行くしかないかな―― かいんって言ってたお兄さんと、てりが、ぎどさんを引っくり返しました。 ぼくはお姉さんに殴られたおなかが気持ち悪くて、長いのが刺さって痛くて、じっとしてました。 でも、何かイヤな感じがしました。あのぷよぷよがいた方からでした。 てりがぼくに気付いて、ぎどさんの名前を呼びました。 かいんお兄さんは丸くてピカピカしてるのを見て、いきなりてりを掴んで引っ張りました。 ぎどさんがぼくを突き飛ばしました。 その途端、だだだだだ、ってすごい音がしました。 目をあけたら、ぎどさんの甲羅や手に長いのが刺さってました。 お兄さんとてりの近くにあった木にも、長いのがいっぱい刺さりました。 遠くから、ぷよぷよが大きなジュウみたいなものを持ってこっちにやってきます。 ぎどさんが「逃げろ!」って言ったけど、てりは「嫌だ!」って怒りました。 「オレも……オレだって戦う!  レックスやドルバやリノア姉ちゃんやワルぼうみたいに、ギードが帰ってこなくなったら嫌だ!」 「トンヌラの怪我はどうする! このままでは死んでしまうかもしれんぞ!  その白魔導士殿と一緒に逃げて、治療してもらうんじゃ!」 ええっ?! って言いたくなりました。 ぼくは死んでしまうんでしょうか。目がぐるぐるして、体がぶるぶるするのはそのせいでしょうか。 それでもてりは何かを言おうとしたけど、いきなりお兄さんがぼくとてりを抱えて、杖を自分のほうに向けました。 ぴかって光って、びゅいーんって吹き飛ばされた感じがして、気がつくとぎどさんが遠くにいました。 お兄さんはそのままぼくを抱っこして、てりの手を引っ張って走り出しました。 てりは嫌がって暴れました。ぼくも暴れたかったけど、体がだるいからじっとしました。 「離せ、離せよ! ギードはオレの仲間なんだ、オレの……!」 「悪いねぇ、坊や。リノアの知り合いなら……死なせるわけにはいかなくなった」 お兄さんは息を切らしながら答えました。 どういうことなのでしょう。かいんお兄さんはりのあお姉さんの知り合いだったですか? ぼくも驚いたけど、てりはもっと驚いたみたいで、何も言わなくなってしまいました。 ぼくはお兄さんの肩ごしに後ろを見ました。 ぎどさんと、知らないおじさんが戦っているのが見えました。 ぷよぷよがこっちに向かって杖を振るのが見えました。 でも、お兄さんの杖みたいに光は出なくて、しばらくしてぷよぷよはこっちに走ってきました。 ぼくは死にたくないです。トモダチとまた会いたいです。 それに、てりやぎどさんが死ぬのもイヤです。 だから大切なカンテラだけど、ぷよぷよに見つけられないように明かりを消してしまいました。 それからお空に向かって、いつかのろざりお姉さんみたいに、お祈りしました。 れくす、どるば、りのあお姉さん、みんな――どうか、ぼくたちとぎどさんを助けてください。 【テリー(DQM)(右肩負傷、3割回復)  所持品:突撃ラッパ、シャナクの巻物、樫の杖、りゅうのうろこ×2、  鋼鉄の剣 、コルトガバメント(予備弾倉×4)、雷鳴の剣  第一行動方針:トンヌラを助ける 第二行動方針:ルカ、わたぼうを探す】 【トンヌラ(トンベリ) (重症)  所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ、りゅうのうろこ  行動方針:テリー達についていく??】 【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、身体能力低下、一部記憶喪失、疲労)  所持品:竜騎士の靴、自分の服、ふきとばしの杖〔1〕、手帳、首輪、対人レーダー   ピエールのザック(死者の指輪、王者のマント、ひきよせの杖[2]、ようじゅつしの杖[0])  第一行動方針;テリーを連れ、ゼル達の待機場所まで逃げ切る】 【ピエール(HP3/5) (感情封印)  所持品:オートボウガン(残弾1/5)、スネークソード、毛布、聖なるナイフ、魔封じの杖、とびつきの杖[0]  第一行動方針:王者のマントを取り返す  第二行動方針:サスーンに向かってリュカを探し、王者のマントを渡す  基本行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】 【現在位置:カズス北西の森南部→サスーン南東・山の中、森との境付近】 【アリーナ2(分身) (HP MAX)(睡眠) 】  所持品:E:悪魔の尻尾 E皆伝の証 イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド 天使の翼  第一行動方針:ピエールを葬り、サスーンに向かってリュカを殺す  第二行動方針:ラムザを殺し、ウィーグラフにアリーナを殺させる  最終行動方針:勝利する】 【ウィーグラフ  所持品:暗闇の弓矢、プレデターエッジ、エリクサー×7、ブロードソード、レーザーウエポン、  フラタニティ、不思議なタンバリン、スコールのカードデッキ(コンプリート済み)、  黒マテリア、グリンガムの鞭、攻略本、ブラスターガン、毒針弾、神経弾 首輪×2、研究メモ  第一行動方針:ギードを退け、ピエールを追う/アリーナとピエールを殺されないようにする  第二行動方針:サスーンに向かいゴゴとマティウスを殺す/ラムザを探す  第三行動方針:アリーナを殺してリュカとエドガーに近づき、二人を利用してピエールを服従させる  基本行動方針:生き延びる、手段は選ばない/ラムザとその仲間を殺す(ラムザが最優先)】 【ギード(負傷、暗闇) 所持品:首輪  第一行動方針:ウィーグラフとアリーナを退ける  第二行動方針:テリー、ルカとの合流  第三行動方針:首輪の研究】 【現在位置:カズス北西の森南部】 【リルム(右目失明) 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪 ブロンズナイフ  第一行動方針:見張り&休憩】 【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト リノアのネックレス  第一行動方針:スコールを探してネックレスを渡す  第二行動方針:リノアの仇を討つ(?)】 【現在位置:サスーン南東・山の中、森との境付近】

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