140話

「140話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

140話」(2008/02/16 (土) 09:31:18) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第140話:she is not dead 「殺ス、ソノ三人組ヲ殺ス。クラウドノタメニ…」 夢中で山道を駆け抜けるティファの頭は、それだけしか考えられないほど錯乱していた。 三人組には意外と早く追いついた、なにやら立ち止まって話をしている。チャンスだ。 「アノ三人組ヲ殺セバクラウドはラクニナル。」 狙いをつけて引金に指を掛ける… 「マッシュ、どうした?いきなり立ち止まって。」スコールが声を掛ける。 「いや、なんかザックの中が熱いんだ…。なんだろ。」 ごそごそとザックをまさぐるマッシュ、その時スコールは異様な殺気を感じた。振り返ると背後に銃を構える人影。 「みんな!伏せろー!!」 「ぱん、ぱん、ぱん」 山道に銃声が木霊する。 「ぐはあ!」「きゃあ!」立ち上がっていた二人は、即銃弾の餌食となった。 「えっ。2人ともどうした!」 マッシュはザックの中身を確認するために、あらかじめ低い姿勢になっていたので銃弾から逃れることが出来た。 彼はすぐに2人のそばに駆け寄り、傷の確認をする。 「うっ…、私は何とか大丈夫。それよりスコールを…。」アイラは足に銃弾を受けたが、意識ははっきりとしていた。 「おい、大丈夫かスコール!返事をしろー!」それに対してスコールの傷は最悪だった。 右脇腹に一発、そして左胸の心臓の下あたりにもう一発。いや、もしかしたら心臓を傷つけてしまったのかもしれない。 現に彼は意識がなくぐったりしていて、その顔面は蒼白だった。 「動かないで。」 気が付くと背後に顔が焼け爛れてしまっている女が一人、銃口をマッシュの方に向けて立っていた。 「くっ…。」 これで終りか、マッシュはふと思った。 しかし、焦点のはっきりしない泳いだ彼女の瞳を見たとき、彼は直感でこう思った。 もしかしたら彼女は錯乱しているだけなのかもしれない、ゲームに乗った誰かによって焼かれてしまった自分の顔を見て。 現に彼女は今から人を殺そうとしているはずなのに、 何かにすがりたいような、ひどく頼り無く悲しい目をしていた。 マッシュは目の前の女性に気付かれないように、しずかにザックの中を探り始めた。 そしてさっきから熱を発している物体、ティナの魔石を強く握り締めて念じた。 かつて現世でピンチになったとき、魔石から幻獣を呼びだすのと同じ要領で。 「力を貸してくれ!ティナ!」 魔石はマッシュの手を離れ、空中に舞い上がる。そして、暖かい光を放ち始めた。 しかしその光は目を刺激するようなものではない。その場にいる者たちを優しく包み込んでいた。 マッシュはなぜか、モブリスの村で幸せそうに子供達と戯れるティナの姿が頭に浮かんだ。 そして次の瞬間、魔石から『妖精』が飛び出した。 桃色の肌に長い髪、それと美しい羽を広げて。 それは魔石になったことにより、完全に幻獣化したティナの姿。 彼女の発するまばゆく暖かい輝きで、もう辺りは昼間のように明るかった。 「傷が…。」 アイラの足を掠めた銃弾による傷が、みるみるうちにふさがっていく。 「うっ…。」スコールも眼を覚ました、そのとき銃撃による傷はもうふさがりかけていた。 そして三人が見たものはいつのまにか仰向けに倒れている女性の、焼け爛れた顔面を治療するティナの姿だった。 皮膚がただれ落ちてしまっているその両頬に、彼女は両手を当てた。掌からは溢れんばかりの優しい輝きが発せられている。 ティナは、三人を見て言った。 「大丈夫…、この人は悪い人じゃない。意識を取り戻したら必ず力になってくれるはず…。」 スコールは納得がいかない、といった表情でそれに反論する。 「俺達を殺そうとしたんだぞ?そいつは。」 「スコール、気持ちは分かるけどここはティナを信じてやってくれないか。」 「しかし…、!」 彼は反論する言葉を失った。今まで見たこともないような、マッシュの真剣なまなざしを見て。 「いいじゃない。」アイラも彼に言う。 「私はあの娘が間違った判断をするとは思えないわ。」 スコールは再びティナのほうを見て気付いた、彼女の強力な魔導の力に。 それはアルティミシアの悪しきそれとは違う、希望に満ちた力。彼女がいれば、奴とも対等に闘えるような気さえした。 「…分かった、信じよう」表情を変え、スコールは言った。 「ありがとう、三人とも。」治療を終えたティナは笑顔を浮かべて言う。 「私はいつでもあなたたちを見守ってる…、アルティミシアを倒してこの人殺しゲームを終わらせるまで!」 そう言ってティナは魔石に吸い込まれるようにして、消えていった。 まだ光が消えずぬくもりが残っている石を拾い上げて、マッシュは呟いた。 「そうだよな…、おまえはまだ死んでなんかいないよな…。」 「この石には…、一体どんな力が?」 「ああ、話そう。この娘もまだ目を覚まさないし。」 【スコール 所持品:天空の兜、貴族の服、オリハルコン(FF3) 、ちょこザイナ&ちょこソナー、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 【アイラ 所持品:ロトの剣、炎のリング、アポロンのハープ  第一行動方針:ティファが目を覚ますまで魔石についての説明を聞く  第二行動方針:ゲームを止める】 【マッシュ 所持品:ナイトオブタマネギ(レベル3)、モップ(FF7)、ティナの魔石  第一行動方針:ティファが目を覚ますまで魔石についての説明をする  第二行動方針:ゲームを止める】 【ティファ(気絶)所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ  行動方針:?】 【現在位置:アリアハン東山岳地帯、森と祠の中間地点】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。