164話

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*第164話:覚悟 ――殺された、自分達のせいで。 ――もういない、ラグナもエーコも。 「畜生…!」 (フン、負け犬の遠吠えだな。) マッシュの頭の中で誰かが応える。 ―兄弟子のバルガス。 まだダンカン師匠に弟子入りしたての頃、何度試合をしても奴にはかなわなかった。 (畜生…!なぜだ、なぜ…勝てない?) 打ちのめされ、傷だらけで地面を這いながら何度も俺はそう呟いた。 そしてそんな俺に、何度も奴はこう吐き棄てた。 (ふふ…、才能の差だ。俺は師匠の実の子だからな。赤の他人であるお前とは違う。) ――こんな時にあの頃を思い出すなんて。修行不足なんて言葉じゃあ…済まされないな。 2人の亡骸を前にして跪いたマッシュの目に、とめどなく涙が溢れた。 「弔って…、やらなくちゃね。」声が、震えていた。 アイラは平静を装ったつもりだった、こみ上げてくる言いようの無い怒りと悲しみをこらえて。 (恐らく2人ともすぐには立ち直れないでしょうね、さっき助けた彼女も頭を抱えて震えているし…  ここで私がしっかりしなきゃ…、…?) ――それは取り越し苦労だった、涙を払いながらゆっくりと立ち上がる2人。 ―彼等は強い。 話を聞いたわけでも、本を読んだわけでもない。 それぞれの世界で、それぞれの困難に立ち向かいそれを打破した者たち。自分と同じその力を彼女は感じ取っていた。 物からではなく人々の記憶からでもなく、今目の前に息づくそれそのものの存在から直に。 「そうだな、人殺しの…せめてもの罪滅ぼしだ。」 スコールは言った。何か吹っ切れたような、清廉な表情で。 「とりあえずアイラは脅えてるそいつに付いててやってくれ、あとは俺達がやる。」 そう言って振り返ったマッシュの目は、ティナを信じたあの時と同じ光が宿っていた。 「ええ、分かったわ。私もくよくよしていられないわね。」 アイラは、励まそうとした二人に逆に励まされた気がした。 (もうこれ以上誰も殺させない、仲間は俺達が守る。) 2人の覚悟が宿った表情を、青白い月灯りがより洗練なものにしていた。 【スコール 所持品:天空の兜、貴族の服、オリハルコン(FF3) 、ちょこザイナ&ちょこソナー、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 【マッシュ 所持品:ナイトオブタマネギ(レベル3)、モップ(FF7)、ティナの魔石  第一行動方針:2人の弔い 第二行動方針:ゲームを止める】 【アイラ 所持品:ロトの剣、炎のリング、アポロンのハープ  第一行動方針:ティファの介抱 第二行動方針:ゲームを止める】 【ティファ 所持品:コルトガバメント(予備弾倉×5)、エアナイフ  第一行動方針:不明】 【現在位置(四人共通):東山脈中央部の森・川辺付近】

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