204話

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*第204話:守りたいもの 一人と一体は、数時間前地下牢にいた男女と、ほとんど同じ行動をしていた。 台所で、そしてこの階段前の廊下で、このゲームの被害者を目撃したのだ。 もう、物言わぬ被害者を。 彼ら…リュカとケット・シーの行動と、彼ら…キーファとリノアが辿った軌跡との違いといえば、 被害者の墓を作るのではなく暴いたことと、この廊下で尻尾の生えた若者に会わなかったこと位だ。 リュカ達が、わざわざ作られた墓を暴いたのは、探し人がいるから。 丁寧に埋葬された状態では、それが誰なのかはわからない。 暴いた墓の主は、探し人ではなかったけれど。 「昔、墓を荒らした魔物を退治したことがあったんだ」 リュカはそんなことを漏らしていた。 その行為は気持ちがいいものではない。けれど墓の主のほうは、そんなことではすまされないだろう。 確認を終え、墓を元の状態に戻した後、そんなことで墓荒らしの罪が消えるわけではないけれど、 とにかく放置するわけにもいかずに元に戻した後、ケットー・シーは言った。 「悪いことですよ。けど、必要なことや。なんもかんも理想通りにはいかんのや。人も、会社も…」 二箇所目の墓を直し終えて、彼らは今後どうするかを決めなければならなくなった。 「この建物には俺達以外の何者かがいる。少なくともいたはずだ」 「殺した人と、墓を作った人やな」 「うん。そこで、少しこの建物を調べようと思う。二手に分かれて」 一瞬、ケット・シーの顔が強張った。 「分かれな、あきまへんか?」 墓を作るような、それなりの道徳観を持った人物ならともかく、殺人者のほうもまだこの建物の中にいるかもしれない。 「一階だけだよ。一時間たったらこの階段のところに戻ってくるんだ。ね、大丈夫だから」 リュカのおだては根拠がなかったが、ケット・シーは結局折れてしまった。 別にケット・シーの意思が薄弱なのではなく、どうも逆らえないという感じを起こさせてしまう。 しかも、それは悪い感情でないのだから、むしろたちが悪いと、ケット・シーは思った。 そして、一時間後、階段前廊下。 彼らの運は、いいにはいいなりに働き、悪いには悪いなりに働いた。 その頃殺人者たるハインは城の外に出ていたため、ケット・シーの杞憂は外れてくれた。 けれど一時間、二手に分かれてまで必死になって探したのに、現在この城の中にいるキーファ達と出会わなかったのだ。 キーファ達もリュカ達の存在を気づいていないのだから、相当運が悪いといっていい。 ちなみに、外の戦闘音はこの時点ではまだ城の中まで伝わっていない。 「収穫ゼロか」 「もう誰もいへんのやないですか?」 わかったことは、ここが結構広い城であること。外には城下町が広がっていること。 しかし日が沈んでだいぶたったため、肉眼で様子を確認するには困難があるということ。 「とりあえず、二階も調べてみる?」 「はぁ。けど、次は一緒に探しましょよ」 「うん」 彼らが二階に上がったのは、丁度ハイン戦にクラウドらの援護が来、そしてバッツ、ローグの二人が城下を出た頃だった。 階段の先は王室。広いが見晴らしがいい。パッと見、誰かがいるようには思えなかった。 「ココもハズレか。…ん?」 歩きながら辺りを見渡していたリュカの足に、何かが当たった。 拾ってみると、それは自分の持ち物によく似ているものが、壊れた残骸のように見えた。 「ねえケット・シー、これも銃?」 「え、ああ、そうです。ひどいな、つぶされてるやん」 「ここで拾ったんだ。へぇ、これも銃かぁ」 「壊れてなかったら使えるんに。ここで、戦闘でもあったんやろか?」 残骸とはいえ、銃に興味を持ち出しているリュカは興味津々にながめ、そしてそれを懐にしまった。 そんな時だ。光と音が、窓から襲ってきたのは。 土埃が、晴れた。 その人たちは、赤い血を流していた。 「お姉ちゃん、お兄ちゃん!?」 レックスはサイファーに走り寄る。真一文字に切り裂かれた、ひどい傷だ。ベホマを唱えているのに傷がふさがらない。 三度目を唱え終わったとき、ようやくサイファーの意識は回復した。 「大丈夫?」 「ああ、どうってことねぇ。くっ、不意打ち喰らって餓鬼に助けられるなんざ…ッグ」 意識が戻ったことに安堵のため息をついたレックスは、魔法を唱え続けながら、視線を横にスライドさせた。 そこには、倒れている女の人とその人を抱きしめる男の人がいる。 「…お姉ちゃんは?」 「……ない、……ないんだ」 パウロは、何かを言っている。レックスにはそれが聞き取れない。 けれど、パウロが面を上げたとき、その頬に伝っているのが涙だと、闇夜の中でもはっきりと認識してしまった。 「効かない、効かないんだ。ベホマも、ザオリクも…」 彼はそう言った。 レックスは呪文を唱えるのを止めた。 「くそ、くっそおおおーーーー!!!」 音としては、先程のサンダガに比べるまでもないが、思いのこもったその叫びは闇夜を振るわせた。 レックスは駆ける。 「レックス!!」 「止めろ、単独行動はまずい!!!」 テリーが、クラウドが止めようが、止まるはずがない。 レックスは勇者である。そうあるように育てられた。人々の希望を背負い、悪を討つ。そうしなければならない。 そして、金色の髪を持つ勇者の少年は、闇に飲まれた。 光も、音も、今はもう去り、また闇が夜を支配しだした。 窓により、こちらの姿をさらさぬようリュカ達は城下に目を凝らす。 光が大きかった所為か、闇はいっそう増しているように感じられた。 「自然の、雷じゃないね」 「サンダー系の魔法や。誰か、戦っとる」 ケット・シーはそういうが、リュカの世界では、雷の魔法は、勇者とごく一部の魔物しか使えない魔法である。 そして勇者とは、彼の息子。 目に映るのは闇ばかり。 けれど、もしあの雷がレックスのものだったらと考えると、何か手がかりでもと必死にならざるを得ない。 そして、掴んだ手がかりは、目からではなく耳からであった。 「声?」 リュカの左手はケット・シーの口元に、右手は耳にそれぞれ伸びた。 闇を震わす微かな、けれど確かな声。 「レックス」 音が消え、リュカがそう呟くと、彼はすでに次の行動に出ていた。 「あの声が、レックスさんなんですか……ってええーーー、何やっとるんやーーーリュカさーーん!!!??」 リュカは窓の淵に手をかけ、今にも飛び降りようと身を乗り出している。 「行ってくる。ケット・シーは隠れてて」 それだけ言うと、リュカは勢いよく窓を蹴り、夜の闇にはばたく。 「せ、せめて階段使いなはれーーー!!!!」 突然のことについ突っ込むべき箇所を見誤ったケット・シーだが、あわてて窓から身を乗り出して下を見、 傷一つなく地面に着地したのか元気よく手を振っているリュカを確認すると、どっと力が抜けた。 (あ、あかん。あの人、多分えらい強いと思うし、銃の腕もそこそこやけど、どっかずれとる。  絶対、家族のためならえらい無茶するはずや。ほおっておけんやろー、もう) 動くのは危険だが、ここでリュカがやられでもしたら、今後がさらに危険になる。 そういう利己的な計算も無きにしも非ずだが、むしろ説明しがたい、保護欲のようなものを掻き立てられる。 部長が星を守らなければならないと、そう思ったときと、もしかしたら同じ感覚なのかもしれない。 【リュカ 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ スナイパーCRの残骸  第一行動方針:レックスを探す 基本行動方針:家族、及び仲間になってくれそうな人を探し、守る】 【現在位置:アリアハン城外】 【ケット・シー 所持品:正宗 天使のレオタード  第一行動方針:リュカのもとに行く 基本行動方針:リュカを守る】 【現在位置:アリアハン城二階、王室】 【レックス(HP3/4程度) 所持品:ルビスの剣 オーガシールド  第一行動方針:襲撃者(セフィロス)を倒す 第二行動方針:家族を探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】 【現在位置:アリアハン城下町、南の入り口付近から城方向へ】 【サイファー(瀕死) 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)  第一行動方針:不明 第二行動方針:ロザリーの手助け 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【クラウド 所持品:おしゃれなスーツ アルテマウェポン 黒マテリア(メテオ)  第一行動方針:不明 基本行動方針:仲間を見つけ、守る 最終行動方針:ゲームから生きて抜ける】 【パウロ 所持品:破壊の剣(使う気0)  第一行動方針:不明 第二行動方針:ロランを探す】 【ロザリー 所持品:不明  第一行動方針:不明 第二行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 行動方針:不明 【トンベリ(トンヌラ) 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ  第一行動方針:不明 第二行動方針:わたぼうを探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】 【現在位置:アリアハン城下町、南の入り口】

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