228話

「228話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

228話」(2008/02/16 (土) 15:13:11) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第228話:襲撃と反撃 「クジャめ、派手にやっているな…」 天からふりそそぐ炎の矢を遠くながめ、セフィロスは独り呟いた。 あの子供一人にここまですることはあるまい。とすれば、城の中にでも他の参加者が潜んでいたのだろうか。 「まあ、あいつのことだ。簡単には死なないだろう」 言いながら、軒並み崩れた建物のなかで唯一原型を保っている武器防具屋を睨む。 割れた窓の隙間から、うっすらと赤いドームのような物が見える。 恐らく、バリア系マテリアのような現象だろう。 あの爆発と火災に耐えているのだから、その防御力は障壁魔法シールドをも上回っているかもしれない。 右手に握っている村正で突破するのは無理があるだろう。 クラウドが持っていた黒マテリアなら可能だろうが、 瓦礫の山から使えるかどうかもわからない代物を掘り出そうとする時間も余裕も今は無い。 ふと思い立って、懐に収めていたふういんのマテリアを取り出す。 セフィロスは生まれた時から、 いや正確には生まれる前から魔晄エネルギーによって強化された戦士、ソルジャーを造り出すための実験体にされてきた。 しかもニブル魔晄炉で一度クラウドに敗北して以来5年以上もライフストリームの中に閉じ込められていた。 そのためかどうかはわからないが、彼はマテリアが無くともある程度の魔法なら使えるようになってしまったのだ。 高度な魔法でもマテリアさえあれば武器や防具といった媒介も使わずに使うことができる。 しかし魔法を発動するには通常より少し時間がかかるため、 先のクラウドとの戦いでは満足に扱う事が出来なかった。 だが、このマテリアを使ってであの魔法のドームを破れるかどうかはわからない。 それでもないよりはマシだろう。淡いグリーンのマテリアを手に握り、セフィロスは暫く武器防具屋の方を凝視した。 相手にはカンの鋭いモンスターがいる上にここは建物から20メートルと離れていない。多分もう気づかれているだろう。 最初に攻撃を仕掛ける時に見た参加者の数は8人。 その内一人はその場で殺し、もう一人は一人になった所を叩いて殺し、もう一人は今ごろクジャの餌食だ。 3人がその場を離れたのだから結界の中に居るのは5人。 5人…一度に殺すには少し多い。先程のように奇襲を仕掛け、混乱させながら全滅に追いやるか。 すると、まずはあの厄介そうな結界を消滅させてしまおう。 恐らく、あの手の魔法は術者が死ねば制御を失い、消滅してしまうはず。 確かクジャの魔法で都市が崩壊した時、彼らをいち早く結界の中へと避難させたのは華奢な女性だったな。 それを考えると、結界を作りだして制御しているのは彼女だろう。 「よし、決まりだ」 セフィロスはまた独りで呟くと手に炎を宿らせ、武器防具屋へと放った。 パウロは床に転がっているセリスの死体をじっと見下ろしていた。 怯えて震えている僕に優しく接して安心させてくれ、僕の頬を思いっきり叩いて奮い立たせてくれたセリスさん。 そのセリスさんはもういない。 砂塵の中を走りぬける黒い影が一瞬で奪って行った。 あの時、何が起こったのかわからなかった。 いきなり雷が落ちて、目の前を黒い影が横切って行ったかと思うと、彼女はすでに死んでいた。 慌てて回復呪文を唱えても、もう何もかもが手遅れ、蘇生呪文ですら何の効果も無かった。 あんなに優しかったセリスさんを、一瞬で物言わぬ肉の塊に変えてしまった誰か… 許さない。 絶対に許せない。 絶対に許すわけにはいかない。 体を小刻みに震わせ、血が滲むほどに両手を握り締めていると、何処か遠くに隕石が落ちた。 「な…なんだ、一体?」 何か大規模な爆発が起こった跡を眺めながら、テリーが訝しげに叫ぶ。 それもその筈、突然空から岩塊が落ちてきたかと思えば、瞬時に周囲の建物を灰燼に帰してしまったのだから。 「メテオ…いや、それにしちゃあ少しデカ過ぎるぜ」 同じように巨大なクレーターを睨みながら、サイファー。 結界の外で、何かは知らないが大変な事が起こった。 そして、その危険が自分達の元に歩み寄ってくるような予感を、その場に居た全員が感じていた。 それから十数分して、それまで大人しく鎮座していたトンベリが、 ハッとしたようにきょろきょろと周囲を見渡すと、不安げな声を上げて暴れ出した。 「わっ!ちょっと、どうしたんだよ、トンヌラ?」 驚きながらもテリーがトンベリを落ちつかせると、魔物は彼に向かって必死に何かを訴える。 「え?危険?狙われてる?すぐ近く?わけわかんないよ。もう少し落ちつけって」 トンベリはやっと一息つくと、今度はゆっくりと「話し」始めた。 暫くして、銀髪の少年は蒼ざめた顔をあげた。 「…何なんだ?」 サイファーが訊くと彼は答える。 「真正面に誰か居る。サイファーさんとセリスさんを斬った奴だ」 「…マジかよ!?」 慌てた様子でサイファーが建物の正面から少し顔を出し、辺りを凝視すると、そいつはいた。 闇夜の中、しかも黒いコートを羽織っているのでわかりにくいが、 間違い無い、あの砂埃のなかで俺に襲いかかってきた奴だ。 風になびくコートは焼け爛れ、銀の髪はすこし焦げているが、ダメージその物はあまりなさそうだ。 「あんのチョコボ頭が…」 顔をしかめながらサイファーが呻く。 「なにが”俺一人でいい”だ。ただの犬死になんてロマンティックじゃねえオチつけやがってよ!」 死人の事を滅茶苦茶に言いながら破邪の剣を抜……こうとすると、その手は誰かに止められた。 パウロは剣を抜こうとするサイファーの手を抑えると、言う。 「サイファーさんはここにいて。そうしないと、ここを守る人がいなくなっちゃうから」 「…あ?」 「だってそうでしょう?もし結界を狙われたら――」 そこまで言かけると、何か赤い物が建物の壁にぶつかったと思うと耳を劈くような爆音が響き、窓ガラスをその熱風で叩き砕いた。 どうやらマーダーが本格的な行動に移ったらしい。見ると、刀を手にこちらに近づいてくる。 「ね?この結界が狙われたら、サイファーさんがここを守らないと。  城下町の外から誰かが助けに来るまでここは守り抜かないと。  それに…結界の中にいれば多分巻き込まれないで済むから。」 それだけを早口に言うと、サイファーが静止するのも構わず武器防具屋を出た。 「巻き込まれないって…何にだよ?」 「やはり破壊は出来ないか…」 少々焼け焦げ、抉られただけの壁を見ながらセフィロスは独りごちる。 刀を抜き、建物の方へ歩み寄る。 こうなっては下手に隠れるよりも、敵の眼前に姿を現した方が逆に動揺を誘える。 数歩近づくと、早速一人が建物から出てきた。 ただしその手には呪われた凶剣、破壊の剣が握られていた。 【サイファー(負傷、若干は回復) 所持品:破邪の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)  現行動方針:結界を護るorパウロに加勢する 基本行動方針:ロザリーの手助け 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【パウロ 所持品:破壊の剣、シャナクの巻物、樫の杖  現行動方針:武器屋内の人間を守る、結界の管理 第二行動方針:ロランを探す】 【ロザリー 所持品:世界結界全集、守りのルビー、力のルビー(ルビーの指輪)、破壊の鏡、もう一つ不明  現行動方針:祈り、呼びかける 第二行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 行動方針:襲撃者に備える 【トンベリ(トンヌラ) 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ  現行動方針:テリー達を守る 第二行動方針:わたぼうを探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】 【セフィロス(HP1/2程度) 所持品:村正  ふういんのマテリア  現行動方針:武器防具屋にいる参加者を殺す 最終行動方針:参加者を倒して最後にクジャと決闘】 【現在地:アリアハン城下町】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。