1話

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*第1話:リルムと王子 アーヴァインという青年の名が呼ばれてから、幾数人の名前が呼ばれた。 自分は最後のほうだった、そして呼ばれた。 「リルム=アローニィ」 その巨竜の声は、様様な邪悪な物が混じったかのようだった。 何故自分がここに居るのか、サマサに居たはずの自分が、何故? そう考えつつも、リルムは前へと進んだ。 そして、巨竜から渡された袋を手に、扉へ入った。 数分後、意識が飛んでいたが、無事に到着した。 もっとも無事にと呼べる状況ではないのだろうが。 周りは海、そして後ろに聳え立つ塔。 そして……首輪、先ほどの出来事が嘘ではない事を示す印。 でもそんな彼女にも、一つ安心できる事があった、それは言葉として現れた。 「おじいちゃん………居なくて良かった」 そう、唯一の肉親であるストラゴスがこのゲームに参加していなかった事だ。 それは、リルムにとっての最大の幸運だった。 そして、彼女は決めた。 生き残る、でも人は殺めない、生きてサマサに帰ると。 「よおし!あのケバケバおばさんを倒しに行くぞ!」 と、意気込みを入れ、袋の中を覗き込んだ。 中身は、彼女にとって幸運の品だった。 かつて英雄が手にしていたとされる、英雄の盾。 絵描きの彼女には嬉しい絵筆。 それと謎の指輪。 とりあえず、盾と絵筆を手に、歩いた。 リルムが塔を中心に半周するぐらいのときだった。 前方に大きな、何かが現れたのだ。 そして、何かにぶつかった。 「あ痛ッ!」 「うわぁ!」 その声は同時に重なった。 リルムは警戒していた、もう他の参加者が自分を狙っているのか?と。 そして…リルムにぶつかった、何か…否、なにかもこもこした物を着込んだ青年はこちらを向いた。 「……びっくりしたぁ、ん?君も……?」 その青年はリルムを見た、リルムも、青年を見た。 その後、青年は即座に顔を怒りの表情へ変え、拳に怒りを込め、地面を殴った。 リルムはその姿を怯えながら見ていた。 「クソッ!こんな子供にまでこんなふざけた事をさせるなんて…許せない!」 それは幾度となく続いた、何度も、何度も。 そして、その音がやみ、青年はもう一度リルムの方を向いた。 「すまなかったね…ビックリさせて、僕には敵意は無い、襲うつもりなんてさらさら無いよ」 その言葉と共に、剣が青年の足元に落ちる。 それを見て怯えていたリルムも警戒を解いた、こんな危険なゲームなのに警戒を解くというのは危険な行為だ。 だがしかし、リルムは解いた、なぜなら青年からは邪悪の気を感じない、むしろ誇り高き血が流れているように見えたからだ。 「イケメン兄ちゃん、あたしリルム。」 イケメン…という言葉に少し焦る青年だが、落ち着きを取り戻し、こういった。 「僕はロラン、どうだい?もし良かったら僕と一緒に行動してくれないか?  仲間を探したいんだけど…僕一人じゃ無理だろう?  そして…あの邪悪な魔女を……倒す!」 その答えは、笑顔で返ってきた。 「うん!あたしも協力する、よろしくね、ロラン!」 こうして、小さな魔導師と勇者の血を引く青年のタッグがここに結成した。 【リルム 生存確認 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪 【ロラン(DQ2ローレシア) 生存確認 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート ?  第一行動方針:仲間を探す 最終行動方針:ゲームから抜ける、アルティミシアを倒す】 【現在地:ナジミの塔付近西側】

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