337話

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*第337話:天使 「いたい、いたい、いったーい!!」 空中で放り出されたケフカは、着地に失敗して足を挫いていた。 ケフカは魔女に愚痴をこぼしながら、周りを見渡した。 一面の砂。 黄土色の鏡に日光が反射される、静寂とした砂の空間。 ケフカの体に太陽がじりじりと照りつける。 そして、その静寂を破るように数十m先で爆発が起こった。 「なんだか戦っていますね。触らぬ神に祟り無しとも言いますし…いや間違えました、ぼくちんが神でしたねえ。  とりあえず、様子を見ることにしましょうか」 見ると、長身の銀髪の男がモヒカンの男を殺そうとしているみたいであった。 先ほどの爆風をかわし、今まさに止めを刺そうとしていた。 「こうやってぼくちんが何もしない間にも、みんな殺しあっているみたいですねえ。  この分だとかなりレオしょうぐんのことも期待できそうです」 銀髪の男はモヒカン男を串刺しにし、何か語りかけると踵を返してその場を去ってゆく。 そしてモヒカン男は砂漠を這いずっていた。 どうやら、モヒカン男はまだしぶとく生きているようであった。 問題はここでどうするか、だ。 ほうっておいてもあの男は死ぬだろう。 彼が死んだってどうってことはないが、ゲームを破壊しぼくちんが君臨をするためには誰か魔女を倒すために先導する人間が必要だ。 見たところあの男、頭は単純そうではあるが、彼と行動することになればぼくちんが裏で動けなくなる。 これは賭けだ。危険ではあるが、この賭けに乗るのは面白そうでもある。 もし彼を助けるなら、重要になってくるのは彼を使ってどれほど多くの人間の信頼を得れるか、だ。 しかし、遠くで考えていても埒があかない。とりあえず、近づくだけ近づいてみようか。 砂漠を歩きながらケフカは思う。 なぜ私は以前、いや今も天使に憧れているのか。 以前の世界は私を受け入れようとはしなかった。 全ての価値観が私を否定していた。 そして、私自身も私を否定していた。 役立たずな元の私が、私を責め続けた。 人を殺すのに残虐も正々堂々もあろうか。 毒で殺そうが火であぶろうが串刺しにしようが全ては同じだ。 あの腐ったレオは元の私に重なる。気持ち悪い。 私はおかしくはない。私は間違ってはいない。 だが、間違っていると、レオは責める。だから、殺した。 でも、私は狂っていることを自覚している。 心のどこかでは誰よりも自覚している。 そんなこと分かっている。 ただ狂わずにはいられない。 そうでないと何もかもがおかしくなりそうだ。 そんな自分を対比させて、私は完全な存在に憧れたのだろうか。 ケフカはハッサンの目の前に立ったとき、とりとめもない考えを中断した。 この男、意識はもう失ったのだろう。 大量の赤が砂漠を染めていた。 「さてと、どうしましょうか。大した物は持ってないようですねえ。  このまま、絶望の死を遂げるのを見るというのもまた面白いですねえ」 ケフカは続ける。 「しかし、助けてみるというのも面白いかもしれません。  そして最終的に比べ物にならない絶望を与えてみましょうか。アーヒャヒャヒャヒャ!!  さて回復魔法というのは苦手ですが―ホレっ。さてと、後はこいつが目覚めるのを待ちましょう」 目覚めたら、何を言おうか。 金髪の男が危険だと言おうか。 このゲームを『破壊』したいと言おうか。 前の世界では軍人として人を殺したが、改心したとでも言おうか。 ガストラ皇帝のように、いやもっと簡単に、この男なら欺くことが出来るだろう。 「クックック、楽しくなってきましたねえ。  ただ、なんてここは暑いんだっ。ぼくちんは暑いのは嫌いなんだからな!」 【ケフカ 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール  第一行動方針:ハッサンを手玉に取る 第二行動方針:できるだけ多くの人にデマを流す  最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】 【ハッサン(HP 1/10程度)(気絶)  所持品:E爆発の指輪(呪)  第一行動方針:生きる、又は誰かに意志を継ぐ。  第二行動方針:オリジナルアリーナと仲間を探す  最終行動方針:仲間を募り、脱出 】 【現在位置:カズス西の砂漠】

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