391話

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*第391話:雲 「アーヒャヒャヒャ!まったく、ぼくちんは暑いのが苦手だと言ってるでしょ!  いつまで寝てれば気が済むんだろうね!このトサカ頭は!」 ケフカは相変わらず、カズスの砂漠でハッサンの目覚めを待っていた。 というのも、ハッサンは男性の中でもかなり大柄な体格であるため、ケフカ一人の力ではとても彼を背負ったまま、砂漠を移動することなどできなかったからだ。 「困りましたね…日もどんどん高くなっていますし、このままではもっと気温は上がりそうですしねえ」 このままこいつを置いていってやろうか、それも何度も考えた。 しかしわざわざ自分で回復してやった手前、それを無駄にするのは勿体無いのではないか。 ここまで待ったのだから、徹底的に『駒』として利用してやろう、そう決めた。 「とっとと起きなさいよ、ヒャヒャヒャ!」 うだうだと愚痴を漏らしながらも、こまめにハッサンに回復魔法をかけてあげているケフカは、なんだかんだでお人良しなのかもしれない。 「――暑い、なあ……」 ピエールのようじゅつしの杖によって吹き飛ばされたルカは、カズスの砂漠へと降り立っていた。 あたり一面、まるで出口のないような一面の砂は、マルタの国に居た頃に不思議な鍵を使って降り立った世界を彷彿とさせた。 「そういえば、あのときは仲間にしたモンスターたちと力を合わせて頑張ったっけ……」 しかし今回はそうも行かなかった、何故なら俺は今、一人だから。 仲間と離れ離れになってしまったという不安が、歩くたびまとわりつく砂とともにルカの体力を奪っていく。 疲労していくにつれて、ルカには不安が更に重くのしかかっていく。 もしかしたら、俺が居なくなったあとあのスライムナイトにギードもトンヌラもテリーもやられてしまったのではないか。 もしかしたら、イザもどこかで誰かに殺されてしまったのではないか。 もしかしたら、もう知り合いは誰も居ないのではないか。 そして俺もまた――この砂漠で干からびて死んでしまうのではないか。 「空でも飛べれば、みんなの様子を見にいけるのに―――」 そこで思い出したのは、ワルぼうにもらった力。大空の盾によってもたらされた『空中を移動する能力』。 コレを使えばみんなの様子を見に行くまでは無理にしても、砂に足を取られることくらいは防げるかもしれない。 目を閉じて、強く念じる。するとやがて、雲のようなものが目の前に現れた。 ルカは素早くその雲に飛び乗ると、その雲は地上から少し浮いた状態でゆっくりとまっすぐに動き始めた。 うまくいった。これなら、無事に砂漠を渡りきれるかもしれない。暑さはあるが、それだけだ。 これなら体力を残したまま、砂漠の出口まで移動できるだろう。 するとやがて、砂以外の景色を視界に捕らえた。 それは出口ではなく、二人の人間だった。そのうち一人は倒れており、一人は奇妙な笑い声を上げている。 ルカはその光景を見て――倒れている男が血まみれであることを確認し――反射的にウィンチェスターを構えた。 (――人殺しなんか、絶対に許すもんか!) 人の気配を感じ取ったケフカが向いた先には、雲に乗る少年の姿が見えた。 「おや、今度は子供ですか。何に乗っているのかよく分かりませんが  ぼくちん、暑いのも嫌いだけどガキも嫌いなんですよね、ヒャッヒャッヒャ!」 しかし、子供であれ人手は人手である。ましてや小さな子供は殺し合いに参加しているとは考えにくい。 みたところ純粋そうな少年であるし、このトサカ頭を砂漠の外に移動させる手伝いもしてくれるのではないか。 (――それに、子供は騙しやすい上に子供の話というのは他人の信頼を得やすい。  なにやら乗り物を出せる能力も持っているようですし、手駒としては優秀ですね…贅沢も言っていられませんか) すると少年が雲から降り、銃のようなものを構えてこちらを警戒している様子が見えた。 どうやら足元にトサカ頭が血まみれで倒れているのを見て、ぼくちんのことを殺人者の一人だと誤解しているようだ。 ……確かにこの状況では誤解をされても仕方ないのかもしれない、迂闊だった。 「そこのガ…じゃない、子供!ちょうど良かったです、ちょっとこの男を安全なところに運ぶのを、手伝ってもらえませんか?  ぼくちんが回復してあげたはいいですが、まだ目を覚まさないので、とりあえずこの場から移動したいんですよ、暑いですしねえ」 と、言いながらトサカ男に向かって回復魔法を唱えて実演してみせる。 魔法を見たところで、少年もようやく警戒を緩めてくれたようだ、銃を降ろして、こちらへと向かってきた。 (ヒャヒャヒャ、ちょろいもんですね、やっぱり甘ちゃんばっかりですねえ) 簡単に話を聞いたところ、このケフカという人は 「ぼくちんはこのトサカ頭の人(ケフカも名前は知らないらしい)が死にそうだったところを助けた、いい人なんだよ、ヒャッヒャ!」 ということらしい。(見た目もだけど、自分のことをぼくちんと言ったりするあたりとても怪しい人だ) しかし確かにこの人の傷はケフカの武器でつけられるようなものではなかったので、素直に信じてみることにした。 そして詳しい話は砂漠を出てからしようと言う話になり、まずはトサカ頭の人を運ぶことになった。しかし――― 「すごい鍛えてる人だな、二人がかりでもとても運べそうにないぞ」 「鍛えてるんだったらとっとと起きてほしいもんですねえ」 仕方がないので、もう一度『空中を移動する能力』を使って、雲にトサカ頭の人を乗せて運ぶことになった。 この人は体が大きいから、俺は乗らずに歩くことになった。これだと俺のほうが砂漠を出る前にへばってしまいそうだけど。 そもそもどの方角に行けば砂漠を抜けられるかも良く分からないけど。新しい仲間も出来たばかりだし、頑張ろうと思った。 【ルカ 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる) 、風のローブ   第一行動方針:砂漠を抜けて安全なところへ  第二行動方針:ギードたちと合流する】 【ケフカ 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール  第一行動方針:砂漠を抜けて安全なところへ  第二行動方針:ハッサンやルカを手玉に取り、多くの人にデマを流す  最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】 【ハッサン(HP 1/5程度)(気絶)  所持品:E爆発の指輪(呪)  第一行動方針:生きる、又は誰かに意志を継ぐ。  第二行動方針:オリジナルアリーナと仲間を探す  最終行動方針:仲間を募り、脱出 】 【現在位置:カズス西の砂漠】

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