413話

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*第413話:道化を演じてみる 「レビテト!」 ルカとケフカの体が浮き上がる。 「うわ、すごいや! 初めて見る魔法だよ」 「ヒャヒャヒャ、ぼくちんにかかれば、これくらい朝飯前だ」 とにかく、これで砂に足を取られるのは防げる。移動するには足を動かす必要があるけれど。 が、ここで足にまとわりつく不快感。地面に気を取られなくなると、どうにもこっちが目立ってくる。 「ほれ、靴の砂!」 「???」 ガストラ帝國の兵士なら、これに条件反射的に反応するのだが、部下でもないルカに言っても仕方がない。 「まったく、気が利きませんねぇ。なんだって、ぼくちんがこんなことを…。  このトサカ頭が起きたら、徹底的に仕込んで、召使いにしてやりましょうかね。  でも、ぼくちんの言うことを理解できる頭を持っているんでしょうかねぇ?」 愚痴をこぼしながら、自分の靴に入った砂を掻き出すケフカ。 「ところで、この雲は一つしか出せないのですか? ぼくちん、歩くのはもう疲れたんですけど」 「残念だけど、一つだけしか無理だよ。それに、この雲はまっすぐにしか飛ばないから、はぐれたら困るでしょ」 「ま~ったく! それならとっとと起きて、自分で歩いてもらいたいもんだ!」 「ケフカさん、まさか自分が乗る気なの?」 大人なのに、という言葉は飲み込んでおく。 「ぼくちんは疲れたんだ! さっきからずぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っと歩いてるんだぞ!  それにしても暑いですねぇ。暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い…アッツーイ!!  うっきゃー! コイツ、このぼくちんに回復魔法をかけてもらっておきながら、まだ起きないなんてシンジラレナーイ!  子供、お前の方がずっと優秀だ! ここまで足を引っ張るやつは、捨ててしまいましょうかね!」 ケフカが大げさな演技をする。その滑稽さに笑い出すルカ。ちなみに、半分本心である。 「…ん? ここは?」 すると、笑い声やら大声やらで、タイミング良くハッサンが目覚めた。 「捨てようと言った途端にお目覚めですか! ちくしょう、どこまでぼくちんをコケにすれば気が済むんだ!」 ケフカが地団駄を踏み始める。 ハッサンにはどうにも状況が飲み込めない。しょうがないので、ルカが自己紹介を始める。 「あ、やっと起きたんだね。俺はモンスターマスターのルカ。こっちはピエロのケフカさん。  おじさんが倒れていたのを助けてくれた人だよ」 ピエロと聞いて、強引に目の前の状況を納得したのか、ハッサンも自己紹介を始める。 「おう、アンタらが助けてくれたんだな。俺はハッサンだ。でも、おじさんは無いだろ。俺はまだ若いぞ」 「ヒャヒャヒャ、トサカ頭は、オジサンだと相場は決まっているんですよ!」 レオを意識している。ちなみに、彼はモヒカンが好きではない。理由はレオがモヒカンだから。 「さ、早くぼくちんと雲に乗る順番を代わるのだ」 今にもハッサンを蹴り落とさんが勢いで迫るケフカ。だが。 「待ってくれ、この指輪に震動を加えると爆発するから、下手に歩くわけにはいかないんだ。…くれぐれも試さないでくれよ」 念は押しておく。ここで爆発したら本当にシャレにならない。 ちなみに、ルカが仲間がシャナクの巻物を持っていて、それで呪いは解けるだろうということは伝えておいた。 さて、上記のいかにも精神年齢が低く見えるケフカの行動だが、これにも理由がある。多分。 ルカはまだ幾分感情に流されやすいところもあるものの、鋭い洞察力も備えている。 そして、ケフカはその格好と言葉遣いのため、警戒されているのを感じ取った。 警戒されたままでは信頼など築けるはずもなく、ふとしたことで真意が読まれてしまうかもしれない。 そこで、自分はこういうふうなおどけたピエロなんだと誤認させ、警戒を完全に取り去ってしまおうということである。 ケフカにとって、真面目な態度よりもこっちの方が演じやすいのもあるが。 そのうち、ハッサンもこんなときでも明るく振る舞える立派な人間と認識してくれるはずだ。 目はまともに合わせない。目は口ほどにものを言うからである。 この方法は、子供には効果があるものだ。警戒心を取り去るのは成功している。 それに加えて、わざとふざけていた人間がまともな言葉を言うと、結構説得力がある、そうだ。 遊び人こそが賢者になれるのもそのあたりが関係していたりするのかもしれない。 「ところで、この砂漠は広いのか?」 「いや、広くはないと思うけど、同じところをまわってるみたいで、抜けられないんだよ」 「ああ、そういうことなら、俺に任せてくれよ」 そう言って、ハッサンは目を閉じる。 「この男はまた寝るつもりですか? ぼくちんはさっきから歩きっぱなしだというのに…。  ぼくちんをここまで馬鹿にするなんて、チックショー! 蹴り落としてやる!」 本当に蹴り落とさんが勢いである。限界でも近いのだろうか? 「待ちなよ。ハッさんには砂漠を抜ける考えがあるんだよ。だよね?」 「ああ、そうだ。だからちょっとの間だけでいい、集中させてくれないか」 鷹の目。盗賊を一度は極めたハッサンにも、このスキルは使える。 もっとも、盗賊が本職であるローグに比べると、色々な面で少し劣ってしまう。 ちなみに、鳥目になるから、鍛えてないと夜は使いにくかったりもする。 ハッサンの眼差しが、タカのように大空を駆け抜ける。 ルカのすごーいコールとケフカの変人コールが凄まじい。 東。廃墟だ。村があったようだが、おそらく大規模な戦闘があったのだろう。人は見当たらない。いないのだろうか? だが、村を廃墟にした張本人がまだ潜んでいる可能性もある。油断はできない。 北は森が深く、よく分からない。 北西。谷を誰かが駆けてきている。あれは、もしかしてテリーだろうか。 だが、テリーはデュランの配下として参加していたはず。 デュランは死んだため、その状態は解けたのかもしれないが、そうではない可能性も高い。 自分一人ならいいが、ルカとケフカも連れていって大丈夫だろうか。 もし、テリーが元の状態に戻っているなら心強い味方となるのだが。 ルカの仲間と合流する場合、この方向に進む必要がある。 見たままのことを伝え、相談する。 そして、一同は砂漠を抜けるために進み始めた。 【ルカ(浮) 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる) 、風のローブ   第一行動方針:砂漠を抜けて安全なところへ  第二行動方針:ギードたちと合流する】 【ケフカ(浮、MP消費) 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール  第一行動方針:砂漠を抜けて安全なところへ  第二行動方針:ハッサンやルカを手玉に取り多くの人にデマを流す、何を言おうか考え中  最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】 【ハッサン(HP 1/5程度)  所持品:E爆発の指輪(呪)  第一行動方針:砂漠を抜けて安全なところへ。  第二行動方針:オリジナルアリーナと自分やルカの仲間を探す、特にシャナクの巻物で呪いを解きたい  最終行動方針:仲間を募り、脱出 】 【現在地:カズス西の砂漠→移動】

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