147話

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*第147話:守りたい心 ガギッ! クラウドとパイン、それぞれの持つ刃がぶつかり合って嫌な音を立て、また離れる。 …もうこうして幾度、攻防が続いたことだろうか。 クラウドの体の芯には、澱のように疲労が溜まり始めていた。 (それでも…俺は負けるわけにはいかないんだ。) 参加者名簿に、死んだはずの彼女の名を見つけたとき。 死んでいるはずの彼女が、何故?と疑問が脳裏をかすめたのは一瞬で。 あとは、喜びのほうが大きかった。 今度こそは、死なせずに済むかもしれない。 今度こそは、守りきれるかもしれない―― ――だが、その望みは、僅か半日足らず。魔女が彼女の名を呼んだ瞬間に潰え去った―ー また、守れなかった。 また、死なせてしまった。 その事実が、何よりも痛切な悔恨となって、彼自身をさいなんだ。 悔しい。心が痛い――もうこんな思いは、嫌だ- だからこそ、残された仲間たちは、守らなければ。 (ザックス…ユフィ…シド…ケット・シー…ティファ。待っててくれ!) 大振りな一撃をバックステップしてかわし、続いて急所を正確に狙ってくる 刃を、アルテマウェポンで受け止める。 クラウドは躓いたと見せかけてわざと隙を作り、パインの剣を誘った。 すかさずパインが彼のがら空きになった首筋を狙って、アイスブランドを振り被る。 ――狙い通り。そこにできた僅かな隙を、クラウドは見逃さなかった。 下から上へ、掬い上げるような一撃を見舞う。 …パインの身体には縦一文字に深い傷が刻まれ、どさり、と音をたててゆっくりと前のめりに地に臥した。 そのパインをちらとだけ見下ろして、クラウドは眼前にそびえる大きな建物と、狭くないらしい町を見やった。 町ならば。人が集まるだろう。 現に耳を澄ませてみれば、複数のものらしい人の声も、風に乗って聞こえてくる。 あるいは守るべき人も、そこにはいるかもしれない。セフィロス達から身を隠すにも、 建物の多い町はうってつけだろう。 そう判断したクラウドは、倒れたままのパインには目もくれずに、身を翻して駆け出した。 ――だから、彼は気が付くことはなかった。 地に臥した彼女の指先が、僅かに慄いたことに。 それは彼女の持てる生命力か、スフィアに宿った魔物の妄執が成せる業か。 指先が土を僅かに握り締め、腕に、足に少しずつ力が入り――這うようにして身を起こしたことを。 【クラウド(疲労)所持品:おしゃれなスーツ アルテマウェポン  基本行動方針:仲間を見つけ、守る 最終行動方針:ゲームから生きて抜ける】 【現在位置:アリアハン城下町南の入り口付近→町へ】 【パイン(ダークナイト、重傷+凶暴化)  所持品:うさぎのしっぽ 静寂の玉 アイスブランド ドレスフィア(ダークナイト)  行動方針:全員殺害。正気を取り戻した場合は不明】 【現在位置:アリアハン城下町南の入り口付近】

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