478話

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*第478話:カーペット・"レ"ミングス 遠くでまた、戦闘を暗示するように雷、ついで流れ星が落ちる。 森から幾分か離れていた分だけ、ユフィはそれをはっきりと受け取ることができた。 最初に自分が向かった光の方向からはずいぶん北西に遠い。 その遠さを教えてくれるようにだいぶ遅れてそれらのものであろう音がわずかにごう、と鳴った。 「行かなきゃ」と「遠いなぁ」を同時に心中で発声。 ポジティブな部分は仲間や誰かのピンチを想像させてユフィの危機感を煽り、 ネガティブな部分はみじめで一人ぼっちの現実を掻き立ててユフィの無力感を煽る。 「動くな。争いを求めぬならば我らの話を聞いてくれるか」 「私はパパス、そちらがオルテガ殿だ。そなたの名は?」 「ひぃええっっ!??」 すっとんきょうな声をあげて全身で吃驚仰天を表現するユフィ、 疲労と不安は接近していた気配を見落とすほどに彼女を追い込んでいたらしい。 その怪しい動きに反応してオルテガの斧がユフィに迫り、頸部にその武骨な刃が突きつけられた。 残っている腕をあげ、降参の意を示す。 「す、ストップッッ! 抵抗しないからっ!」 「……落ち着いてくれ。私はパパスで、そちらがオルテガ殿。そなたの名は?」 「あ、あたし、ユフィ……です。あの、斧、オノ、下げて欲しいな…くれませんか?」 二人の男の間に無言の合図が交わされ、スッとオルテガが離れる。 あまりにも簡単に突きつけられていた警戒心が解かれたことに拍子抜けするユフィ。 その疑問を制するようにパパスが話し始める。 「ははは、目を見れば大体その人の善悪くらいは知ることができる、経験と言うものかな。  さて、では自己紹介もすんだところで情報の交換でもいかがか?  そなたはずっと一人で行動していたのかな」 「でねっ、追いすがるそいつらを振り切ってなんとか逃げてきたんだけど…  ラムザとケフカと、はぐれちゃって」 「悪の総帥と参謀、それに部下の三人組、か」 「…それに、カインのことも心配なんだ。誰かが…多分フリオニールって奴だと思うんだけど、  悪ーい噂を広めて回ってるみたいなの。  カインは結局フリオニールをどうにかするんだって一人でカズスへ行っちゃったけど  大丈夫かな。無事でいるかな…」 右腕を失った経緯、セフィロスのこと、そして浮遊大陸にやってきてのもろもろ。 夜に入ってから森で遭遇した出来事までノンストップでユフィの話が進む。 パパスは、ユフィが仲間だと語ったケフカというあの道化師の人となりを思い出し、最後に垣間見た彼の表情を、あの時の違和感を思い出していた。 そして、今はそれを確かめる好機だということも理解する。 「つい先刻遠くに見た落雷と流星も戦闘の影響だろう。この森はまさに今戦場か。  しかし……手が足りぬな。どうする、パパス殿」 「オルテガ殿、ユフィを頼めるか? 私が森へ入りラムザとケフカを探して来ようと思う。  いや、もとより危険は承知。だが我らが分かれるほかあるまいよ。  オルテガ殿はユフィを連れてカズスへと向かってくだされ」 「そんなっ…」 「了解した!」 低い声でオルテガが答える。一度ずつ頷きあったあとでパパスは即座に北へ向かって行った。 「待ってよパパス! あたしの代わりに危ない目になんて遭わせられないよっ!」 「心配するな、パパス殿は強い。今のそなたなんぞより何十倍も頼りになるぞ。  さて、任されたカズスの方もかなり火急を要するな。急ぐぞ!」 「わわわぁ!?」 意向を尋ねられることも無くお姫様抱っこで持ち上げられるユフィ。 オルテガの強靭な肉体は負担を微塵も感じさせず彼女を軽々と抱えたままカズスの方角へと爆走を開始した。 「大丈夫だって、恥ずかしいからっ! もう、自分で走るってば!」 ユフィの抗議が聞き届けられたのは右手に夜の砂漠を見るようになってからしばらくしてのこと。 結果として爆走は一時停止となる。 こちらに背を向けてどこかうつむき加減で悲しげなユフィの姿を オルテガは精神的な苦労と肉体的な疲労による消耗、不安、弱気のためだと判断した。 こういうときに必要なものは何か、と考える。 その時ユフィは「強引過ぎるよ」とか「お姫様抱っこなんてぇ」とか愚痴っていたわけだが、 ともかく状況の急変に心の整理を付ける。 パパスとオルテガはあたしを助けてくれるんだから、今はカズスに一緒に行ってカインと合流しよう。 二人を信じて、一緒に行こう。うん、正義は負けないんだから! 大きく深呼吸をして、振り返る。 「それじゃ、カズスへ行こっ………ってナニソレーーーッッ!??」 オルテガがいた場所には代わりにみょーな覆面を付けた男が立っている。 ってあのミスリルアクスはオルテガのだからあれはオルテガなのー? 「ぷっ、あはははははははっ、ごめん、くくっ、あはははは!!」 ご丁寧にマントまで付けたその格好は渋かったオルテガと打って変わって まるで変しt……とにかく微塵もシリアスさの無い姿。 「ごめ、ごめん、でも、でも、あはははっ、なっ、ナニその格好?  ナンデ、どーしてそんなコトになっちゃったのー!??」 彼女をどこか侵食しつつあった暗さ、それを吹き飛ばすように笑い転げる姿。 それを見てオルテガは満足げに頷く。 ネガティブなものをぶっ飛ばす最大の良薬はやはり笑いをおいて他に無い。 そればかりか自分も高揚し新たな活力が湧いてくる気分でさえある、不思議だ。 「では行こうではないか、我がタッグパートナーよ!」 「おうさ、オルテガー!!」 覆面、マント、オノの三点セットを備えた筋骨隆々の変態もといあらく…じゃなくてオルテガと そのテンションに適応し異常に意気投合した片腕の少女、ユフィは爆走を再開する。 マスクド・オルテガとユフィ・ザ・ニンジャ。 タッグを組んだ二人の行く先にはバラ色の未来と栄光の勝利が待って…… いや、正直不安である。 【パパス 所持品:パパスの剣 ルビーの腕輪  第一行動方針:ラムザとケフカを探し、カズスでオルテガらと合流する  第二行動方針:自分のケフカに対する疑いを探る  第三行動方針:仲間を探す  最終行動方針:ゲームの破壊】 【現在位置:サスーン南東の森へ】 【オルテガ 所持品:ミスリルアクス E:覆面&マント  第一行動方針:ユフィを連れてカズスへ向かう  第二行動方針:アルスを探す  最終行動方針:ゲームの破壊】 【ユフィ(疲労/右腕喪失)  所持品:風魔手裏剣(19) プリンセスリング フォースアーマー ドリル 波動の杖 フランベルジェ】  第一行動方針:オルテガと共にカズスへ向かう  第二行動方針:アポカリプスを持っている人物(リュカ)と会う  第三行動方針:マリアの仇を討つ  基本行動方針:仲間を探す】 【現在位置:カズス西の砂漠の北辺】

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