151話

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*第151話:長い休息 それは日が沈む少し前。 アリアハン城地下牢。そこに断続的に銃声が響いていた。 「うん。八割方当るようになった」 リュカとケット・シーは洞窟を抜けた先にあったこの地下牢で、 休憩を兼ね、リュカにとっては初めて使う武器である銃の練習をしていた。 地下牢に直接通じる兵宿の扉が閉まっていれば、銃声の音は完全に遮断され、城内に誰かいても気づくことはない。 そしてその扉はご丁寧に以前ここにいたキーファ達が閉めていたので、リュカは心置きなく練習が出来たのだ。 「リュカさんって飲み込み早いんやなぁ。すぐにヴィンセントにも追いつきそうや」 「ヴィンセント?」 「ボクの知ってる限り、その銃使うとった人や。このゲームには参加してへんけど」 「そう…」 よかったね、というべきなのかと、リュカは一瞬迷った。 しかしヴィンセントという人物がどんな人なのかがわからない以上、下手なことはいえない。 そして思う。 リュカはケット・シーに家族や仲間のことを話したが、ケット・シーのことは全然聞いていない。 何とはなしに聞いてみると、ケット・シーはこそばゆそうに頭を掻き、だが口を閉ざしはしなかった。 「う~ん、知り合いゆうてええんか、ちょっとわからんのですよ。  僕は知ってる人たちなんですけど、クラウド達は本当は部長の仲間やったわけですから」 「どういうこと?」 そしてケット・シーは語った。かつて星を救った者達の冒険のことを。 その冒険でリーブと言う男が、遠隔操作でロボットを操り参加していたことを。 「そのロボット言うんが『ケット・シー1号、2号』なんや。  ボクはその時の記録データをインストールされた『自立行動型ケット・シーVol 7.03』量産型の一体なんです。  せやから、クラウド達には直接会ったことなくて…」 「へ、へぇ…」 リュカは決してバカではない。 しかし耳慣れない単語をふんだんに含んだ話というものは、人間の脳みそを一時的に混乱させてしまうものである。 「まぁ外見は全く一緒やし、記憶とか能力とかもほとんど違いはありません。  性格も、部長の人格まんまの人工知能やから、多分クラウド達に会っても絶対見分けつかん自信ありますよ~」 そんな時、地震のような揺れとともに、あの魔女の声が響いた。 銃声も漏れぬ密閉した地下牢にも、何か魔法でもかかっているのかその声はよく響いた。 そして、それが終わったとき、再び戻ってきた静けさは、もう以前のものとはかけ離れていた。 まだ、耳に魔女の声が残る。 「サンチョ…、ピピン…」 口にするのは簡単で、ついに再会することは叶わない。 幼いときから見守ってくれていた人。 尊敬のまなざしでいつもみてくれて、声をかけただけで歓喜してくれた人。 ふと、隣を見る。 魔女が口にした名前の中には、ついさっきケット・シーが話してくれたばかりの人たちもいた。 「…バレット……、…エアリス……」 とても小さい、場所がこんなところでなければ多分気づけなかったであろう程小さな声。 会ったこともないのに記憶だけある人物。 一体自分はどういう感情を持てばいいのか…。 「そろそろ行きましょ。リュカさんの腕も相当上達したし、もたもたしてたら本当に家族に会えへんことになりますよ」 それでもケット・シーは、まだ生きている、記憶だけの知り合いに会いたいとは言わない。 「うん」 リュカはただ、頷くだけだった。 【リュカ 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ 【ケット・シー 所持品:正宗 天使のレオタード  第一行動方針:移動開始 基本行動方針:リュカの家族、及び仲間になってくれそうな人を探す】 【現在位置 アリアハン城地下牢】

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