224話

「224話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

224話」(2008/02/16 (土) 16:01:34) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第224話:Reunion (Distantly remix) 炎。 炎炎炎炎炎炎炎。 その視界の多くが、炎――――― 「キーファ…キーファ!しっかり!ねぇ!」 「おやおや、美しい愛だねぇ…」 倒れる者がニ人。 叫ぶ者が一人。 怒りを表す者が二人。 笑みを浮かべる者が一人。 「リュカさん……こっちはかすりおっただけですから大丈夫です。とにかくあいつを倒さへんと…」 「仲間を見捨てるわけにはいかないだろう…?」 倒れる者に癒しの光を与える者が一人。 それを見つめてまたも笑う者が一人。 悪夢が、その場を、支配した。 クジャの手から弧を描いて放たれた炎は、5人を確実に狙っていた。 その為、ジタンもケット・シーも少なからずダメージを受けていた。 しかし本人も言ったように「かすっただけ」であり、 ジタンはその盗賊の力を発揮してぎりぎり急所は避けることは出来た。その右足を焼かれてはいたが。 更にはリュカも、炎を呪文で相殺し、奇跡的にも無傷だった。 だが、問題は別の人物にあった。 「キーファ…キーファ!しっかり!ねぇ!」 キーファが倒れていた。 リノアを下敷きにして、護るようにして倒れていた。 自分へと降り注いだ炎とリノアを狙った炎を同時に受けて、そこに。 キーファに向かって叫ぶリノアを尻目に、クジャはリュカの方を見た。 視線の先で、リュカはクジャの動きを警戒しながらも回復呪文をケット・シーに、そしてジタンにもかけていた。 先ほどの咄嗟の行動からしても、クジャは少しリュカに対する不快感を覚えた。 仲間の事を一心に護り、かつ完璧に自衛を図ったリュカ。ある種尊敬するが、少し憎たらしい。 「僕は、息子を探さなくちゃならない。君に付き合っている暇は無いんだ」 手を止め、怒りを目に宿して、リュカはそう言った。 そして竹槍を構え、また相手へと突進した。 「……無謀な事は美しいこととは言えないよ。それくらい知ってるでしょ…『お父さん』?」 そう言ってリュカの方に手を翳したクジャの手から、目が焼けるような程の閃光が放出された。 そしてリュカが反射的に目を閉じた瞬間に爆発が起きた。 真っ直ぐ突っ込んでくる相手にカウンターを合わせる事など、造作の無いことだ。 クジャはリュカに発破をかけ、ボロ雑巾の吹き飛ぶリュカの姿を見た。 そしてまたジタンへと視線を移す。 「あそこの2人は動くつもりが無い様だし……さぁジタン、再開といこうか」 シニカルな笑みを浮かべて、そう言った。 一方リュカは、爆破の衝撃でかなりの距離を飛んでいた。 そして地面に落ちてもそのまま少し転がってしまった。 それほど衝撃のあるものだったのだ。普通の人間なら死んでいるところだ。 だが、リュカは立ち上がった。 まだ怒りは消えていない、息子にも会ってはいない。 まだ死ぬわけにはいかないのだ、死ねないのだ。 そこまで考えて、ふと周りを見た。 「……城の堀か」 そこは陰になっていて、他からは見えない場所。 水が張られ、外的からの侵入を防ぐ役割を持った堀だった。 しかし近くに攻めてくる軍もいないため、実際は子どものプールの様な深さにしか水は溜まってはいない。 ………まぁ、そんな背景はリュカには知る由がないのだが。 そして、堀を眺めているうちに…リュカは見た。 否、見てしまった。 堀の中に、金色の何かが顔を覗かせているかの様に佇んでいた。 それは動かない。微動だにしない。そして、堀には全く馴染みはしない色だった。 見てはいけない気がした。 見てしまったら、自分が何か最悪な可能性も見てしまいそうで。 だがリュカは、皮肉にも好奇心は会ったし、 察しも早い人間だった。 ―――ゲーム開始直後の日が昇っていた頃。 レーベの村で、ある青年が金の髪の少女を見つけた。 ただその少女の場合は…ちゃんと生きていたし、動いていた。 そして彼女はそのまま青年と今も行動を共にし今も生きている――― だが、今回は違っていた。 同じ金の髪を持っているのに、同じ年齢なのに。 同じ親を持つのに。 「………レ……ック…ス?」 更に、少女と違っていることどんな事がわかるだろう。 金の髪を持つその子どもは…動きもせず、瞬きもせず、返事をする事もない。 笑う事もなく、泣く事も無く、悲しむ事も無かった。 だって、死んでいるのだから。 「レックス!答えてくれよ…レックス!」 リュカはすぐに堀に下り、レックスを抱き寄せた。 動かないレックスは、いつもよりもそれはもう素直に腕の中へ潜っていく。 何故、見つけられなかった。 何故、救えなかった。 冷たかっただろうに。 寂しかったのだろうに。 助けてほしかっただろうに。 自分がそうであるように、家族を探したかっただろうに。 あの光が、邪魔をした。 「くっ…う……あぁあああぁぁああぁあぁあぁぁぁぁあああ!!!!」 リュカの叫びは、誰にも届くことは無かった。 向こうにいる仲間にも届かない。 傍らの息子にも、もう届くことは無い。 【ジタン(右足負傷) 所持品:英雄の薬 厚手の鎧 般若の面  第一行動方針:クジャを倒す 第二行動方針:仲間と合流+首輪解除手段を探す 最終行動方針:ゲーム脱出】 【ケット・シー(かすり傷) 所持品:正宗 天使のレオタード  第一行動方針:クジャを倒す 基本行動方針:リュカを守る】 【キーファ(気絶・HP 1/7程度?) 所持品:攻略本 釘バット(FF7)  第一行動方針:クジャを倒す 第二行動方針:フィンと合流しゲーム脱出】 【リノア 所持品:賢者の杖 ロトの盾 G.F.パンデモニウム(召喚不能)  第一行動方針:クジャを倒す 第二行動方針:スコールを探す+首輪解除手段を探す 最終行動方針:ゲーム脱出】 【クジャ(HP 6/7程度) 所持品:ブラスターガン 毒針弾 神経弾  第一行動方針:まずジタンを殺す 第二行動方針:皆殺し 最終行動方針:最後まで生き残る】 【現在位置:アリアハン城外】 【リュカ(HP 3/5程度) 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ スナイパーCRの残骸  第一行動方針:不明 第二行動方針:クジャを倒す  基本行動方針:家族、及び仲間になってくれそうな人を探し、守る】 【現在位置:アリアハン城堀】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。