「270話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「270話」(2008/02/16 (土) 16:04:18) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*第270話:流転
レーベの村。
ローグと再会して暫くした後、アルスは暫く空を眺めていた。
正直、アルスはまだ迷っていた。
バッツの言葉も、シドの言葉も、自分には大切なことだと思える。
だが判っているはずだ。正義を救い悪を斬らなければならない、それだけの事。
それだけだが、この状況では形容しがたい迷いが生まれてしまう。
アルスはそう思い、考え、悩んでいた。
「おい、出発だ。用意しろ」
ふと気づくと、隣にシドがいた。
彼の言った言葉に、アルスは少し違和感を覚える。
「彼女は…どうする?」
「あいつはイクサスに任せることにした。俺らといてもメリットあると思うか?」
「確かに戦力としてはあまり有難くは無い印象だったが……」
「つーかお前と一緒に行動するのが苦痛だと思うぞ」
確かにそうだ、と納得する。寧ろ納得せざるを得なかった。
アルス達には専門的な薬の知識があるわけではない。
だからここは双方に不利益のないようにする事を重点に置いた。
その結果が、アルスとシドの2人だけでの出発なのだ。
ふと、アルスはここで気になったことがあった。
それは先程のシドの落胆振りだ。
放送を聴いてから、かなり落ち込んでいた。
今はそんな素振りすら見せないが……。
「ほら、扉が消えねぇ内にさっさと行くぞ」
「あ、ああ…わかった」
アルスの考えを途中で堰き止めるかのようにシドが歩き出した。
そしてそれに続くように、アルスも村の中心へと向かっていった。
「あ、これやるよ。お前の為にあの家から2冊くらい取ってきた…どうせ好きなんだろ?」
「フッ…この僕が官能小説で喜ぶと思ったのか?全く、くだらないな……まぁ、貰うけど」
「貰うのかよ」
少しして、そんな無駄話をしていた時だ。
アルスは村の入り口に誰かがいるのを見た。
一見貴族風の男。少し疲れているのか、座って休んでいる。
だが相手もこちらに気づいたようだ。
男はすぐに立ち上がって、何かを構えた。
そして奇妙な音が聞こえると、シドがすぐに左肩を抑えた。
苦しがっている。あの男が何かをしたのか。
「おい、シド!?」
「チ……ッ!拳銃か……」
「けんじゅう?けんじゅうとは何だ!?」
「遠くから相手を殺すために作った武器だ!逃げたほうが良い、急いで扉に入るぞ!」
確かに今の彼らの武器では無理だろう。
それに今の解説でアルスが拳銃を完全に理解したとは言えない。
大規模な戦闘になる前に逃げるのが得策だ。
そうしている間に男は、今度は剣を持ってどんどん近づいてくる。このままではマズい。
――――少し時間が前に戻るのだが。
デールは思いのほか早くレーベに辿り着いた。
そして村の入り口で休憩をしていると、あの2人に気づいたのだ。
壊せるときに壊しておかなければ、このゲームでは生き残れない。
デールはマシンガンを構えた。そして照準を合わせ、引き金を引く。
狙い通り、相手の肩に当たったようだ。
そして一気に仕留める為、これを期にデールは走った。
アポカリプスを構え、更なる追撃を狙う――――
そして今に至る。
アルスはドラゴンテイルとドラゴンシールドを構え、デールの斬撃をシールドで受け止めた。
よく見てみれば、剣での戦闘に慣れていないのか攻撃が稚拙だ。
まともに接近戦でやり合えば勝てるかもしれないが、相手の未知なる武器のこともある。
そして隙を突いてドラゴンテイルで距離を取った後、すぐにアルスは叫んだ。
「今だ、いくぞ!」
そしてそのままアルスとシドは扉へと飛び込んだ。
取り残されたデールは、してやられたと悔しがる。
だが、間髪入れずに自分も扉へと入っていった。
そして光に包まれて、3人は消えていった。
【アルス 所持品:ドラゴンテイル ドラゴンシールド 番傘 官能小説3冊
第一行動方針:イクサスの言う4人を探し、PKを減らす 最終行動方針:仲間と共にゲームを抜ける】
【シド(左肩負傷) 所持品:ビーナスゴスペル+マテリア(スピード) ロープ
第一行動方針:同上 最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:新フィールドへ】
【備考:食料多】
【デール 所持品:マシンガン(残り弾数1/3) アラームピアス(対人) ひそひ草 アポカリプス+マテリア(かいふく) リフレクトリング
第一行動方針:新フィールドでも虐殺 第二行動方針:皆殺し(バーバラ[非透明]とヘンリー(一対一の状況で)が最優先)】
【現在位置:新フィールドへ】