167話

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*第167話:静かなる・・・ 鳥の鳴き声が途絶えたのはいつだったか。 けたたましく、響きわたっていた、フクロウの声はどこへ消えたか。 ザックスは上方を仰いだ。 さくり、と草を踏む普段は気にもならないような音がやけに騒々しく聞こえる。 ザックス達3人はマシンガンによる奇襲者から少しでも距離を稼ぐべく、 さらに樹々の間隔がせばまった感のある 森の奥地へと入り込んでいた。 押しつぶされそうに濃い緑の間からもれる月の光は、ほんのわずかしかない。 「……静かですね」 シンシアがささやくように言った。互いの呼吸音さえ鮮明に聞こえる程の静寂の中で、地声は不要だった。 「そうだな…」 しん、と澄みわたる空気に、自分の呟きが吸い込まれていくような。 そんな錯覚をおぼえながらも、ザックスは別のことを考えていた。 「ザックス?」 自分の緊張が伝わったのか、ランドが不安そうに声を揺らした。 「……知ってるか、ランド」 肩に引っかけたザックを、わざと音を立てて担ぎなおす。 「音のない森には何もいないんじゃない。何かがいるんだ」 森に住む生物は、食物連鎖の上位に立つ存在を確認したとき、いっせいに息を潜める。 ここに餌になるものは居ないのだと、主張するかのように。 「それってつまり…」 「…ああ、オレ達の他にも誰かがいるってことだ。それも割と近くにな」 ランドの喉が緊張のためかごくり、となった。 ――そしてシンシアの持つ対人レーダーに新たに2つの反応を捕えることになるのは、 間もなく数秒後のことだった。 【ザックス 所持品:スネークソード 毛布   第一行動方針:襲撃があった場所から離れる 第二行動方針:主催者に一泡吹かせる】 【シンシア 所持品:万能薬 対人レーダー 煙幕×2 毛布   行動方針:ザックスについて行く】 【ランド 所持品:オートボウガン 魔法の玉 毛布   行動方針:ザックスたちについて行く】 【現在位置:アリアハン北部の森奥地】

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