505話

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*第505話:辿りついた先で 散乱した枝切れと茂る雑草、暗闇で足場の悪い森の中をザックスは急ぎ足で進んでいた。 ザックス自身考えようとしないが、必要以上に急ぐ理由はない。 ただ、立ち止まればすぐにそこに死んだトモダチ達が現われ、自分はその最期を看取ろうとするのだ。 足を次から次へと踏み出すことで、何もかも足の裏の感触に紛れていく。 神経質なほどに汗を拭う。だが思考は止まらない。 もし歩いていく先に誰かに会うとしたら、誰に会いたいのだろうか。 守れなかったこと。 うかつにも、自分の想像力の乏しさがイザと別れた時吹っ切ったハズのそれを引き起こした。 ふと暗闇の中に、一番会いたい人間が浮かぶ。そして会いたくない。 シンシアはどうしたと聞けば、その先に彼は何と言うだろう? (エドガー) お前が居なかったからだ、と罵るだろうか。 森を抜け、しばらく南に歩いたところで一定だった歩調のペースがつと、落ちる。止まりはしないが緩やかに。 ふわり、と何かが焦げたような臭いが漂う。 それが鼻孔を刺激した瞬間、ザックスは奇妙な胸騒ぎを感じた。 更に数分歩いたところでザックスは1人、目的地であるカズスの村の前に立った。 まず、あまりにこげ臭いのでおかしいと思った。 臭い自体は先ほどからの臭気で鼻が慣れてきたところだが なお気になるほどの臭いなのだから、尋常のものではない。 (………?) 場所を間違えたのでは、というある種の希望もすぐに打ち砕かれた。 ザックスは闇を透かして周囲を見回した。すでに目は暗さに慣れている。 あちらこちらに転がった瓦礫や建物の残骸、地面を抉ったクレーターのような痕跡。 ここがカズスの村だったのは、疑いようがない。 ザックスは直感的にエドガーはここにはいないと悟った。 一つの村がこれだけ瓦礫の山になるほどの惨状だ。 恐らく大規模な戦闘がこの村で行われていたのだろう。 そんなところにエドガー程の切れ者が留まっているとは考えにくかった。 (いや、それよりもむしろ・・・) ――犯人は現場に戻ってくる―― ザックスの頭の中にそんなフレーズが浮かんだ。 この村でエドガーを探すのかそれとも出て行くのか。果たして、ザックスは―― 【ザックス(HP1/3程度、口無し状態{浮遊大陸にいる間は続く}、左肩に矢傷)  所持品:バスタードソード  第一行動方針:葛藤 基本行動方針:エドガーを探す  最終行動方針:ゲームを潰す】 【現在地:カズスの村】

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